連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第23回:「あちらを立てればこちらが立たず」
著者近影
えー,昔から「あちらを立てればこちらが立たず」とはよく言ったものでして,まさに最近,私はこの言葉の重みを思い知らされたのよ。……いやエロい意味ではなく,残念ながらゲイムの話なのよ。青少年にシンボルとシンボルがシンボリ合うようなシンボリルドルフを期待させて悪いわね。
で,ナニが立たないのかっていうと,パワプロなの。
そう,私は先週,Wiiの「実況パワフルプロ野球NEXT」とPlayStation 2の「実況パワフルプロ野球2009」のどちらを買うべきかで悩んでいたのよ。
これはすなわち,新しいモード「ヒーロー」を遊べるWii版を選ぶか,サクセスのストーリーモードよりも大好きな「栄冠ナイン」を遊べるPS2版を選ぶか,ということなの。言い換えると,高校生をエンドレスに相手するか,小学生から高校生まで自分好みに仕込み上げていくか,どちらを取るんだ? って話。難しいでしょ?
そんなに悩んでるんなら,大人なんだし両方買えばいいじゃん! って声が聞こえてきそうなんだけど,それは違うわ。私は,一度に似たようなものを二つ以上買えない人間なの。ポケモンも赤と緑を同時には買えないし,ニンテンドーDSとPSPも同時には買えない。セガサターンとPSのときもそうだったわね。
結果的には,そう遠くない未来にどいつもこいつも全部揃えてしまうのは分かっていることなのに。要するに貧乏性ってことなんだけども,お金とは別のところでも二つ同時に買ったら負けのような気がするのは私だけなのかしら。まあいいや。
そんなわけで,今回泣く泣く選んだのがWii版。理由はWiiリモコンのほうがなんとなく握りっぷりがいいから。あくまでなんとなく。
で,結果だけ言うと,私の判断は間違っていなかったわ。新モードのヒーローが面白い。モード進行のベースは栄冠ナインのようなボードゲイム形式。運とプレイヤーがしなければいけない判断のバランスがいいし,何より小一時間で1プレイ終わるのが嬉しいわね。
「モンスターハンター」を遊んでいたときにも思ったんだけど,人間が最高に集中できる時間なんて限られてると思うのよ。それが大体1時間弱なんだと思う。もちろん,1時間といわずぶっ続けでゲイムをプレイする人もいるでしょうし,私だって昔はぶっ続け派だったから一概にはいえないんだけど,それでもやっぱり面白いと感じる集中力のパッケージ時間は30分〜1時間なんじゃないかしら。
その証拠として,モンハンもパワプロNEXTのヒーローも,1プレイ後に「もう一回やって終わろう」って思えるのよ。こう思えるってのは,繰り返しプレイを前提としたゲイムの面白さの証明なんじゃないかしらね。
この「もう一回だけ」っていう気持ちのせいで,昔からゲイムの止めどきを失ってきた気がする。そしてそれが,最近では携帯ゲイム機の進化と台頭で「いかにすぐに止められるか」という要素が求められるようになってきているんじゃないかしら。私なんか,完璧にそう。
でも,パワプロNEXTで「もう一回だけ」を久々に味わって,こりゃやっぱり据え置きのゲイム機も悪くないかもなぁって思ったわ。なんか昔,ニンテンドウ64で「実況パワフルプロ野球4」をプレイしていたときの感覚が蘇ったのよ。あれは大学時代のことなんだけど,サクセスモードで1日1選手のノルマを自らに課して,選手作りに励んでいたのよ。オールAを各ポジションに揃えた瞬間に虚しくなって止めたけど。
そんな感じで,野球ファンって言うよりもむしろパワプロファンはぜひ。少なくともWii版は面白かったわよ。
さて,話は変わるけど「アマガミ」も気になって仕方がないわ。ゲイだから美少女ゲイムに興味なんてないんじゃないの? と思ったあんたは大間違い。ゲイレスラーである私とて,ゲイムとしての美少女ゲイムは嫌いじゃないの。さすがに原作モノとか,テキスト読むだけのアドベンチャーはあまり好きじゃないけど,攻略要素の強いシミュレーションゲイムならけっこうプレイするのよ。
だって,身も蓋もない言い方をすれば,その手のゲイムに出てくる女なんか,現実にはいないもん。空想上の生き物。それこそポケモンみたいなもんよ。髪の毛が赤や緑や紫の女が実際にいたら引くわ。
……いや,たまに現実にもいるけど。でも,現実にいるそんな人を見たら,だいたい引くでしょ? 本人達も,おそらくある種威嚇するために髪をいじっているんだと思うから,まあそれはそれでいいんだけどね。目的と手段と結果がきちんと成立してるわけだし。だから,見たらちゃんと引いてあげないと失礼ってもんよ。
おっと話がすっぽ抜けたわね。
ともかく,私は美少女ゲイムのキャラはモンスターとして見ているから,大事なのはゲイム性なわけね。そういう意味でアマガミには期待してる部分があるのよ。前作「キミキス」はスルーしたんだけど,今は「龍が如く3」が終わってエアポケット状態だから,プレイしてもいいかなと思っているわ。
古い話だけど,アマガミ発売元のエンターブレインがかつて出した「トゥルーラブストーリー」が面白かった記憶があるから,私の中での実績的には申し分ないわけで,総合的にけっこう高いレベルでの面白さを期待しているのよね。
ただ,ここまで持ち上げておいて何だけど,買うかどうかはまだ分からない。なぜなら,この作品には一つ大きな問題があるから。しかもそれは,かなり致命的欠点と言えなくもないレベル。その問題さえクリアできれば,私も予想や希望ではなく,実際にプレイしてるんだろうけど。残念なことに,今のところ買うに至っていない。え,どんな問題かって?
……恥ずかしいから。
そういうことなのです。今まで3度ゲイムショップに行って,その都度手ぶらで帰ってきたわ。明日こそは! 明日こそは! 明日は檜の木になろう! 来週までに買えるといいなあ。
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(C)2009 Konami Digital Entertainment (社)日本野球機構承認 NPB BIS プロ野球公式記録使用 フランチャイズ12球場+スカイマークスタジアム公認 ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2008年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。
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