インタビュー
放置してるだけで経験値? オープンβテスト直前「SEKIHEKI」日本プロデューサーインタビュー
よろしくお願いします。
まず,オープンβテストでの追加要素から教えていただけますか。
森下氏:
クローズドβテストで公開されていた武器6種類に加えて,2種類の武器が入ります。ゲーム内で聞いたところ要望が多かった「槍」と「扇」の2種類です。
扇で,ようやく魔法系の武器が入り,回復系も加わりますのでパーティ戦闘などにかなり幅が出てきます。
さらに,レベルキャップが40から60に上がり,レベル60になると二つめの武器,「副装」が使えるようになります。
ようやく本格的にSEKIHEKIらしさが出てくる感じですね。クローズドβテストは5日間と短かったので,せっかくのテストがちょっともったいない感じもしていました。序盤をプレイしているだけだと,普通のMMORPGとあまり変わるところがないですし。それぞれの武器特有のスキルがだいたい揃ってくるのは,レベル30とか40くらいですか?
森下氏:
そうですね。そのあたりです。CBTは短期間でしたので,レベル40で,三国に仕官までした人はごくわずかでした。
4Gamer:
でもレベルキャップまでいった人がいたんですか。
森下氏:
いましたねえ。テスト中に,GMのイベントで結義(ギルド)や軍団(ギルドの集合体)を作ったりもしたのですが,プレイヤーが作った軍団というのもできていました。それが,GMが作った軍団より遥かに強い猛者揃いでして。
4Gamer:
CBTでのゲームの評判はどうでしたか。
森下氏:
こういうとなんですが「意外と面白いじゃん」という意見が多かったですね。それと,独特な操作性の部分で慣れるのに時間がかかるという声も聞かれました。とくに当社のほかのタイトルとは操作方法が違っている部分があって,不自由に感じた人が多かったようです。
これについては運営側で説明不足の部分もありました。対人戦を生かすために生まれたシステムですので,そこを理解してもらえるようにアピールしていきたいです。
4Gamer:
レベル40くらいから本格的に楽しめるということなのですが,普通の人がやるとどれくらいかかるんでしょうか。
レベル自体は,割とサクサク上がっていくほうだと思いますので,そんなにはかからないと思います。レベル上げでは,クエストがメインになっていきます。ストーリー進行のメインクエストと各街でのサブクエストの2系統があって,対象となっているMobが重なっていると,まとめて進行できますので,そういうのを効率よくやっていただければ,かなりスムースにレベルが上がっていきます。
ただ,溜めた経験値を使ってレベルを上げるか武芸を上げるかの選択になりますので,後半は伸びが緩やかになっていくと思います。レベルだけに絞れば,1日2,3時間のプレイでも1週間から2週間で到達できるのではないでしょうか。
4Gamer:
CBT参加者では,経験値を武芸につぎ込むのはどれくらいの割合だったのでしょうか。
森下氏:
CBTに限ればレベル優先の人が多かったですね。やはり,クエストをやり込んだり,先のマップを見てみたいなどの理由でしょうか。もう一方で多かったのが何キャラも作っていた人ですね。武器がメインになるゲームですので,武器をバラバラに持たせてどれがいいかを検証している人が多かったです。
4Gamer:
なるほど。武器の人気はどうでしたか。
長刀がダントツでした。次いで弓でしょうか。
4Gamer:
弓は見ていてなんとなく使いにくそうな感じがしたのですが,どうなんでしょう。
森下氏:
通常のタイトルでも弓系を好む人は多いですよね。
SEKIHEKIの弓は,圧倒的な距離+火力が馬鹿にならないので,Mob相手だと相当楽に進めます。特殊な武器ですので,対人戦はちょっと難しいところもあるのですが,弓矢で一騎討ちしている人もいました。姿を消すスキルがありますので,それでターゲットを外して,遠くから攻撃するというのを繰り返していたようです。
4Gamer:
OBTで2種の武器が追加されるとのことですが,正式サービス時にもなにか追加されるのですか?
