プレイレポート
一人でも数人でも大人数でも遊べるカスタムロボ・シューティング
コズミックブレイク
ハイスピードアクション「コズミックブレイク」
正式サービスがついに開始
「コズミックブレイク」は,2008年12月19日に正式サービスが始まった,サイバーステップが開発/運営するカジュアルTPS。コミカルなロボットを自由自在に操ってほかのプレイヤーとハイスピードバトルを満喫し,またあたかもプラモデルやミニ四駆のように,自分のロボットをカスタマイズする楽しさを手軽に味わえるタイトルである。
「コズミックブレイク」公式サイト
操作方法をはじめとした基本システムは,オーソドックスなTPS系のスタイルを踏襲している。それに加え,例えば移動キーを2度押しでダッシュ,Spaceバーを押し続けて空中飛行,そして戦闘中にゲージを溜めることで使える特殊攻撃「ワンダービット」など,アクションゲームとしての一般的な要素は一通り押さえられている。これらの操作を駆使しつつ,マウス左右クリックに割り当てられた遠距離/近距離用の武器で,敵を倒していくゲーム内容だ。
操作方法をはじめとした基本システムは,TPS系のタイトルに近い。基本システム関連で大きく戸惑うことはないだろう |
ロボットのタイプによっては,陸上ではなく空中が主戦場になる。エリア内を縦横無尽に駆け巡って戦えるのだ |
ゲームの全体的な方向性は,カジュアルゲーマーにプレイしやすい作りといえる。本作では陸上だけではなく空中での戦闘もあるので,攻撃は360度全方向に及ぶわけだが,ターゲットのロックオン機能がとても重宝する。ライト層のプレイヤーでも,ゲーム開始後の早い段階で,攻撃を命中させる楽しさを味わえるだろう。
キャラクターのデザインは見てのとおりコミカルかつシンプルで,求められるPCスペックが低めなのがポイントだ。ロボットの動きはキビキビしており,多人数が入り乱れて戦うゲームでありながら,敵から発射された弾道を目視して避けるといった緻密なアクションが可能。コズミックブレイクでは,こういったアクションとしての土台がしっかりと築かれている。
敵をロックオンすると,画面内の丸い照準が赤に変わる。この状態で攻撃を放てば比較的命中させやすい |
コズミックブレイクの大規模バトルは一見の価値アリ。これだけの数のロボットが戦っても,ほとんどラグを感じないのが凄い |
大筋のストーリーは,「ブレンダイン」(BRD),「ドストレックス」(DOS),「ウィズダム」(WIZ)という三つの派閥(ユニオン)が飽くなき戦いを繰り広げており,プレイヤーはそれらの内の一つに所属して,自分のユニオンを勝利へ導くべく死力を尽くしていくというものだ。このバックグラウンドストーリーを具現化したバトルコンテンツも用意されているが,それほど殺伐とはしておらず,ゲーム内はどちらかというと「自慢のロボを持ち寄って皆で遊ぼうぜ!」といった気楽な雰囲気である。
ゲーム開始時に,三つの中から好きなユニオンを選ぶ。RvR系のMMORPGほど殺伐とはしていないので,好みで決めてしまってよいだろう |
02三つのユニオン(派閥)に属して戦うというストーリーはあるものの,それとは関係なく遊べるコンテンツも多い |
4タイプのロボ×パーツ単位のカスタマイズ=
∞のバリエーション
ゲームに登場するロボットは,その戦闘タイプによって「陸戦」「空戦」「砲戦」「補助」の四つに大別できる。これはRPGにおける“クラス”のようなものだと考えると分かりやすい。4タイプのロボットと,それぞれの特徴をざっと紹介していこう。
・「陸戦」タイプ
接近戦を得意とするロボ。敵との間合いを詰めることで,剣などの直接攻撃用の武器によりコンボを叩き込めるのが強みだ。コズミックブレイクのロボは左右の手に別々の武器を装備できるが,直接攻撃用と間接攻撃用の二種類を使いこなせば,幅広い戦局にも比較的対応しやすいだろう。
・「空戦」タイプ
長時間の飛行が可能なロボ。場合にもよるが滞空時間は10秒近くに及び,しかもリチャージは一瞬で完了するため,バトルの大半を空中で過ごすといったスタイルで戦える。その機動力を生かし,敵の死角に回り込んでの中〜遠距離攻撃といった戦い方も得意だ。
・「砲戦」タイプ
武器の射程距離がとても長いロボ。レーザーやビーム,そしてグレネードなどの多彩なロングレンジ武器で,敵に接近される前に攻撃を叩き込むことが可能だ。しかしその分,自分自身の機動力が若干劣るという弱点がある。逆に開き直り,“固定砲台”として遊ぶプレイヤーも見受けられるが,これはこれで見るからに楽しそうである。
