連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第215回「ギャルゲー先生のギャルゲイ講座」
35年も生きているとね,何かと思い知らされるの。何って? 人生は“たら”“れば”の連続であるということよ。
勝負の世界に“たら”“れば”は禁物だ,なんてよく言われるじゃない? でも実は私,それって逆だと考えているの。
たいていのプロレスラーは試合に負けたとき,「あの時,対戦相手にキスしてい“たら”」「あの場面で相手の欲棒を握ってい“れば”」と思ったことがあるはずなのね。
もちろん単純に,出てしまった結果に対する後悔という意味合いもあると思う。だけどこれって,反省であったり,もっとできたんじゃないか? という気持ちだったり,つまるところ,向上心があるからこそ生まれる感情なの。勝負にこだわっていなかったら,こんな気持ちにならないものよ。
そして,本当に勝負にこだわっている人なら,分析や研究を欠かさないでしょう? 勝った人は次も勝つために,負けた人は次こそ勝つために,努力をするわけ。
ただね,努力は大事だけれど,努力の方向性を見失っちゃいけないと思うわ。自分が今している努力は,何のためにヤっていることで,どういう結果を目指しているのか。それを考えることなく,ただ漠然と努力をして,努力したつもりになっているのが一番良くないと私は思っているわ。
とくにね,「私はこれだけ頑張っているのに報われない」って思っている人は要注意。今報われていないならば,あんたがしてきた努力は,報われるため専用の努力ではないってこと。もちろんそれだって,ほかの何かの役には立つかも知れないから,まったくの無駄ってわけじゃないんだけれども。
というわけで私は,ギャルゲイテイストの絵が含まれているゲイムは,もう店舗では買いません。ギャルゲイをたまたま同じ店で買っていなけ“れば”,ネット通販で買ってい“たら”,あんな痛ましい事件は起こらなかったと思うのよ。もし店舗で買う場合でも,遠出するわ。二度と悲しい気持ちにならないよう,生活エリアでは買わないことを心に決めた!
ただ,冷静になって考えたら,わざわざネット通販でギャルゲイを買うとなると,それはそれで本気度が高くて,それこそ努力の方向性を間違えてる気がしなくもない。そこは見て見ぬ振りをしておこうじゃないか。
さて,ここまで人生における“たら”“れば”について語ってきたわけだけれども,要するに成長のためには“たら”“れば”は逆に必要だってことね。
ま,そうは言っても「“たら”“れば”は禁物」っていうのは,単に「迷うな」って意味だったり,「言い訳をするな」って意味だったりするのね。そう考えると上で述べたことは単に揚げ足を取っただけのようなところもあるんだけど,結局のところ私が言いたいのは,“たら”“れば”って必ずしも悪いことじゃないんじゃない? ってこと。
というのも,勝負の世界に限った話ではなく,“たら”“れば”って,基本的にはマイナスの文脈で使われることのほうが,やや多いと思うのよ。「あいつにもっとスキルあっ“たら”な」とか「あいつ,あれさえなけ“れば”いい奴なんだけどな」とか。「時間があっ“たら”」は断るときの大人の言い訳だし,「機会があ“れば”」に至っては,もはや断っていることを隠してもいない。まあ,逆に「よっぽどのことがなけ“れば”大丈夫でしょ」的に,ポジティブな使われ方もあるにはあるだけどね。
ショップでこれを手にした瞬間,店内を包み込んだ,店員さん達からの「やっぱりな」感たるや。何なら,私がコレを買うかどうかで賭けでもしてたんじゃないかという気すらするわ。で,案の定ニヤニヤされていたわけだけれども。
いやいや,先週も書いたけど店員さんを責める気はないの。私だって逆の立場だったらニヤニヤするもん。ただ,ゲイとして扱ってほしいという心の叫びを聞いてもらいたいだけで。
話を戻すわ。高い確率でモンモンが誤解の原因だから,私,後悔していたのよ。「買わなけ“れば”良かった」って。でもね,プレイしてみた今となっては思うわね。買って良かったって。確かに誤解はされたけど,何ならまだ誤解されたままだけど,買って良かったって。やっぱね,ヤりたいと思ったゲイムはヤらなきゃダメね。本当にそう思ったわ。
これ,名作かもしれない。確かにギャルゲイのノリはあるから人を選ぶとは思うけど,それを加味して考えたとしても,カードゲイムとして,とても面白い。一言で言うと,時間泥棒。プレイし始めてふと気付いたら数時間経過っていうのがザラなのよ。
ルールに慣れは必要だけど,そこまで複雑でもないしね。ストーリーも分かりやすく,ゲイムの進行を邪魔してないし,これは名作と呼べる作品なのかもしれないわ。あれさえなけ“れば”……ね。
そもそもモンモンの世界では,カードのモンスターが全部女の子なの。で,そのモンスター娘の魔力を開放するために,「こすりP」を使って胸キュン♥スクラッチという儀式を行うんだけど,これがまあ度を超えてすさまじい。
萌え絵のモンスター娘の身体から弱点を探し出し,そこを触ってゲージを溜めるという。そして実際にタッチスクリーンで萌え絵の女の子の身体を触るという。触り方も,こする,タッチする,突っつく,つまむといった豊富な種類が無駄にあるという。弱点を探し当てたときのモンスター娘のリアクションがいちいちいかがわしいという。
挙げ句,テンションが上がりきってしまったときに発生する「エクストリーム・ラブ」では,縦にしたPlayStation Vitaをゴシゴシと激しくしごきあげなきゃいけないという。
この胸キュン♥スクラッチさえなけ“れば”,モンモンは名作カードゲイムとして名を馳せた気がするわ。逆に言うと,胸キュン♥スクラッチがなかっ“たら”普通の名作ゲイム止まりだったんだけどね。
もうね,回りくどく言わず断言しちゃうわ。胸キュン♥スクラッチの存在が,このゲイムを鬼作にまで押し上げている。だって,バカだもん。バカを突き詰めてるんだもん。タッチスクリーン機能をこんな形でここまで利用させるゲイムなんて,現時点でほかにはないわよ。ぶっちゃけ下世話な使わせ方だけど,だからいいの。
ネーミングも「胸キュン」て! って思うでしょ? 「古いわ!」って思うでしょ? そこら辺のズレ具合も,全部しっくりきてる。この時点では,天下無双のバカゲイ。PS Vita持ちは絶対にプレイしたほうがいいわ。ここまでプラットフォームがPS Vitaである必要があるタイトルは,そうそうないから。オススメ度はMAXね。ぜひ店舗で限定版を買って,あだ名を付けられてちょうだい。
そんな感じで今週は“ギャルゲー先生のギャルゲイ講座”をお届けしました。順当に行くと来週は「神様と運命革命のパラドクス」なんですが,今週は「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」が発売されます。次週,果たしてどちらを紹介することになるかは,まだ私にも分かっておりません。
もし時間があっ“たら”両方プレイして,機会があ“れば”両方紹介できるといいな,と思っております。また来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「神様と運命革命のパラドクス」
PlayStation Vita:「限界凸騎 モンスターモンピース」
PSP:「グラス ハート プリンセス」
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「ファンタジーライフ」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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- 関連タイトル:
限界凸騎 モンスターモンピース
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