連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第118回:「大相撲の例の件」
著者近影
先日,コンビニで立ち読みをしようと雑誌コーナーに行ってみたら,AKB48が表紙になってる雑誌ばかり。ちょっと引いちゃうぐらい,「AKB48」という文字が踊っていたのよね。もはやコンビニの窓際ジャックね,これは。
今,流行っているものが,永遠に流行り続けるわけではないけれど,それにしても凄い。メンバーの名前をほとんど言えないこの感覚,私の中では「ポケットモンスター」に近いわ。
ピカチュウカイリュウピジョンまでよ,私は。でもメジャー感があるのは分かるし,好きな人は凄く好きで全部名前を覚えてるだろうな,ってところも含めて,AKB48=ポケモン説を唱えてみる。だから何だって話だけど。
そして,もう一つコンビニの本棚で目についたものが。
とある雑誌のキャッチに「大相撲はプロレスだった! 八百長問題の真相」的なものがあったのね。で,気になってっていうか……イヤな予感がして読んでみたのよ。文字通り,キャッチされてしまったわけ。
内容としては,「八百長する力士もいるし,しない力士もいる」という程度のものだったんだけど……その記事にプロレス関係ある?
私個人的には,八百長問題に関して「どうでもいいや」って感じだし,もうちょい踏み込むなら「きっと普段は大相撲を見てないような人のほうが怒っているであろう,この状況ってどういうことかね?」ぐらいに思ってるクチなんだけども。
そんな私の感想はさて置き,大相撲の八百長問題になぜ「プロレス」という言葉が出てくるのか,さっぱり理解できないのよ。これって,ひょっとしてプロレスがもの凄くバカにされてるってことなんですかね?
読んだところ,少なくともいい意味で使われている印象ではなかったわ。全然違う競技なのに,どうして意味もなくネガティブな例えとして使われなきゃいけないのかしら。ま,問いただしたところで,書いた人間や出版した人間は,屁理屈こねて「そういう意味じゃない」的に逃げるんでしょうけどね。
イヤ,別に「プロレスは凄いんだ!」ってことを言いたいわけじゃないのよ。私はプロレスを生業にしているけれども,「プロレスラー最高!」「プロレスやってるから凄い!」なんて,一度も思ったことはないわ。ま,誇りは持っているんだけどね。
でも,それってどの職業の人も同じじゃないかしら? 門戸の狭い職業に就いている人に対しては,「努力したんだね」とは思うけど,その職業に就いているから偉いって思うことは,少なくとも私にはない。
確かにね,世の中にはプロレスに興味がない人のほうが多いでしょう。それは分かっているし,その事実をねじ曲げる気はないわ。でも,世の中にとってマイナーな競技であるプロレスだから,悪いもののように扱っていいの? 違うでしょう?
ゲイムでいうと,ゲイム好きにオタクが多いっていうのは,ある程度は事実だと思うの。で,そんなオタクが,世の中のいわゆる普通と言われる層から,気持ち悪がられる傾向にあるっていうのも,残念ながらよくあることよね。でも! だからって「ゲイムが悪い」っていう語られ方をするのは,いささか強引じゃなかろうか,と私は思うわけです。
プロレスでもゲイムでも,どんなに「普通」と言われる層から距離が離れていても,それに一生懸命取り組んでいる人は確実にいるの。そこを馬鹿にするなとは言わない。ただ,せめてもう少し,馬鹿にしている態度を隠してほしいのよ。
隠れて馬鹿にされる分には,された側からもこっそり馬鹿にし返せるんだけど,堂々と馬鹿にされると,こちらとしては反発せざるを得ないわけ。
だから,マスコミの方々にも,正義を振りかざすのはけっこうだけど,言いがかりをつけるのはやめていただきたいもんね。「八百長ダメ」っていう一方の正義を説くために,「差別しちゃダメ」って正義を自分で壊しちゃ元も子もないでしょ。購買層の興味を引かなきゃいけないのは分かるけど,どうせやるならもう少し上手くやってちょうだいな。
さて,そんなこんなでマスコミがプロレスに対して抱いているイメージをあらためて知らされて,愕然とした昨今ですが,いかがお過ごしでしょうか。
まあ,確かに知らない人からしてみれば,プロレスのイメージは良くないでしょうね。これは「プロレスを普段見ない人にプロレスってものを説明したときに返ってくるリアクションあるある」なんだけど……。
「場外でガシャーンってなるんでしょ?」
イヤ,なるけども。そんなにイヤなもんかね? 場外でガシャーンってなるの。
「血,出るんでしょ」
そらまあ,出るときは出ますわいな。戦ってるんですから。でも,血が出てるってことよりも,血が出ても戦ってる姿を見てほしいと思うんだ。頑張ってるほうからすると。
