連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第221回「『真・三國無双7』が面白くて困る」
「真・三國無双6 Empires」をプレイした時にも思い,そしてこの連載でも書いたんだけど,私はコーエーテクモゲームスが光栄だった時代から「三國志」シリーズが好きだったのね。というか,光栄のシミュレーションゲイムが無条件で好きだったの。「信長の野望」シリーズも好きだし,「水滸伝」も好きだし。
そうそう,「蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン」も好きだったわ。オルドがとくに。「世界各地の女性との間に英雄の子供を作る」っていう発想とシステムは,今なおクレイジーだと言わざるを得ないわね。子供心にものすごいインパクトだったのよオルド。
そんなこともあって,高校生になるまでずっとジンギスカン料理を食べたことがなかった私は,ジンギスカンのことを女体盛り的な意味だと思っていた。このゲイムのイメージが強すぎて,ジンギスカンという言葉が表すものについて勘違いしていたの。
だから,歴史の教科書で名前を見たときは,「詳しくは教科書に載ってないけど,本当はエロい人なのよジンギスカン。それを私は知っている」っていう,よく分からない優越感に浸っていたわ。なもんで,ジンギスカン料理がラム肉の焼肉で,それ以上の意味がないと知ってしまった時の衝撃たるや。
大人になるということは,いろいろなことを知ってしまうってこと。見て,聞いて,体験することで,世の中の仕組みを知って,人は大人になるわけね。うん,案の定話がそれたわ。
だから! 私は光栄時代からのシミュレーションゲイム好きで「三國志」シリーズは私にとって数あるシミュレーションゲイムの中でもボス的な位置付けだったってことが言いたかったの!
そして,時は流れ。スクウェアとエニックスが合併し,セガとバンダイが合併しかけたけどその話が流れたあとにバンダイとナムコが合併し,セガはサミーと合併し,光栄もテクモと合併しコーエーテクモゲームスになったわ。それぐらいの頃からかしら。「三国志」のゲイムと言えば、「真・三國無双」シリーズという流れができ始めたのは。
分かってるの。全部分かってるのよ。私だって,職業としてヤっているプロレスで「昔のプロレスは良かった」っていう意見を聞いたら,「いやいや待ったれよ!」って思うもん。せめて「昔のプロレス"も"良かった」でしょうが。今が悪いってわけでは,決してない。プロレスも三国志のゲイムも。
どちらも,表現方法が増えちゃったのよ。かつての三國志シリーズは,軍勢を数字で大ざっぱに表現してしまえば,それで成立していたの。それが,今では具体的な戦闘描写もできるようになっているわけで,その細かいシチュエーションや武器に至るまでの戦闘の描写を突きつめたのが,真・三國無双シリーズだと思うのね。
シミュレーションゲイムとアクションゲイムという違いはあるんだけど,三国志の世界をゲイムで表現するにあたって,かつてはシミュレーションゲイムが最適だったのが,今ではアクションのほうがうまく表現できるようになった,と。きっと,そういうことなのよ。
だから,私も受け入れなければいけないの。三国志といえば,まず真・三國無双シリーズが現代の人々の頭には浮かぶってことを。
もちろんね,シミュレーションゲイムの三國志が面白くなくなってしまったのかと言えばそんなことはない。最新作の「三國志12」(PC / PlayStation 3 / Wii U / PlayStation Vita)に関しては思うところもあるにはあるんだけど,それでも三国志の壮大なストーリーを表現しようとしている感じは嫌いじゃないわ。今でも次の作品を待ちわびている自分がいるし。
ただね,やっぱり時計の針は戻らないし,PlayStationも4が見えてきている昨今。真・三國無双シリーズが,三国志ゲイムの枠を超えて活躍しているのも,この原稿を書いているまさに今,受け入れた。だから,もう今後は真・三國無双シリーズを本流として扱う! 腹はくくった!
で,まず! 何がいいって,グラフィックス。もともと綺麗だった真・三國無双シリーズの中でも,今回のは段違いに綺麗。ゲイム感があまりないというか。もちろんゲイムだから作り物ではあるんだけど,ゲイムの中ってことを感じさせないのよ。
“グラフィックスの綺麗さ=直接の面白さ”ではないと私は思ってるわ。でも,グラフィックスの綺麗さが面白さや感情移入度を補完する側面はあるとも思ってるの。そういう意味で,今回のビジュアルは,すごいと言ってもいいでしょうね。このゲイムの場合,グラフィックスが綺麗ということは,アクションの爽快さを伝える意味で重要だからね。
だから,このシリーズをプレイしたことがないって人に対してのアピールにはならないんだけど,今までプレイしたことがある人なら,その違いにビックリするはずよ。
あとは,歴代のシリーズ作品に比べて,武器が多い。各武将に得意な武器やそうでない武器があって,それを自由に使えるのね。もちろん,武器によってアクションが違う。武器が増えすぎると管理がしづらいって難点もあるんだけど,逆に言えば管理しづらくなるぐらい武器が多いってこと。武器同士で,三すくみの相性があるのも戦闘に奥深さが出ていいわね。
そして最後に。シミュレーションゲイムの三國志好きである私が,現時点では真・三國無双シリーズがスタンダードなんだと思い知らされることにもなった要素があるの。これが,私的に真・三國無双7において一番大きな売りでありポイントでもあるわ。
それは……,ストーリーモードの“if”の存在。なんだかんだで今までの真・三國無双シリーズって,三国志という原作の上でストーリーを脚色していたの。シミュレーションゲイムの三國志は,自分だけの世界と歴史を作ることができるというのが,私をはじめとしたファンが好むポイントだったし,その点において真・三國無双シリーズより優位だったわけ。
でも。それが,この“if”の存在によって打ち砕かれた。三国志というレールの上で成り立っていた真・三國無双シリーズが,ついに“if”のストーリーを導入することで,歴史とは違うストーリーを描いちゃったの。つまり,レールからはみ出しちゃったのね。
これは,今後の真・三國無双シリーズでも,ストーリーを動かす楽しみができたということにほかならないわ。自分の三国志を作ることができる――ひょっとしたら,そういう作品が今後生まれるのかもしれない。そういう可能性を感じることができたのが,真・三國無双7をプレイしての,最大の収穫だったわ。いや,非常に楽しみ。
そんな私も,もうすぐ36歳。周瑜が死んだ歳を追い抜こうとしているわ。もういいおっさんよ。だからってわけじゃないけど,最近は未来が明るいものを見ると,なんだか妙に感動するのよね。「この先の日本も明るいぞ!」って思えるから。
三国志を題材にしたゲイムだって,そう。ソーシャルやオンラインゲイムでも三国志というコンテンツは頻繁に取り上げられ,コンシューマでもいろいろな可能性が感じられる。すごくいいじゃない。
あとは,無双シリーズとしてもどんどん展開していって,無双ブームが訪れて,猫も杓子も無双化されて,どさくさに紛れてガチムチたちが数百人を相手に掘り進んでいく超兄貴無双的なゲイムが,何かの間違いで生まれることを切に願うばかり。
まあ,来ないと思うけどなそんな未来。ゲイレスラーにとっての日本の未来は明るいのか暗いのか。また来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「真・三國無双7」
PlayStation Vita:「デモンゲイズ」
PSP:「FRONTIER GATE Boost+」
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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