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今年は“mid”がアツい! 「LJL 2024 Summer Split」Week1を終えてのメタ解説&チーム紹介
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印刷2024/06/15 10:00

企画記事

今年は“mid”がアツい! 「LJL 2024 Summer Split」Week1を終えてのメタ解説&チーム紹介

「2024年夏のLJLが,開幕ッッッ!」

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 カーサスのUltの気分で叫んだところで,本稿はPCオンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」(League of Legends。以下,LoL)の日本最強を決める夏季大会「LJL 2024 Summer Split」の解説記事だ。

※LJL=「League of Legends Japan League」

 なお,本大会は先週2024年6月7日から開幕しており,Week1(初週の6試合)を終えている。今回はその結果を見つつ,メタ的なチャンピオン解説をはじめ,参加チームの紹介や気になる点を確認していく。


■参戦チーム略称(Week1後の順位)
・SHG(SoftBank Hawks Gaming)
・AXC(AXIZ CREST)
・SG(Sengoku Gaming)
・DFM(DetnasitoN FocusMe)
・BCT(Burning Core Toyama)
・V3(V3 Esports)

夏のレギュラーシーズンは,各チーム総当たり戦を計2回実施。試合形式は春と同じくBO2(引き分けありの2Game制)
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勝ち点の高い5チームがプレイオフ(決勝トーナメント)に出場。今までより進出チーム数が多いのは,国際戦を見据えた“BO3以上の試合数を増やす”のが狙い?
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「LoLざっくり用語解説」


■文中の「レーン」と「ロール」の呼称:
・レーンの話はカナ表記(トップレーン,ジャングル)
・ロールの話は英語表記(top,jg)

■LJL:LoLの日本リーグ

■チャンピオン:LoLのプレイアブルキャラクター

■top:トップレーン担当。マップ上部の道を守る役割。前線を張りやすいチャンピオンが選出され,1vs.1の戦いを要求される

■jg:ジャングル担当。マップ内の暗い森林地帯を動く役割。各レーンに干渉できる司令塔。観戦時はjgに注目すると,戦闘の起こる場所が分かりやすい

■mid:ミッドレーン担当。マップ中央の道を守る役割。大きな範囲ダメージを出す後衛や,敵後衛を刺すアサシン系チャンピオンが選ばれやすい

■bot:ボットレーン担当。マップ下部の道。ここには以下の「adc」と「sup」の2プレイヤーが配置される

■adc:アタックダメージキャリー。チームの最大火力が求められる役割。いわゆるdps。1人だと貧弱なので,supに守られながら成長する

■sup:サポート。adcをはじめ,チームを守る役割。bot以外を動き回ることも多く,jgと同じく戦いの火蓋を切ることも

■パッチ:ゲームバージョン。LoLでは2週間ごとにパッチが提供され,短期間でゲーム環境(メタ)が変わる

■バン&ピック:試合前に,両チームがどのキャラクターを取るか(ピック),相手に使わせないか(バン)を決める時間。ドラフトとも呼ぶ

■メタ:ゲーム内でどのチャンピオンが強いか,どんな動きが強いかなどの意。カードゲームの「メタを張る」「メタる」といった意味合いの用語とは異なる

■Worlds:LoLの世界大会。競技シーンの頂点を決める年間の総決算。だいたい1か月続く



「LoL Esports JP」YouTubeチャンネル



Week1で一番使われたチャンピオンは?


 ヴ ァ ル ス です。

最も選ばれたのはこの男,ヴァルスでした
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 Week1で最もピックされたヴァルスは「射程が長い」「レーンが強い」「行動妨害(CC)持ち」「ビルドが柔軟」と,プロシーンにおいて不可欠とも言える要素がてんこもりのボットレーン向けadcである。

 その柔軟さをひとかけらでもサミーラとかに分けてあげてほしい。

SHG,SG,V3,DFMの4チームでピックされた。かなり優先されているのが分かる
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 彼が重宝される理由は山ほどあるが,個人的には“今が旬なコーキに強い”のが大きいのではと思っている。

 コーキはmidでもbotでも活躍できる,いわゆるフレックスタイプのチャンピオンだが,Ultを覚えるまではスキル・通常攻撃(AA)ともに射程が短く,対面相手によってはかなりキビしい。

 なかでも長射程adcは天敵で,コーキを取った側の気持ちは「ヴァルスがいるボットレーンに送りたくない……」で満場一致だろう。つまり,ヴァルスを取ればコーキの持ち味をほぼ打ち消せるのである。