森下氏:
正式サービス開始時点では武器は増えないかもしれませんが,直近のアップデートで随時追加していくことになると思います。
4Gamer:
現在,中国で実装済みなのは何種類でしたっけ。
森下氏:
現在のところ,12種類ですね。今後随時開放されていくそうです。
4Gamer:
こちらもなかなか増えませんよね。先は長そうです。
武器以外にOBTでほかに増える要素にはどんなものがありますか。
戦場の種類が増えますね。CBT時点では四つ入っていたんですけど,レベルキャップの関係で実際に入れるのは二つしかありませんでした。これが四つとも入れるようになるのに加えて,さらに四つのマップが追加されます。
その際に,これまでなかったPvPの戦場も追加されますので,戦場の楽しみ方も大きく広がります。PvP用の戦場では,最大で24対24での対人戦闘が楽しめます。
4Gamer:
そのPvPの戦場は,ギルド戦みたいなものですか? それとも入り口で適当にメンバーを集める感じなのですか?
森下氏:
NPCのところで,どこに入るというのを申請して人が集まるのを待つという感じですね。もちろん,結義や軍団単位でどっと入ってくることはあるでしょうが。
ちなみに,戦場の申請を出したあとは,よそに行っても大丈夫です。クエストなどを進めていても,人数が揃ったら「戦場に移動しますか」という告知がきますので,予約だけしておいて狩りに出ていただいてもかまいません。
4Gamer:
かなり気軽にできそうですね。
森下氏:
SEKIHEKIの戦場で手に入るアイテムは,すべて通常のフィールドでは手に入らないもので,武器や防具を作る素材だったり,特殊なアイテムと交換できる通貨のようなものであったりとか,先々強い装備を手に入れるために必要なものになりますので,そういう意味でも皆さん,戦場に挑戦していただきたいです。
4Gamer:
すると,普段のゲーム内容は戦場がメインになっていきそうなのでしょうか。
森下氏:
そうですね。ほかの人に邪魔されないという意味では,コミュニティ部分で重要なものになると思います。
また,戦場では,歴史上起こった戦いをそのまま体験して楽しんだり,あるいは,歴史を覆したりすることも可能です。処刑される呂布を助け出したりとか。歴史そのままのクエストやパラレルワールドのようなストーリーもありますので,三国志の好きな人なら楽しんでいただけるのではないかと思います。
国戦,そして三国バランスはどうなる?
4Gamer:
ゆくゆくはメインディッシュになりそうな国戦とかはまだ先の話になるのでしょうか。
森下氏:
4Gamer:
とりあえず,国戦はなくても,それぞれの国に仕官はできる状態なわけですが,やっぱり国によって人数に偏りは出ますよね。それってどうするのでしょうか。
森下氏:
そうですね。日本だとやはり蜀がいちばん人気になるのかなと思うのですけど。ちなみに,CBT期間中に模擬的な仕官ということで試したことがあったのですが,いちばん多かったのは,魏でした。
4Gamer:
魏ですか。ちょっと意外ですね。
呉はちょっと少ない感じです。
4Gamer:
うーん,やっぱりそうですか。たいていの三国志ゲームでそうなってますね。
森下氏:
軍団チャットを聞いていると,国によって雰囲気がまったく違ったのが面白かったですね。呉はすごく穏やかな人達の集まりで,魏だと好戦的という感じで(笑)。
4Gamer:
本場の中国だとどうなんでしょうか。
森下氏:
中国は,たいてい魏と呉の2大勢力の対決になっていますね。日本と違って,蜀はあまり人気がないようです。
4Gamer:
それも意外ですね。中国の人だと,地元の国に加担するとかなんでしょうか。
森下氏:
キャラの出身地を地元にしている人も多いようですが,仕官はそうとも限らないようで,ゲームは「二国志」みたいになっているそうです。
日本では,せっかく三国志を題材にしているのですから,うまくバランスが取れるようにイベントやキャンペーンなどを積極的にやっていきたいですね。そのほうが,あとあと楽しめる展開になると思いますので。
プレイヤースキルがものをいう対人戦
CBTでは,GMイベントなどがかなり好評のようでしたが,そういったものは今後も続けていくのでしょうか。
森下氏:
プレイヤーを集めて,対人戦の模範試合のようなのをやっていたのですが,何度かやっているうちに周りで自発的にPvPが始まっていたりと,かなり盛況でした。
イベントをやっていると,決闘の対戦結果だけがチャットで流れてきて,ああみんなやってるなという感じでした
