連載
インディーズゲームの小部屋:Room#682「Insurmountable」
連休中はちまちまと積み本を消化しつつ,不要な本の整理に明け暮れていた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第682回は,ByteRockers' Gamesの「Insurmountable」を紹介する。本作は,過酷な雪山の単独登頂にチャレンジするというストラテジーゲームだ。とりあえず段ボール7箱分の本を読まずに処分したので,これでもっと本を積めるぞ(本末転倒)。
本作の舞台は,霧に覆われた孤島にそびえる,前人未到の高山。プレイヤーは異なるスキルを持つ3人のキャラクター「冒険家」「科学者」「ジャーナリスト」から好きなものを選び,たった一人で山頂を目指すことになる。島には3つの山があり,そのすべてを制覇するのがゲームの目的だ。
それぞれの山には3つのルートがあり,どのルートを選択するかというところから,すでに挑戦が始まっている。山の地形は,大きく「岩場」「雪」「氷」の3つから構成され,スキルや装備によって消耗するエネルギーや踏破にかかる時間が変化するので,自分が選んだキャラクターに合わせたルートを選択しよう。
各キャラクターには「エネルギー」「正気度」「酸素」「体温」という4つのパラメータと,キャラクターの生命力を示す「ヘルス」が設定されている。4つのパラメータは登頂中の行動に応じて増減し,どれか1つでもゼロになったまま行動を続けているとキャラクターが怪我をしてしまう。そして,怪我やさまざまなアクシデントでヘルスがゼロになると,ゲームオーバーだ。
山中のあちこちにあるイベントポイントでは,先人が残した装備が見つかったり,パラメータが回復したりとさまざまなイベントが発生し,経験値が獲得できる。これが一定に達するとレベルが上がって,登頂が有利になる多彩なスキルを習得可能だ。しかし,必ずしも良いことばかりが起こるわけではないので,遠回りをしてでもイベントを起こすか,無視して先に進むかの選択が悩ましい。
カメラはキャラクターの位置を中心に一定範囲しか見えないため,山の向こうにどんな地形やイベントが待っているかは,近づいてみるまで分からない。さらに,山には時間や天候の変化もあり,時間をかけるほど状況が厳しくなっていく。そんな中で最善と思われるルートを選択して山頂を目指すのは,かなりスリリングな体験だ。しかも,山頂に立っただけでは終わらず,無事に下山しなければならないので,ますます苦労させられる。
どうにか無事に下山できたら,獲得したスキルや装備はそのままに,次の山に挑戦することになる。もちろん,新しい山ほど高くなるので,それまでの登頂で物資を使い果たしてしまった状態では,目的を達成することは難しい。筆者はどうにか2つめの山の山頂まで登り詰めたが,そこでついに力尽きてしまった。うう,悔しい……。
胃がキリキリと痛むような,過酷な選択を迫られ続ける,雪山単独登山の厳しさをこれでもかと味わえる本作は,Steamにて2050円で発売中。我こそはというアルピニストは,ぜひ挑戦してみてほしい。オススメです。
■「Insurmountable」公式サイト
https://www.byterockers.games/insurmountable?lang=en- 関連タイトル:
Insurmountable
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