インタビュー
LoLの春期世界予選「2015 IWCI」を終えたDetonatioN FMに聞く,世界と戦うためのタクティクス。新体制で挑む来シーズンの狙いとは
同大会には「League of Legends JAPAN LEAGUE 2015 SEASON1」で見事優勝を果たしたDetonatioN FocusMeが日本代表として参戦し,結果は1勝5敗。残念ながら予選リーグを突破することは叶わなかったが,日本のチームが公式大会に初出場し,世界の舞台で戦いを繰り広げたことは,国内のプロゲームシーンにおいて大きな一歩となったことだろう。
今回4Gamerは,DetonatioN FocusMeのゲーミングハウスにて,チームメンバーの面々――DetonatioN代表・LGraNこと梅崎伸幸氏,MidのCeros選手,TopのBonziN選手,IWCIではJungleを務めたAstarore選手,そしてサブメンバーのYumeoti選手にインタビューする機会を得た。
IWCIおよび,それに先んじてアメリカで行われた強化合宿での出来事や感想,そして世界レベルのチームとの戦いでDetonaitoN FMの面々は何を感じたのか。また5月23日より開幕した「LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE 2015 SEASON 2」でのメンバー入れ替えの経緯やその狙いについても聞いてみたので,ぜひご一読いただきたい。
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「International Wildcard 2015」(トルコ語)
DetonatioN公式サイト
「League of Legends」公式サイト(英語)
「International Wild Card Invitational」の結果と課題
4Gamer:
トルコ・イスタンブールで行われたIWCI,お疲れさまでした。1勝5敗という結果でしたが,まずはそれぞれの感想をお聞かせ下さい。
Astarore選手:
もう少し上を目指してやっていたつもりだったんで,悔しいです。どの試合も序盤戦は悪くない感触があったんですが,中盤以降がうまくいきませんでした。
BonziN選手:
IWCI直前のアメリカでのブートキャンプを終えた感触では,もうちょっといけるんじゃないかという気はしていたのですが。実際にああいった舞台で世界と戦ってみて,もっと個人スキルを上げる必要性を感じました。
Ceros選手:
現実に打ちのめされましたね。世界と互角に戦うためには,チームと個人の両方を改善していかなくては,と思いました。
国内にサーバーを持たない国が1勝する大変さが身に染みた次第です。例えば,うちが唯一勝つことができたKaos Latin Gamersのあるラテンアメリカって,プレイヤー人口が100万人以上――日本の何十倍ものプレイヤーがいるんですね。
4Gamer:
えっ,そんなに?
梅崎氏:
はい。全試合通しての結果は残念ですが,それだけのプレイヤーを抱える国の代表チームから1勝をもぎ取れたことは,日本の急成長ぶりを示せたとも思っています。これからだなと。
4Gamer:
トルコでのプレイ環境はいかがでしたか。公式大会では,確かトーナメントサーバー※に接続して試合をするんでしたよね。
※トーナメントサーバー……各国のプロリーグなど,公式試合でのみ使用される特別なサーバー。一般ユーザーは接続できず,試合の行われる地域にあるためPing(ネットワークによるラグ)が低い。またSpectator Mode(観戦モード)にDelay Timeが設けられていないため,試合をリアルタイムで追うことができる。
Ceros選手:
IWCIでは,EU LCS(欧州プロリーグ)のトーナメントサーバー――確かアムステルダムのものを使っていたので,Pingが50ぐらいだったんですよね。アメリカでのブートキャンプのときよりは遅延があったとはいえ,プレイに支障が出るほどではなく,十分良い環境だったと思います。
BonziN選手:
日本から韓国サーバーに接続してプレイするときがPing50ぐらいなので,それとあまり変わらない感じでした。
梅崎氏:
環境面で言えば「試合中,サウンドにホワイトノイズが乗る」というのは,日本のチームとしては初の体験でした。これは,対戦相手や観客からのアドバイスを聞こえなくするための配慮なんですが,それに苛立つ選手もいたみたいです。
Ceros選手:
そうですね。ヘッドフォン自体の遮音性も高くて,隣でしゃべっている選手の声がまったく聞こえないほどなんですが,そのうえでずっとノイズが鳴っていて。音が大きめだったので,慣れるまではかなり戸惑ってしまいました。
