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印刷2018/06/15 00:00

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青色LEDを4000個以上使った超高画質液晶ディスプレイをCOMPUTEXのASUSブースでチェック

 例年通りASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,COMPUTEX TAIPEI 2018に多数のディスプレイ製品を出展していた。その中でも,JOLED製有機ELパネルを採用する話題の製品「PQ22UC」については,すでにレポート済みだ。しかし,同社のブースにはまだまだ注目すべきディスプレイ製品があったので,まとめてレポートしたいと思う。


バックライトLED総数4000個以上有機EL並みに美しい液晶「PA32UC」が登場


 PQ22UCは,かなりエポックメイキングな製品だったが,もう1つ,それに負けないほどホットな製品があった。それが液晶ディスプレイの「PA32UX」。COMPUTEX TAIPEI 2017で披露された4K解像度でHDR表示対応の液晶ディスプレイ「PA32UC」の後継機である。

PA32UX。なお,写真の色味がひどいのは,ブースの照明が悪影響を与えていたためである
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先代にあたるPA32UC
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 2017年に登場したPA32UCは,直下型白色LEDのバックライトとAU Optronics製IPS液晶パネルを採用したディスプレイで,画面分割数384のエリア駆動(ローカルディミング)にも対応する製品だ。とくに光源として採用した白色LEDが非常に優秀で,筆者によるテストでも,液晶ディスプレイとしては優れたRGBスペクトラムを計測していた。
 その後継となるPA32UXは,PA32UCの筐体をそのまま流用しているため,32インチサイズで,解像度3840×2160ドットの4K液晶パネルを採用するという基本的な要素は変わっていない。だが,内部のコンポーネントや表示に関わる仕様は,進化しているという。

バックライト用超小型青色LEDの見本。見てのとおり青色である
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 最も大きな変更点は,バックライトの方式が変わったことだ。直下型バックライトシステムという点に違いはないが,光源となるLEDを,白色LEDではなく,チップサイズが265×265μm(0.265×0.265mm)という超小型青色LEDチップに変更したのだ。
 青色LEDのままでは,バックライトには使えないわけだが,これに量子ドット素材によるフィルム状のシートを組み合わせることで,光の波長を白色に変換する。具体的には,435480nm程度の波長となる青色光に励起される赤色量子ドットと緑色量子ドット蛍光体を利用しているそうだ。
 ちなみに,量子ドット素材のフィルムシートを使う手法自体は,量子ドット技術の採用を謳う液晶テレビでは一般的である。また,量子ドットの素材には,液晶パネルメーカーによって異なるレシピがあるのだが,PA32UXで使っている赤色量子ドットは7〜8nm前後,緑色量子ドットは3〜4nm前後の球形半導体とのことだった。

 一般的な白色LEDも,発光体自体は青色LEDである。これにYAG(イットリウム アルミニウムガーネット)蛍光体などを組み合わせて白い光を作るのだが,実のところ波長変換の精度はいまひとつで,緑と赤のスペクトルピークは鈍くなる。しかし,量子ドット方式であれば,あたかもRGBそれぞれのLEDを光らせたのに近いような光スペクトルが得られるのだ。

 今回もASUS側の許可を得たうえで,筆者がAV Watchで連載中の「大画面☆マニア」で使用している楢ノ木技研製の色度計「ezSpectra815V」(関連リンク)を用いて,PA32UXの光スペクトルを計測してみた。
 発光体が青色なので,青色のゲインが鋭いのは当然として,緑と赤のスペクトルピークも鋭く立ち上がっているのが分かる。有機ELディスプレイであるPQ22UCの計測結果と比較すると,各色のピークにおける揃い具合は及ばないものの,色と色の谷間は深く,色の分離具合は優るとも劣らないレベルだ。
 いずれにせよ,液晶ディスプレイとは思えない光スペクトルが検出できたことに驚かされた。

