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Access Accepted第580回:ゲーム業界の最重要イベント,「E3 2018」を振り返る
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印刷2018/06/25 12:00

業界動向

Access Accepted第580回:ゲーム業界の最重要イベント,「E3 2018」を振り返る


 2017年から一般客の入場が可能になり,2018年は7万人近い来場者を記録した「E3 2018」。世界中のゲーム関係者にとって6月は1年で最も重要な月であり,ゲーマーにとっても,年末から来年にかけての新情報が次々に公開される,非常に大切なゲームイベントだ。発表されたラインナップからは新作タイトルが年々大型化していく傾向が窺えるが,E3そのものは相変わらず方向性が定まっていないようにも見える。そんなE3 2018を振り返ってみたい。


サプライズは少なかったものの,超大作がズラリと並んだ「E3 2018」


 北米時間の2018年6月12日〜6月14日に開催された「E3 2018」は,欧米だけでなく世界のゲーム業界にとっても最重要なイベントだ。そんなE3 2018も無事に閉幕し,4Gamerの特設ページに目をとおしてくれた読者の皆さんも,情報を消化し終えて落ち着いている頃だろう。4Gamer編集部もE3取材班も,ようやく一息入れたところだ。
 E3を運営する北米の業界団体ESA(Electronic Software Association)の発表によると,2018年の参加者は,一般客を含めて6万9200人で,昨年に比べて微増。200以上の出展社が3250のソフトウェアとハードウェア,そして関連製品を展示したという(関連記事)。

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4Gamer「E3 2018」特設ページ

「E3 2018」公式サイト


 今回は,世界最大の量販店チェーンであるウォルマートのカナダ向けオンライン予約サイトで,Bethesda Softworksの「RAGE 2」,Microsoft Gamesの「Gears 5」,スクウェア・エニックスの「ジャストコーズ 4」などの存在が明らかにされてしまったことなどもあり,個人的には,驚くような新発表はほとんどなかったといえる。

 「サイバーパンク 2077」「Anthem」「Ghost of Tsushima」,そして「Crackdown 3」の詳細発表は予想されていたことだし,「アサシン クリード オデッセイ」「Fallout 76」など,E3直前にアナウンスされたタイトルも少なくない。しかしその分,「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」「JUMP FORCE」「仁王 2」「バイオハザード RE:2」「Devil May Cry 5」,そして「THE QUIET MAN」などの日本産タイトルに注目が集まったようにも思える。

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 気が早いかもしれないが,今年の年末は超大作が集結するショッピングシーズンになりそうだ。
 ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「Marvel’s Spider-Man」(9月7日)を皮切りに,Ubisoft Entertainmentの「アサシン クリード オデッセイ」(10月5日),Activisionの「Call of Duty: Black Ops 4」(10月12日),Electronic Artsの「Battlefield V」(10月19日),Rockstar Gamesの「レッド・デッド・リデンプション2」(10月26日),そしてBethesda Softworksの「Fallout 76」(11月14日)など,ミリオンセラーが約束された大型タイトルが続く。さらに,ターゲット層は異なるものの,任天堂の「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」が12月7日に,スクウェア・エニックスの「KINGDOM HEARTS III」が2019年1月25日に市場投入される。

 実際問題,これらのタイトル以外にゲーマーが割いてくれる貴重な時間があるのかどうか疑問になってくる。年末年始に新作を発売するほかのメーカーは,かなり苦しい立場に立たされるだろう。巨額の開発費と人材を投入した,いわゆる「AAAAタイトル」と,それ以外の作品との差がさらに開きつつあり,「欧米ゲーム業界のハリウッド化」が進行しているようだ。もちろん,上記のビッグタイトル同士でも,セールスで足の引っ張り合いが起きる可能性が高い。

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 視線をさらに先に向ければ,CD Projekt REDの新作「サイバーパンク 2077」のデモが,制作発表から4年を経て公開され,Kojima Productionsの「DEATH STRANDING」で公開されたトレイラーが注目を集めていたし,Sucker Punch Productionsの「Ghost of Tsushima」やRemedy Entertainmentの「Control」など,早くとも2019年後半から2020年に発売されると思われる作品もE3 2018で大きなプレゼンスを示していた。独立系デベロッパのタイトルを十分にチェックできる時間はなかったものの,Raw Furyの「Sable」やNolla Gamesの「Noita」,そしてBlindside Interactiveの「Maneater」などは,多くのゲーマーに,「プレイしてみたいと思わせる何か」を持っていた。


ストリーミング重視のメディアイベント


 さて,昨年のこの時期に掲載した本連載の第541回,「E3 2017取材を終えて。誰のためのゲームイベントなのかを考える」でも述べたことだが,長年このイベントを取材してきた筆者としては,どうしても最近のE3に対してネガティブな意見を持ってしまいがちだ。老害だと言われるかもしれないが,今回のE3にもまた,奇妙な印象を持たざるを得なかった。

 「E3の90%は,E3開催前に終わる」と断言してもおかしくないほど,大手パブリッシャが開催前に行うイベントの比重が高まっているが,残念ながらソニー・インタラクティブ・エンタテインメントが行った「PlayStation E3 Media Showcase」に筆者は高い点数を付けることができない。視聴した人も少なくないと思うが,大きく取り上げられたのは事前に告知された数タイトルだけで,それ以外の,例えば「Concrete Genie」などの自社パブリッシングタイトルやインディーズゲーム,さらにPSVR向けの面白そうな作品は扱いが非常に小さかった。

