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[GDC 2010]帰ってきたマフィアは,またまたシビア。2K Gamesがプレイアブル展示していた「Mafia II」に挑戦
Civilization Vについては別記事で詳しく紹介する予定なので,こちらではMafia IIの実際のプレイの様子をお伝えしたい。欧米では2010年第4四半期(2K Gamesの場合,2010年8月〜10月)の発売が予定されている本作は,タイトルどおりのクライムアクションで,2002年にリリースされた「Mafia: The City of Lost Heaven」(邦題,マフィア。以下,Mafia)の,実に8年ぶりの続編だ。開発はチェコの2K Czechが行っており,ご存じのようにここは,Mafiaを制作したIllusion Softworksが2K Gamesに買収されて名前が変わったところ。
まさしく正当な続編ということになり,前作Mafiaを熱烈にプレイした筆者としては,期待の作品なのである。
まずは,Mafia IIのシニアプロデューサーであるDenby Grace氏からオープニングムービーを見ながらの概要説明。とはいえ,この手のイベントでは当然のように撮影禁止。掲載したスクリーンショット,アートワーク,そして2本のムービーは2K Gamesから提供されたものだ。
前作Mafiaが1920年代,アル・カポネに代表されるギャングの時代を背景にしていたのに対し,Mafia IIは1940年〜1950年代(もっぱら50年代)が舞台になる。主人公,Vitoは欧州戦線から復員してきたばかりの,貧しいイタリア系移民の息子で,母親と妹との三人暮らし。駅で彼を出迎えたのは,幼なじみで今は小悪党のJoeだ。Vito自身は犯罪社会の仲間入りをするつもりはなかったが,彼がいない間,妹と母親が作ってしまった2000ドルの借金を返済するため,こころならずもJoeの裏仕事を手伝うようになり,やがてそれがエスカレートしてマフィアの世界に首までズッポリつかってしまうことに。
……と,このあたりの展開は,前作の主人公トミーとよく似ている。ただし,Vitoはトミーほど生真面目ではなく,酒場でJoeと話し合っているとき,背後の綺麗なお姉さんについ心を奪われるという,軽い一面も持っている。もともと,軍隊に入ったのだって,Joeとやった泥棒がばれてしまい,監獄に入るのを逃れるためだったらしい。
ゲームの舞台となるのはアメリカ東海岸の架空の街,Empire Bay。広さは10マイル四方と,かなりの広さに驚かされた前作の舞台,Lost Heavenの2倍の面積を誇っている。
以上の説明のあと,実際のプレイに突入。てっきり何かの説明を受けながらゲームするものだと思っていたのだが,実はそうではなく,たまに2K Czechの人が軽くTipsを教えてくれたりするだけで,あとは勝手に遊ぶというもの。プレイできたのは,このイベントのために作られたという,Xbox 360版のプレビューバージョンだった。ミッションは一つだけだが,ほかのフィーチャーは製品版とほとんど変わらないとのこと。
最初はアパートのVitoが,Joeの置き手紙を見つけ,彼のもとに出向くシーンからスタートする。冷蔵庫の中にあるものを飲んだり食べたりする,シャワーを浴びる,着替えるなど,アパートではさまざまなことができるようだ。
ひとまず着替えて車庫に行くと,いくつかの車の中から自分の好きなものを選べた。もちろん実際の製品では,最初から車などは持っておらず,奪ったりミッションでもらったりすることで入手していく。また,停車している車は前作同様,鍵の開け方を教わらないと盗めないようだ。さらに,盗んだ車を合法的に自分のものにするための工場もあるという。
Mafiaでは,増えた持ち車がドン・サリエリの庭に出現し,ゲーム終盤では足の踏み場がないほど車がずらっと並んで,どれがどれだか分からなくなるという,嬉しいような困るような状況になったが,今回はリストから選ぶのでスマートだ。乗り込んだらさっそく出発。
