連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第308回「人生は楽しんだもん勝ち」
いやはや,時の流れとは残酷なもんで,去年の今頃はサッカーのワールドカップがもうすぐだってんでテンションが上がっていたのに,それが今や4年後の楽しみに変わっているなんてね。PlayStation 4やXbox Oneが日本で発売されたのも,今年なんですって。あとは「ダメよ〜ダメダメ!」が流行語大賞なんだって。いっそ来年の夏あたりから使い始めてみようかと思うわ。
さて。普段は時間の流れなんて意識しないのに,年末になるとやっぱりいろいろと考えて愕然としちゃうわよね。主に,自分の変わってなさに。ゲイム機はこんなにスペックが上がっているのに,それをプレイする自分の基本能力はそんなに変わっていないのがつらい。でもゲイムをプレイするのはやめない。だって,楽しいから。
“人生は楽しんだもん勝ち”だと思うもの。他人との勝ち負けは比べられないけど,楽しんでいる自分と楽しんでいない自分を比べたら,そりゃそうでしょ。
となると,何を“楽しい”と思えるか。これがポイントになってくる。そのために,いろいろとヤってみるって大事なんじゃないかと思うのね。いろいろヤってみた結果,自分が楽しいと思えるものをチョイスできればいいんじゃないかしら。
そう! スペックが高くなれば,楽しさの選択肢を増やすことができる。でも,スペックが高いからといって楽しいのかというと,これはまた別の話なのよ。人間も一緒! ……だと信じたい!
お金を稼ぐ人のことって,みんながうらやましがるわよね。それは,お金があるほうが楽しみ方の幅が広がるから。お金が無いからできないことってあるじゃない。逆にお金さえあれば,できることが増えることが多々あるわけ。で,資格だ能力だといったスペックが高いと,お金を稼ぎやすい。お金を稼げると,楽しみの幅が広がる。だからスペックは高いほうがいい。
けれども! スペックが高いからといってそれが直接楽しいのかといえば,それがまったく,そんなことはない。お金をたくさん稼いでいたとしても,楽しみ方を知らないのであれば,お金がなくても楽しみ方を知っている人のほうが,人生そのものを楽しめるはず。ならば,どちらが勝ちかっていう話ですよ。
でもこれって,“人生は楽しんだもん勝ち”という勝敗基準を前提とした考え方に過ぎないんだけどね。スペック低くても楽しみ方を知っていれば楽しい人生を送れる。スペック高ければ高いほど,選択肢は広がる。結果,広い選択肢を持って,なおかつ楽しみ方を知っている人が圧倒的に……いやいや,これ以上は考えまい。悲しくなってきた。
つまり! 何が言いたいかというと,スペックの高い低いを勝敗基準に置くこと自体,なんと不毛なことかって話ですよ。重要なのはそれぞれの局面で楽しめるかどうか,もしくは楽しみを見出したり作ったりできるかどうか。競うべきはその点だと思うの。
でも,楽しんだかどうかなんて他人とは比べられない。だから,競う相手はおのずと自分自身になる。他人の楽しみ方を否定できないと私が常々思ってるのは,そういう理由なのね。あ,でも他人に迷惑をかける楽しみ方は否定されてしかるべきだけど。
まずね,「UFC」というのは,「Ultimate Fighting Championship」の略で,アメリカを中心に世界的な人気を誇る総合格闘技の大会のこと。金網の中で一対一で戦うっていう。総合格闘家にとって,現在,最高峰の舞台だと言って間違いないでしょうね。野球でいうところのメジャーリーグ,サッカーでいうところの欧州チャンピオンズリーグってとこかしら。
そのゲイムがPlayStation 4とXbox One用に発売されたのね。で,私はPlayStation 4版を買った,と。ああ,先週紹介した「藤子・F・不二雄キャラクターズ 大集合!SFドタバタパーティー!!」(Wii U / ニンテンドー3DS)に続いて,今年の東京ゲイムショウで気になったゲイムが実際に発売される季節になったのだなぁ。ホント,時間が経つのは早いわ。
ともあれ,UFCを題材にしたゲイムとして,PlayStation 4やXbox Oneといった最新世代の機種で発売されたのは,今回が初めてなのね。で,マシンスペックが向上した分,ちゃんと楽しくなっているの。結局,こういったスポーツゲイムって,その競技をどれくらい再現できるかが勝負な部分もあるわけ。もちろん,そうじゃない楽しみ方を提示するゲイムもあるわよ。でも,多くのスポーツゲイムでは,実在の競技を題材にする分,リアリティを追求しているのね。それは,作る側だけじゃなく,プレイする側も。なぜなら,そのほうが面白いから。
