インタビュー
ハンゲームに「SPECIAL FORCE」よりも骨太なシューティングが出現! 第二次世界大戦FPS「戦場のカルマ」インタビュー
登場する銃や兵器は時代設定に忠実な旧式のものばかりで,ミリタリー要素や,競技性の高さでプレイヤーを選んでしまいがちなFPSの中でも,さらにマニアックな要素を詰め込んでいる印象が強い。
果たして,そんな本作のクローズドβテスト(7月22日〜8月3日実施)の反応はどうだったのか,またオンラインFPSの新規タイトルが続々と登場しているなか,どういった展開をしていく予定なのかを,NHN Japanでプロデューサーを務める小野 誠氏と,ディレクターの山村 礼氏に聞いてみた。
「戦場のカルマ」公式サイト
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「戦場のカルマ」プロモーションムービー
もしも第二次世界大戦でドイツが敗れなかったら?
架空の1950年代を舞台にしたFPS
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,戦場のカルマがどのようなゲームなのか,あらためて教えてください。
小野 誠氏(以下,小野氏):
前作は,遺伝子操作によって第二次世界大戦当時の兵士を近未来に生き返らせるというストーリーで,舞台は“過去と未来”となっていました。しかし戦場のカルマでは,舞台を第二次世界大戦のみに,しかも東部戦線と呼ばれる“ドイツ対ソ連”の戦いに絞っています。
4Gamer:
第二次世界大戦のなかでも,とくに渋い題材ですよね。
小野氏:
戦場のカルマの年代は1950年代でして,本来であれば第二次世界大戦は終わっている時期ですが,本作ではドイツが敗戦せずにヨーロッパ全土を支配し,さらにソ連軍に挑むという架空の設定でシナリオが組まれています。
4Gamer:
そういった設定ならではの見どころを教えてください。
小野氏:
まずグラフィックスの面で,当時を再現しています。武器や装備はもちろんのこと,背景もかなり雰囲気が出ていますよ。戦争映画──例えば「スターリングラード」で出てくるような,荒廃した街などの風景が登場します。
4Gamer:
戦術的には,どうでしょう?
小野氏:
アサルトライフルにしてもスナイパーライフルにしても,現代戦のFPSとは使い方が異なりますね。弾数が現代兵器に比べて少ないですから,撃ったらすばやく隠れなければなりません。また相手も弾数が少ないですから,そこを狙うということもできます。
4Gamer:
なるほど。弾数が少ない銃ならではの戦術になると。
小野氏:
また本作には4種類の「兵科」があり,リスポーン時に切り替えられます。アサルトライフルを使う「突撃兵」,スナイパーライフルを使う「狙撃兵」,回復などサポートを担当する「分隊支援兵」,そしてロケットランチャーを使う「重火器兵」ですね。相手に突撃兵が多ければ狙撃兵で迎撃しようとか,逆に相手が狙撃兵なら壁の上からロケットランチャーで攻撃しようとか,そういった戦術の変更も可能になっています。
敵も同じように戦術を変更できますから,その裏をかいた戦術にしたりと,読み合いの側面も出てきますね。
4Gamer:
何か面白い特徴を持った兵科はありますか?
小野氏:
実装は9月以降になってしまうのですが,重火器兵が使える「迫撃砲」なんかが面白いですね。弾道が放物線を描くもので,高い壁を越えた向こう側を攻撃できます。実は初めて使ったときに建物の中で使ってしまい,天井に当たって爆死してしまいました(笑)。
4Gamer:
コントみたいですね(笑)。
小野氏:
迫撃砲は,設置しているあいだは動けないというデメリットがあって,敵が近づいてくる前に片付けないと,身動きがとれないままやられてしまいます。そこでゲーム開始直後,敵がまだ分散していないところに打ち込むなど,いかにチャンスを見出せるかが活躍の鍵になります。
4Gamer:
そのほか,特徴的な兵器などはありますか?
小野氏:
大戦中は戦車や航空機,そして銃器など,非常に兵器の開発が進んでいました。中には設計だけはできているけれども,実際に製造されなかったものもあるんです。本作では,1950年代に入っても戦争が続いているわけですから,将来的には,そういう実現されなかった武器も登場する予定です。
4Gamer:
ゲームモードは何種類くらいあるのでしょう?
山村 礼氏(以下,山村氏):
実装予定のものも含めて全9種類です。このうちクローズドβテストでは「チームデスマッチ」「爆破」「サバイバル」「個人戦」が実装されました。
4Gamer:
それぞれ人気はどうでしたか?