前作のグラフィックスもかなりのものだったが,今回はさらに見事で,広大なEmpire Bayの街並みが細かく描かれている。時間や天候の概念もあり,冬には一面が雪景色に変わるというからすごい。馬力がなくて苦労した前作の車に比べ,さすがに走り心地は良好で,例によって車の挙動にも車種ごとに細かい変化がつけられている。
行くべき場所と,そこに至るルートがミニマップに表示されるので,広いEmpire Bayでも迷うことはないだろう。このあたりは,「Grand Theft Auto IV」と同趣向だ。
うっかりスピード違反をすると,警察に追いかけられて罰金を取られるフィーチャーも健在で,なんだかピーポーピーポーうるさいな,と思ったらパトカーに追われていたVito。犯罪組織のメンバーだが,罰金50ドルを取られて,へへへ,すいません。もちろん,追ってきた警官相手に立ち回りを演じてもいいのだが,そんなことをすると手配レベルが上がるし,ゲームの進行にもいいことはないので,なるべく警官の目につかないよう,安全運転を心がけるのがマフィアの掟だ。
指示された場所へ行ってみると,Joeがトラックの荷台に積んだタバコの密売をやっており,Vitoはそれを手伝うことになる。Joeがお客の注文に従って「赤い箱を取れ」とか「青いのを取れ」とか命令してくるので,荷台の上から彼にカートンを放り投げる。一回につき2ドルの賃金が手に入るが,これまたおよそ犯罪組織のメンバーとは思えないほどのスズメの涙じゃないか。
さて,そんな現場に別の組織のチンピラがやってきて,いちゃもんを付け始めたから話がこじれてくる。Vitoのいるトラックの荷台に,火炎瓶を投げつけるチンピラ。燃え上がるトラックを見たJoeは,問答無用で奴らの一人を射殺。敵に回すとやっかいな男だJoe。
このように,ミッションの多くはあらかじめ目的がはっきり決まっているわけではなく,話が進むにつれてどんどん変わっていくことになるようだ。今回も,それからいろいろあって,仲間と一緒に敵の組織に殴り込むことになった。
まずは,敵の酒場を銃撃と火炎瓶で破壊するのだが,オブジェクトの破壊表現には気合が入っており,粉々になって飛び散るガラスの様子がとても美しい。誰でも一度はやってみたい「酒場でボトル棚に乱射」が,とてもリアルに堪能できるのだ。
続いて,隣の廃工場で敵の一団との撃ち合いに突入。いよいよ本格的な銃撃戦の開始だが,このミッションでは仲間とともに戦う。基本的に,味方AIはVitoのあとをついてくるようだが,ときどき彼を追い抜いて進んでいったりもするので,戦闘は自然な感じ。味方AIの性能は良好という印象だ。仲間に指示を出すことはできないが,AIの行動が意図不明で戦いにくいということもない。
さらに今回はカバーアクションが採用されており,車の残骸や柱の陰に隠れながら撃ち合うことになる。ヘルスパックが少なかったり,銃の性能が低かったりと,戦闘の難しさで無数のプレイヤーを泣かせてきた前作だが,今回の戦闘もかなりやっかい。体力は自動回復だが,回復速度は遅いうえ,非常にダメージを受けやすく,敵の銃弾数発でおしまいだ。うーむ。オートセーブのポイントも少ないなあ。
トミーガンは例によって反動がやたら大きく,タッピングして撃たないと,なかなか当たらず,弾も少ない。Lost Heavenの駅で厳しい戦いに挑み,あと一人! というところで撃ち倒されて,はい,最初からやり直し,という悲しくも辛い過去が思い出されてならないのである。
もっともこれ,筆者が慣れないXbox 360のコントローラを使ってプレイしたせいかもしれない。なにしろ,筆者以外のメディアは全員,ミッションを割と早めに終わらせていたのだ。なにやってんだか。
今回のテストプレイでは,細かい変化はあるものの,難度の高さも含めて前作の面白いところを確実に受け継いでいるという印象を受けたMafia II。新作なんだから,ともかく新しくしなくては,という最新作もあるが,そういう方向ではないようだ。日本での発売は正式には発表されていないが,個人的にますますリリースが楽しみな作品になった。
「Mafia II」公式サイト(要年齢認証)
- 関連タイトル:
Mafia II 日本語版
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