インディーズゲームの小部屋：Room＃666「Tanuki Sunset」

　部屋でゲームをしていると寒さで指先がかじかんでしまう筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第666回は，Rewind Gamesの「Tanuki Sunset」を紹介する。本作は，スケートボードに乗ったアライグマを操作して，猛スピードでコースを走り抜けるというレースゲームだ。これ以上寒くなると凍り付いてゲームどころじゃなくなるので，早く春が来ますように……。


　本作の主人公は，夕陽が美しいサンセット・アイランドにやって来た，“タヌキ”という名前のアライグマ。筆者は最初，タヌキという名前のタヌキだと思っていたが，よく見ると尻尾がしましまなので，アライグマで間違いないだろう。そんなタヌキの夢は，得意のスケートボードで名を上げて，この島で一番のスポーツ雑誌「FISH!」の表紙を飾ることだ。


　ゲームの目的は，スケートボードに乗ったタヌキを操作して，毎回ランダムに変化する障害物だらけのコースを一気に駆け下ること。コースはずっと下り坂で，とくに操作しなくても徐々にスピードが上がっていくが，自分でもある程度，加速や減速が行える。コースは空中に浮かんでおり，曲がり切れずにコースから落下したり，車などの障害物にぶつかったりすると，チェックポイントからやり直しだ。


　コース上には障害物のほかにジャンプ台もあり，これを使ってトリックを決めるとスコアが加算される。また，コースに落ちている三角形のビットを集め，ナマケモノが経営するスケートショップで新しいボードのデザインや，タヌキのコスチュームを購入するという要素もある。残念ながら，見た目を変更してもスケートボードの性能が変化するわけではないが，せっかくなのでタヌキにお洒落な格好をさせてあげよう。


　本作では1つ1つのコースが長めでチェックポイント間も離れているうえ，チェックポイントからの再スタートも含めて走るたびにコースが変化するので，毎回，一発勝負の緊張感がある。ゲームを進めると障害物の種類が増えるだけでなくコースも複雑になり，あと少しでゴールというところでミスをすると，思わず悶絶してしまう。曲がりくねった難関コースを攻略するには，ドリフトをうまく使うことが重要だ。


　シンプルながら中毒性の高いゲームに仕上がっており，子供から大人まで楽しめること間違いなし。明るい世界観と，どことなくリゾート感があるファンクやボサノヴァのBGMも魅力的だ。ストーリーモードのほかに，走行距離やタイム，スコアを競うアーケードモードも用意されているので，タヌキと一緒にスケートボードを極めたいという人はぜひどうぞ。そんな本作はSteamにて，1520円で発売中だ。

■「Tanuki Sunset」公式サイト

https://www.rewindgames.ca/