とはいえ,Week1ではSsol選手がコーキで見事に勝ってみせた。一応,世界的には(パッチ14.10,全地域を見た結果ではあるが)ヴァルス側の勝率は7割ほど
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 ついでに,ヴァルスの天敵“ブリンクないヤツ絶対殺す王子”ことジャーバンIVが顔を見せないのも大きいだろう。彼がバフされ,またピックされるようになれば,ヴァルスの居心地も変わりそうである。

ジャーバンIVと同系統の“ベタ足絶対焼くメカ”ことランブルくんは,BANされてほとんど出てこない。Week1でのBAN数が計11回。1試合を除けばすべてBANされていることになる
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 コーキのほうは現在(パッチ14.11),ちょっと強すぎる状態にある。同パッチにより,ダメージ出力を物理寄りにするリワーク(かなりざっくりとした表現なので,詳細はパッチノートを参照)と,adcアイテムが調整され,無類の強さを手に入れている。

 とくにmidでの運用は強力で,レーンも強けりゃ終盤も強い。なんならポークもDPSもアサシンもできるとんでもねえ存在となった。

Week1 Day2では,AXCのEugeo選手が前ブリンクからのバーストで,V3のAce選手のフェイを落とした場面が印象的だった。遠距離ミサイルをペチペチ撃ってたコーキはもういない
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 現環境は新登場のAPアイテム「黒炎のトーチ」の影響が強く,タリヤ,ブランド,カーサス,リリアなどのAPjg(魔法系のジャングラー)が台頭していることもコーキ活躍の一因となる。チーム全体のダメージバランス(※)の観点から,ADmidの価値が相対的に高まっているわけだ。

※チーム内におけるダメージの種類(物理AD・魔法AP)のバランス感覚。どちらか偏りすぎると,片方対策の防御特化で対処されやすく,「タンクが溶かせないよぉ〜〜〜」な場面に陥ることになる

 同じ理由で,ヨネも存在感を見せた。ADmidの分類なら,アクシャンやゼドなんかも出ないかなあ……とひそかに期待していたのだが。

SGにはヨネを高次元で操れるJett選手がいるため,ありがたいメタかも?
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 一方,黒炎のトーチを持つタイプではなくとも,ニダリーもAPjgとして高い評価を受けている1人だ(1匹?)。

 彼女はとにかくファームが早く,壁越えや視界確保もスキルで行える。カウンタージャングル(敵陣ジャングルのモンスターを奪うこと)も非常に強力で,Day2におけるV3 vs.AXCの試合では,Van選手がHRK選手のリー・シンに100cs以上の差をつけていた。

悠々と敵陣に入り込み,槍をタワー下に投げ込む,由緒正しきニダリーしぐさ
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 「じゃあトップレーンはどないなっとんねん」という話だが,ここは岩投げサソリ(スカーナー)とトンファーゴリラ(カ=サンテ)の棲み処となっており,もはや砂漠っぽくて暑苦しいので,真夏がやってくる前にクーラーでも設置すればいい感じになるんじゃなかろうか。

 などと話を終わらせると,4Gamer編集者に書き終わるまでインペイルされそうなので,ちょっと真面目に書いておこう。

たま〜〜〜にサソリとゴリラの目を盗んで,スライム(ザック),動物変化おじさん(ウディア),おっきくなっちゃう子(ナー)なども出てくる
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 一言で評すると,現top環境はインチキvs.インチキだ。硬くて痛くてレーン戦でも集団戦でも強いやつらが無法で暴れている。

 なかでもスカーナーとカ=サンテは「アイテム変更ガー」「メタニ即シテテー」といった理由ではなく,“シンプルに強い”の一点だけでもてはやされている。この2チャンピオンが強力すぎて,結果的に彼らを中心にメタが回っている,という印象を受けるほどに。

スカーナーはパッチ14.7でフルリワークされた。複数の割合ダメージとハードCCを持ち,“ダメージの出るタンク”という許されざる存在として,以降はずっとブイブイ言わせてる
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ヴォイドグラブの重要性が上がったことで,試合展開として「レベル6タイミングでの強さ」がより重要視されることになったのも大きい。V3のTaNa選手がピックしていたエイトロックスには(パッチ14.11では)その力はなかった
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 一応,彼らをレーン段階でボッコボコにできるランブルくんというステキなチャンピオンもいるが,それゆえBAN筆頭候補で,Week1では最多BAN対象に君臨した。天敵のほうが厄介だった結果である。

