インディーズゲームの小部屋：Room＃578「Supraland」

　土日に部屋の模様替えをして，あちこちが筋肉痛の筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第578回は，Supra Gamesの「Supraland」を紹介する。本作は，「ゼルダの伝説」や「メトロイド」，「Portal」に着想を得て開発されたというアクションアドベンチャーだ。おかげで部屋が少し広くなったので，この調子でどんどんいらないものを片付けるぞ！


　本作の舞台となるのは，人間の男の子が自宅の庭に作り上げた小さな箱庭世界。ここには，赤い人形が暮らすレッドタウンと，青い人形が暮らすブルービレッジという2つの集落がある。主人公はレッドタウンの王子だ。


　あるとき，レッドタウンで水が出なくなってしまい，王の命令で原因を調べに行った主人公は，ブルービレッジの連中が配水管に細工をしているところを目撃する。どうやら，ブルービレッジの人形はレッドタウンを敵視しており，そのためにこんな嫌がらせを仕掛けているようだ。そこで主人公は，ブルービレッジの王様に会って話をするため，レッドタウンを出発する……。


　本作は行く手をふさぐパズルのようなギミックを解きながら世界を探索していくという，一人称視点のアクションアドベンチャーだ。明るい世界観と多彩な謎解きは，まさに「ゼルダの伝説」をほうふつとさせる。道中でガイコツの兵士達が襲ってくるが戦闘はメインではなく，多彩なアビリティを使いこなし，知恵と発想力を駆使してギミックを攻略していくことに重点が置かれている。


　ゲーム内にあるショップでは，拾い集めてきたコインを使って新しいアビリティを習得できる。アビリティには，体力や攻撃力が増加するものや，移動速度がアップするもの，2段ジャンプが可能になるものなど，多くの種類があり，中には特定のアビリティがないと先に進めない場所も存在する。あちこちに置かれているタルをショップに持ち帰ると，なぜか新しいアビリティが追加されるので，見つけ次第，回収すべし。


　最初のうちは謎解きも簡単だが，ゲームを進めるにつれて，どんどん手ごわくなっていく。あちこちのスイッチや動く足場，ジャンプ台といったギミックと手持ちのアビリティをいかにして組み合わせるかがキモで，頭の固い筆者などは思わず首をひねってしまうこともしばしばだ。うーん，分からん！　また，マップの至るところにシークレットエリアが隠されており，新しいアイテムやアビリティ，大量のコインなどが手に入るので，隅々まで探索しよう。


　そして本作のもう1つの魅力は，何といっても，そのキュートなミニチュア世界だ。粘土を型抜きしたような姿の人形達はとても可愛らしく，マップに置かれた巨大な構造物もよく見ると地面に突き刺した鉛筆やペンチだったりと，遊び心にあふれた世界観が作られている。空を見上げると，しゃがみこんでこちらを覗いている少年の姿が見えるのも面白い趣向だ。


　そんな本作はSteamでデモ版が配信されているほか，製品版が2050円で発売中。小さな人形と一緒に大冒険を繰り広げたい人は，まずはデモ版からお試しあれ。

■「Supraland」公式サイト

http://deathball.net/supragames/supraland/