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「LJL 2019 Spring Split」プレイオフが4月6日開幕。初戦はCGA対USG,試合の見どころをお届け
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印刷2019/04/05 12:00

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「LJL 2019 Spring Split」プレイオフが4月6日開幕。初戦はCGA対USG,試合の見どころをお届け

 PCオンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」(以下,LoL)の国内プロリーグ「LJL 2019 Spring Split」のプレイオフが2019年4月6日に開幕する。プレイオフは,シーズンの勝利数で3位までのチームに出場権が与えられ,1位のDetonatioN FocusMe(以下,DFM)はプレイオフの決勝へと進出し,2位のCrest Gaming Act(以下,CGA)と3位のUnsold Stuff Gaming(以下,USG)はプレイオフの準決勝に進出するという形だ。
 今回は4月6日に開催される準決勝について,観戦を楽しむための前情報や,戦いの見どころをお届けする。

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「LJL Spring Split セミファイナル」配信ページ(Twitchチャンネル)


プレイオフ準決勝
Crest Gaming Act 対 Unsold Stuff Gaming


 レギュラーシーズンと違い,プレイオフの試合はすべてBo5(3勝先取)で行われ,準決勝で勝利したチームが,決勝で待つDFMと戦うことになる。それでは,CGAとUSGの特徴を見ていこう。

Crest Gaming Act


 CGAは,昨期のLJL 2018 SummerからLJLの1部リーグに参入した比較的新しいチームだ。昨シーズンは最下位で終わり,2部リーグ降格を危ぶまれた時期もあったが,今期はメンバーチェンジで急成長を遂げた。

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Crest Gaming Actロースター

ポジション 選手名
Top Nap
Jungle hachamecha
Mid Luna
Bot Art
Support Grendel

 CGAの強みは,どのレーンからでも試合を動かして,流れを作れるところにある。それは彼らの個人技の高さから来るものだが,それを示すデータがソロキル数(味方のアシストなしで敵を倒した回数)だ。
 ソロキルというのは,プロシーンであまり見られるものではないが,CGAはその個々の技術の高さから,相手の予想を超えるプレイを生み出し,ソロキルを起こしているのだ。
 データとしては,Luna選手のソロキルがLJL最多の22回,Art選手が3位の11回,Nap選手が6位の8回となっている。Nap選手のソロキル数が物足りなくも感じられるが,彼はソロキルに向かないタンクチャンピオンを多く使うプレイヤーであり,そうした中での8回という数字は大きな価値を持つ。

Nap選手がタンクチャンピオンであるオーンで,相手をソロキルするシーン
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 CGAは各レーンのプレイヤーが個人技で魅せていくが,いざチームが集まって集団戦をするというタイミングになると,彼らはしっかりと役割分担をしている。Nap選手やHachamecha選手が集団戦を起こして,Luna選手とArt選手がダメージを出し,Grendel選手が二人のダメージキャリーを守っていく。
 それを表すのがダメージ%(チーム全体のダメージに対する,各プレイヤーのダメージの割合)というデータであり,CGAはチーム全体のダメージの31.1%をLunaが,32.5%をArtが出している。この二人だけで,63.6%ものダメージを出しているのだ。ちなみにレギュラーシーズンを1位で通過したDFMは53.1%となっている。
 ダメージキャリーと呼ばれるMidとBotの2人がここまでしっかりダメージを出せているのは,もちろん彼らの技術もあるが,チームからの「LunaとArtなら試合を勝利に運んでくれる」という信頼もあるだろう。CGAは今期の大躍進を生み出したこの“型”を活かして,プレイオフ決勝進出を目指す。

Unsold Stuff Gaming


 昨期,プレイオフでDFMと優勝争いをしたUSGは,今シーズンを3位で終えた。シーズン中の戦績は浮き沈みこそあったものの,今シーズン1敗しかしていない王者DFMに対しても惜しい試合をするなど,実力の高さは本物だ。

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Unsold Stuff Gamingロースター

ポジション 選手名
Top apaMEN
Jungle Tussle
Mid Dasher
Bot Keymaker
Support Enty

 USGは今期から新規加入したDasher選手を中心としたチーム構成を作ることが多い。たとえばダメージ%を見てみると,Dasher選手はチーム全体のダメージの36%を出しており,この数字は全プレイヤー中で1位だ。これは,それだけの実力をDasher選手が持っているということでもあるが,チームとしてDasher選手を軸に戦っていることを示している。そのため,Dasher選手が崩れ,勢いを取り戻せずに負けてしまうという展開も何度かあった。

Week7の対DFM戦では,Dasher選手がYutapon選手にソロキルされたところから試合が崩れていった
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 このような状況だと,Dasher選手はどうしてもダメージを出せるチャンピオンを選ばなくてはならないため,DFMやCGAが戦略として取り入れているプロテクトADC(後半に強いマークスマンを中心において,他のチャンピオンがCCやシールド,回復でマークスマンをサポートし,ダメージを出す構成)系のMidチャンピオンを選べず,チームとしてもプロテクトキャリーの戦略を使えない。
 その対策としてUSGは,Dasher選手が中心になるようなチャンピオン選択をしながら,構成の手札を増やす工夫をしてきた。その例が,BotのKeymaker選手のチャンピオンピックだ。Keymaker選手はシーズン途中から,高いハンドスキルを活かして,ハイマーディンガーといった序盤から中盤が強く,自己防衛能力の高いメイジチャンピオンを使い始めた。