 こう見ると環境めぐってるね。トホホ。

唯一ピックされた試合はsup出場。こいつもこいつでハチャメチャなので困りもの
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あとはトランプ投げるマン(ツイステッド・フェイト)なんかも有効なピックだ。スカーナー&カ=サンテはどちらも射程が長い相手は苦手としている
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 最後に“supのちょっと特殊なビルド”にも触れておこう。

 現在,タンクsupは「ワーモグアーマーを初手に積むビルド」が流行している。アフターショック&セレスティアル オポジションで耐久を確保し,敵にエンゲージして,死ななければワーモグで回復……という便利もとい当たり屋みたいなビルドがブームとなっている。

 これはパッチ14.9にて,ワーモグから付与されるヘルスが+1000になった影響が大きい。単純に防具としてのコスパもよく,さらにサポートアイテムを完成させれば自動効果“ワーモグの心臓”(非戦闘状態だとヘルスがギュンギュン回復する)が発動するのも追い風となった。

AXCのIno選手が使うレルのビルドがそれ。この状態でもだいぶ強い
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 こういった理由からか,今はエンゲージ手段のあるタンクsupがめっぽう強いメタとなった。Week1でもレルが4戦3勝と勝率が高く,同じくピックの多いノーチラスやレオナとも一線を画している。

 とはいえ大会は始まったばかりのため,現状の結果だけで「レル>ノーチラス=レオナ」と算出するのは気が早い。ひとまず,この3チャンピオンは重宝されているという情報だけ覚えておこう。

タンク以外だと,アッシュがめちゃめちゃ強力なsupとして注目されている。おかげでBANされることも多く,Week1では1試合しか登場しなかった
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LJLではニーコのsup運用もうまくいっている様子。初週は3戦3勝で負けなし
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Week1注目のマッチアップ
「ツイステッド・フェイトvs.パンテオン」


 Week1で気になるマッチアップがあったので軽く触れておきたい。それはBCT vs.DFMの試合で,BCTがトップレーンにツイステッド・フェイトを送り込んだところ,DFMがパンテオンを突き合わせたのだ。

 そもそもパンテオンがピックされたこと自体が意外であり,これにどのような意図があったのかをちょっと考えてみた。

槍をぽこじゃか投げまくれたあの日のパンテオンじゃないのに,なぜ長射程の相手に?
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 結論だけ言うと,おそろしく機能していた。

 パンテオンはW-「跳撃の盾」で敵に肉薄しながらスタンを与え,相手のヘルスを大きく削れるのがウリだ。このスキルは対象指定で飛んでくるため避ける手段がなく,低耐久のツイステッド・フェイトはレーニングでかなりの緊張感を強要される。DFM側にはセジュアニもいたため,ガンクされればほぼ間違いなく倒されるマッチアップでもあった。

 さらに,ツイステッド・フェイトのスタン効果をE-「イージスの猛攻」の無敵でしのいだり,Ultによる戦場介入をUlt-「偉大なる星路」で追いかけたりと,よくよく見るとカウンター要素がたくさんあって,対面への回答としては実に理にかなっていた。

 パンテオン自体は主流なピックではないのだが,メタ外の答えで殴り返す戦い方は,いかにも強豪DFMらしい。流行とは別軸知識と対策でパフォーマンスを見せつけてくれるのは,見ている側も楽しいものだ。

パンテオンであれば,中盤以降に(相対的に)射程が短くなるコーキがサイドレーンに出てきたとき,逆にソロキルを狙える。このあたりもピックの狙いだったのでは?
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Jett選手の復帰。Eugeo選手の覚醒
今期のLJLは“mid”がアツい


 ここからはWeek1を終えてのチームごとの評価に移る。まず個人的な総論を挙げておくと,今期アツいのは間違いなくmidレーンだ。

 SGにはJett選手が復帰した。SHGもDasheR選手が昨シーズンから調子を上げてきていて,BCTでも新規加入のJool選手が要となっている。春の王者を逃したDFMのエース,Aria選手も黙ってはいない。

スカーナーをキャッチアップしたシーンは「まさにJettここにあり!」という動きだった。直当てのUlt-「冥封一閃」,体を入れてスカーナーの退路をふさぎ,苦し紛れのUlt-「インペイル」にはEで対処。カンペキ
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 と,上ではKR(韓国)選手勢を中心に挙げさせてもらったが,個人的な注目株はAXCのEugeo選手,V3のAce選手だったりする。