・「補助」タイプ
自分自身の戦闘力よりも,味方の回復方面に長けたサポート寄りのロボ。味方のHPを回復したり,武器の射程距離を一時的に直したり,といったことが可能だ。アリーナをはじめとした大規模バトル時には,味方メンバーの中に1体いると非常に助かる。
陸戦タイプが扱う直接攻撃タイプの武器は,敵の懐に入り込まないと使えない。しかしその分,一撃で大ダメージを与えることが可能だ |
空戦タイプのロボは,10秒前後ものあいだ飛行できる。画面下部にある「BOOST」のゲージが,飛行できる残り時間を示している |
砲戦タイプが持つロングレンジからの圧倒的な破壊力は,相手にとって脅威だ。しかし敵に接近されてしまうと自分が逃げ回るハメに |
プレイヤーはゲーム開始後間もない段階で,3種類のロボット機体を入手できる。また,現時点ではそれとは別に数十種類のロボットが用意されており,ゲーム内マネー(UC)や有料ポイント(ルーツ:Rt)を通じて新たな機体の購入が可能だ。4Gamerのニュースを見て興味を持った人もいるかもしれないが,中には強烈なビジュアルの“萌えロボ”も存在し,ゲームの人気に一役買っていそうである。
ロボットのカスタマイズ画面。武器のみならず,腕や脚といったパーツ単位でカスタマイズが行え,それにより画面右下にある性能値が微妙に変化する |
有料ポイント(Rt)及びゲーム内マネー(UC)のどちらでも,ロボを追加購入できる。UC購入価格がもう少し安くなってくれると嬉しいなぁ |
各ロボットはそのままの状態でも十分に戦えるが,頭,腕,脚,武器などのパーツを,別途用意したものと付け替えたりできる。パーツによって見た目が変わるのはもちろん,各性能が微妙に変化し,より自分にとって扱いやすいようにチューンできるのだ。例えば胴体と腕のあいだに“翼”のパーツを挟んで飛行性能をアップさせたり,腕を1本増やして武器を持たせたりなど,単なるステータスアップに留まらない変化が可能だ。
パーツ単位での購入も可能だ。ロボットのタイプや,頭や腕などといった部位によって,装着できるパーツが違うのでよく確認しよう |
ゲーム開始時に,陸戦/空戦/砲戦タイプのいずれか1種のロボが得られる。この3種だけでもプレイフィールは結構違う |
画面左にある“COST”値に注目。このロボットのように巨大で,かつ重装備を備えさせると,コストは相当高くなる |
ボディのペインティングやテクスチャといった,見た目の変更が簡単にできるのも面白い。後者はデザインのセンスが若干求められるものの,前者は基調となる三つの色を適当に指定するだけでも,なんとなく立派なロボに見えてしまうから不思議だ。
一人で,数人で,あるいは大勢で遊べる
多彩なゲームモード
ゲーム内のエリアは,大きく「グラウンドエリア」「セントラルエリア」「ユニオンエリア」の三つに分かれている。そしてグラウンドエリアからは“クエスト”,セントラルエリアからは“ミッション”,そしてユニオンエリアからは“アリーナ”というコンテンツへのアクセスが可能だ。なお,グラウンド/セントラルエリアに関しては全プレイヤーで共通だが,ユニオンエリアに限ってはユニオンごとで別々になっている。
ゲーム内での目的に応じて,エリアが完全に分けられている点に注目してほしい。そして,いわゆるロビーに相当するチャット用チャンネルといったものがなく,クエストやミッションを行うときのメンバー募集が,シームレスに行える。これはなかなか便利なのだ。
以前と比べてユーザーインタフェースが一新され,だいぶプレイしやすくなった。目的別に分けられたエリアの構造はなかなか秀逸 |
各エリアはロビーの役割も担っている。この場でクエストなどへ挑戦する仲間を募り,直接アクセス可能だ |
続いてはクエスト,ミッション,アリーナの三つの内容を大まかに説明していこう。
●クエスト
世界各地には神話時代の遺跡の数々が“トレジャー”として遺されており,それを探索するというゲームモード。平原,荒野,洞窟,遺跡などのエリアがあり,道中には敵モンスターやトラップが待ち受けている。これらを打ち破って先のエリアへと進み,無事にトレジャーを持ち帰ればクリアだ。一人でもプレイできるため,コズミックブレイクの中では手軽に挑戦できる内容である。