 これには,それぞれのチャンピオンが強い時間帯をずらそうという狙いがある。序盤に強いチャンピオンがいなければ序盤で崩されてしまうし,中盤で強いチャンピオンがいなければドラゴンやバロンといったオブジェクト争いで負けてしまう。終盤で弱ければ,押し切れず勝利を決めきれないといったことも出てくる。
 このKeymaker選手のピックは,Dasher選手に終盤向けのチームを選ばせるためのものだ。これによって,チーム構成にも,Dasher選手のチャンピオン選択にも幅が出てくるというわけだ。

 USGの勝敗がDasher選手のパフォーマンスに大きく依存するのは間違いない。そこをKeymaker選手をはじめチームがどのように支えていくかが勝利のカギとなってくるだろう。


データから見るCGA対USG


 それでは,今期の戦績からこの2チームを見ていこう。

Crest Gaming Act Unsold Stuff Gaming
今期の戦績 15勝6敗 12勝9敗
直接対決の戦績 2勝1敗 1勝2敗

 CGAは今シーズン,15勝6敗と大きく勝ち越してシーズンを終えた。また,チームの波もほとんどなく,安定して勝ち星を重ねてきたという印象だ。
 USGは12勝9敗と悪くない戦績だが,シーズン中盤では不安定な時期が続いていた。平均試合時間もLJLの全チームの中で最も長い36分8秒となっており,長時間の試合にもつれ込んでの危うい勝利も何度か見られた。
 肝心の直接対決だが,CGAが2勝1敗で勝ち越すという結果になっている。ただし,そのうちの1戦はかなりの接戦で,CGAとUSGの実力差はほとんどないという印象だ。

week6のUSG対CGAの試合。USGはこのエルダードラゴンを倒していれば集団戦で勝利できた可能性が高く,最後まで分からない接戦だった
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 そして準決勝のカードの見どころは,やはりMidのLuna選手とDasher選手の対決だろう。両者が現在のLJLでトップレベルのMidレーナーであることに疑う余地がない。Luna選手はシーズン1位のソロキル22回,Dasher選手はシーズン1位のチームダメージである36%を記録している。
 CGAがUSGに勝利するには,Dasher選手を抑え込むことが必要不可欠だろう。直接対決での1敗はDasher選手がイレリアで大暴れした試合であり,逆に2勝はDasher選手をうまく抑え込めた試合だ。
 Dasher選手はかなり強気なプレイヤーで,試合の動きが少ないと積極的なプレイで場を動かそうとする傾向がある。そのとき,Dasher選手が育っていると,彼の技量もあってうまくいくことが多い。CGAはDasher選手が勢いづかないようにMidにプレッシャーをかけ続ける必要がある,と筆者は考える。

 そしてUSGがCGAに勝利するには,Dasher選手がカギとなるのは前述した通りだ。もしCGAがMidにプレッシャーをかけてくるなら,それを押し返す作戦,例えば,Luna選手がソロキルを狙いそうなタイミングで,Dasher選手がTussle選手やEnty選手と協力してカウンターを決めるなどが必要だろう。
 そうした場面で重要になってくるのは,Keymaker選手だ。エズリアルなどの1人でも安全なマークスマンチャンピオンや,ブラッドミア,スウェイン,ハイマーディンガーといった防衛能力の高いメイジチャンピオンを選択することで,Dasher選手を間接的に助けることができる。

 また,シーズンはBo1の1勝先取だったが,プレイオフではBo5の3勝先取になるという点も一つの見どころになってくる。Bo5になると,Game1で通じた戦略は,Game2ではチャンピオンをバンされて通じない可能性が高い。CGAとUSGがどれだけ手札を持っているかどうかも,勝敗に大きく関わってくるだろう。


プレイオフは4月6日の19:00からスタート


 今期のLJLの締めくくりであるプレイオフは準決勝が4月6日の19:00から行われる。そして,その勝者とDFMによる決勝は4月13日に行われる予定だ。
 プライオフを勝ち抜き,優勝したチームは5月1日から開幕する国際大会「2019 Mid-Season Invitational」(MSI)の出場権が得られる。今年のMSIの開催地は,ベトナムとチャイニーズタイペイだ。
 MSIは,年末に行われるリーグ・オブ・レジェンドの1年の集大成である国際大会の「World Championship」に対して,春の夏のシーズンの間に行われる国際大会だ。MSIには全13地域の直近のSplitの優勝チームが集まり,MSIチャンピオンの称号をかけて他の地域のチャンピオンと戦う。

 今期のLJLチャンピオンの称号はどのチームに与えられるのか。それぞれのプライドがぶつかり合うプレイオフは,まもなく開幕だ。

「リーグ・オブ・レジェンド」公式サイト

「League of Legends Japan League」公式サイト

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