 Eugeo選手は得意チャンピオンのフェイが黒炎のトーチのおかげでメタに上がったことに加え,本人のパフォーマンスがWeek1で抜群に上がっていた。なにせあの“Jett選手のヨネ”を抑え込んだのだ。

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 Ace選手のほうは,現環境でさらに強力になったmid陣にどう食らいつくか……いや,どう打ち倒していくのか。V3の勝利のピースになるだろうという意味で目が離せない。

 Ace選手がかつてLJLの頂点を獲る姿を見ていた者としては,彼の実力は疑うべくもない。勝ちに飢えていた昨年,強引にアカリをピックしたときのような,「オレがキャリーするんだよ!」といったギラついた姿勢を見せてくれることを大いに期待している。

Week1でも,バロン裏でヨネに肉薄された状態から見せた芸術的なステップでキッチリ時間を稼ぐなど,すばらしいプレイングが光っていた
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 とにかくmidが注目な今シーズン。

 あらためて,それぞれのチーム順位などを見ていく。

現在(Week1終了時)の順位表がこちら。右のPTSが勝ち点になる。勝利で3点,引き分け1点,負け0点で計上される
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〇SoftBank Hawks Gaming(SHG)
 順位:1位(2勝0引き分け0敗:勝ち点6)

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 相も変わらず常勝のSHG。宿敵DFMが相手でも2-0と快勝し,「誰が止めんのこのチーム?」と言わんばかりの独走状態を見せた。PCSプレイオフでの世界戦の経験が,躍進のきっかけであることは間違いない。

 春シーズンからパフォーマンスを上げているDasheR選手/midは,ここにきてさらに調子を上げてきたように思える。
 多くの戦場を渡ってきたベテランにして,LJLの“トップ of top”と呼べるであろうEvi選手の存在もあり,以降の試合のフィードバックによってチーム戦術もさらに洗練されていくであろう。

 果たして,この連勝街道を止めるチームは現れてくれるのか。そこが気になっている。こんな「誰か一矢報いてくれ−!」なんてニュアンスの書き方をしてしまうくらい,今のSHGにはまるで隙がない。

DFMとの2試合目は,まさに完封と言っていい試合運びだった
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【注目するなら】Forest選手(jg)
 春ではいきなり突出する場面も目立っていたが,世界戦が濃密な経験になったか,今季は不安定なそぶりすら見せない。
 mid戦で有利を取れがちな今,相手ジャングルに介入していくアグレッシブな動きは,今後もっと生かせるようになりそうだ。

 注目の試合は,Day 2「DFM vs.SHG」。春シーズンの決勝戦の再来だ。序盤に大きな有利を築いたDFMのAria選手に対し,SHGがどういった対処を見せていくのかに注目してほしい。

注目試合の動画(YouTube)



〇AXIZ CREST(AXC)
 同率2位(1勝1引き分け0敗:勝ち点4)


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 Jett選手擁するSG相手に苦戦するかと思われた初戦で,見事な勝ち星を上げたAXC。Day2ではV3のTaNa選手/topのヴェインに対して,スワップで対処するという戦術面の広さを見せつけた。

 選手たちのパフォーマンスが春よりもよくなっていることが好調の一因だろうが,個人的にはメタの合致も強みに思えた。
 Eugeo選手/midが得意とするフェイの台頭をはじめ,エンゲージ系タンクsupが旬である現状,チーム全体で得意とするチャンピオンをピックしやすいのは間違いなく勝因に関わっている。

 唯一,「APjgとADmidのタッグが強いなか,メイジ系を得意とするEugeo選手はどうなるのか」なんて声もあったが,Day2のコーキピックで不安もしっかりと払拭された。移り変わっていくメタに柔軟に対応していくことができれば,夏の頂点で照っても不思議ではない。

Ssol選手とEugeo選手がコーキを使えるというのは,現在のメタにおいて非常にたのもしい。相手をするチームはできればBANで対応したいはずだ
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【注目するなら】Van選手(jg)
 Cassin選手が健康上の問題で出場不可となったため,AXCに急遽加入したVan選手。カウンタージャングルなどの攻撃的な動きが得意なようで,ニダリー使用時のパフォーマンスがピカイチだった。
 同じ強みを持つCassin選手がコーチングしているという話もあるため,チーム全体での動きやコミュニケーションにも心配なさそうだ。

 注目の試合は,Day 2「V3 vs.AXC」。V3相手にスワップが行われたこの試合で,Van選手はニダリーを連続ピックし,両試合で大きく活躍した。LJL新顔の実力が気になる人たちは要チェックだ。

