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Access Accepted第718回:「GDC 2022」が開幕。IGFの大賞にノミネートされた6作品を紹介
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印刷2022/03/21 10:30

業界動向

Access Accepted第718回:「GDC 2022」が開幕。IGFの大賞にノミネートされた6作品を紹介

画像集#004のサムネイル/Access Accepted第718回:「GDC 2022」が開幕。IGFの大賞にノミネートされた6作品を紹介

 北米時間の3月21〜25日までの5日間にわたり,1988年から続くゲーム開発者会議であるGame Developers Conference 2022が,今年はオンラインだけでなくオフラインでも併催される。久々に多くのゲーム業界関係者がサンフランシスコの地に集い,その成果や課題を語り合うことになるが,この開催期間中に行われるインディーズゲームの祭典「Independent Games Festival」の大賞にノミネートされている個性的なタイトルを紹介しておこう。


3年ぶりにオフラインで開催されるGDC 2022


 2019年12月に発生が確認されたことから「COVID-19」と呼ばれるコロナウイルスが,日本でも初めて確認されたのは2020年1月16日のこと。今となってはずいぶん昔のように感じられるが,当時は中国政府やWHO(国際保健機関)がヒトからヒトへの感染を認めていなかった。アメリカ最初の感染例となったのは,ワシントンDCで確認された1月20日のことで,その後はニューヨークなどで医療体制がひっ迫し,ようやく3月11日になって国家非常事態が宣言された。

 例年,春から秋にかけてはゲーム関係のイベントが立て続けに開催されるが,COVID-19の影響を最初に受けたのが,毎年3月に開催されるゲーム開発者会議「Game Developers Conference」(GDC)だった。運営元であるInforma Techは,ソニー・インタラクティブエンタテインメントやMicrosoftなどスポンサーでもある企業群が参加自粛を発表し始めていたことを受け,宣言に先立つ2月28日にイベントの延期をアナウンス。セッションの大半は夏へと延期されたものの,一部のセッションはなんとか当初の予定通り開催された。その経験もあってか,昨年のGDC 2021ではさらにしっかりとしたバーチャルイベントに昇華させていた。

 そんな,今年で36回目となるGDC 2022が,3年ぶりにオフラインでも開催される。具体的には,セッションの多くは現地での公演をストリーミングするというスタイルとなり,規模は縮小されているもののエキスポフロアが公開され,企業やインディメーカーのブースも展示される予定だ。

3年ぶりに,サンフランシスコのモスコー二・コンベンションセンターで開催されるGDC 2022。4Gamerでもしっかりカバーする予定なので期待してほしい
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生涯功労賞を受賞する堀井雄二氏 (GDC公式ツイッターより)
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 24日(アメリカ時間23日)には,恒例の第22回Game Developers Choice AwardsとIndependent Games Festival Awardsの発表も行われる。すでに本誌でも紹介しているとおり(関連記事),今年のLifetime Achievement Award(生涯功労賞)には,「ドラゴンクエスト」の生みの親として国内外のゲーム市場やゲームデザインに大きな影響を与えてきた堀井雄二氏が選出されている。堀井氏は,日本人としては2015年の坂口博信氏以来の受賞となるが,今回は障がい者の立場でゲームを評価するなどし,ゲーム業界に影響を与えてきたスティーブン・スポーン(Steven Spohn)氏とのダブル受賞という形式になるようだ。

画像集#003のサムネイル/Access Accepted第718回:「GDC 2022」が開幕。IGFの大賞にノミネートされた6作品を紹介

 Game Developers Choice Awardsは,その名称どおりにゲーム開発者たちの投票によって選ばれるもので,大賞であるGame of the Year賞には,今年はDaniel Mullins Games/Devolver Digitalの「Inscryption」,Playground Games/Xbox Game Studiosの「Forza Horizon 5」,Arkane Studios/Bethesda Softworksの「Deathloop」,Hazelight Studios/Electronic Artsの「It Takes Two」,そしてカプコンの「バイオハザード ヴィレッジ」が候補に挙がっている。
 もう一方のIndependent Games Festival Awardsは,実はGame Developers Choice Awardsよりも早い1998年から授賞式が行われている独立系メーカーのためのイベントだ。最近では「Inscryption」や「It Takes Two」のように,大きなパブリッシャがインディ作品の販売を手掛けるというケースも増えているので重複する傾向もあるが,2021年度にリリースされた作品の中から400作がエントリーされ,さらにその中から厳選された6作品が,大賞であるSeumas McNally Grand Prizeにノミネートされている。
 今回はその6作品を紹介しよう。例年どおりユニークな作品が選ばれているので,気になる人発表前にチェックしてみてほしい。

