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[GC 2007#073]「Assassin\'s Creed」の開発者にミニインタビューを敢行
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印刷2007/08/26 14:08

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[GC 2007#073]「Assassin's Creed」の開発者にミニインタビューを敢行

 Games Convention 2007会場での「Assassin's Creed」(邦題 アサシン クリード)は,先のE3 Media and Business Summit 2007(E3 2007)で公開済みのムービーデモの展示に留まっていた。12世紀末の第三次十字軍遠征を扱っているためかどうかは分からないが,ヨーロッパでの人気も高いようで,Ubisoftの商用ブースは黒山の人だかりだった。
 今回4Gamerでは,短い時間ではあったが,Ubisoft Montrealオフィスでアニメーション部門を統括している部門マネージャー,Elespeth Tory(エルスペス・トリー)氏に話を聞く機会を得た。とくにアニメーション部分について詳しく聞いているので,本作に興味のある人はぜひ目を通してほしい。(ライター:奥谷海人)

4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。

Ubisoft Montrealオフィスでアニメーション部門を統括している部門マネージャー,Elespeth Tory氏
Elespeth Tory氏(以下,Tory氏):
 こちらこそ。Ubisoft MontrealオフィスのAssassin's Creedチームでアニメーション部門のプロジェクトマネージャーをしているElespeth Toryです。スコットランド語の“エリザベス”なんだけど,読みにくい名前でしょ(笑)。アニメーター達の仕事の管理やほかの部門とのコーディネートを主にやっています。

4Gamer:
 では早速Assassin's Creedについてお聞きします。本作のオリジナルコンセプトはどのようにして生まれたものなんでしょうか?

Tory氏:
 Assassin's Creedの開発チームはもともと「Prince of Persia: Sands of Time」を作っていたチームです。次は進行ルートが決まっていない“自由な動き”のできるゲームを作りたいと思っていたんです。あと,中東文化にこだわりのある人が多くて,シリーズものではない新しい作品を作りたいというのが,ディレクターをはじめ多くのメンバーの共通した意見でしたね。
 技術的にはあのバザールの雑踏を表現したいというところからスタートしました。アニメーター達は,体の大きさや太さによって歩き方を変えるとか,あまり気づかれない部分でもかなり貢献しているんですよ。



4Gamer:
 Assassin's Creedのストーリーは第三次十字軍の遠征の頃がテーマですよね。

Tory氏:
 はい。1192年のダマスカス,エルサレム,そしてアッカの三都市が舞台の中心になっています。

4Gamer:
 ストーリーは,史実や実在した人物と何か関連があるのでしょうか?

Tory氏:
 ありますよ。実際,Assassin's Creedでは9人の大ボスを倒すことになりますが,その9人はすべて実在した人物です。実際に,彼らがAssassin's Creedで描かれた街で死んだことは確かなのですが,それ以上深いことはほとんど分かっていないですからね。そのあたりはゲームとして脚色しています。それから主人公のアルタイルが実際に起きた大きな戦闘で重要な役目を担っている場面もあります。

4Gamer:
 ゲームはいかにもオープンエンドなゲームに見えますが,プレイヤーキャラクターが行けないような場所はあるのでしょうか?

Tory氏:
 意味にもよりますが,基本的にプレイヤーが行きたくていけないところはほとんどありません。遠くの丘を見て「登ってみたい」なんて思われるでしょうが,そういう願望にできるだけ多く答えられるようにしたいですね。
 ただ,絶対に上れない壁や海などで境界を作り,プレイヤーを自然に誘導できるようにはしています。ゲームデザインとして問題になるのは,あまりにも自由に散策できるようにすると,ストーリーを進めていくうえでまだ会ってはいけない人物と会ってしまい,その後の進行に何かしらの影響が出てしまう可能性もあるということです。我々開発チームでは,そんなことが起こらないよう最善を尽くしています。



4Gamer:
 ゲームには馬が登場し,E3の折にリリースされた映像では主人公が馬に乗って人を斬っているところが描写されています。街を行き交いするだけの輸送手段ではないということですね?

Tory氏:
 そうですよ。馬を街に乗り入れることはできないのですが,街の外では馬を広大な大地で走らせたいと思っていましたから。とはいえ,単なる移動手段では味気ないので,街の外でも,プレイヤーが飽きないような何かしらの仕組みも用意してあります。

4Gamer:
 E3時のデモでは,アクションシーンでがっかりした人も多かったと聞いていますが,そのあたりについてはどうでしょう。

Tory氏:
 期日に間に合わせるために出したデモの完成度が低すぎたかもしれませんね。とくにアクションシーンでは,剣を振るシーンや複数の相手に囲まれたシーンで動作が不自然だったりと,いくつかの指摘を受けたのは事実です。まだ発売前ですから,そういう意見はしっかりと聞いて,多くの人に満足してもらえるよう調整していこうと思っています。

4Gamer:
 剣といえば,アルタイルが使える武器も何種類かあるようですね。

Tory氏:
 長剣と短剣,そして投擲用のナイフですね。ちなみに,デモに出てきた奴隷商人の一味が使っているクロスボウは,アルタイルは使えません。

4Gamer:
 Leap of Faith(高所から飛び降りるムーブ)は非常にスリリングなのですが,どのように発動されるのでしょうか?

Tory氏:
 あれは,高いところから飛び降りればどこでも成功するというものではありません。下に何かしらのクッションがなければダメなのですが,逃避行中のプレイヤーが逐一見下ろして確認しなくてもよいように,建物の縁に鳩の群れが止まっていたり,近くを舞っていたりするのがキューになります。あ,これ本当は裏技情報なんですけど(笑)。



4Gamer:
 アニメーションをやっているToryさん自身が気に入っているアルタイルの仕草ってありますか?

Tory氏:
 派手なアニメーションではないのですが,屋根の端っこなんかでアルタイルがしゃがみ込んでポーズを取るような仕草ですかね。あれ,なんか格好良いと思いませんか?

4Gamer:
 最後に,Assassin's Creedに興味を持っている読者に向けて,メッセージをお願いします。

Tory氏:
 そうですね。Assassin's Creedは,皆さんに喜んでもらえるように,そして自分達の生み出したゲームソフトとして妥協しないように,さまざまな新しいことに挑戦している作品です。それがすべて成功するとは限りませんが,とにかく皆さんに新しい次元のアクションを楽しんでいただきたいと思います。やはり,ゲームはプレイしてもらってこそ価値の出るものですから。

4Gamer:
 お忙しいところ,どうもありがとうございました。

  • 関連タイトル:

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