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[GC 2007#036]アメリカの著名デザイナーコンビによるADV「Mata Hari」
Hal Barwood氏といえば,映画「未知との遭遇」の制作に参加するなど華々しい経歴を持ち,その後は80年代から学友のジョージ・ルーカス監督が立ち上げたゲーム部門LucasArts Entertainmentを引っ張って,「Indiana Jones and the Fate of Atlantis」など,同社の名作アドベンチャーシリーズの登場に深く関与した。
一方のNoah Falstein氏は,同時期のLucasArts EntertainmentでBarwood氏とともに活躍し,ゲームデザインに関する著作で名高い。両氏とも,アメリカゲーム業界の重鎮としてGame Developers Conferenceなどの会合では常にセミナーを開くなどしており,現在はゲームデザインの統一化が可能かどうかを実験するために,400種類のデザインルールを収集/検証するという「The 400 Project」の旗振り役である。
Mata Hariは,ドイツのハノーファーに拠点を置く4Headというチームが開発を手がけており,Barwood,Falstein両氏らしいクラシカルなタイプのポイント&クリック型アドベンチャーゲームだ。Anacondaが行なったゲームの紹介では,マタハリが下着姿で政治家らしい人物を誘惑するような場面も見られたが,Falstein氏は「誘惑自体はパズルを解くための要素であって,決してこのゲームが大人向けということではない」と,過激なセックス表現はないことを説明する。
デモで見た例では,マッチの緑アイコンを画面中のオブジェクトである石鹸にドラッグ&ドロップし,軟らかくして刻印の型を取るというようなパズルになっていた。わざわざインベントリウィンドウを開いたりすることなく,すべて同じ画面で処理できるようになっているのだ。
Mata Hariは,2008年第1四半期にリリース予定。北米およびアジアでの展開は決まっていないようだが,参加しているデザイナーが大御所コンビということもあり,クラシカルなアドベンチャーゲームながらそれなりの話題となるのは間違いない。実在の歴史的人物をモチーフにしているのも興味深く,アドベンチャーゲームファンならぜひ注目しておきたい作品である。(ライター:奥谷海人)
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