連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第273回「お金とゲイム」
で,今まさにプレイ中。上半期で一番楽しみにしていたタイトルだから,できるだけ慎重かつていねいに取り上げたいの。なのでこれに関しては,来週にでも。
と言いつつ,現在のプレイ状況を軽く説明しておくと,今のところゲイム内では10年が経過。プロデューサーさんにインタビューさせてもらったとき(関連記事)に聞いたことでもあるんだけど,今作の面白さは過去の追体験よりも未来への血のつなげ方にあると思うので,まだ今の段階ではその面白さを味わいきってないから,うまく伝えられないと思うのね。競馬史の追体験でも十分に面白いんだけど。
あとね,前作との違いとしては,最初に手に入る馬のうちでも異常な強さを誇ったアンドレアモンが,今回はそこまでではない感じ。なので,前作のイメージで馬を判断しないほうが良さそう。
あと,馬券を購入できなくなってる。これによって,セーブ&ロードを繰り返したりしつつ,コツコツと収入を得ることができなくなった。要は,純粋に賞金や馬の取り引きでしか稼げなくなったってことね。これによって緊張感が生まれたわ。やっぱり,お金って大事ですから。
はい。今日のこの連載のテーマは,お金。今日はお金について語ってまいりましょう!
お金って,今やどんなゲイムにも出てくる要素よね。RPGが台頭する前,それこそファミコンの初期って,お金の概念がないゲイムのほうが多かったわ。主人公にいい装備をさせないと敵を倒せないなんてことのない,大らかな時代だったしね。だからあの頃は,ゲイム内でお金なんて必要なかったの。
で,RPGの普及あたりからお金の存在感が増してきたわけだけど,ほとんどの場合,お金って武器やアイテムを購入するためのものなのよね。つまりは強くなるための手段。だから,そこまで強い意味は持たない。「桃太郎電鉄」や一部シミュレーションゲイムのように,お金を貯めることそのものが目的のものもあるにはあるけど。でも,それもあくまでゲイムのルール内でのことなの。
一方,現実の世界では,お金ってめちゃくちゃ価値が高いじゃない。価値が高いどころか,我々の行動の基準にすらなっている。お金を稼ぐために働いて,そのために24時間365日のほとんどを使っている。お金のためだったら,多少の苦労はいとわない。悲しいことに,お金のための犯罪が後を絶たないのも,それほどまでにお金が重宝されているからなのね。
では,それはなぜか。答えは簡単,お金があれば何でもできるから。少なくとも日本に限って言えば,お金があればとりあえず生きていくことができるわ。言い換えれば,お金の量=安心の量なのね。だから,みんなどれだけお金を稼げるかにこだわるの。
お金を持っている人がモテるのも,それが安心の量だから。お金を持ってる人がモテるのはにわかには納得できないけど,安心を与えられる人がモテると考えたら,納得はできるでしょ。そういうことなんです。
で,最近のゲイムにお金の要素が欠かせないのも,ゲイム内でできることが増えたことと,もしかしたら関連性があるんじゃないかな? って思うのね。ほら,お金があればあるほど,選択肢の幅も広がるというのは,ゲイムでも現実の世界でも同じなわけだし。
先に説明しておくとね,このゲイム,RPGとして非常に面白いの。テーマというか物語の軸がお金なだけであって,ゲイムとしてはとてもオーソドックスで遊びやすい作り。
戦闘はリングで行われるんだけど,KOだけでなく3カウントフォールで勝利できたり,なるべくお客さんを盛り上げて勝てばその戦闘の評価が高くなったりといった,プロレスライクな要素もあって,それもまた面白い。相手の技を避けるだけでなく,受け止めるとメリットがあるっていうのも,まさにプロレスのいい部分だし。そういったプロレスのいい部分をうまくゲイム内のルールに落とし込んでくれていて,プロレスラーである私としては嬉しい限りよ。
お金お金って言うと,夢がない話なのかと思われちゃうかもしれないけど,決してそういうわけではないの。お金が全面に出ているのに,いやらしくない。ゲイムを進めていくと,お金っていうものがしっくりくるのよ。これは,RPGのリアリティの話になるんだけどね。
というのも,RPGの世界を現実に置き換えたとき,HPは理解できるのよ。これが無くなったら死んでしまうっていう数字だってこと。と言いつつも,HPが残り1の人間の状態がどういうものなのかっていう想像はつかないけどね。でもまあ,生命力を数値化したものであることは分かる。
でも,MPがよく分からない。精神力って言われたら分かるような気がするけど,でもやっぱり想像つかない。これが0になるって状態が分からない。本当に細かい話で恐縮だけど,MP=精神力なのであれば,0になった瞬間攻撃も守備もできなくなるはずなのよ。だから,たぶん違う。となると……ちょっと想像できない。
でも,そのMPがお金だったら? これは,俄然イメージしやすくなる。自分が500万円持っていて,一番強い攻撃をするのに318万円必要。となると,その攻撃を2回はできない。そして,所持金が0円になっても死にはしない。……ホラ,分かりやすいでしょ。
このゲイムの面白さの一部はまさにここ。多くのRPGにおけるMPにあたる部分をお金にすることで,想像力を一気に掻き立てることに成功しているの。だから,お金を軸にしてるって言っても,重いようで重くない。我々の身近にあってイメージしやすい数字がお金で,このゲイムはその身近さ,イメージしやすさをうまく使ったゲイムなのです。面白いよ。
というわけで,今週はヒーローバンクとお金について語ったわけですが。お金って結局,それを使って何をするかってことが大切なのであって,お金そのものに固執しても仕方がないと私は考えているわ。とはいえ,大切なものであることに間違いはない。
人を動かす要素としても大切だし,評価の数値,成し遂げた結果の数値としてのお金も大切。大切なものであるからこそ,それとどう付き合っていくかが問われるんでしょうね。と言いつつ,私も欲まみれの人の子。お金を稼ぐ人にはなりたいわ。お金があって困ることはないわけだから。
でも,それ以上にお金をうまく使える人でありたい。お金に振り回されず,自分にとって正しくお金や人やゲイムとお付き合いできればいいんじゃないかな,と。そう思うわけであります。こんな感じで,お金を稼ぐ手段である原稿の今週分を締めさせていただければ,と。また来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「龍が如く 維新!」
PlayStation 3:「真・ガンダム無双」
PlayStation Vita:「Winning Post 8」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「The Wonderful 101」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「ヒーローバンク」
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition」
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