プレイして,ゲイムとして面白い。それはもちろん大前提なんだけど,リアルであればあるほど,素材であるUFCの楽しさにも近付く。画面を見ているだけでも,まるで本物のUFCを見ているかのように面白い。それを実現するためには,リアルな表現でなければいけない。
そういう意味で,EA SPORTS UFCは凄いわよ。リアルもいいとこ。見てるだけでも楽しい。それは,最新世代機のスペックが高いからこそ実現したわけで,つまり,マシンのスペックの高さを最大限ゲイムに落とし込めているってことでもあるの。
これまでPlayStation 4でいろんなゲイムを遊んできたけど,ある意味,PlayStation 4のポテンシャルを一番感じさせてくれたのが,EA SPORTS UFCかもしれないわ。それほどまでのクオリティ。
総合格闘技が好きなら買い。最近の対戦格闘ゲイムのように,“簡単操作で派手な技が出る!”という感じではなく,操作はそこそこ複雑なんだけど,それを覚えていく過程もまた,リアルな総合格闘技のよう。オンライン対戦では,たぶんすでにめちゃくちゃ強い人達がしのぎを削っているだろうから,怖くて参戦できていないんだけど,ヤってみたら相当楽しいんでしょうね。いずれは……。
そして,モノを作る立場から言うならば,この作品はマシンの高いスペックを利用して,最大限にプレイヤーを楽しませることに成功してると思う。リアルにすること自体を目的としたのではなく,楽しませるためにリアルを追求している。そしてそれを,高い次元で実現している。つまり,“プレイする人を楽しませる”という目的のために,あらゆるアイデアと技術をつぎ込んだんでしょうね。非常に感服いたしました。
ただね,こうなるとやっぱり愕然とするの。スペックの高さを生かして喜ばせるやり方って,スペックが高くないとできないことだからね。スペックが高くない私としては,やっぱちょっとこたえるわけですよ。でも,今さら基本能力を気にしたところでどうしようもないのも事実で。人間の場合,スペックは少しずつしか上がらないし,向き不向きもある。つまり,今ある能力でどうやって戦うか,そして何を伸ばしていくかが重要なんですよ。
EA SPORTS UFCのゲイム内でも,画面の切り替わり時に選手の名言が出るんだけどね。そこに,UFCの実在選手じゃないけど初回特典のダウンロードコンテンツにもなっているブルース・リーの名言も出てくるのよ。「私は1万種類の蹴りを1度練習した者は恐れない。私が恐れるのは1種類の蹴りを1万回練習した者だ」っていう。
うん。できることをヤるしかないわよね。で,それが通じないならできることを少しずつでも増やさないといけないわよね。方法は何でもいいのよ。目的に近付くために何をヤるか,だから。
スペックが高いなら高いなりの楽しませ方はあるし,低いなら低いなりの楽しませ方はある。要は,「目的がハッキリしている限り諦めるな」ってことよ。方法は……常に何かあるだろ。普通じゃない方法でもなんでも。……っていうことを学ぶことができるから,ゲイムって大好きだし,私はプレイし続けてるのですね。
いいや,もうハッキリ言っちゃう! クリスマスも年末年始も,それならそれで楽しむ方法があるっていうことが私は言いたいの! 私は100人とデートをした者は恐れない。私が恐れるのは一人ともデートしたことがないのに脳内で100回デートを繰り返す者だ。また来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「EA SPORTS UFC」
PlayStation 3:「実況パワフルプロ野球2014」
PlayStation Vita:「大江戸BlackSmith」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「ゼルダ無双」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「禁忌のマグナ」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
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