小野氏:
クローズドβテストでは,チームデスマッチが一番人気で,ついで爆破,リスポーンなしのサバイバルといった感じでした。クローズドβテスト中は,「とにかく撃ちたい」という人が多かったようですね。
4Gamer:
ゲームモードは9種類というお話でしたが,順次実装されるんですよね?
山村氏:
4Gamer:
なるほど,EAの「バトルフィールド」タイプの占領戦ですね。
山村氏:
そうですね。すべての旗を占拠するか,旗を占領したり,敵を倒したりすることで得られるポイントを一定以上稼げば勝利です。目標ポイント数は,ゲーム前に任意に設定できます。
4Gamer:
そのほかのモードは,どうでしょう?
小野氏:
これは,この場で初めてお話しするのですが,「ナイフ戦」を予定しています。戦場のカルマは,ナイフの使いやすさも大きなポイントで,クローズドβテスト中も活用している人が多かったんですよ。というのもナイフを持つと移動速度が上がりますし,「ダッキング」と呼ばれる動作で弾をかわせるという,戦場のカルマならではのシステムも大きかったと思います
4Gamer:
ナイフ戦はナイフだけを使うモードなんですか?
小野氏:
詳しくは追って発表しますが,ただナイフを使うだけでは面白くないでしょうから,少し変わった仕掛けを入れます。
FPS経験者が集結したクローズドβテストは
事実に忠実な表現に評価が集まった
4Gamer:
それではクローズドβテストの感想や手応えなどを教えてください。
今回,クローズドβテストの目的としてタイトルの認知,不具合の検出,サーバーの安定化を掲げていました。認知については,多くのお客様に知っていただけたと実感しています。不具合については,ゲームの起動ができないという大きなものが2件あり,多くのお客様にご迷惑をおかけしました。
4Gamer:
その不具合は,具体的にどういうものだったんですか?
小野氏:
アプリケーションの初期化エラーと,ファイルエラーです。一部の環境下で発生するもので,原因も把握できていますからオープンβテストでは修正されます。
4Gamer:
すでに対応しているわけですね。
小野氏:
はい。最後のサーバーの安定に関しては,期待どおりの成果を挙げました。FPSでは“ラグを可能な限り少なくすること”が重要であると捉えていますので,とくにCBTではその点で我々の期待以上の結果を得られ,大きな手応えを感じています。
4Gamer:
テスターからは,どういった反響が返ってきましたか?
小野氏:
本作は第二次世界大戦を舞台にしているのですが,オンラインFPSではあまり見かけないテーマです。銃が現代戦のものと異なりますので,そこに多くの反響が集まりました。「こういうものを求めていた」という人もいれば,逆に「ほかと違っていてやりにくい,覚えにくい」という人もいましたね。
4Gamer:
年齢層などはどうなっていますか?
小野氏:
当初は20〜30代,その95%以上を男性が占めると予想していました。実際には多い順から20代前半,20代後半,10代後半,30代前半だったんです。
4Gamer:
第二次世界大戦ということで,年配の方の動向が気になるところですけれども。
小野氏:
今の若い層だと知識として第二次世界大戦を知っていても,東部戦線でドイツとソ連が戦ったという事実にピンと来ない方も多いでしょうから,これを機会に興味を持ってもらえたらと考えています。
4Gamer:
というと第二次世界大戦モノというよりは,普通にFPSの一つとしてプレイしている人が多かったイメージでしょうか?
小野氏:
うーん,人にもよると思います。全体の9割近くは,これまでに何らかのFPSをプレイされていましたし,またボイスチャットの利用経験者は5割にも上っています。当然,いくつものタイトルをプレイしている方も多いですから,ちょっと毛色の違う渋めのFPSとして認識されているのではないでしょうか
4Gamer:
なるほど。
小野氏:
当時のソ連軍だと,二人で一つの武器しか与えられなかったり,作戦なんてあってないようなもので,実態は突撃していくだけだったりします。そういった現代戦のFPSとは異なる緊張感が,ビジュアル的な面に表れていますし,ゲーム内からも感じ取れると思います。
4Gamer:
第二次世界大戦テーマのFPSといえば,「メダル オブ オナー」や「バトルフィールド1942」「コール オブ デューティー」といったパッケージもののヒット作が以前からありますが,これらの経験者の参加はありましたか?
小野氏:
具体的なデータは取っていないのですが,公式サークルのコミュニティ「最前線兵舎」の書き込みには,それらのタイトルはもちろん,「Red Orchestra」を引き合いに出したものも見受けられました。「東部戦線大好きだよ」という方もいらっしゃいましたね。
4Gamer:
Red Orchestraをプレイしている人は,かなりヘビーなFPSファンの部類だと思うのですが,戦場のカルマをどう評価してました?
