連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第670回「『テイルズ オブ アライズ』をクリアしました」
超ここだけの話,10日間の自宅療養最終日にはちょっと泣いたよね。寂しくて。何が寂しかったのかは自分でもよく分からないけど。
よくドキュメンタリー番組で芸能人が短い期間,どこかの学校の部活動に参加して何かの大会に出るってやつあるじゃん? で,最後には別れを惜しんで泣くシーンがありがちなんだけど,今の私はまさにあれ。
……ええ大丈夫! 共感してくれなくても問題ないよ! まあ,外に出ちゃいけない10日間と,外に出たくない10日間とでは質が違うと言われればそのとおりなんだけど。ともかく体調が戻ってきた,だけどなぜか結果的に自宅待機が14日目になりましたってお話です。
ところで,私はそこそこ数多くのゲイムをプレイしている側の人間だとは思っているのだけれど,それでもプレイできていないゲイムも多いのです。そんな私が思うのは,ゲイムってけっこうタイミング重要だなってこと。
自分が忙しい時期はどうしてもゲイムと向き合う時間が減るし,そうでなもい,比較的自分の時間が取れる時期でもほかのコンテンツに興味が向いていると,やっぱりゲイムに費やす時間が減ってしまう。これはもう仕方がない。
あくまで私の持論なんだけども,人生は楽しむためにあると思っていて,何を楽しいと思うかは人それぞれなのですよ。もちろん環境に左右される面もある。今回10日間の自宅療養で思ったのは,もしこれでもっと過酷な環境に監禁された場合,私は何に楽しみを見出すのだろうか? ということ。それは,正直分からない。置かれた環境の中で自分自身で見出さなきゃいけないんだろうな,と思う。あらためて,ゲイムが身近にある環境で良かった。そして,娯楽は人間とこの世を精神的につなぎとめるものでもある,ということを再確認した。
実は今まで,私は自分の社会における役割って何か分からなかったのですよ。プロレスというジャンルはすごいと思っているよ。プロレスの試合を見て「勇気が出ました」って人が一定数いるのが,まさにその証明で。ただ,私は一応プロレスラーとされてはいるものの,試合を見た人に勇気を与えるタイプの選手じゃないし,自分のヤりたいことをヤッてそれを切り売りすることで,何とか生き永らえてきたの。そこに社会的意義はさほどないんじゃないかと思っていた。でも,そうじゃない。
ビジネスとしては,当然規模がモノをいう世界ではある。多くの人に届けたほうが儲かるし。ただ,社会的意義で言うなれば,規模の大きさはさほど関係ない。変な話だけど「明日も頑張ろう」と思ってくれる人が一人でもいれば,そこには社会的意義があるのです。なので,消費者もみんなそれぞれ環境に左右されるから,見てもらえる時期もあればそうでない時期もあるけど,いつ見てもらってもいいように,そしてジャンルが絶えないように,こちらがテンションを保って続けないとなって話です。
話が逸れました。今まで,テイルズ オブ シリーズと向き合うタイミングがなかったって話ですね。私,このシリーズでクリアまでたどり着けた作品って,これまでなかった気がする。でも,テイルズ オブ シリーズは私を見てくれていた。
何が言いたいかと言うとね。私のタイミングが合わず,一応プレイはしてもさほど向き合わなかった間にもテイルズ オブ シリーズはプレイヤーと向き合い続けていたんだなって。
シリーズファンですらない私だけど,今回時間がアホほどできて,たまたま向き合ったテイルズ オブ アライズが,面白かった。どう面白かったかを言うことはできるよ。世界観と物語に違和感がないしグラフィックスが凄いし,戦闘のアクション部分はしっかりしているし,それでいてアクションゲイムというよりはRPGとして納得できる仕上がりだし,いわゆるテイルズ オブ シリーズの売りであるスキットも物語を盛り上げてくれるし,「正義とは何か」というものをいろんな視点から描いたテーマ性もあるし。
ただ,それらはあくまでゲイムの話で。当然それはゲイムである以上重要なんだけど,私としてはその奥の部分に感動しまして。それは,作り手がこっちを見て作っているんだなってこと。当初,世界観についていけなさそうな雰囲気を感じてしまっていたんだけど,そこからが凄いのよ。「この世界についてこい」っていうアプローチではなく,「この世界はこうなんですよ」っていう説明する姿勢が強い。
ひょっとすると,シリーズファンであればあるほど納得できない部分もあるのかもしれない。それは私には分からない。なぜなら私はこれまでのシリーズに真面目に向き合ってこなかったから。ただ,久しぶりに……いや,ひょっとしたら初めてこのシリーズに向き合ってみたら,プレイヤーがプレイして抱くであろう感情についてすごく考えて作られていることが伝わってきた。これはシリーズファンではない私だから思えたことかもしれない。
少なくともテイルズ オブ アライズに関しては,作り手がプレイヤーに向き合って作られている。シリーズファンじゃない私が思ったんだからたぶんそう。まあ「シリーズファンじゃない人にどう伝えるか」というのはまた別の要素なんで,今回は語らないけども。私もその答えは分かんないし。
あらためて。今,地球上には色んな環境に置かれている人がいます。そんな中,自分はゲイムを楽しめる環境にいられて良かった。これは運がいいことだし,できることなら今後も守っていかなきゃいけないことでもあるなと思いました。誰が見てるか分からないけど,私も頑張ろう。
今は目が合わなくとも,提供する側が続けていればいつか目が合う日が来るかもしれない。そのときに「頑張ろう」と思ってもらえるように。目をそらさず頑張ろう。ありがとう,テイルズ オブ シリーズ。27年間続けてくれて。私も続けます。差し当たって,週末には家から出て試合をしよう。そしてこの連載の原稿を来週も書こう。また来週。
今週のハマりゲイム
PC:「METAL DOG」
PlayStation 5:「FIFA 22」「テイルズ オブ アライズ」
Nintendo Switch:「三國志14 with パワーアップキット」
iOS:「ロードモバイル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
|
- 関連タイトル:
テイルズ オブ アライズ
- 関連タイトル:
テイルズ オブ アライズ
- 関連タイトル:
テイルズ オブ アライズ
- 関連タイトル:
テイルズ オブ アライズ
- 関連タイトル:
テイルズ オブ アライズ
- この記事のURL:
キーワード
Tales of Arise(TM)&(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.