インタビュー
「ドラゴンネスト」の年内アップデート予定について,開発元EYEDENTITY GAMESスタッフに直接聞いてみた
また,ドラゴンネストの開発・運営スタッフが,ゲーム内のさまざまな状況に対してどのように認識・対策していくのかについても語られ,プレイヤーにとっては興味深い内容だったことだろう。
「ドラゴンネスト オフラインイベント ファン感謝祭2011」
オフラインイベントのレポート記事
9月から毎月アップデートを実施予定
数々の新コンテンツについて聞いてみた
4Gamer:
オフラインイベント,お疲れ様でした。
ドラゴンネストにとっては初のオフラインイベントの開催でしたが,感想はいかがですか。
EYEDENTITY GAMES:
実際にプレイしているお客様と意見を交わすことができたのは,良い経験だったと思います。韓国では昨年の5月にオフラインイベントを行っているのですが,今日のイベントはそれよりも大きな規模だったのも緊張しました。
また,日本で盛り上がっているのが実感できたのも嬉しいですし,日本のお客様を裏切らないようにしなければならないと感じました。
4Gamer:
イベントの最中,これまでの歩みを振り返っていましたが,毎月のように次々とアップデートが行われています。
それでも,プレイヤーからはコンテンツ不足の声が多かったのには驚かされました。
EYEDENTITY GAMES:
コンテンツの種類や数が豊富ならそれでいい,という単純な話でもないんです。ゲームを楽しんでプレイしてくれている皆さんのニーズを的確に汲み取って,それに応じたアップデートを行っていくことが大切ですが,現状のドラゴンネストはコンテンツも不足していますし,コンテンツの導線部分,報酬やコンテンツ価値にも問題があると認識しています。
そういったことから,まだまだ要望に応えきれていないのと思いますので,これからも頑張っていきます。
4Gamer:
そのアップデートに関する具体的なプランの数々が,イベントで発表されました。それらの内容について,もう少し詳しくお聞かせください。
まずは,9月に導入される「GvG体験モード」についてです。10月にGvG(ギルドバトル)の“占領戦”が正式実装されますが,あえて,その前に「体験モード」を導入する意図はなんでしょうか?
EYEDENTITY GAMES:
GvGは“戦略性”を重視したゲームモードで,こういった遊び方は今までのドラゴンネストにはありません。仮にGvGの本実装を先に行ってしまうと,多くの人が戸惑ってしまうだろうと心配しました。そこで,GvGの醍醐味である戦術的な部分だけを気軽に楽しんでもらうために,練習期間を設けることにしたのです。
4Gamer:
韓国ではどうだったのでしょう?
EYEDENTITY GAMES:
韓国ではアップデートでいきなりGvGを本実装したのですが,プレイヤーがかなり混乱していました。システムに対する理解が乏しく,練習する機会も不十分で,モチベーションが続かなかったのです。従来の遊び方とは大きく違うので,出だしでつまずいてしまい,残念でした。
日本では韓国と同じ結果にならないようにしなければならないと思っています。
4Gamer:
体験モードを先に実装するのは,その教訓から,ということですね。
GvGにおける一番の醍醐味は,どういった部分になりますか?
EYEDENTITY GAMES:
繰り返しになりますが,従来のPvPにはなかった戦略性です。ドラゴンネストのGvGでは,対人戦が苦手な人も,例えば拠点を制圧したりすることで,チーム全体の勝利に貢献できます。もちろん,そのプロセスで対人戦が発生することもありますが,どちらかというと協力プレイの延長として楽しめるゲームモードになっています。
4Gamer:
PvPに抵抗感のある人でも楽しめる,というのは大きそうですね。将来的には占領戦以外のGvGモードも実装するのですか?
EYEDENTITY GAMES:
はい。プランとしては他にもいくつか用意しています。それぞれ特別なルールが用意され,単純に敵を倒すだけの内容にはなりません。まずは占領戦を実装してみて,プレイヤーの反応やニーズを調べながら検討していくことになるでしょう。
4Gamer:
分かりました。
続いては,同じく9月に実装が予定されている「カオスフィールドダンジョン」についてです。ランダムダンジョンということで,例えば「Diablo」のようなプレイフィールになるのでしょうか?