小野氏:
4Gamer:
単にFPSが好きなだけでなく,そういったディテールにこだわるミリタリー好きの人も多かったわけですか。
小野氏:
ミリタリーの中でも,第二次世界大戦が好きな方というイメージですね。
4Gamer:
そういった人が集まってくることは,事前に予想できていたんですか?
小野氏:
はい。FPS全般を好きな方を集めたいのはもちろんでしたが,中でも現代戦にはない魅力を求める方を惹きつけたいと考えていました。
4Gamer:
逆に,厳しい意見などはありましたか?
小野氏:
というのは,ハンゲームで提供しているゲームは,スペックの低いPCでも遊べるものがほとんどですから,それと比較すると戦場のカルマは高めのスペックを要求してしまうんです。とくにSPECIAL FORCEを遊んでいる方からのお問い合わせが多かったですね。
4Gamer:
なるほど,SPECIAL FORCEはかなり旧式のPCでも遊べますからね。SPECIAL FORCEから流れてきたプレイヤーは多かったのですか?
小野氏:
同じハンゲーム内のコンテンツということで,関心を持たれた方は多かったです。
ほかのご意見としましては,クローズドβテストということで,実装したマップの数が少なかったんです。そのため,すぐにプレイし尽くしてしまうという声もありました。
4Gamer:
それは次に実施されるオープンβテストに期待したい部分ですね。
バランスのよさで好評だったマップは
より奥の深い戦術を楽しめる3種類を追加
4Gamer:
それではオープンβテストでの追加要素や変更点などを教えてください。ゲームモードは,占領戦が追加されるというお話でしたが。
小野氏:
「Bunker」「Bridge」「Plaza」の3種類のマップが追加されます。これでクローズドβテスト時の4種類と合わせて,全7種類になります。今回追加されるのは,いずれも大きめのマップです。
「Bunker」は,ドイツ軍が守るバンカーを,ソ連軍が塹壕を使って攻めていくマップです。このマップは,最初は個人戦での実装になります。
「Bunker」 | |
「Bridge」 | |
「Plaza」 |
4Gamer:
なるほど。
小野氏:
「Bridge」は,二つの建物が設置されています。両方とも裏に回り込みやすいマップ構造になっているのと,また2階に登れるので高低差を利用できます。奥の深い戦いを楽しめますので,韓国では人気のマップになっています。これは占領戦用のマップとして実装されます。
また戦場のカルマは,戦車の砲身や橋の欄干といった細いところに登れるという特徴を持っていますので,このマップでは狙撃兵がさまざまなところに乗って敵を狙うことができるんですよ。
4Gamer:
それだけ戦術の幅も広がるわけですね。
小野氏:
最後の「Plaza」は,中央の建物を取り囲んで広間と通路があるマップです。2階建ての建物なので,高いところから広間を狙ったり,逆に通路から建物内を狙ったりできます。これも占領戦用のマップですね。
4Gamer:
ゲームモードとマップの組み合わせは固定されているんですか?
小野氏:
いえ,今後のアップデートで,別のゲームモードに対応するマップもあります。
また,戦場のカルマはマップ構成による有利不利が少ないことも特徴です。純粋に,腕や戦術によって勝敗が決まると評価していただいています。
4Gamer:
そのほか,何かオープンβテストで追加される要素はありますか?
小野氏:
当然ながら,武器も追加されます。アサルトライフル,スナイパーライフル,拳銃,手榴弾……。拳銃は,日本でもいろんな意味で有名なトカレフですね。
小野氏:
また新要素ではないのですが,本作の特徴として「防具」の要素があります。アイテムを装備できるスロットがあって,投擲武器や支援兵が使う回復アイテムなどを合計10個まで持つことができます。このスロットを使って,防具を装備することもできるんですよ。例えば,ヘルメットを10個装備することもできてしまうんです。
4Gamer:
それにはどんな意味があるんですか?
小野氏:
ビジュアル的には変化はないのですが,ヘルメットは被ヘッドショットの確率を低下させます。10個装備すれば,それだけ効果が高まります。またブーツは移動速度を速める効果を持っており,10個装備すればもの凄いスピードで移動できます。もちろん,そうやって一箇所を特化しなくとも,全身にバランスよく装備しても構いません。
4Gamer:
ああ,プレイスタイルに合わせて個性を持たせるための要素なんですね。
小野氏:
そういうことです。投擲武器などとスロットを共有しますから,防具よりも手榴弾を多く持ちたいという人は,そのような装備もできます。自分のプレイスタイルに合わせて弱い部分を補強したり,得意な部分を強化したりできるわけです。
4Gamer:
装備は,最初から使うことができるのですか?