PA32UXの白色光における色スペクトラム実測結果
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こちらはPQ22UCの色スペクトラム実測結果
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PA32UXで使われている超小型青色LEDの展示。ただし,これはあくまでもバックライトの構成をイメージしたダミーで,実物ははるかに高密度だという
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 PA32UXでは,超小型の青色LEDを採用したことによって,直下型バックライトにおけるLEDの実装ピッチを非常に狭くできたのも利点であるという。LEDのピッチ幅は非公開とのことだが,ブースの担当者によると,32インチサイズ(約70×40cm)に対して,4000個以上の青色LEDを実装したそうだ。LEDの個数を4080個だと仮定して大雑把に計算すると,85×48個くらいになるので,おおよそ8mm間隔で超小型青色LEDが敷き詰められていることになる。とてつもないLED密度と言えよう。

 担当者によれば「この密度でLEDを配置できたことで,PA32UCで使用していたバックライトを拡散させるための拡散板が不要になった」とのこと。加えて,バックライトシステムと液晶パネルとの距離を5mm以下にまで近づけることもできたそうだ。
 さらに,バックライトと液晶パネルの距離を短くすることは,直下型バックライト採用ディスプレイの厚みを減らせるだけでなく,「ユニフォミティ(※発光均一性)と光利用率の向上(=低消費電力と高輝度化の両立)につながる」と,担当者はつけ加えていた。

 気になるエリア駆動数は,先代PA32UCが384であったのに対して,PA32UXのはなんと1000。テレビを含めても,一般消費者向け製品としては世界最大の画面分割数かもしれない。担当者は,「液晶ディスプレイでありながら,極めて自発光に近い表示が可能」と自信を見せていた。

 スペック上の最大輝度は1400nit(=1400cd/m2)で,最低輝度は0.0010.003nit。暗部階調の再現性においては,暗く光らせるのが難しい有機ELパネルよりも高画質を実現できるかもしれない。また,公称コントラストは200万:1となっている。
 HDR映像規格についてはHDR10,Dolby Vision,HLG(Hybrid Log Gamma)のすべてに対応するとのこと。VESAのディスプレイ向け規格であるDisplayHDRでは,最高のDisplayHDR 1000に対応しているそうだ。
 担当者によると「本機は,DisplayHDR 1000をはるかにしのぐ表示性能があるので,VESAとともに,DisplayHDR 1000よりもさらに上位となる基準の策定を進めている。それがもし『DisplayHDR 1400』となるとすれば,(その時点では)本機が唯一の対応製品になるはずだ」とのことだった。


写真では伝えようがないが,ピーク輝度1400nitによる高輝度部の階調表現は圧巻である
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 ブースの視聴環境でデモ映像を見た範囲では,明部の光が暗部に溢れ出すヘイロー現象は見受けられなかった。コントラスト感はそれこそ有機ELパネルに迫っている。デモ映像はHDR10ベースのようだったが,32インチサイズのPC用ディスプレイで最大輝度1400nitによるHDR表現は感動的であった。
 画面サイズが,一般的なHDR対応4Kテレビよりも小さい分だけ,輝度の密度が高いように感じられることから,「HDR感」と呼ばれることもある屋外の表現などにおけるリアリティは,HDR対応4Kテレビをもしのぐような印象を受けた。

 なによりPA32UXは,色再現性が素晴らしい。純色だけでなく中間色の表現も,とても良好だ。DCI-P3色空間カバー率は99%で,BT.2020色空間カバー率は83%とのことで,単色LEDバックライト採用の液晶ディスプレイとしては,かなり優秀である。ちなみに,ソニーの放送用30インチ4K有機ELマスターモニター「BVM-X300」は,BT.2020色空間カバー率が80%前後なので,PA32UXはほぼ同等といえる。

左写真を見てのとおり,紫や青の照明で照らしているものだから,展示スペースの照明環境は最悪だったが,それでも発色の良さを感じ取ることはできた(左)。圧倒的な明暗が1つの映像内に同居していても暗部はしっかりと暗いし,液晶パネルらしいアナログチックな階調表現もできていた。日本で展示する際には視聴環境に配慮して欲しいところ
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 担当者によれば,色再現性指標は現状で⊿E≦2を達成していて,最終製品では⊿E≦0を目指すとのことであった。もう少し色再現性が向上すれば,マスターモニターのポジションを狙える可能性もあるだろう。