クエストで指定されるトレジャーは複数あるが,途中で倒されてしまうとそれらは失われてしまい,一からのやり直しとなる。しかしHP,攻撃力,ワンダービットの効果を上げる“ブーストアイテム”は,クエストの“中断セーブ”を行えば,次回のクエスト挑戦時に引き継ぎできる。クエスト報酬を狙って一気に突き進むか,あるいは中断セーブを行って堅実に挑戦するかの判断が悩みどころだ。
●ミッション
この世界ではユニオン間の対立とは別に,「混沌」に魂を奪われたロボ軍団が宇宙の平和を脅かしつつある。そこでロボット同士が力を合わせて混沌を打ち破るというのが,このゲームモードだ。設定が設定なので,ユニオンが異なるプレイヤー同士でも一緒にプレイできる。
ミッションはステージクリア型の構成となっており,それぞれの最後にはボスが待ち受けている。ステージをずんずんと進んでいき,最後に待ち受けるラスボスを倒すとクリアだ。一つのステージは5分前後で終わり,テンポが良いのも特徴だ。
ミッションでは残機システムがユニークだ。チームの全体で“BP”なるゲージを共有しており,味方のロボが倒されて復活するたびにこれが減っていき,最終的に0になるとミッション失敗となる。復活時にどれだけの量のBPが減るかは,ロボットのコストと比例している。高性能なロボはコストも高いので,一度やられたときにBPの減少も大きくなってしまうのだ。
強力なロボットで参加する場合は,バトルを有利に運ぶことができる分,やられたときのリスクも同時に高くなる。したがってゲームバランスが崩れにくいようになっているわけだ。
●アリーナ
クエストとミッションは対CPU戦だったが,このアリーナは対人戦のゲームモード。しかもその人数は最大で“30体 vs. 30体”と,かなりの大規模バトルである。具体的には,最大15体同士で戦う“チームファイト”と,30体同士で戦う“ユニオンウォーズ”の2種類がある。
バトルでは両チームとも,先述のミッションと同様に「BP」を持っており,ロボが倒されて復活するたび,コストに応じたポイントが減っていく。そうしてバトルを繰り広げていき,先にBPが0になった側が敗北だ。
アリーナで実際に遊んでみた印象は,とにかく敵味方のロボットの数が多い。エリア内のそこかしこで銃撃戦や接近戦が行われており,しかもそれが数十分間にわたり間断なく続くのである。そのため,どのようなタイプのロボットであれ,戦局を見極めればチームに貢献できる方法がある。
例えば砲戦タイプなら,局地戦が繰り広げられている場所へ遠巻きにミサイルを叩き込むなど,各ロボットがそれぞれの役割をきっちりとこなすことが,大きな勝利に結びつくわけだ。
ユニオンウォーズに関しては,その勝敗結果が蓄積されて1週間単位で換算される。そしてトップ成績のユニオンに所属するプレイヤーは,ボーナスポイントや褒章アイテムなどといった恩恵が得られる。
ライトゲーマー向けカジュアルゲームではなく
さまざまなプレイヤー層向けに生まれ変わった
とくにアリーナのような大規模な対人戦では,人によっては尻込みしてしまうことも多かったりする。しかしコズミックブレイクでは,コストの低いロボであれば,仮にやられてしまってもBPへ与える影響は少ない。そのため初心者でも気軽に挑戦できる。また一方で,上級者にとっては存分にカスタマイズしたロボットで(=コスト増大のリスクを抱えつつ)チームに貢献するというのも,十分にやりがいがあるのだ。この,両タイプのプレイヤー層へ開かれた作りになっているアリーナは,かなり完成度が高いと感じた。
SNSもサポートしており,運営側との修正要望などの意思疎通はしっかり行われている。フィードバック獲得を経た今後のアップデートにも期待したい |
実はラジオメッセージやボイスチャットの機能も標準搭載している。見た目に反して(?)コアな人にとっても要注目のタイトルかも |
ともあれ「コズミックブレイク」は,ロボットゲーのファンや,かつてプラモデルやミニ四駆などにハマった人はもちろんのこと,軽快なアクションゲームが好きな人に向けて自信を持ってオススメできるタイトルである。この機会に,ぜひ一度触れてみてほしい。
ランクアップで獲得できる褒章アイテムや,いわゆるエンチャント系のシステムなど,カスタマイズ関連については紹介しきれないほどのボリュームがある |
長期間にわたるβテストによってコンテンツも積み重ねられ,満を持して正式サービスが行われたといった印象。興味を持ったらこの機会に是非どうぞ |
「コズミックブレイク」公式サイト
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