4Gamer:
やはり,ある程度慣れた人の動きを見ないと,対人戦が面白そうかというのもよく分からないと思います。SEKIHEKIの対人戦に興味を持って参加した人には,よかったのではないでしょうか。
森下氏:
GMと一般キャラクターの対戦イベントも行いました。GMキャラクターはレベルが高かったので,レベルの低い装備に変えて対戦したのですが,そういうところに出てくる人は,当然のようにレベルキャップまで上げていて,GMを倒して颯爽と去っていく人もいました。
4Gamer:
PvPは,個人戦でのランキングなどは用意されているのでしょうか。
いえ,決闘の個人ランキングはないんです。システムとしては用意されていないのですが,データを集めれば同じようなことはできるかもしれません。
4Gamer:
ほかのMMORPGだと,個人戦はどうしてもクラス差で有利不利が激しいのですが,SEKIHEKIの場合は副武装まで考えるとかなりカバーできますよね。戦術のバラエティが豊富なので,個人戦がかなり盛り上がるのではないかと思うのですが。
森下氏:
それとプレイヤースキルの比重が非常に大きいので,うまい人だと武器がなんであれ,とにかく強いですね。
武器によっては間合いを一気に詰める系のスキルがいくつかあるのですが,距離を調整して,攻撃直後に相手の背後に突き抜けるように工夫している人がいたり,短期間でしたがいろいろ研究されていたようです。
4Gamer:
ぜひ,大会などのイベントがほしいところですね。
そのほかでは目立ったプレイヤーとかいましたか?
対戦マニアだけでなく,三国志マニアの人もかなりいましたね。ひたすら三国志の名所を巡っていたりとか。
4Gamer:
CBT時点ではすべてのエリアが開放されていたのですか?
森下氏:
いえ,一部レベルが足りなくて入れないところもあるのですが,それでもたいていの場所には行けるようになっていました。高レベルのモンスターに追いかけられながらいろんなところを巡っていた人もいたようです。非常にマイナーな武将をみつけて,Blogで紹介していた人もいました。
SEKIHEKIのマップは,自分が行ったことのある場所だけ表示される白地図みたいになっていますので,順に踏破していくのも楽しみ方の一つだと思います。
4Gamer:
OBTでは,レベル40以降の展開が中心になると思うのですが,レベル40で仕官したあと大きく変わる要素とかはありますか?
森下氏:
レベル40というのはゲーム内では大きな区切りになっていますね。今回追加される戦場では,レベル制限で高レベルでしか入れないところもありますので,そういった戦場で楽しんだり,仕官したあとに国の中で階級を上げていく過程には相当なボリュームがありますので,そちらでもゲーム内容が大きく広がっていきます。
4Gamer:
レベル上げ以外に,武芸を上げるのにも経験値を必要としますよね。武芸を目一杯上げるには,どれくらいつぎ込まなきゃいけないんでしょうか。
具体的にはお話しできませんが,やはり武芸を極めるというのはなかなか大変であるとだけお伝えしておきます。
サブの武器を使えるようになるのがレベル60からですから,そこからサブの武器を鍛えていくことになります。もちろん,2種めも極めた人は3種め,4種めの武器に取りかかることもできます。ですので,レベルキャップになったからといって,やることがなくなるというのは,SEKIHEKIではありません。
取れば取るほど強くなる「称号」
4Gamer:
これだとたぶん,レベルキャップになってようやく一人前って感じですよね。で,武器が18種類ですから(笑)。
ところで,イベント関係では,結婚イベントもかなり大々的にやっていましたよね。結婚ってどれくらいメリットがあるのでしょうか。
結婚した人専用のクエストなどがありますが,大きいのは結婚したことで手に入る称号のほうでしょうか。結婚だと8種類ほどの称号があり,最終段の称号はなかなかおいしいものになっています。
SEKIHEKIでは,いろんな称号が手に入って,それぞれで付加効果が付いています。これらはどれかを選んで使うタイプではなくて,持っている称号すべての効果が加算されていきますので,たくさん称号を持っている人と持っていない人では,たぶん,同じレベルでも体力などで最大2,3倍の差が出てくるんじゃないでしょうか。
4Gamer:
結婚で8種類追加というのは大きいですね。称号はクエストなどで増えるのですか?
