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【PR】SteelSeries製ヘッドセット「Arctis 7」徹底検証。 ワイヤレス&ワイヤード両対応モデルは,PS4との相性が抜群だった
2017年春に国内発売となったSteelSeriesの新世代ヘッドセットシリーズ「Arctis」(アークティス)は,非常に画期的な製品群だ。
ラインナップは「Arctis 7」「Arctis 5」「Arctis 3」の3モデルだが,40mmスピーカードライバー「S1」や,高反発マットレスとしてよく知られている「エアウィーヴ」素材を用いたイヤーパッド,双方向指向性のマイク,ヘッドバンドとクッション部が分離したデザインといった,音質および装着感を左右する仕様は全3モデルで共通。違いは接続周りとバーチャルサラウンドサウンド対応周りのみとなっているため,目的に応じて選びやすいというのが,大きな特徴である。
この分かりやすさと,期待を裏切らない性能がPCゲーマーの間で話題を呼び,SteelSeriesにとって久しぶりのヒット作となったことは記憶に新しい。
取り上げるのは,ワイヤレス接続とワイヤード接続の両方に対応するシリーズ最上位モデル,Arctis 7。主にPlayStation 4(以下,PS4)と接続した状態で,プロゲームチームMPKに所属するTaiga Yume選手の協力を得て,本機の実力を探っていきたい。
笑ってしまうほど装着感の良好なArctis 7
余談気味に続けておくと,Arctis 5はUSBとアナログのワイヤード接続対応なので,接続できる機器はArctis 7と同じ。アナログ接続になるArctis 3の場合は,PCのほか,据え置き型ゲーム機のゲームパッドやNintendo Switchなどに対応する。
冒頭で述べた,エアウィーヴを採用するイヤーパッド部のクッションは,「ゲーマー向けヘッドセットのイヤーパッド」を体験していればしているほど,その柔らかさに驚くはず。また,スチール製のアーチから独立したヘッドバンドは,スキーのゴーグルで採用されているのと同じ素材を使っているそうだが,これが頭部への圧力を見事に分散してくれる。
びっくりするほど柔らかく,肌触りもよいイヤーパッド。ご覧のとおりイヤーパッド部は“開き”にできる |
頭部用クッションは,ヘッドバンドとマジックテープを使って固定するタイプ。つまり,汚れたら外して水洗いできる |
ワイヤレス動作を実現するため,バッテリーを搭載するArctis 7の本体重量は実測約373gと,相応に重くなっているのだが,その重さを不快に思うことはまずないのではなかろうか。
付け加えると,イヤーパッドのクッションを覆うカバーはさらっとして肌触りがよく,ほぼ1日装着し続けてもベタつきは感じなかった。
マイクミュートのインジケータとなる赤色LEDは,内蔵バッテリーの電力を用いて光るため,「アナログ接続時は光らない」ということはない。また,ブームをエンクロージャへ格納した状態でも光り続けるが,ブームを完全に収納した場合は視界から消えるので,マイクを使わない前提でブームを格納した場合,LEDの存在を意識することはない。
マイクミュートの有効/無効は左エンクロージャ側面,後方寄りのところにあるプッシュボタンで切り換える仕様だ。プッシュボタンが若干飛び出て,赤色が見えている状態だとミュート有効(=マイク無効)で,ボタンとエンクロージャが面一(つらいち)になっている状態だとミュート無効だ。
右耳用エンクロージャ側には電源ボタンともう1つのダイヤルがあるが,これは「ChatMix Dial」(チャットミックスダイヤル)と呼ばれる,ボイスチャット相手の音声音量(「CHAT」)とそれ以外の音量(「GAME」)とのバランスを変更するためのものだ。
低弱高強で「ゲームにおける音情報」を聞き取りやすいヘッドフォン出力。ワイヤレス接続時の遅延は許容範囲に
テストに入ろう。4Gamerのヘッドセットレビュワーと言えばサウンドデザイナーの榎本 涼氏だが,今回筆者は氏のホームスタジオにArctis 7を持ち込み,「4Gamerのヘッドセットレビューなどにおけるヘッドフォン出力テスト方法」に準拠して出力の周波数特性と遅延を,また「4Gamerのヘッドセットレビューなどにおけるマイクテスト方法」準拠で入力の周波数特性と位相特性を行うことにした。もちろん,テストに用いる機材も榎本氏のレビューと揃えてある。
というわけで,まずは出力からである。
Arctis 7はUSBワイヤレスアダプターを用いてワイヤレス接続とアナログケーブルを用いたワイヤード接続に対応することから,両方で出力のチェックを行う。アナログ接続時に組み合わせるサウンドデバイスはCreative Technology製のPCI Express x1接続型カード「Sound Blaster ZxR」である。
差分画像の最上段にある色分けは,左から順に重低域(60Hz未満,紺),低域(60〜150Hzあたり,青),中低域(150〜700Hzあたり,水),中域(700Hz〜1.4kHzあたり,緑)中高域(1.4〜4kHzあたり,黄),高域(4〜8kHzあたり,橙),超高域(8kHzより上,赤)となる。
端的に述べると,ワイヤレス接続,アナログ接続ともに,低弱高強気味の特性だ。Arctis 5が軽いドンシャリだったので,特性は明らかに異なることになる。「音質を左右する部品はArctisシリーズを通して変わらない」というのがSteelSeriesの立場なのだが,バッテリーを搭載する分,エンクロージャの設計は多少なりとも変わっていて,それが音質傾向にも影響しているということなのかもしれない。