小野氏:
最初は初心者用の装備を与えられます。でも,プレイしていればすぐに買い替えることができますよ。
マップを覚えることを最優先に!
有料アイテムの販売にもこだわりを
少し気が早い話ですが,正式サービスでは有料アイテムが販売されますよね。
小野氏:
最初は戦績情報の初期化やスロットの追加といったサポートアイテムを中心に構成します。もちろん武器も用意していますが,最初は投入しない予定です。
4Gamer:
何か理由があるのですか?
小野氏:
最初はマップを覚えてほしいんですよ。FPSで勝てるようになるコツとして,何よりもまずマップを覚えて戦術に生かしていくことが挙げられます。ところが,有料アイテムで強めの武器を販売してしまうと,それに頼ってマップを覚えようとしない人が出てきてしまいかねません。あるいは逆に,きちんとマップを覚えるなど手順を踏んでうまくなったのに,「アイツはいい武器のおかげで勝っている」といわれてしまうかもしれません。
それはお互いに不愉快な思いをするだけですから,最初は武器の面では皆同じ条件でプレイしてもらおうと考えています。その段階を経て,より強くなりたいという人が増えてきたタイミングで有料武器の販売を開始します。
4Gamer:
アバターアイテムの販売はどうでしょう?
小野氏:
今のところ,予定はありません。逆にお聞きしますが,このゲームでアバターアイテムって必要ですかね。
4Gamer:
うーん,女性兵士がいればともかく,今の硬派で渋い路線ではあまり必要ないかもしれませんね。
小野氏:
ああ,女性兵士ですか……。パルチザンの女性隊員などもいましたし,要望があれば導入も無理な話ではないと思います。
4Gamer:
そういえばソ連兵ドイツ兵以外に,ほかの国の軍隊を出す予定はないのですか?
小野氏:
それも要望次第ですね。ドイツと同盟を組んでいた日本や,ソ連と同じ連合国の北米などもありだと思います。実は,日本軍の三八式歩兵銃を実装してほしいという声も多いんですよ。同盟国同士ですから,何らかの形でドイツに持ち込まれたという設定も不可能ではないので,何とか実現できないか検討しているところです。
4Gamer:
あくまでもヨーロッパが舞台で,例えば太平洋戦争まで広げるアップデートなどは考えていないわけですか。
小野氏:
今のところはそうですね。またドイツのナチスや,あるいは日本軍などについて,扱いに配慮しなければならない部分も出てきます。当然,そのあたりは慎重に考えています。
4Gamer:
有名な戦場を再現したマップはどうでしょう? ソ連軍はあまり関係ありませんが,ノルマンディ上陸作戦のオマハビーチとか。
小野氏:
おっしゃるとおりノルマンディは,戦場のカルマがテーマとしている部分とはズレていますし,バランス調整の面で少々難しそうですが,要望があれば前向きに検討いたします。
4Gamer:
となると,プレイヤーが望めば,そういった大掛かりな要望でも前向きに検討するわけですか。
小野氏:
はい。KARMA 2は韓国と日本だけでなく,ヨーロッパと台湾でサービスを開始しますし,先日北米での展開も決定したと発表がありました。そのうえで,開発のDragonflyにとって,日本は初の海外進出になりますので,そこで出てくる意見をかなり重視しているんですよ。なので,思いつきでも結構ですから,ぜひいろんな意見を聞かせてください。
日本での展開を強く意識し
開発当初からラグの少ない通信方式を選択
先ほど,「FPSでは“ラグを可能な限り少なくすること”が重要」とおっしゃってましたが,これについて何か具体的な施策はあるのでしょうか?