「日本のは見ないけどアメリカのやつなら見てた」
こういう人いるんですよホントに。日本のもアメリカのも見ない人からすると理解できないだろうけど,本当にいるのよ。
WWEだけは見てる……もしくは見てたって人。
これまたゲイムに変換すると,「『ドラゴンクエスト』だけはヤってた」ってところかしら。でも,いるでしょ? 「『パラッパラッパー』だけはヤった」とか,「『スペースチャンネル5』だけはヤった」とか,こっちがゲイマーだと分かった途端,話を合わせるために一つだけゲイムをヤったことがあるって言う人。
プロレスの場合,そんな「WWEだけ見てた」って人がけっこうな数でいるのよ。まあ,嘘ではないんでしょうね。きっと,数年前に地上波キー局で放送されていた影響が大きいと私は思っているの。
……と,ここまで説明して,ようやく「WWE SmackDown vs. Raw 2011」(PlayStation 3 / Xbox 360)の話に入れるわ。前作「WWE 2010 SmackDown vs Raw」についての原稿でも書いた覚えがあるんだけど,ここ数年,私はこのゲイムでWWEの情報を仕入れていると言っても過言ではないのね。
それはなぜかといえば,ここ数年はWWEが地上波キー局で放送されていないから。厳密には,私がWWEどころかそもそもTVを見なくなったから。
だからこのシリーズをプレイして,どんな選手がいるのか,どんな技を使うのかを知り,覚えているの。で,毎年思うことなんだけど,新作が出る度にしっかりクオリティが上がっているのよ。とくに今年のクオリティの上がり方は半端じゃなくて,ゲイムとして次のステージに到達した感すらあるわ。
というのも,ことプロレスゲイムの場合,今までだと選手や試合の再現度がキモだったと思うのね。ホラ,私のようにこのシリーズを情報源としている不届きな人間もいるわけだし。だから,再現することが,シリーズのベースにあったと思うのよ。
ところが,今年は違うのよ。もちろん,試合の再現度も例年のように上がってるわよ。ただ,それ以上に「WWEユニバース」っていうモード……というかもはや世界そのものなんだけど,これが凄い。
要するに前作まででいうところの,ただ試合するだけの「エキシビション」がなくなったの。そして,何気なくやった試合によって,その世界での人間関係が変わっていくシステムが採用されたのね。
これによって,同じソフトを買ったとしても同じゲイム展開にはならず,プレイヤーだけのWWEの世界が作れるようになったわけ。自分で作った選手を放り込んで世界に影響を与えるもよし,単純に自分の好きな選手を中心に世界を回すもよし。プレイすればするほど,自分の色に染まっていくのよ。
実際のWWEも人間関係をメインにストーリーが展開していくわけだから,このシステムとは非常に相性がいいと思うわ。プレイしていても,次に何が起きるか分からない"一寸先は闇"感覚は,まさに本物のWWEさながらといっていいでしょうね。これはプロレスゲイム……いや,スポーツゲイムにおける新発明だと思うわ。少しでもWWEをかじったことのある人には断然おススメ。
それにしても,このシステムで日本のプロレスのバージョンも作ってほしいとホントに思ってしまったわ。そういう意味では,日本のプロレス好きも是非プレイしてみてほしいわね。
てなわけで,今週はプロレスの話題とプロレスのゲイムを紹介してしまったわ。プロレスラーがプロレスゲイムの話をしたらプロレスの話題にしかならないから,この連載ではあんまりプロレスプロレスしたくなかったんだけどね。でもまあ,あまりにも面白いプロレスゲイムだったんで,つい。たまにはいいでしょ。そんな感じで今週はドロン。
あ,そういえばニンテンドー3DSの抽選の件,当選の電話は来ませんでしたよ。まさかとは思うが,発売日前日から徹夜して並ばなければならないのか? ラーメン屋にも並んだことないのに!(アムロ風)。並ぶか我慢か。いっそ3日くらい前から並ぶか。考え中。また来週。
PlayStation 3:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2011」
ニンテンドーDS:「逆転検事2」
PSP:「モンスターハンターポータブル 3rd」
Wii:「スーパーモンキーボール」
Xbox 360:約1年5か月にわたるRed Ring of Death
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- 関連タイトル:
WWE SmackDown vs. Raw 2011
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