裏側に回り込んで,インタフェース部分を撮影してみた。ビデオ入力インタフェースとしては,HDMI×4とDisplayPort×1を備えている(左)。画面を4分割して,それぞれに異なる入力映像を表示することも可能という。Thunderbolt 3ポートも2ポートあり,デイジーチェーン接続にも対応する(右)。右写真の右側に見えるUSB Type-C×1とUSB 3.0 Type-A×2,USB 3.0 Type-B×1は,USBハブ機能のインタフェースだ
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 発売時期は未定だが,2018年末にはサンプル出荷の予定で,2019年の発売を目指しているそうだ。価格も未定だが,先代のPA32UCは,実勢価格が35万円前後なので,それを下回ることはありえまい。マスターモニターポジションまでを狙っているということなので,最低でも100万円以上になるのではないだろうか。


アスペクト比32:9の長いヤツがASUSからも登場


 筆者の連載記事で紹介したSamsung Electronics(以下,Samsung)製の「C49HG90」や,MSIブースの液晶ディスプレイ新製品レポートで紹介した「Optix MAG491C」と同様の,49インチサイズで解像度3840×1080ドット,アスペクト比32:9という超横長湾曲型液晶ディスプレイが,ASUSからも「VG49V」という製品で登場する。

非常に注目度が高かったアスペクト比32:9のゲーマー向け液晶ディスプレイ「VG49V」。今後も続くかどうかは分からないが,複数メーカーから出てくるとなると,ちょっとした流行になりそうだ
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1800Rの曲率もSamsungのC49HG90と同じ。ちなみにバックライトはエッジ型(サイドライト)である
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 3製品ともそっくりな仕様のクローン機のようなものなので,おさらい程度にスペックを紹介しておこう。VG49Vは,27インチサイズでフルHD解像度の液晶パネル2画面分を1枚の液晶パネルで実現したような製品だ。55インチサイズの4K液晶パネルを水平で半分に切ったようなとも言えようか。
 曲率1800R(=半径1800mmの円を描くカーブ)のVA型湾曲液晶パネルということもあり,画面が視界を取り囲むような没入感を重視したいゲーマーなら,注目すべき製品となるかもしれない。

 VG49Vはゲーマー向け液晶ディスプレイということもあり,応答速度は1msで垂直リフレッシュレートは最大144Hz,AMDのディスプレイ同期技術「FreeSync」にも対応するなど,ゲーム用の仕様も盛り込んでいる。標準輝度は350nitで,ネイティブコントラスト比は3000:1。HDR表示はHDR10に対応するとのこと。色再現性については,sRGB色空間カバー率が125%で,AdobeRGB色空間カバー率は92%である。

色度計で計測したVG49VのRGB光スペクトル。オーソドックスな白色LEDバックライトなので,よく見かける液晶ディスプレイのスペクトル分布といった印象だ。PA32UXのように鋭いスペクトルピークはなく,PA32UXのすごさを改めて実感した
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画面が横に長いためか,背面インタフェース部分もスタンドを挟んで左右に分かれている。HDMI入力は前面から見て右側に2系統(左),DisplayPort入力は前面から見て左側に2系統あるようだ(右)
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 発売時期や価格は未定とのことだが,日本での展開は検討中だという。
 Samsungの液晶ディスプレイ製品は日本市場から撤退して久しいので論外として,ASUSのVG49VとMSIのOptix MAG491Cは,国内発売の可能性も高い。ニッチな製品だけに,相応に高価な価格になるだろうが,国内での展開を楽しみにしたい。


21:9アスペクトの最新モデル「PA34V」


 ゲーマー向け製品ではないが,アスペクト比21:9の液晶ディスプレイ新製品として,「PA34V」が出展されていた。34インチサイズで解像度3440×1440ドットの湾曲型IPS液晶ディスプレイである。画面の曲率は1900Rとのことだった。

