イベント
[GDC 2015]Google,Androidゲーマーの行動を分析できるツールを発表。30ドルの「子供向けVRデバイス」なども予告
まず「Audience Builder」についてだが,Googleによると,これは「プレイヤーの行動を分析し,潜在的な顧客をリスト化するツール」で,デベロッパはここで得た情報を参考に,ゲームのカスタマイズや最適なプロモーションを行えるという。
具体的には,「レベル5以上に達している人」「1回のアクセスあたり3分以上プレイしている人」「30日以内に有料アイテムを購入した人」といった,開発者側が指定するさまざま条件からデータベースを構築できるとのこと。大企業では当たり前のデータ分析を比較的容易に行えるAudience Builderは,小規模のデベロッパに対して強くアピールしそうだ。
また,βテスト中だという機能「In-App Purchase House Ad」では,Audience Builderなどを通じて選別された購買力のあるプレイヤーに対し,カスタマイズ可能な専用広告を配信できるとしていた。こちらも,マネタイズにまで手が回りにくい小規模デベロッパにとって,非常に有用なサービスといえそうだ。
Android TV普及の鍵を握る「Nearby Connections API」
続いては,Android TVとスマートフォンを連動させる「Nearby Connections API」だ。このAPIは,対応ゲームアプリが動作するAndroidデバイス同士を,Wi-Fi接続によって連動させるもの。Android TVユーザーが,スマートフォンやタブレットをゲームコントローラとして活用したり,セカンドスクリーンとして利用したりできるようになる。Googleによれば,Nearby Connections APIは,向こう数週間以内にゲーム開発者へ向けてリリースされるそうだ。
スポンサードセッションの会場では,「Beach Buggy Racing」というゲームアプリを,4人のGoogle関係者が異なるデバイスで同時に楽しむというデモ映像が,下記のとおり公開されていた。
また,ヒット曲の歌詞から曲名を当てるというクイズゲームアプリ「Lyricle」では,Nearby Connectionsに対応するアップデートが近日中に行われるという。Nearby Connections APIが普及すれば,Android搭載デバイスのゲーム環境は大きく変わるかもしれない。
Google Cardboardを利用した立体写真眼鏡「View-Master」
Googleはスポンサードセッションで,GDC 2015の大きなトピックの1つである仮想現実(Virtual Reality,VR)関連の報告も行っている。GoogleのVR HMDシステムといえば,ダンボール製のHMDとして話題を集めた「Google Cardboard」(関連記事)が記憶に新しいが,すでに50万台が流通しているという発表に続けてGoogleは,Google Cardboardのバージョンアップ版的な存在となる「View-Master」を開発中であることも明らかにしている。
View-Masterは,大手玩具メーカーの米Mattelと共同で開発されている“立体写真眼鏡”的なおもちゃで,どちらかというと,子供向けVRデバイスとしてアピールされるものになる。
海外メディアによると,2015年秋頃の発売が予定されており,価格は30ドル前後になるとのことだ。
「Project Tango Tablet」は鋭意開発中
最後に,「Tegra K1」を採用する3Dマッピング機能搭載Androidタブレット「Project Tango」(関連記事)についての進捗もお伝えしておこう。モーショントラッキング機能を備えたカメラと奥行きを計測するセンサーにより,タブレット周囲の3Dモデルを作成できるというユニークな特徴を持つProject Tangoは,すでに当初の予定だった「2014年後半に発売」から遅れているわけだが,Googleいわく「開発は順調」。会場では,Left Field Labsの「Space Sketchr」を用いたテクノロジーデモが行われていたが,果たしていつごろ,Project Tangoの3Dモデル生成機能は一般ユーザーが利用できるようになるのだろうか。