注目試合の動画(YouTube)



〇Sengoku Gaming(SG)
 同率2位(1勝1引き分け0敗:勝ち点4)


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 Geang選手が日本人枠となったことで,Jett選手/midが再びロースター入りし,ellim選手とあわせて3KR体制となった今季のSG。
 Jett選手には1シーズンのブランクがあったものの,その精強さは健在で,対戦相手が苦戦を強いられることは想像に難くない。

 ただし,Week1の試合内容は(筆者的に)顔ぶれに反した完成度だったのも事実だ。勝った試合も完勝ではなく,リーグ全体の競争力が上がってきたことを差し引いても,SGにはかなりの修正点が残っているように映った。まだSHGやDFMといった強豪との戦いも控えていることだし。

 などと,少々厳しめに見てしまっているが,サクセスストーリーというのは得てしてこういうスタートから始まるものである。

レオナで横から入って,みたいなGeang選手の鋭いエンゲージには今後も期待
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【注目するなら】Yuhi選手(adc)
 Week1で一番ビックリした,と言うと失礼かもしれないが,Yuhi選手のパフォーマンスがハンパないことになっていた。
 ダメージをギリギリまで出し続ける立ち回り。キルラインの見極めも完璧。かつてのYutorimoyashi選手を思い起こさせるようなフィジカル(いわゆる操作技術など)。当のYutorimoyashi選手は現在SGでコーチを務めているので,彼の強みが継承されたおかげかもしれない。

 注目の試合は,Day 1「SG vs.AXC」。引き分け試合ではあるが,それだけに見応えがすごい。なかでもYuhi選手のカイ=サはUlt-「キラーヴォイド」の使い方がおもしろく,2試合目の集団戦では相手の意識を引きつけ,体力1ドットになるまでダメージを出力してから生還した。

注目試合の動画(YouTube)



〇DetnasitoN FocusMe(DFM)
 4位(1勝1敗0引き分け:勝ち点3)


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 今年は春の王者を逃したDFM。国際戦でも健闘はしたものの,7位という苦しい結果に終わり,チームの冬は続いていそうだ。

 春の決勝戦のリベンジとも言えたDay2のSHG戦では,王者復権のごとき勢いも見せるも,結果だけ見れば完封されてしまった。
 とくに2試合目はピックからして勝ち筋をうまく作れていないように思えて,SHGとの間の壁がさらに高く見えてしまった。

 だからといって,DFMが弱くなったというわけではないだろう。Day1でのBCT戦では完膚なきまでに圧勝する姿を見せており,DFMらしい柔軟なピックを生かしたドラフトの強さも見られた。
 チームとしての完成度がLJL随一であることに変わりない。あとはこの夏,再び王者へと返り咲く姿が見られるかどうかだ。

春から加入したRayFarky選手の活躍も目覚ましい
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【注目するなら】Yutapon選手(adc)
 LJLの最古参ながら,今年もすばらしいプレイを見せてくれる。BCT戦でのステップワークは目を見張るものがあり,仕上がりは抜群だ。ルーン性能を生かす独特なビルドも“Yutaponらしさ”だ。
 長年,王者チームのエースとしてあり続けた彼が挑戦者に戻った今,上位の壁をどのように“射ち”壊してくれるのか楽しみで仕方ない。

 注目の試合は,Day 1「BCT vs.DFM」。オレリオン・ソルをピックした終盤寄りの構成でありながら,序盤から有利を取って相手をたたきつぶす試合運びは,「つっよ……」の感想しかひねり出せない。

注目試合の動画(YouTube)



〇Burning Core Toyama(BCT)
 同率5位(0勝0引き分け2敗)


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 BCTは2敗からのスタートという苦しい立ち上がりとなった。しかし試合内容は悪くなく,むしろこれからに期待できるものだった。

 なかでもSG戦の1試合目はチームとしての狙いがばっちり共有され,目的意識をあわせた“ちゃんとしたチームの動き”が実現されていた。バロンを触って相手を動かすなど,判断もワクワクさせてくれる。

 チームとしてきっちりまとまってきた現在,新人選手たちについては個人技が上位選手たちと比べて物足りない節もあるため,個々人の成長が牽引力のカギとなりそう。あとはいつ,扉を開くかだ。

Geang選手の隙を見逃さず,しっかり追ってソロキル。こういうシーンがもっと見たい
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【注目するなら】HowLa選手(adc)
 2024年5月,自身のXアカウントにて「(チームが)3位内に入れなければ引退します」と宣言したことで注目せざるをえないHowLa選手。
 有望な若手が去るのは界隈の損失でしかないが,個人的にはこのスピリッツを肯定したい。「よう言うた!」くらいの気持ちすらある。

