Activision Blizzardが，「Blur」の開発元であるBizarre Creationsの売却を検討

　レースゲーム「Blur」（PC/PlayStation 3/Xbox 360。邦題 ブラーレーサーズ）を開発した，Bizarre Creationsの売却を親会社のActivision Blizzardが検討していると，欧米の各メディアが報じている。Gamasutraが北米時間11月16日に掲載したニュースでは，「最悪の場合，200人の社員が一斉解雇される」とされている。

Bizarre Creations公式サイト

　Bizarre Creationsは，1988年にイギリスのリバプールに設立された歴史の長いデベロッパで，PlayStation向けのレースゲーム「Formula One」（1996年）などが初期の代表作だ。そんな同社の名を世界のゲーマーに知らしめることになったのは，2001年にXbox向けに発売された「Project Gotham Racing」で，実在する高級車に乗りこなし，広大な都市をいかにカッコ良く駆け抜けるかというゲーム性が評判になった。
　レースゲームだけでなく，シューティングゲームの「Geometry Wars」（2005年）や，バイオレンス性の高いアクション「The Club」（2008年）などでも知られる同社は，2007年にActivisionに買収されてその傘下に入り，Activisionが弱かったレースゲームジャンルで活躍することが期待されていた。
　しかし，2010年夏にリリースされたBlurは，ユニークなゲーム性が評価されたものの商業的に成功せず，結果を残すことはできなかった。

「James Bond 007: Blood Stone」

　2010年11月2日には，Activisionから「James Bond 007: Blood Stone」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）をリリースしたばかり（日本では2011年1月13日に発売予定）だが，やはりBlurの失敗が今回の売却話につながったようだ。
　ちなみにイギリスではこういう際，対象となる会社（あるいは個人）に90日間の猶予を与えるという労働者保護目的の法律が制定されている。この90日という数字が，Activisionが発表した，「今後90日でBizarre Creationsへの対処を決定する」という説明に一致する。
　したがって，もし今後90日で売却先が見つからなかった場合，200人の社員が解雇され，Bizarre Creationsが閉鎖される可能性が高い。イギリスの名門デベロッパである，Bizarre Creationsの行く末を心配する欧米のファンは少なくはないだろう。