PA34V
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 ビデオ入力インタフェースとして,HDMIやDisplayPortに加えて,Thunderbolt 3接続にも対応しており,ブースでは,Intel製の最新Thunderbolt 3コントローラである「Titan Ridge」を搭載することが特徴であるとアピールしていた。
 Titan Ridgeの特徴は,DisplayPort 1.4での映像伝送に対応している点で,8K解像度の60Hz映像や,4K解像度の120Hz映像を伝送できる。
 HDR表示はHDR10に対応。最大輝度は400nitで,DisplayHDR 400にも準拠しているそうだ。

Thunderbolt 3ポートを2系統装備(左)。USB Type-A×3はUSBハブ機能として使うものだろう。一般的なビデオ入力インタフェースとしては,HDMI×2とDisplayPort×1を備える(右)
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 sRGB色空間カバー率は100%以上で,色再現性指標は⊿E≦2に達するとのこと。発光均一性も含めて,1台ずつ検査と調整を行ってから出荷するというので,画像や映像のクリエイター向けといったところか。
 なお,PA34Vの発売時期や価格は未定である。


今どき珍しいアスペクト比16:10の液晶ディスプレイ「PA24AC」


 次に紹介する「PA24AC」は,最近では非常に珍しい存在といえるアスペクト比16:10の液晶パネルを採用するディスプレイだ。IPS型液晶パネルは24インチサイズで,解像度は1920×1200ドットとなる。

PA24AC。右上にぶら下がっているのは別売りのカラーキャリブレーションデバイスで,調整結果のプロファイルを複数保存しておき,任意に呼び出し可能であるそうだ
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 ASUSの担当者曰く,PA24ACにアスペクト比16:9のフルHD映像を表示させると,下側に余剰の表示スペースが生じるので,そこに画像編集ソフトや動画編集ソフトのツールバーやタイムラインバーなどを表示できるというのが,本製品の売りであるそうだ。

ビデオ入力インタフェースはHDMIとDisplayPortに加えて,DisplayPort Alternativeモード対応のUSB Type-Cポートも備える
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 2018年に新登場ということで,最新規格に一通り対応しているのが特徴といえば特徴である。HDR10形式のHDR映像表示に対応し,DisplayHDR 400にも準拠。sRGB色空間カバー率は99%で,色再現性の指標は⊿E≦2を保証するという。
 発売時期や価格は未定であるが,アスペクト比16:10の液晶ディスプレイを求める人にとっては貴重な新製品となりそうなので,国内展開も期待したい。


据え置き型ゲーム機向けを謳う4K&HDR対応液晶ディスプレイ「CG32」


 ASUSのゲーマー向け製品ブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)の製品発表会で披露された“据え置き型ゲーム機向け”を謳う4K&HDR対応液晶ディスプレイ「CG32」については,すでにレポート済みであるが,ASUSブースでの取材により,いくつか判明した新情報があるので,簡単にまとめてみよう。

CG32。FreeSyncに対応するものの,垂直リフレッシュレートは最大60Hzなので,低フレームレートの映像をなめらかに表示するためと考えていいだろう。ちなみにDCI-P3色空間カバー率は95%とのこと
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画面の色調に合わせて光るというLEDイルミネーション機能「Halo Sync」を左右と上側の側面に搭載する
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 発表会でのレポート記事で,CG32は「バックライトのエリア駆動に対応する」と記述していたが,ブースで確認したところ,バックライトシステム自体は,液晶パネルの左右端にライトを設置するサイドライト方式であるという。ただ,バックライトからの光を中央に向かって誘導する導光板を,画面左半分に上から8列,右半分にも8列という計8列×2の16個配置しており,これらを個別に駆動することで,8+8で16分割のエリア駆動を行うということだ。
 エリア駆動とはいっても,画面半分にまで及ぶ,横長短冊状の導光板単位での制御であるから,相当にうまくやらないとヘイロー現象が出てしまう。そのため,直下型バックライトのエリア駆動ほどアグレッシブな制御は行わないのではないだろうか。

