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[GC 2007#098]「Overclocked」は,ホラーファンを満足させる良質なサイコ・アドベンチャー
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印刷2007/08/26 23:07

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[GC 2007#098]「Overclocked」は,ホラーファンを満足させる良質なサイコ・アドベンチャー

 「The Mystery of The Druids」や「The Moment of Silence」など,一貫してストーリー重視のアドベンチャーゲームを開発し続けるHouse of Talesの最新プロジェクトが,心理的な恐怖感を刺激するサイコスリラー「Overclocked」だ。販売はdtp Entertainmentが行い,ドイツ語圏では10月中にもリリース予定となっている。

 Overclockedの舞台となるのは,記録的な雷雨の続くニューヨーク。米軍のプロジェクトを辞職してフリーランスのカウンセラーとなった精神科医デイブ・マクナマラが主人公となる。
 物語は,デイブが突如病院からの呼び出しを受け,ニューヨーク中に散らばる5人の患者の世話を要請されるところから始まる。みな何かに激しく怯えている様子で,記憶喪失や銃の保持といった共通点のある人物。デモで紹介された女性は,自分の名前さえ憶えていない様子だった。
 デイブに与えられた仕事は,1人1人に催眠術をかけて,何者なのか,何が起こったのかを7日間のうちに探り出すというものだが,患者達と面会しているうちに,デイブ自身も心身の異変に気付き始める……。




 Overclockedはベーシックなポイント&クリック型アドベンチャーだが,面白いのは患者達の過去を解き明かしていくうえで,時系列的なストーリーが逆に進行していくという,映画「メメント」のような演出になっていることだろう。プレイヤーは,デイブと患者達合計6人を操作することになり,合計で45か所の地域にわたってストーリーが展開していく。

 グラフィックスは緻密に描かれていて,画面の枠は雨粒が水たまりに落ちてしぶきを上げているような,雨天の模様で統一されている。本作では3Dムービーのカットシーンが多いようで,キャラクター達の心理描写が,表情の微妙な変化までを加えて描かれているのが,どこか映画を意識したような演出で面白い。本作は10月中のリリースとなっているが,ドイツ語圏以外での正式な販売は決定していない。(ライター:奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    Overclocked: A History of Violence

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