森下氏:
そうですね。ただ,クエストなどで普通に取れる称号だけでなく,特殊な称号もあります。結婚以外だと,釣りなんかでも称号が付きます。
4Gamer:
そういえば,釣りの最終段の称号もかなり凄いと聞きましたが。
森下氏:
そうですね。地道にやっていく系の称号の最終段は,どれもかなり凄いのが用意されてますね。
放置してるだけで経験値?
4Gamer:
やり込み要素はよいのですが,できれば,レベル10から30くらいまでかっ飛ばして育てられるといいんですが。
クエストを追っていただければ,自然と上がっていきますし,今後は,レベルが上がりやすいクエストなども出てきます。
また,戦闘やクエスト以外の要素で,経験値がガッツリ入ってくるシステムイベントが今後入ってきますのでご期待ください。
4Gamer:
戦闘でもクエストでもなくですか?
森下氏:
レベル40くらいまでをできるだけ早く済ませたいと思うのは我々も同じです。ストーリーとは関係なくなるのですが,指定時間に指定場所でのイベントに参加しているだけで経験値が上がるとか,いろいろなものを計画しています。これまでのコンセプトとはまったく違った経験値の上げ方を導入していきます。
OBTでも導入されるものでは,手に入れたアイテムを持って安全地帯にいるだけで,一定時間経験値が入り続けるというアイテムも登場します。寝る前の1時間でそれを手に入れるクエストをしてもらって,放置しておけば,寝ている間に経験値が入っているという感じで使っていただければと思っています。
4Gamer:
かなり思い切ったことをしますね。
森下氏:
CBTプレイヤーに行ったアンケートでは,全体に年齢が高めで,思ったより女性層も多いという結果が出ています。ノートPCでもできるくらい軽いゲームということもあって,かっちり1日ゲームをしてもらうのではなくて,隙間時間を生かしてゆったりペースでも楽しめるゲームにしていきたいと思います。
4Gamer:
戦場にしても対人戦にしても,比較的短時間で楽しめそうなコンテンツのようですので,ゲームのテーマとあわせて会社員向きな感じはしますね。
それでは,最後に読者に向けて一言お願いいたします。
森下氏:
SEKIHEKIというゲームには三国志という設定がありますので,ゲームの中で,本当に国の固まりを作っていけるようなMMORPGにしていきたいと思っています。
初めての人でも対人戦などを気軽に楽しめるように,オープンβテストでは,CBTでやっていたようなGM絡みのイベントやキャンペーンなどもいろいろ予定していますので楽しみにしていてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
通常のMMORPG部分とアクション性の高い部分が組み合わされているものの,おいしい部分を楽しむにはある程度レベル上げが必要となる。序盤はいかにも普通のMMORPGなので,ちょっと触っただけではSEKIHEKIの魅力に触れることはできないのだ。これを解決するためか,日本ではかなり思い切った運営が行われることがインタビューから窺える。放置しておくだけで経験値が入るなどというのは前代未聞である。これも,レベルキャップに到達してからの要素に自信があるからであろう。
とはいえ,本来のメインコンテンツではないかと思われる「国戦」といった大規模対人戦についてはまだまったく触れることができていない。個人レベルでもバリエーションが多すぎるくらいなのに,これで大規模戦闘をやったらどんなことになるのかというのは,いまだ未知の領域である。OBTでは,そういった部分も明らかになっていくであろう。
SEKIHEKIは,プレイヤースキルに大きく振った大規模対人戦コンテンツということで,数あるMMORPGのなかでもちょっと特異な存在である。独自のターゲットシステムが最適解なのかどうかはまだ判断できないのだが,意欲的な試みであり,試してみる価値はある。CBTに参加しそびれた人も,OBTでぜひ一度触れてみてほしい。
- 関連タイトル:
三国志-SEKIHEKI-
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