■Inscryption
開発元: Daniel Mullins Games
公式URLhttps://www.inscryption-game.com/


 「Slay the Spire」以降,良質なカードデッキ構築型のアドベンチャーゲームが続々とリリースされているが,「Inscryption」はさまざまな意味でカードゲームのファンを裏切ってくれるゲームだ。目の前の対戦相手がうっすらと見えるだけのような,不気味な雰囲気の中でカードを使ったローグライクなアドベンチャーを楽しむゲーム……かと思いきや,実際にカードをプレイしている小屋の中を歩き回れるようになり,パズル系脱出ゲームに変貌する。まさにプレイヤーを別次元に引き込んでいくような,目前でゲームが突然変化する不思議なゲームデザインを体験できる。



■Unpacking
開発元: Witch Beam
公式URLhttps://www.unpackinggame.com/


 「Unpacking」は,引っ越しのために段ボール箱の中に入れられたものを,新居の適切な場所に置いていくという,カジュアルなゲームだ。本を本棚に,靴は下駄箱の中に入れ,トースターはキッチンカウンターの上といった具合に,色や形の組み合わせを自分なりに考慮しながら,ブロックを組み合わせるような感覚で設置していく。ベッドルーム,リビング,トイレなど部屋の1つ1つがステージとなっており,8件の引っ越しの荷ほどきを行う中で,自分の知らない世界がほのかに感じられるというストーリー性もある。報酬を気にせずにユルくプレイするZen(禅)的な要素と,物語のバランスが心地良い。



■Loop Hero
開発元: Four Quarters
公式URLhttps://loophero.com/


 2015年に“ボタンを押すだけ”のシュールな作品「Please, Don’t Touch Anything」でデビューしたFour Quartersの新作となる「Loop Hero」は,時間の概念がない永遠のループが続くだけの世界が舞台で,主人公が世界を冒険し,終わりのない絶望の循環の破壊を目指すというゲームだ。ゲーム開始直後は何もないシンプルなループ世界だが,環境を変化させるカードを使うことで拡張されていくので,プレイヤーは新たに待ち受ける敵のドロップアイテムを求めてさまよい続けることに。いわゆる“ダンジョンクロール”の大部分を自動化してしまっているため,タイルのシナジー効果を考えてカードを設置したり,集めた資源で生存者たちのベースキャンプをアップグレードしていく,箱庭的な楽しさにも比重が置かれている。




■The Eternal Cylinder
開発元: ACE Team
公式URLhttps://www.eternalcylinder.com/


 チリのACE Teamが開発した「The Eternal Cylinder」は,“シリンダー”と呼ばれる輪転機のような長大な古代兵器が,全てをなぎ倒しながら移動し続けている不思議な惑星が舞台。プレイヤーは食べ物やミネラルを吸収することによって自在に変化していく“トレバム”というクリーチャーの一団を引き連れて,この危険な世界を生き抜いていく。トレバム以外の奇妙な生物たちの暮らし,お互いを捕食し合うなどエコシステムがリアルタイムで再現されているほか,パーティクル表現や破壊効果などテクノロジー面でも見ごたえのあるオープンワールドに没入できる。


■Cruelty Squad
開発元: Consumer Softproducts
公式URLhttps://twitter.com/CSoftproducts


 フィンランドのConsumer Softproductsがリリースした「Cruelty Squad」 は,サイケデリックなカラーチョイスと,ロケットジャンプなどを駆使するオールドスクールな雰囲気が目を惹くFPSだ。インディーズらしさ全開の作風で,プレイヤーは雇われの暗殺者となって各ステージのどこかにいる複数のターゲットを始末していく。19のミッションそれぞれで,ショッピングモールやオフィスビルなどの異なるマップが用意されており,どのようにアプローチしていくのかはプレイヤー次第というサンドボックス型のゲームプレイが楽しめる。集めた臓器を売りさばいては肉体を強化するアイテムを購入し,時には自分がキルした死体を貪って体力を回復するというような,トンデモ要素が詰まったキケンなゲームなのだ。


■Unsighted
開発元: Studio Pixel Punk
公式URLhttps://www.humblegames.com/games/unsighted/

 Studio Pixel Punkの「Unsighted」は,人間との戦いに明け暮れていたアンドロイドたちに,ロボットの意識の源になっていた資源が枯渇し始めたというアポカリプスが迫る世界で,主人公のアルマが5つのキーアイテムを探し求めていくことになる。16bit時代のゼルダをSF風にアレンジしたような世界観で,プレイヤーは近接型のメレー武器から遠距離型兵器までのさまざまなプレイスタイルを選択していくことが可能。面白いのは,アンドロイドに意識がなくなるまでのタイムリミットが存在するというゲームシステムで,プレイヤーは何度もプレイしながら最短での攻略法を見つけ出していくという楽しみもある。


著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
来週3月28日の「奥谷海人のAccess Accepted」は,筆者GDC 2022取材のため休載します。次回の掲載は4月4日を予定しています。
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