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 ほかのPlayStationタイトルの開発者達に対する精神的ダメージも少なくないはずで,なぜこのようなマーケティング戦略を採用したのか疑問に思う。さらに困ったのは,おそらくストリーミング配信では分からなかったはずだが,新作タイトルを見るために関係者やメディアが会場内をあちこち移動させられたことだ。
 参加者は,なるべく先に行って少しでも良い位置で見ようと小走りになり,4Gamer取材班からは「最後はヘトヘトになり,誰も笑っていなかった」という,まさに笑えない話も聞こえている。同社のイベントは昨年,「ただビデオを見るだけ」と批判されたが,実際問題,現地に行かずにストリーミング配信を視聴したほうがより多くの情報を得られらたのではないかと思う。

 対してBethesda Softworksは,不評だった昨年のイベントを修正してきた。「BE3#」(2018 Bethesda E3 Showcase)の会場は,E3 2018が行われるロサンゼルスコンベンションセンターの近くに移され,参加者が席取り合戦を行わなくてもいいように座席を指定するという,おそらくE3関連のメディア向けイベントでは初となるシステムになっていた。
 アリーナ風の会場は,どの席からもスクリーンがよく見えるように幅のあるものが使われていたし,あのアンドリューW.K.がパフォーマンスを披露して「RAGE 2」を盛り上げ,続いて開発者が入れ替わりで登壇して新作をアピールするという,今となっては古風ともいえるフォーマットが採用されていたことも嬉しいポイントだ。
 忙しい取材の最中にもかかわらず,イベントで語られたトッド・ハワード氏の言葉をすべて訳出したくなった(関連記事)のも,メディアイベントの価値がストリーミングショーなどではなく,「新情報」の開示にあることを思い出させてくれたからだ。

Bethesda Softworksの「#BE3」。やはり,こういうスタイルのイベントでないと,メディアとしては参加する意味がないと思う
Access Accepted第580回:ゲーム業界の最重要イベント,「E3 2018」を振り返る

 例年,手数の少なさを指摘されるMicrosoftも,「The Xbox E3 2018 Briefing」ではかなり頑張っていた。15本におよぶ「ワールドプレミア」(世界初公開。エクスクルーシブという言葉を使えないのは,もちろん,ほかのプラットフォームでもリリースされるため)という呼称にやや苦しさをにじませてはいたが,それでも18作のエクスクルーシブタイトルを含む総計50の新作を紹介。さらにXbox Liveの最新アップデートや,正式発売がいつになるかは分からないが,次世代Xboxの開発を匂わせるなど,緩急に富んださまざまな発表を行ったことで多くのXboxファンは溜飲を下げたのではないだろうか。Bethesda SoftworksとMicrosoftのブリーフィングが,筆者的には今年のベストといえる。

Access Accepted第580回:ゲーム業界の最重要イベント,「E3 2018」を振り返る

 以上,かなり主観的なE3プレイベントの概要になってしまったが,ご容赦を。E3 2018の輪郭がつかめるような客観的なデータを最後にいくつか紹介しておくので,こちらも参考いただければと思う。もっとも,ソーシャルメディアやリサーチ会社は今のところ,あまり多くのデータを発表していないのだが。


最も多く視聴されたE3のプレイベント

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 今年はTwitch,YouTube共にデータを出していないので,ビューの数を自分で確認してみた。数字はライブ配信の際のビューカウントではなく,6月22日までに視聴されたものの累積再生数になる。ただし,任天堂の「Nintendo Direct」はTwitchの公式アカウントにアーカイブがないので,リストに入っていない。
 YouTubeでBethesda Softworksのイベントが突出しているのは,情報が高密度で公開されたからだろう。多くのファンが,何度も見直して楽しんでいるのだ。


ソーシャルメディアで最も話題になったキーワードは「Microsoft」

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 Brandwatchというリサーチ会社が公開したデータでは,多数の新作を紹介したMicorosftが首位に立っている。データ収集日がなぜか北米時間の6月11日と12日に限定されており,10日にメディアブリーフィングが行われたElectronic Artsと,12日に配信が行われた任天堂にとっては,明らかに不利なデータではある。


最もツイートされたトピックは「Nintendo」

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 Twitterが公開したデータで,「最もツイートされたトピック」はNintendoで,Xboxと続き,「最もツイートされた新作ゲーム」は「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」だった。ちなみに,昨年最も人気のハッシュタグは「#MHWorld」で,こうしたことから,日本産ゲームの根強い欧米のファン層がTwitterで頻繁にコミュニケーションをとっている様子が窺える(関連記事)。
 公式Twitterブログにはツイート数の国別ランキングもあり,日本はアメリカに次ぐ2位になっている。


ソーシャルメディアで最も話題になったのは「Fallout 76」

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 独自のAIでデータ収集するリサーチ会社Synthesioが公開した,さまざまなソーシャルメディアで最も話題になった新作ゲーム。結果は「Fallout 76」と「KINGDOM HEARTS III」が双璧で,「Cyberpunk 2077」「JUMP FORCE」「ディビジョン 2」が続く形となった。
 Twitterのデータにあった「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」や「The Last of Us Part II」がランクインしていないのが不思議だが,ゲームによってファンの利用するSNSが異なるということなのだろうか。

著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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