EYEDENTITY GAMES:
さすがにあそこまでのランダム性はないですね。
1回のダンジョン構成は,3層のフロアがあり,最後にボスが待ち受ける形となっています。フロアごとにマップがいくつか用意され,それがランダムで選ばれる形です。また,出現するモンスターもある程度,ランダムになります。
4Gamer:
推奨レベルとプレイヤー人数はどれくらいを想定していますか?
EYEDENTITY GAMES:
キャラクターレベル50のフルパーティで,スリリングなバトルを満喫できるくらいでしょうか。体感的には,“アビスダンジョン”と“ネストダンジョン”の中間くらいの難度になります。
4Gamer:
それ以外のレベル帯のカオスフィールドを実装する予定はありますか?
EYEDENTITY GAMES:
プレイヤーからの要望次第でしょう。
4Gamer:
カオスフィールドならではの報酬アイテムといったものはありますか?
EYEDENTITY GAMES:
これはステージでは発表しなかったのですが,マイキャラが習得したスキルを強化できるシステムが,9月に実装されます。その強化を行うために必要な材料が,ここのボスから得られます。
待望の新キャラクター「アカデミック」
そのキャラクターコンセプトとは?
4Gamer:
それでは続いて,新キャラクターとして登場する「アカデミック」について聞かせてください。まず,キャラクターのコンセプトはどんなところでしょう。
EYEDENTITY GAMES:
ドラゴンネストは,MORPGとして手ごたえのあるアクションをウリにしてきました。でもライトに遊びたい人からは,「難しい」といった声も聞かれます。そういった人でも,手軽に楽しめるキャラクターを作ろう,というのがきっかけです。
4Gamer:
アカデミックの紹介ムービーを見てみると,「大砲をぶっ放す」「巨大スパナで殴る」「小さなヘリでサイドステップ」「ロボのペットを戦わせる」といった能力が確認できますね。
EYEDENTITY GAMES:
それらの中でも一番の特徴といえるのは,マイキャラを手助けしてくれるペットの存在ですね。モンスターと距離をおいて戦えるので,比較的攻撃を受けにくいキャラクターです。
4Gamer:
コンセプトアートにも「Academic with Friends」と書かれていますね。ペットにはどういったラインナップがあるのでしょうか?
EYEDENTITY GAMES:
主に3種類のペットを使うことができます。
「アルフレッド」は大きな姿をした,タンク系のペットです。モンスターのターゲットを引き付けてくれるので,マイキャラがより安全に戦えます。プレイヤーにとっては,味方キャラが1人増えるような感じですね。
「メカダック」は,アタッカー系のペットです。単体ではあまり強くないのですが,クールタイムが短く,数をたくさん呼び出すことができます。
最後の「ガトリングダック(仮)」は,地面に設置する小型機関銃を操作してくれるペットです。このペットは一度設置すると地面に固定されて動けなくなりますが,モンスターがよく通る道などを選定して戦略的に設置しておくと,戦闘を有利に展開できることができます。
4Gamer:
アカデミックの能力に関して,ペット以外にどういった戦い方ができるのでしょうか。
EYEDENTITY GAMES:
大きな“泡”を発射してモンスターを中に閉じ込めたり,地面にワックスをまいて,その上を通った味方キャラの移動スピードを上げたり,結構いろいろなスキルを習得していきますよ。
4Gamer:
話を聞いていると,幅広い能力を持ち合わせてるという意味で,どちらかというと中級プレイヤー以上向けのようにも思えますが。
EYEDENTITY GAMES:
確かにスキルは幅広いですが,基本コンセプトは“初心者が遊びやすいように”というところからスタートしています。社内からは「ちょっと強すぎるんじゃない?」という声もちらほら挙がっているくらいですね。
4Gamer:
次に,アカデミックのクラスチェンジについてです。ステージイベントでは,レベル15で転職できる“エンジニア”が紹介されました。従来のキャラクターの場合,レベル15の段階で2種類のクラスが選べましたが,アカデミックのもう片方についてはいかがでしょうか。
EYEDENTITY GAMES:
9月の段階ではエンジニアのみですが,もう片方の2次職に関しても現在開発中です。
4Gamer:
ドラゴンネストの2次職はこれまで,ざっくり「従来路線」と「少し方向転換したタイプ」に分かれていましたが,そのあたりはどうですか。
EYEDENTITY GAMES:
エンジニアがいわゆる従来路線の2次職ですね。もう一つは,“錬金術師”のような能力になります。例えば薬を調合して仲間を回復したり,爆発物を投げつけたりと,プリーストのような裏方役が好きな人には魅力的なクラスになりそうです。
4Gamer:
それはいつごろ実装されるのですか?