据え置き型ゲーム機向けというだけあって,ビデオ入力インタフェースはHDMI×3,DisplayPort×1とHDMIが多めだ
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 また,ゲーマー向けというわりに,公称の表示遅延が13msとなっていて,「最新の東芝レグザやソニーのブラビアが数msのレベルで争っているのに対して,遅すぎるのではないか」と質問したところ,13msという公称値は画面下端での計測値であるという答えが返ってきた。
 日本のテレビ業界において,いわゆる「ゲームモード」の表示遅延とは,入力映像の表示が始まるまでに映像エンジン内で生じるシステム遅延であり,画面上端での計測となるのがほとんどだ。それに対してASUSは,画面下端,すなわち1フレーム分の映像表示が終わるまでの時間として13msという値を公表したのだという。
 疑問は解決したものの,「この値をそのまま公表すると,日本のゲーマーからは誤解されるだろう」と忠告しておいたので,国内発売が行われるとなったら,遅延の表現が修正されるかもしれない。


ゲーマー向け超短焦点LED光源プロジェクタ「F1」


 「LEDプロジェクタ」というプロジェクタを知っているだろうか。光源にLEDを使ったプロジェクタで,主にビジネス向けのポータブル製品が主流となっている。強力なランプを光源に使う既存のプロジェクタと比べて,「映像が暗くて解像度も粗い」というイメージを持つ人もいるかもしれない。
 そんなLEDプロジェクタに,ゲーム用途にも使えるという新製品「F1」が登場した。

F1
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 F1の特徴は,プロジェクタからスクリーンまでの投影距離が短くても,大画面を表示できるという短焦点投影機能にある。F1は投影距離3.4mで200インチ級,投影距離1.5mで100インチ級の映像を投影できるという。1.5mで100インチ級というスペックは,短焦点投影が売りのプロジェクタではよくあるものだが,一般的なホームシアター向けプロジェクタが,投影距離3mで100インチ程度なので,スクリーンと近い位置にプロジェクタを設置しても,同じだけの大画面を得られるわけだ。

 もう1つの特徴,RGB各色のLED光源を採用しつつ,1200ルーメンという最大輝度を誇るというところ。最大輝度だけなら,標準的なホームシアター向けプロジェクタと同等である。解像度は1920×1080ドットとのことで,この点でもなかなか頑張っている。
 映像表示には,Texus Instruments製のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を使用し,単板式のDLPプロジェクタながら3D立体視にも対応している。市販のDLP対応3D眼鏡を用意すれば,3D映像でのゲームや3Dブルーレイも楽しめるわけだ。

ビデオ入力インタフェースには,HDMI×2,アナログRGB(D-sub 15ピン)×1を備える。無線映像伝送技術の「Miracast」にも対応しているので,スマートフォンの画面をワイヤレスで投影することも可能だ
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 ASUSの担当者によると,F1は大画面でカジュアルにゲームを楽しむことをコンセプトに開発しているそうで,プロジェクタ本体に2.1chのサブウーファ付きスピーカーシステムを内蔵しているのも特徴であるという。ゲーム機を本機に接続して電源を入れるだけで,ゲームの映像とサウンドを楽しめると言うわけである。3W+3Wのステレオスピーカーと,5Wのサブウーファという構成なので,大音量が得られるわけではないが,自室でカジュアルに楽しむ分には役立ちそうである。

 ASUSブースでは,2台のF1を横並びで投影して,3840×1080ドット,アスペクト比32:9のパノラマ画面で「Project CARS」をプレイできるデモを披露していた。ちなみに,このデモの画面サイズは,1台あたり65インチ程度だったので,65インチ×2画面の約118インチとなる。

F1を2台使った3840×1080ドットの画面でProject CARSをプレイできるでもコーナー。F1は天井からぶら下げている
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 照明が劣悪なデモ環境のわりには,まあまあ明るい映像が楽しめたのは,さすがは1200ルーメンといったところか。本来はもう少し照明を落とした環境でデモをすべきだったように思う。

表示遅延の値は未公表だが,「約1フレーム相当」と担当者は述べていたので,約16.7ms程度というあたりか。レーシングゲームをプレイしている限りはとくに不満は感じなかった
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 発売時期や価格は未定だが,担当者は「10万円前後で出したい」と述べていた。日本での発売も検討中とのことだ。

ASUSTeK Computer 日本語公式Webサイト


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