Astarore選手:
ヘッドフォンを外しても,耳に違和感が残るんですよ。
4Gamer:
少し話が前後するのですが,皆さんはIWCIの直前にアメリカ・サンフランシスコで強化合宿を行ったとのこと。そこではどんな練習をされたんでしょうか。
梅崎氏:
NA LCS(北米プロリーグ)やその下部リーグであるNA LCS Challengerに参戦しているチームと,練習試合をたくさんさせてもらいました。そのときの勝率は恐らく20%ぐらい……中でも,NA LCS Challengerの上位チームであるTeam Solo Mid Darknessには,なんとか1度勝つことができたという戦績で。正直,良く勝てたなと(笑)。
Ceros選手:
あと,トッププロチームの中ではTeam Dignitasと試合をさせてもらったんですが,もう惨敗でしたね。
4Gamer:
おお,Dignitasとも戦ったんですね。北米シーンで一線を張っているチームと拳を交えてみて,どういった感想を持ちましたか。
Ceros選手:
レーニング※では9割近く勝てていたこともあって,「自分のレーニングスキルは世界に通用する」という自信を持つことができました。ただ,DignitasのMID Laner,Shiphtur選手は本当にうまくて,まったく歯が立たなかったですね。とはいえ,それほどの相手とレーン戦を戦えたのは,とても良い経験でした。
※レーニング……試合序盤で繰り広げられる,同じレーンで対峙した相手との駆け引きのこと。「相手の体力を奪って先に敵陣に帰らせる」,もしくは「相手よりも多くラストヒットを取り,取得Goldで差を付ける」ことを目的とする。
BonziN選手:
僕はレーニングにはあまり自信がなかったのですが,アメリカで行った練習試合では相手と同等にファーム※できていたことも多かったので,そういう意味では手応えがありました。ただ,序盤は優勢なものの中盤で逆転されるパターンが多くて,その課題をクリアできなかったなと。
※ファーム……チャンピオンを素早く強化すること。転じて,ここではミニオンに対するラストヒットの獲得数を指している。ミニオンにトドメを刺すラストヒットは,ボーナスとしてGoldを獲得できるため,この差がそのまま装備のグレード=彼我の戦力差につながる。
Astarore選手:
Jungle目線から言うと,アメリカのチームは地域ごとに戦術やBAN※が大きく異なっていて,狙いが読みにくかったですね。これまでの練習試合ではアジア圏のチームと戦うことが多く,そこでの戦術は似たり寄ったりだったんですが,アメリカではチームごとに個性が強い印象です。
※BAN……試合前にお互いのチームが3体ずつ設定できる,禁止チャンピオンのこと。この選択により,相手チームの戦略や戦術を限定できる。
4Gamer:
アジア圏には韓国という素晴らしいお手本が存在するので,その影響かもしれませんね。ところで,アメリカ滞在中はどんな生活だったんでしょうか。
梅崎氏:
……ピザとハンバーガーばっかり食べてました(笑)。
Ceros選手:
あとはLoLをやっていただけで(笑)。でも,アメリカは食べ物が美味しかったですよ。
4Gamer:
……長く食べ続けると,結構飽きてきません?
梅崎氏:
いやあ,トルコに比べれば(笑)。
(一同笑)
Astarore選手:
僕はあまり量を食べないので,アメリカの食事のボリュームには困ったクチでしたが,そのあとトルコに行ってみたら「アメリカは良かった!」ってなりましたから。
Ceros選手:
食事面では,トルコは相当難儀しましたね。羊の肉は文句なしに美味しいんですが,それ以外は……。とくに試合の日は会場のRiot Games Istanbulのオフィスから出られなくて,持参したカップラーメンを食べ続けていました。
梅崎氏:
トルコアイスは美味しかったですけど。
4Gamer:
なるほど。食事以外の面,例えばトルコの街並や環境はいかがでしたか。
Ceros選手:
街並はものすごく綺麗でした。あと,美男美女が多かったです(笑)。でも,街中でデモ隊に遭遇したりして,治安面は少し不安を感じました。結局Riot Gamesに指定された日以外,ほとんどホテルでトレーニングをしていた,というのが正直なところです。
梅崎氏:
ただ,トルコは昼夜の気温差がすごく大きくて,夜が非常に寒いんです。用意された練習環境が地下だったこともあって,お世辞にも空調が良いとは言えませんでした。その影響もあってか,メンバーの多くがコンディションを崩してしまいました。
Ceros選手:
あれは大変でしたね。今後は長時間のフライトと時差ボケで体調を崩さないよう,体力作りをしておく必要性を感じました。
4Gamer:
なるほど。慣れない海外だと,その辺りの対策もポイントになりそうですね。さて,アメリカでのブートキャンプ,IWCIでの試合を終え,世界との力の差を感じたとのお話ですが,その差を埋めるには何が必要だとお考えですか。
Ceros選手:
Astaroreが言ったように,IWCIでは中盤以降に崩れて負けてしまう試合が多かった。そこでカギになるのがローテーション※なんですが,これにはあらかじめ作戦を立てておくことではなく,「個々人が素早く判断して,居るべき場所に行く」ことが求められます。世界レベルのチームとの試合では,誰か一人でもその判断が遅いと,そこから崩されてしまう。
※レーン戦が終わったあとの各チャンピオンの動き方。それぞれのチャンピオンが得意分野を活かし,相手のタワーの破壊やGank,もしくは自陣タワーの防衛など,状況や目的に合わせてマップ内を奔走することになる。
Astarore選手:
これまでの日本でのプレイでは,そうした小さなミスを咎められることがほとんどなかった,と言いますか。
Astarore選手 |
Ceros選手 |
Ceros選手:
だから,そうした判断をそれぞれがよりシビアにできるよう,チーム全体で意識改革をしていく必要があると感じました。“日本では勝って当たり前”というぐらい無駄のない試合運びができなければ,世界では戦えないなと。
4Gamer:
そこは環境の問題もありそうですね。
梅崎氏:
いや,マネージャー視点から言わせてもらうと,以前のインタビューでもお話したとおり,日本は韓国や中国,台湾と近いので,ハイレベルな練習相手には事欠かないんですね。これまでアジア圏のさまざまな強豪チームと練習試合を行ってきましたが,大体あと一歩のところで負けてしまうんです。たぶん,“試合を終わらせる”スキルが足りていないんですよ。
4Gamer:
ああ,LoLのプロシーンでは,平均試合時間の短さも強さのバロメータとして認識されていますね。
梅崎氏:
そうそう。なので,LJL Season2からは,それをちゃんと分かっている海外のプレイヤーやアナリストを迎え入れることにしました。また,ほかのチームもそうした選手やアナリストを招聘しており,敵としては厄介このうえないですが,日本国内の競技レベル向上を考えると,非常に良い傾向だと感じています。
yumeoti選手:
僕もそう思います。そうしてレベルの上がったLJL Season2に,日本の選手達がどれだけ順応できるかで,今後世界とどれだけ戦えるのかが決まってくるんじゃないかと。
4Gamer:
期待しています。ところで,IWCIの決勝戦――トルコのBeşiktaş e-Sports ClubとブラジルのINTZ e-Sportsの対戦は現地で観戦されましたか?
梅崎氏:
ええ。私とCerosとBonziNで観戦したのですが,もうすごかったです。4000人ぐらいが入れるVolkswagen Arenaという会場なんですが,9割ぐらい埋まっていて。
Ceros選手:
もう,圧倒されましたね。LCSの配信で良く見るような環境が目の前にあって……次こそは絶対この場所でプレイしたいと思いました。トルコはBeşiktaş e-Sportsのホームなので,観客の熱気が本当にすごかった。トルコの名門サッカークラブからスタートしたチームということもあって,そっちのサポーターもたくさん訪れていたみたいです。キルを取る度に,サッカーのゴール時にやるようなコールを毎回やってて(笑)。
(一同笑)
梅崎氏:
相手チームに対しての観客のブーイングもすごくて,正直「……これはブラジルも負けるよなあ」と思ってしまいました。
4Gamer:
ああ,サッカークラブが母体なら,それこそブラジルは宿敵かもしれませんね。
Ceros選手:
とはいえ,あの熱量は配信を見ていても分からないので,それを生で見られたのは良い経験でした。
BonziN選手:
……ちょっと怖いぐらいでしたけどね(笑)。
新体制で臨む「LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE 2015 SEASON2」
4Gamer:
2015年5月23日より,LJL2015 Season2が開幕となります。先ほどの話にもあったとおり,DetonatioN FocusMeは,新たなJungleとして韓国のRokenia選手,Supportに韓国のHwang選手,アナリスト兼監督に台湾のLiang “Atu” Chang-Wei氏という海外選手を招聘しての参戦となりますが,この辺りの経緯を聞かせてください。