 実際,彼のパフォーマンスはかなりよくなってきた。なんとしてでもプレイオフに出場し,3位以内とは言わず,1位をもぎ取って全員の度肝を抜いてほしい。私見交じりで恐縮だが,応援のしたさがすごい。

 注目の試合は,Day 2「SG vs BCT」。序盤で有利を作り,あと一歩のところまで相手を追い詰めたが,惜しくも負けてしまった一戦。SG相手に戦える地力を持ったチームであることに間違いないので,後半戦どころか今日を折り返しとし,一花咲かせてほしいところだ。

注目試合の動画(YouTube)



〇V3 Esports(V3)
 同率5位(0勝0引き分け2敗)


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 BCTと同じく,V3も全敗からのスタート。トップレーンからキャリーできるTaNa選手/topの強みをあまり生かせないメタなのが苦しいか。

 ヴェインやケネン,エイトロックスを渡して試合を作ろうとはしていたが,結果として戦績は芳しくない。ランブルが空くことがあればまた違ってくるとは思うのだが,現時点だと望むべくもないだろう。

 だが,春からHRK選手/jgの調子がかなり上がってきているので,TaNa選手とともにトップ側から試合を動かせればまた変わってくるはず。
 そして展開の有利をmidまでうまく波及させられれば,サモナーズリフトをもっと円滑に支配できるようになるのではなかろうか。

劣勢でも勝ちを拾いにいける,TaNa選手の力強さは健在。ガングプランクあたりの得意チャンピオンがメタに戻ってくると,さらに厄介な選手になるだろう
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【注目するなら】Ace選手(mid)
 再三言っているが,筆者としては今季最もアツいのはmidレーンだ。なかでもV3は上半身(top/jg/midのことを総合してこう呼ぶことがある)主体でゲームを動かすのが勝利への道筋になりそうなので,なんとしてもmidで勝利してほしい……と勝手に願っている。

 トップレーンから有利を広げるのではなく,むしろ自分が有利を取ることでTaNa選手をより動かしやすくするなど,そういった動きにつなげられるかどうか。ほかのチームもメキメキと実力を上げている昨今,Ace選手にはV3の“エース”としての活躍が求められる。

 注目の試合は,Day 2「V3 vs.AXC」。TaNa選手の強さが見られた試合。AXC側の行動妨害スキルがなくなったと見るやいなや突っ込み,おびただしい数の首を取って帰っていく,鬼神のごときヴェインが見られる。最後の集団戦も,なにかひとつ違えば全員倒していたかもしれない。

注目試合の動画(YouTube)



Week2は本日開始!


 そんなこんなで講釈を垂れてきたが,とりあえずWeek1を見た感想は「今季もLJLはおもしろいッ!」のひと言に尽きる。

 春に参加チーム数が減少したのは今も寂しく思っているが,そのぶん実力が凝縮され,より濃密な戦いになってきたことは間違いない。

Van選手のスティール(バロンフィニッシュなどを相手から奪う行為)には心を躍らされた。まさか初出場でチームの危機を救う最高のスティールをやってくれるなんて!
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 LJL 2024 Summer SplitのWeek2 Day1は,本日6月15日17時より各種動画サイトにて配信される。初戦はSG vs.BCTとなる。

 今週はAXCが春季最上位チームのSHG,DFMと当たるため,調子を上げているEugeo選手がDasheR選手,Aria選手に対してどう立ち回るのかが見どころだ。週末の夕方以降はぜひともリアルタイムで観戦し,配信のコメント欄やX上で感想を交わし合ってみよう。

今後の放送予定はこんな感じ
画像集 No.037のサムネイル画像 / 今年は“mid”がアツい! 「LJL 2024 Summer Split」Week1を終えてのメタ解説&チーム紹介

今季からはたくさんのストリーマーがウォッチパーティに参加している。LJLは誰かと見るのがめちゃくちゃ楽しいので,一度こういった配信にも訪れてみるのもいいかも?
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キャスター陣もウォッチパーティを開催予定。LoLについてより詳しく知りたいのなら,こちらで質問をしながら観戦するといいだろう
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 第1週が終わったばかりで,まだまだ見逃せないLJLの夏。Week2も梅雨の湿気なんてぶっ飛ばすような,アツい試合を期待している。

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集計:06月17日〜06月18日