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[COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート
基本的にはGTC 2017と同一の内容ながら,新情報が4つ
……と,大上段に振りかぶってみたわけだが,結論から先に言うと,氏が語った内容は,一部を除いて,GTC 2017の内容の焼き直しだった。なので本稿ではその「一部」について語ることとなるが,それらは大枠で「一部」は4つに分けることができる。
1つめは,Unreal Engine 4ベースとなる同時多人数参加型VRプレゼンテーションおよびシミュレーション,カンファレンスシステムである「Project Holodeck」関連だ。GTC 2017の時点でHuang氏の取り上げた3DモデルはKoenigsegg(ケーニグセグ)製スーパーカー「Regera」(レゲーラ)だったが,NVIDIA AI Forumではこれが電動スクーターになっていた。
電動スクーター本体は政府の補助金を合わせると実勢価格4万台湾ドル(約14万円)くらいで,これ以外に,充電済みバッテリーを提供するバッテリーステーションの月額利用料金がかかるとのことである。
デモより。球体透視スコープを潜らせると,スクーターの内部までモデリングしてある様子を確認できる |
マイクロフレーク多層塗装してあるボディも,Project Holodeck上で忠実に再現されている |
実際には,NVIDIAと強く連携して開発することで独自のGPUサーバーを短期かつ高効率に設計できるという「HGX Partner Program」に基づいて進められたプロジェクトのようだ。
Huang氏は,「Isaacの中で現実世界に極めて近い物理法則をシミュレートできているため,車輪で走行するロボットや,プロヘラで空を飛ぶロボット,スクリューで水中を進むロボットなどのAIを鍛え上げることができる」といったことを述べてもいる。
壇上でHuang氏は,それまでの常識的な,分厚くて重いゲーマー向けノートPCと,Max−Qベースの薄型ノートPC「ROG Zephyrus」をそれぞれの手に持って,「重さ約半分,薄さ約3分の1,性能3倍のノートPCを実現するのがMAX-Qだ」と断言していた。
なお,Max-Qについてはこちらを参照してほしい。
2017年におけるNVIDIA製品戦略のキモとなるAI
これ以外の内容はGTC 2017の基調講演と同じだったので,どんな話だったか確認したいという人は,筆者のGTC 2017基調講演レポートをチェックしてもらえればと思う。
ただ,そこまで内容が重複するほど,2017年のNVIDIAにとってAIは重要であり,製品戦略の根幹を成しているということなのだろう。NVIDIA,そしてHuang氏は何を考えているのかが垣間見えた基調講演だったとまとめられそうだ。
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