梅崎氏:
まず,Supportからアナリストに専念することになったKazuXD選手は,もともとアナリストとして迎え入れたメンバーなんです。しかし,当時SupportだったRiosilva選手(現在はRiot Gamesの日本支社ライアットゲームズに籍を置いている)が競技シーンから引退したことで,急遽選手として出場してもらうことになったんですね。なので,チームとしてはずっとSupportを探していたというのが一つ。
そしてもう一つ,満を持して望んだメンバーで,IWCIに勝てなかったことが何より大きかった。もし次にこういった機会があったとき,是が非でも勝てるチームを作らなくてはいけない。そこで,私の方でメンバー補強を決断しました。
4Gamer:
ということは,メンバー補強を考え始めたのはIWCI後なんですね。
梅崎氏:
そうなります。また,LJL2015 season2のほかの参加チーム――OZONE RampageとImmortals 7th heavenも強力な韓国人選手とアナリストを招聘しています。それはつまり,先の「試合の終わらせ方」を知っている選手や,そうした戦術を立てられるアナリストが相手チームにいるということであり,正直IWCI時点のDetonatioN FocusMeでは,勝つのが難しくなると思いました。
新たなアナリストであるAtu選手は,中国プロチームのRoyal ClubでSupportを担当し,昨年まで台湾プロリーグで活躍していた生え抜きなので,戦略面を大きく強化してくれるハズです。
4Gamer:
では,Jungleについては?
梅崎氏:
今のLoLの競技シーンでは,ローテーションやビジョンコントロール※で試合を終わらせる準備をするJungleとSupportの役割がとくに重要だと言われています。かつ,うちのMidのCeros選手,ADCのyutapongo選手は,国内最強のプレイヤーである自負がある。LJLや公式大会のレギュレーションでは,“1チームに2人まで他国の選手を登録できる”とありますから,最終的に世界の舞台で勝てるチームを作るうえで,この2ロールを補強することがもっとも適していると考えました。
※ビジョンコントロール……Stealth Ward,Vision Wardといった視界確保用のアイテムを利用し,続く目標となるオブジェクト付近の視界を先んじて確保すること。これに成功すれば,相手よりも有利な状況で集団戦を仕掛けられ,勝敗を大きく左右する要素と言える。
4Gamer:
LJL Season2のことだけを考えた補強ではないわけですね。ただ,海外選手を起用すると,試合中のコミュニケーション面で不安が出てきます。
梅崎氏:
そうですね。同じく海外選手を起用したRampageや7th heavenには,その可能性があります。ただ,うちのSupportのHwang選手は日本に8年住んでおり,日本語と韓国語が堪能です。JungleのRokenia選手が指令頭としてHwang選手に指示を出し,それを通訳してほかのメンバーに伝える。これが新生DetonatioN FocusMeの強みです。
4Gamer:
なるほど。新メンバーについて,選手の皆さんはどういった印象をお持ちですか。
yumeoti選手:
チームに入ってもらって練習試合を何度かこなしましたが,JungleのRokeniaさんはさすがに世界最強と言われている韓国サーバーの上位の方だなと。もっとも無駄のない,ベストな動き方をバンバン指示してくれます。
yumeoti選手 |
BonziN選手 |
Ceros選手:
なので,LJL Season2では,これまでの僕達の試合と比べて,ゲームスピードが大きく変わると思います。新メンバーの2人とも判断がものすごく速いので,それが試合展開にあらわれるんです。
BonziN選手:
中盤からのコールもですが,そもそも序盤からうまいですからね。チームは強くなりますよ。
4Gamer:
Jungle担当のAstarore選手はRokenia選手と入れ替えとなる立場ですが,どう感じているのでしょうか。
Astarore選手:
実力的にはRokenia選手の方が上なので,文句はありません。とくに中盤以降の動き方の理解度がものすごくて,今自分に足りない部分を持っていると感じました。そんなお手本といえるような選手の動き方を,チームの中から見られるわけですし,自分の上達ペースも上がるだろうと考えています。
4Gamer:
分かりました。新たなメンバーと,これからゲーミングハウスで寝食を共にすることになるわけですが,顔合わせはまだなんですよね?