EYEDENTITY GAMES:
いまのところ2011年の末から,2012年の初頭を目標にしています。
4Gamer:
エンジニアを育成した先にある,2次転職についても聞かせてください。
EYEDENTITY GAMES:
エンジニア系列の2次転職では,“ギアマスター”と“シューティングスター”を選択できます。ギアマスターはペットのアルフレッドが,シューティングスターは他のペットが大きくパワーアップします。
4Gamer:
錬金術師の2次転職も気になってしまうのは,さすがに気が早いでしょうかね。
アカデミックの,韓国における実装後の反響はいかがでしたか?
EYEDENTITY GAMES:
韓国では久々の大型アップデートだったこともあり,かなりの注目を集めていると思います。従来のキャラクターとはプレイスタイルが大きく違うので,既存プレイヤーがアカデミックで遊ぶケースも多いですね。その反響から,日本ではアカデミックの実装と同時に,作成できるキャラクター枠を増やすことにしています。
10月以降のアップデートについ聞いてみた
次に,10月分のアップデートについて聞かせてください。
まずは「GvG」が体験モードから本実装に移行ということですが,これは具体的に何が変わるのでしょうか?
EYEDENTITY GAMES:
体験モードにおけるGvGは,1回限りの勝負で,報酬システムがありません。本実装では長期的な試合と報酬システムが用意されるのが大きな違いです。
4Gamer:
本実装では,どれくらいの規模で試合が行われるのでしょうか。
EYEDENTITY GAMES:
本選はトーナメント形式になっていて,参加ギルドが多かった場合,本選出場枠を決めるための予選が行われます。予選の第1試合から,トーナメントの決勝戦までのあいだは,長いときで約1か月くらいかかりますね。
4Gamer:
日本では「ファンタジーアース ゼロ」の人気が今も高いですよね,ああいった“協力プレイを前提にした大規模PvP”は意外と少ないので,個人的にも期待しています。
EYEDENTITY GAMES:
そうですね。ギルドのコミュニティ活性化も期待できますし,きちんと魅力を伝えることができれば,きっと楽しんでもらえるかな,と思っています。
ステージイベントで気になったのは,12月アップデートで予定される“新たなドラゴンネスト”です。もしかしてゲームの全面リニューアルとかですか?
EYEDENTITY GAMES:
いえ,そういうわけではないですよ。あれは,新規のダンジョンが追加されるという意味です。その前のアップデートで,ダンジョンに続くためのストーリーラインが盛り込まれますので,そのあたりにも注目してみてください。
4Gamer:
分かりました。
今日は,お忙しい中ありがとうございました。
また,会場では日本の運営プロデューサーである杉浦俊輔氏からもコメントをもらったので,最後に掲載しよう。
この1年多くのお客様に支えられて,サービスを展開する事が出来ました。ただし,お客様に満足していただけるだけのコンテンツボリュームや品質という面ではまだ十分ではなく,大変申し訳ありません。
杉浦俊輔氏
まずはアカデミックの実装から年内中に,スピード感を持って現状のエンドコンテンツの拡張や強制終了をはじめとした不具合の修正,キャラクター間のバランスなど改善を進めます。
GvGなど今まではにはない「ただ敵を倒すだけではない」戦略性を持ったコンテンツを導入します。日本のお客様はこのような戦闘だけできる対戦モードよりも,このような戦略性を持ったコンテンツの方が合っていると思います。
2012年では100人同時戦闘など更に新しい試みを実装し,ドラゴンネストの世界はさらに広がりますので,ご期待いただければ幸いです。
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