インディーズゲームの小部屋：Room＃599「The Castle」

　ブガッティ・シロンの新型プロトタイプが最高時速490kmを記録したと聞いても，凄すぎていまいちピンと来ない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第599回は，Ishtar Gamesのポイント＆クリックアドベンチャー「The Castle」を紹介する。そういえば，昔乗っていたクルマは時速100kmを超えると「キンコン，キンコン」と鳴っていたなあ……。


　本作は，昔懐かしいLucasFilm Games（現LucasArts）の名作アドベンチャー「Maniac Mansion」にインスパイアされたアドベンチャーゲームだ。プレイヤーはトランシルヴァニアの奥地にある城へ吸血鬼退治にやって来た主人公のピーターと，その仲間達を操作して，危険がいっぱいの城内を探検していく。


　「Maniac Mansion」と同じように，本作ではゲーム開始時に，ひとクセもふたクセもある6人のキャラクターから，ピーターに同行する2人を選ぶことになる。

　候補となるのは，バチカンで修業を積んだ吸血鬼ハンターのシスター・アンジェラ，5か国語を話せる秀才のロジャー，超常現象を調査する秘密組織の一員であるエージェントL，パッと見は日本の女子高生っぽいが，ヤクザ組長の娘で刃物とマーシャルアーツの達人というゴゴ，吸血鬼が登場するロマンス小説とTVドラマの大ファンで，自分も吸血鬼に噛まれたがっているアリス，そして今回の件に何の関係もないが，たまたま近くを通りかかって首を突っ込んできたボブの6人だ。おいおい，大丈夫なの……。とくに最後の2人。


　それぞれに特技や苦手なことがあり，特定のキャラクターにしかできないことがあったりするので，誰を選んだかによって到達できるエンディングが変化するが，とりあえずはフィーリングで決めてしまって問題ないだろう。ちなみに今回の遠征の主催者である主人公のピーターはミステリー雑誌のライターで，ホラー小説の熱狂的なファン。苦手はないが，これといった特別な能力も持っていないという一般人だ。


　基本的なゲームの進め方は，3人のうちの1人を操作して城内を探索し，アイテム集めや謎解きを行うというもの。いつでも好きなときに操作キャラを変更でき，アイテムの受け渡しも可能だ。城の見張りに捕まり，牢屋に入れられてしまった仲間に，別のキャラクターで鉄格子越しにアイテムを手渡して助け出したりといった，複数人で協力して困難を乗り越えていく場面もある。


　本作には全部で5つのエンディングがあり，それぞれ特定のキャラクターやアイテム，違った謎解きの手順が要求される。各ルートの謎解きは複雑に入り組んでいるがゲーム内にヒント機能はないので，自力ですべてのエンディングを見つけるのはかなり大変だ。どうしてもクリアできない人は，公式のネタバレ攻略マニュアルを見てしまってもいいかもしれない。そんな本作はSteamにて620円で発売中なので，レトロなアドベンチャーゲームが好きな人はぜひどうぞ。

■「The Castle」Steamストアページ

https://store.steampowered.com/app/1133950/The_Castle/