連載
インディーズゲームの小部屋:Room#757「ラストコマンド」
ご近所でもらった渋柿の皮をむいて,自分で干し柿を作ってみた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第757回は,CreSpiritと No Stuck Game Studioが開発した「ラストコマンド」を紹介する。本作は,トラップが満載のプログラム世界を探索しながら,スネークゲームと弾幕シューティングでボスと戦っていくアクションゲームだ。2週間ほど天日干ししたらおいしい干し柿が出来上がったので大満足!
本作の舞台は,人間がいなくなったあとのプログラム世界。ゲーム内の断片的な情報によると,この世界の人間達は肉体を捨てて,自らを二次元化してしまったようだ。プレイヤーはそんな世界で,何らかの理由で目覚めた自律型プログラム・PYTHONとなり,彼(?)のサポートプログラムを自称する謎の存在と,途中で出会った少女型プログラム・フェイと共に,おかしくなったプログラム世界を救う方法を求めて冒険することになる。
本作は,アイテムを取得すると体が伸びていくスネークゲームと,弾幕シューティングの要素を組み合わせたアクションゲームで,基本的なゲームの流れは意識を持ったプログラム達が暮らす電脳世界を探索しながら,要所で発生するボスとのバトルをこなしていくというもの。PYTHONは上下左右の移動と一時停止のほか,無敵時間のあるダッシュと,狭い隙間や弾幕を潜り抜けるときに便利なスロー移動が可能だ。
フィールドの探索では,触れると一発でミスになる赤いオブジェクトで作られたさまざまなトラップを回避しながら先へと進んでいく。このパートではスネークゲームの要素はなく,移動する壁や回転するトラップの隙間をタイミングを見計らってすり抜けていく感覚は,いわゆる“イライラ棒”に近い。また,フィールドにはPYTHONの能力を上げるモジュールの断片や,情報をくれるプログラムなども存在するので,隅々まで探索してみよう。
要所で発生するボスとの戦いでは,本作のウリであるスネークゲームと弾幕シューティングによるバトルが展開。ボスに攻撃するためには,まずステージのあちこちに出現するデータを集める必要があり,これを任意のタイミングでボスのハート型コアに送り込んで解析することでゲージを溜めていく。そしてゲージが100%になったらダッシュでコアに体当たりし,ボスのディフェンスレイヤー(=体力)を削っていくのだ。
ここでポイントとなるのが,データを集めるほどPYTHONの体が長くなり,それを使ってボスを攻撃すると,その分だけ体が短くなるということ。ボスに連続攻撃を叩き込むにはたくさんのデータが必要だが,体が長くなるほどボスが放ってくる弾幕の回避が難しくなるのが悩みどころだ。さらに,ボスの体力を削ると段階ごとに攻撃パターンが変化し,弾幕とトラップの合わせ技を繰り出してくるのも厄介。
自分で自分の体にぶつかってもダメージを受けないのがせめてもの救いだが,地形トラップを避けつつ弾幕を回避し,さらにデータを収集してボスを攻撃するのは至難の業。ただのスネークゲームとも弾幕シューティングとも違う,本作ならではの緊張感あるアクションを堪能できる。日本語ローカライズがちょっぴり怪しいのが玉に瑕だが,一風変わったゲームを探している人にぜひオススメしたい。そんな本作はSteamにて,1599円で発売中だ。
■「ラストコマンド」公式サイト
https://www.last-command.com/キーワード
(C)2022 CreSpirit co., Ltd./No Stuck Game Studio All rights reserved.
(C)2022 CreSpirit co., Ltd./No Stuck Game Studio All rights reserved.