Ceros選手:
ええ。ですがあんまり心配はしていないですね。ゲームが好きで,それを仕事にするような人達ですから。志が同じなら,ゲームを通して仲良くできると思っています。
4Gamer:
話は変わりますが,日本のファンの中には,IWCI期間中の選手の振る舞いについて,不信感を持った人がいたようです。その辺りは……どういう経緯だったのでしょうか。
梅崎氏:
yutapongo選手がTwitterで味方を批判してしまった件ですね。彼はものすごく勝ちにこだわる子で,試合中は「今は耐えてくれ,後半で自分がなんとかするから」という気持ちで戦っていたと思うんです。結局自分が戦闘に参加しないまま,試合が終わってしまったことで,憤りを感じてしまったように思いました。
Ceros選手:
彼は試合中にものすごく熱くなるタイプで,それで味方にも強く言ってしまうんです。実際,戦術として間違ったことを言っているわけではないですし,僕は気にしていないですよ。
梅崎氏:
それと,日本代表として大きな舞台に出場するにあたって,どうしてもプレッシャーを感じてしまったのではないかと思います。
4Gamer:
なるほど。しかし,そうした部分を表に出してしまうとなると,また違った意味を持ってしまいかねないのでは? とくにDetonatioN FocusMeがプロ化した直後というタイミングでしたし,なんというかすごくもったいない。
梅崎氏:
おっしゃるとおりです。あの件では苦情のメールを何通もいただきましたが,どの方も「DetonatioN FocusMeは日本のe-Sportsをけん引するチームなのだから,今後の改善に期待します」と結んでくれていて,気を引き締めなければならないと感じました。プロとしての心構えについて,マネージャーとしてより一層の指導をしていくつもりです。
4Gamer:
期待しています。では最後に,これからの意気込みをお聞かせください。
梅崎氏:
開催中のLJL2015 Season2では,もちろん優勝を目指します。新メンバーが入ってきてすぐの開幕ではありますが,「勝てる」体制を整えていくつもりです。僕達の最終目標は世界大会に出て結果を残すことにあり,LJL Season2とその後に控えるGrand Finalでの優勝は,通過点に過ぎないですから。
BonziN選手:
DetonatioN FocusMeのスターティングメンバーの中では,僕が一番試されているというか,レベルアップを求められていると思うんです。新メンバーが入ることで,求められるレベルも一段と上がったように感じるので,がむしゃらに練習しながら試合に臨むつもりです。
Ceros選手:
Rampage, 7th heavenも海外選手を招聘して,全体的なレベルが大きく上がると思いますが,世界と戦っていくうえでは,日本国内での勝利は大前提だと思っています。相手が誰だろうと関係なく,勝ちます。応援よろしくお願いします。
Astarore選手:
チームとしては優勝を目指して頑張ってほしいところですが……俺の場合,敵はチームメンバーなんですよね。だから,なんと言っていいやら(笑)。
Ceros選手:
それでいいんじゃない? 今まではチーム内での競争がなかったわけだから,きっとこれでチームがもっと強くなるよ。
Astarore選手:
そうですね。実はどのロールを目指すかというのもまだ決まってなくて,もしかしたらBonziN選手とTopの座を争うことになるかもしれない。俺個人としては,スタメンを取り戻せるように頑張りたいです。
yumeoti選手:
チームの目標は出尽くしたと思うので,僕個人のことを言うと……これからまた表舞台に出られるよう,日々努力していきます。DetonatioN FocusMeは素晴らしいチームですので,チームともども応援よろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「次こそは世界の舞台で勝つために,メンバー補強を決断した」と語ってくれた梅崎氏。新生メンバーの門出となるLJL2015 Season2の開幕戦は筆者も観戦していたのだが,その言葉を裏付けるように,韓国リーグの元プロ選手2名を補強したImmortals 7th Heavenを相手に圧倒的な強さで勝利を収めることとなった。
とくに新たなJungleのRokenia選手の活躍は目覚ましく,またそれに応じるチームのローテーションも素晴らしいもので,韓国語と日本語の橋渡しを担ったHwang選手が,「戦術面の同時通訳が大きな武器となる」というインタビュー中の梅崎氏の言を証明したといえる1戦であったように思う。
各チームの取り組みにより,チームスポーツ本格化の黎明を感じさせるLoLシーン。DetonatioN FocuseMeを始めとする国内チームの躍進に期待しつつ,先週よりスタートしたLJL2015 Season2の模様をチェックしてみてはいかがだろうか。
「International Wildcard 2015」(トルコ語)
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