小野氏:
はい,これは本作の“こだわり”の部分なのですが,戦場のカルマでは通信方式に「DEDICATE方式」を採用しています。韓国のオンラインFPSは「P2P方式」を採用している場合が多いのですが,これだと日本のインフラ環境ではルームマスターのPCに負担がかかり,環境によってはラグが発生しやすくなってしまうんです。
ラグが多くてはゲームとして成立しませんから,最初にDragonflyと弊社の間で,P2P以外の方式を採用すると決めました。DEDICATE方式では,弾が当たった/当たっていないというようなデータを,弊社のサーバーを通して参加しているメンバーに送りますので,かなりラグを減らすことができ,結果としてゲームの精度が高まります。
4Gamer:
なるほど。通信方式というシステムの根本から,日本向けの仕様になっていると。
小野氏:
とはいえ,これだけで完璧にラグを解消できるわけではありません。そこで今後も継続してラグが発生する状況を検証し,よりプレイしやすい環境を構築していきます。自分もそうなんですが,ラグのせいで負けたとなると非常に悔しいですよね。
実際に,クローズドβテストではラグに関するご意見があまりなかったんです。途中の負荷テストでは,サーバーの設備を試験的に通常の5分の1にまで落としてみたのですが,それによるラグや不安定な動作などは発生しませんでした。
小野氏:
もちろんそのうえで,余裕を持ったサーバー運用をしていきますので,ぜひ多くの方にプレイしていただきたいです。
4Gamer:
ハンゲームで展開するにあたって,少し気になるのがSPECIAL FORCEとの関係です。
小野氏:
SPECIAL FORCEはハンゲームのライト層も含め,すべての人にこういったゲームを体験してほしいというコンセプトでしたが,戦場のカルマは,現在すでにFPSをプレイされている方を中心に認知度を高めていこうと考えています。その中で,より楽しい環境を提供していこうと。
4Gamer:
SPECIAL FORCEは入門用で,戦場のカルマは中〜上級者向けというわけですか。
小野氏:
そもそも弊社では,SPECIAL FORCEを「FPS」というジャンル名で呼んでいないんですよ。よりカジュアルな「オンライン3Dアクションゲーム」と位置づけています。ハンゲームの中で説明するのであれば,SPECIAL FORCEをやり込んで,さらにハイレベルのものを求めている方に,並行して戦場のカルマを遊んでいただけるといいのではないでしょうか。また,戦場のカルマから入った方がSPECIAL FORCEを遊ぶのもありでしょう。
4Gamer:
まさかとは思いますが,戦場のカルマが始まることで,SPECIAL FORCEのサービスが終わるようなことはないんですよね?
小野氏:
それはありません。安心してください。戦場のカルマで,よりコアなFPSファンや,ミリタリー好きの方などを呼び込みたいと思います。
4Gamer:
それでは話をハンゲーム内だけでなく,市場全体に広げましょう。ここ数か月,新たなオンラインFPSのサービス開始が相次いでいますよね。これについて,何か思うところはありますか?
小野氏:
戦場のカルマも,多くのお客様から「初めてFPSをやってみたけど,面白かった」という声を数多く頂戴しており,我々もプレイヤー人口の増加を実感してますので,その盛り上がりの一端を担っていきたいと考えています。
4Gamer:
なるほど。そのほか,今後についてお話ししていただけることはありますか。
小野氏:
オープンβテストでは「バルバロッサ作戦」というイベントを開催します。これは実際に1941年6月に独ソ戦争の皮切りとなった作戦なのですが,その名前を借りたイベントで,一定の勝利数やキル数を稼ぐとゲーム内通貨やアイテムがもらえるというものです。ぜひオープンβテストで,ガッチリ稼いでください。
あとは後日発表しますが,推奨PCも発売します。
4Gamer:
それでは最後に,戦場のカルマに期待している人や,4Gamerの読者に向けてメッセージをいただけますか?
山村氏:
クローズドβテストに参加した方なら,安定した環境や遊びやすさといった基本的な完成度の高さを実感していただけたと思います。今後,日本でサービスしていくうえで皆さんの要望やご意見が鍵となります。イベントや不正対応も積極的に行ってまいります。気づいたことがあったら運営までお問い合わせをお送りください。すぐに対応します。
小野氏:
戦場のカルマは,可能な限り競技性の高いゲームにしていこうと考えています。また,ハンゲームは原則的にボイスチャット禁止なのですが,クローズドβテストでのアンケートの結果を踏まえ,ハンゲーム初のボイスチャット推奨タイトルとなりました。クラン戦や大会なども計画していますので,ぜひボイスチャットを活用してください。
また何かあったとき,お問い合わせが面倒だという方は,公式サイトのコミュニティに「運営へ」とタイトルを付けて意見を書き込んでいただくだけでも結構です。自分達はすべて目を通していますので,気づいたことは何でも書き込んでください。よろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました。
そうしたこだわりで小野氏が得ようとしているのは,プレイヤーからの“絶対的な信用”だ。戦場のカルマは,ゲームの内容に若干マニアックな部分こそあるものの,FPSとしては韓国ですでに評価を得ており,このまま信用を築いていければ日本でも順調に展開できるということなのだろう。今後,オープンβテストを経て正式サービスに移行するにあたり,戦場のカルマがゲーム的にも運営的にも高い評価を得ることに期待したい。
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