一方,高域の“山頂”を形成しているのは6〜7kHz付近で,音の存在感を左右することから「プレゼンス」(Presence,存在)と呼ばれる,1.4〜4kHz程度の特別な帯域(以下,プレゼンス帯域)を含みつつ,さらにそれよりも高いところが強くなっているのが目を惹くところだ。プレゼンス帯域が強いと耳への音のアタリが強く感じることも多いのだが,Arctis 7の場合は「その上」の帯域が強いので,違和感はない。
高域は12kHzあたりからどんどん落ち込んでいくが,20kHz付近でもまだ信号は残っている。とくにアナログ接続時はかなり残っている印象を受けた。
続いては遅延測定である。
リファレンス機材であるRME製USBサウンドデバイス「Fireface UCX」にSennheiser Communications製アナログ接続型ヘッドセット「GAME ONE」を組み合わせ,DirectSound出力させた状態を基準として,それと比べた場合に,ワイヤレス接続およびアナログ接続のArctis 7がどれだけ遅延するのかを見た結果が表である。
ワイヤレス接続時はDirectSoundで約100ms。実のところこのスコアはUSBワイヤード接続モデルであるArctis 5とほぼ同じスコアだ(関連記事)。「速い!」とまでは言えないものの,「多くのゲームで許容範囲」とは言っていいように思う。
筆者自身が体感的な評価を得るため,今回はPC版「Overwatch」を用いてテストも行ってみたが,ステレオでは左右,SteelSeries Engine 3から「DTS Headphone:X」の「ゲーム」プリセットを有効化するとサラウンドの定位がかなりしっかりするのを確認できた。とくにリアサラウンドの定位は優秀で,斜め後ろや真後ろから攻撃されたのを把握できる。バーチャルサラウンドの特性上,前方の定位感はやや弱いものの,それでも左右前方45度より真正面寄りの音もかなりの部分までその場所から鳴っているように聞こえたので,音源定位は優秀と言っていい。
Arctis 7は,ゲーム中に音源の位置を特定しやすくしたいと考えている人のため,プレゼンスや高域をしっかり再生するような設計になっているわけだ。
最後に,ステレオ音楽ソースによる音質傾向チェックを行ってみるが,波形が波形なので,プレゼンス帯域や高域は強く,低域は控えめに聞こえる。「歪みのない高音と,間違いなく存在しているが前に出てくる感じでもない低音の組み合わせ」といった印象だ。
音楽を聴いていて高域がちょっとキツいと思った場合は,SteelSeries製の統合ソフトウェア「SteelSeries Engine 3」のイコライザを使って,「3.9kHz」のスライダーを2〜3dB程度下げれば,ずいぶん落ち着いて聞こえるはずだ。音楽プレーヤーやスマートフォンなどとアナログ接続するときも,イコライザを弄ってみるといいだろう。
ワイヤレス接続時とアナログ接続時を比較した印象だと,プレゼンス帯域から高域にかけてはアナログ接続時のほうが若干耳に優しいが,これは組み合わせられるSound Blaster ZxR側のヘッドフォンアンプによる影響だろう。「ワイヤレス接続時はよりカリッとした音に,アナログ接続時はより柔らかな音になる」とは言えるかもしれない。
プレゼンス帯域のしっかりしたマイク入力
続いてはマイク入力である。ここでは周波数特性だけでなく位相特性も計測することから,リファレンス波形と計測結果の波形を重ねて下に示した。
Arctis 7においては「ワイヤレス=USBワイヤレスアダプター」となるので,USB接続型ヘッドセットの例に則って,7kHz付近で周波数特性はすっぱりフィルタリングされている。対するアナログ接続時だと,当然のことながらこのフィルタリングはないため,高域までしっかり集音できる。
グラフの基本形状は,最近の流行である,「プレゼンス帯域がしっかりして,ほかは大きく落ち込む」形状だ。
対してアナログ接続は,波形どおり高周波まで集音するため,エアコンのヒスノイズなどをかなり拾うのではないかと危惧していたのだが,使ってみると,予想以上にノイズは少なかった。これなら,「サウンドデバイス側でのノイズキャンセリング」的なことを行えないゲーム機でも,ノイズはあまり気にならないのではないか,という印象だ。もちろん,PCでサウンドデバイス側のノイズキャンセリング機能を併用すると,さらによい音で集音させることができる。
プロゲーマーがその実力を検証。ワイヤレスでもワイヤードでも体感できる遅延に違いはなく,装着感に優れるArctis 7
では,実際にゲーム,とくにPS4でゲームをプレイしたときの使い勝手はどうなのだろう? 冒頭でも紹介したとおり,今回はTaiga Yume選手に協力してもらい,実際にPS4版「レインボーシックス シージ」(原題:Tom Clancy's Rainbow Six: Siege)」をプレイしてもらったので,そのインプレッションを動画でお伝えしたい。
ポイントは,Taiga Yume選手が,ワイヤード接続時だけでなく,ワイヤレス接続時であっても,遅延感に違いはなく,それでいて装着感がとても優れていると評価しているところだろう。
PS4とアナログ接続できるヘッドセットも,ワイヤレス接続が可能なヘッドセットも,装着感のよいヘッドセットも,それぞれ単体なら他社から出ている。しかし,PS4とワイヤードでもワイヤレスでも接続でき,ワイヤレスでもワイヤード接続との間に体感できる遅延の違いがなく,しかも装着感が良好なヘッドセットとなると,そもそも選択肢がほとんどないのが現状だ。Arctis 7は,以上の点をプロゲーマーが確認済みという点で,価値の高いゲーマー向けヘッドセットとまとめることができるだろう。
SteelSeriesのArctis 7製品情報ページ
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