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ハロー!Steam広場 第11回:帰っちゃいけない精神病棟24時
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,スクリーンショット詐欺を見抜ける上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第11回は,ビデオカメラ片手に廃墟となった病院を進むサバイバルホラーFPS「Outlast」をメインに紹介しよう。このほか,最大4人で協力プレイができる横スクロールアクションRPG「Magicite」や,赤ずきんちゃんによる復讐劇を描いたアクションアドベンチャー「Woolfe - The Red Hood Diaries」もあるので,さっそくチェックしていこう。
ビデオカメラ片手に廃墟となった病院を進むサバイバルホラーFPS「Outlast」
今回は一人称視点のサバイバルホラーゲーム「Outlast」を紹介しよう。プレイヤーは,ジャーナリストであるMiles Upshurを操作して,夜な夜な人体実験を行っているという,山奥の精神病院を取材しにいくことになる。
Miles Upshurはお金の為に,筆者は原稿の為に,この明らかに“何か”が出そうな場所へと潜入するわけだ。門の前に着いた時点ですでに帰りたい(強制終了したい)衝動に襲われたが,ここは意を決して前に進むことに。
さて,普通のサバイバルホラーなら何かが出てきても身を守れるよう,グロッグやプラズマカッターくらいは持っていても良いはずなのだが,本作の主人公が持っているものはビデオカメラのみ。つまりは,何かに出くわしたら全力で逃げるしかないということ。また帰りたくなってきたぞ。
ある程度ゲームを進めると,プレイヤーは得体のしれない化物たちに追い掛け回されることになるので,彼らに出会ったら一目散に逃げよう。ただし,入り組んだ病院の中をただ走っているだけでは,余計迷子になるうえ,結局また戻らなければいけないという精神的負荷も大きい。なので,走って逃げるよりも,どこかに身を潜めた方が得策だったりする。
隠れられる場所は,ロッカーの中や,ベッドの下など,「ここなら隠れられそう」と思った場所ならばたいてい隠れることができる。うまく身を隠すことができたら,見つからないことを願ってじっと息を潜めよう。
化物は,プレイヤーを見失うとしばらく辺りの捜索を始めるのだが,これが一番心臓に悪い。並んでいるロッカーに隠れていると,隣のロッカーを開けてきたり,「よし,行ったか」と気が緩んだ瞬間,隠れていたベットの下を覗いてきたりと,まさにホラー映画で見られるようなシチュエーションが体験できる。
日本製ホラーのように,じわじわとSAN値を削ってくるような恐怖感というよりは,海外のホラー特有の“音”や,突然の演出で驚かせようといった感じなので,そういったホラーが好きな人にはオススメできる作品だ。心臓に余裕のあるひとは,ぜひ遊んでみて欲しい。
「Outlast」Steamページ(19.99ドル)
ローグライクな横スクロールアクションRPG「Magicite」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,最大4人で協力プレイができる横スクロールアクションRPG「Magicite」を紹介しよう。プレイヤーは,自ら作成したキャラクターを操作して,地形やモンスターの配置などがランダムに生成されるステージを攻略していくことになる。
木を切ったり,その素材で武器を作ったりと,一見するとサンドボックス型のサバイバルゲームに見えるが,本作には,家を建てたり庭で自家栽培をしたりといった生活を楽しむ要素はまったくない。レベルを上げて,スキルを覚えて,といったRPG的な要素はあるものの,結局は死んだら最初からというローグライクな作りになっているのが特徴だ。
ゲーム序盤はHPが4〜6と非常に少ないため,敵に2,3発もらうとあっという間にゲームオーバーになる。それに加え,回復手段が入手の難しいHPポーションくらいしかないので,極力ダメージを受けないよう慎重に進む必要がある。
敵を無視して進めば戦闘を避けられるが,その分レベルが上がらず,いざ無視できない敵と対峙した時,まったく歯がたたないという状況に陥ってしまう。したがって,倒せる敵は片っ端から倒して進みたい。
戦闘では敵との間合いが非常に重要だ。某配管工のように踏みつけて倒すといったことができないため,自分のリーチをしっかりと確認しよう。序盤では1ダメージでも死活問題なので,ヒット&アウェイを心がけたい。
ゲームを進めるうえでもう1つ重要なのはクラフト要素だ。クラフトは,[R]キーでインベントリを開き,ベースとなる素材と組み合わせる素材を[SHIT]キーで選択して行う。ちなみに必需品である回復ポーションは,ハーブ+ハーブで作成できる。ハーブはスライムやキノコなどがドロップするので,こいつらを見つけたらしっかり倒しておこう。
ゲームオーバーになると,総獲得経験値や取得金のほか,レベルや,倒したモンスターの数など,全14項目からスコアが割り出される。今のところランキングといったスコアを競うような要素はないが,Steamのコミュニティページを使えば,スコア画面のスクリーンショットを投稿して自慢することもできるので,横スクロールアクションに自信のある人は,どこまでスコアを伸ばせるか挑戦してみて欲しい。
「Magicite」Steamページ(9.99ドル)
赤ずきんちゃんによる復讐劇を描いたアクションアドベンチャー「Woolfe - The Red Hood Diaries」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,今週登録された作品の中でも特に注目を集めていたアクションアドベンチャー「Woolfe - The Red Hood Diaries」を紹介しよう。
タイトルからも分かるとおり,本作は童話「赤ずきん」をモチーフにした作品だ。ストーリーは育ての親である“ジョセフ”を殺した,大企業“Woolfe”に対する,赤ずきんの復讐劇を描いたもの。
童話でのイメージとは異なり,本作に登場する赤ずきんは,殺意に満ちた目つきで斧を豪快に振り回すという,狼も尻尾を巻いて逃げ出しそうな女の子だ。プレイヤーは,そんな彼女を操作して,行く手を阻むロボット兵士達を相手に戦うことになる。
ゲーム自体は,謎解き要素を多く取り入れたアクションゲームとなっており,シンプルな操作で敵を一網打尽にできる豪快かつ爽快な戦闘も特徴の1つだ。
順調に開発が進めば,2014年3月末までに,プレイできる状態のものが公開可能とのこと。興味のある人はこれからの動向に注目しよう。
「Woolfe - The Red Hood Diaries」GREENLIGHTページ
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