連載
【ヒャダイン】東京ゲームショウ2015に行ってきたよ!
ヒャダイン / 音楽クリエイター
ヒャダインの「あの時俺は若かった」 |
第45回「東京ゲームショウ2015に行ってきたよ!」
ブレフロをサービスしているエイリムの皆さんともいろいろお話させていただいたんですが,日本より海外のほうがダウンロード数多いんですってね。しかもとてつもないダウンロード数。まじかー。すげえ。
ゲーム自体もすごく面白くて,最近はやりのスマホゲームのフォーマットを踏襲しつつも,直感的に操作できる小気味の良いタッチ操作や,昔のRPGファンなら懐かしくなること間違いなしなドット絵! しかもSFC後期の,書き込みが激しい系の素晴らしいドット絵。イメージイラストを拡大解釈してドット絵に落とし込んでいたであろう,あの頃のぞくぞく感をも味わえます。
そして壮大なBGMね。やっぱりRPGはBGMが命だと思うんだ。以前スクウェア・エニックスの「拡散性ミリオンアーサー」でBGMを担当させてもらったとき,プロデューサーの安藤武博さんが,「僕は音楽について専門的なことは分からないけど,自分がプレイをしながら口ずさめるかどうかが大事だ」ということをおっしゃっていて,まったくそのとおりだなあ,と思ったんですよ(関連記事)。
だって,「ドラゴンクエスト」シリーズも「ファイナルファンタジー」シリーズも口ずさめるもん。それどころか,勝手に歌詞をつけて歌ってるやつもいますけどね。ええ。私です。このブレフロの音楽も,そのDNAはきっちり継承していて,壮大かつキャッチーな曲ばかり。こりゃヒットするわいな。
昨今,日本のゲームが海外勢に押されがちだと報じられがちですが,逆に海外でヒットしている日本発のコンテンツもあるんですね。ここに勝機があるような気がする。ブレフロがなぜ海外で受け入れられたのか,これから自分なりに研究して,今後の創作活動に活かしていきたいと思います。
でね。東京ゲームショウに行ったの,初めてだったんですよ。ひと言で言うと,天国。最新のゲームだらけ。試遊もタダ! 可愛いコンパニオンの女の子もたくさんいる。あれれコスプレしてるよ! しかも布面積小さいよ! ありゃりゃ。試遊しようとしたら綺麗なお姉さんに一から全部誘導されるよ。ゲーム中もずっと隣にいてくれるよ。いい匂いするよ。ここは天国か。いや,天国だ。普段おうちでチマチマとゲームしている身からすると,ゲームを美人のお姉さんに教えてもらいながらやるって,非日常そのもの。何これ,俺,夢見てんの!?
そんな夢見心地の中,4Gamerのブースを発見! おお。さすが。まあそりゃいるよなあ。なんて思いながら見てみるも,どこにも入り口がない。どこにもステージがない。完全にクローズドなブース。なんだこれ。秘密結社かよ,4Gamer……なんて思いつつ,担当さんに電話をしてみました。
「今,幕張メッセにいるんですが,いらっしゃいますか?」と。すると,担当さんがおもむろに闇の箱こと4Gamerブースから出てきました。ふと見ると,中では4人ほどのプロレスラーが試合をしているではありませんか。無観客試合。男色ディーノさんにいたっては,お尻がズルーンっと出てました。さっきまでの天国,ヘブン感は消失。なんだこの地獄(関連記事)。
てか,なんでゲームショウでプロレスの無観客試合をやってるの,この人達。今後の付き合い方も考えなきゃいけないな……なんて危惧していたら,どうやらニコ生で配信していたとのこと。ああなるほどねー。と思いましたが,おい待てこら。だからなんでゲームショウでプロレスやってんだよ。答えになってないよ!!
そんな具合で不安になっていると,担当さんが「PlayStation VR,試遊しましたか?」と聞いてくるもんで,「先ほど行ってみたんですが,けっこうな列になっていたので諦めました」と伝えたところ,「絶対に体験したほうがいいんで,取材させてもらえるよう,お願いしてみます!」とのお言葉。ここで先ほどのプロレスで地の底まで落ちた,僕の心の中の担当さんへの評価はうなぎのぼりです。さすがだなあ。すごいなあ4Gamer。
自分,PlayStation VRを経験する前に,スマホをがっちゃんこさせるサイクロップスは体験しておりました。あれもすげーと思ったのですが。PlayStation VR,やばい。これは凄まじい。映像エンターテイメントに革命が起きる。革命というか,根本から大きいものがひっくり返されるというか,新時代突入というか。文化レベルでのネクストステージをPlayStation VRで迎えると言っても過言ではないのでは? とすら思いました。ほんとに。
まずね。画質と臨場感がハンパないです。頭にサイクロップスをかぶっていることを忘れます。従来のものだと,何かをかぶって非現実のゲームをやっているなあといった,少し冷静な部分が脳内に残ると思いますが,このPlayStation VR。かぶった途端に異次元にスットーンです。周りにマネージャーや担当さんやコンパニオンのお姉さんがいることなんて,完全に飛び去ります。
まず「体感合体『アクエリオン・EVOL』」(関連記事をやったのですが,高所恐怖症の人だと,変な話,失禁するレベルのリアリティ。俺,アクエリオンに乗っているよ! そして合体したよ。きもちいいいいいいい。ぐるっと背中のほうを見回してみても,違和感が何もない。すべて見えるよ。そして飛んでる。海の上を飛んでる。ふわー……。
しかし怖いなあと思ったのが,プレイし始めて1分くらいで「てか,戦場なんだから後や横が見えても当たり前だよねえ」なんて感じちゃったこと。この素晴らしい技術,開発者の血反吐を吐くような努力すら,何だか当たり前のような気がしてきたことです。それぐらいのリアリティと没入感ってことでしょう。
こういうゲームが今後,あっという間にスタンダードになるのかな。
そうそう。今回PlayStation VRを体験して一番ドキッとしたのは,キャラクターに物凄く接近できる,てところです。チュートリアルをイケメン武将のガイドで進めていくのですが,キスができる距離まで近づけるんですよ。うほほ。人間って不思議なもので,360度のバーチャル空間だと現実と認識するのか,たとえ相手が男のキャラであろうと,ゼロ距離まで近づくと物凄い違和感や罪悪感が心に生まれるんです。
「俺,今,人としてやっちゃあいけないことをやってるんでないかい?」っていう。しかし。これはあくまでPlayStation VRの世界。していいんですよ!! わあーい! この解放感! 開放感! たまらんぞ。
この技術を使えば,いろんなバーチャル体験が可能になるわけで。それこそストリートビューを対応させたら,今までと比べ物にならないレベルの仮想旅行体験ができるでしょうし,F1とか飛行機とかスピード系のものも段違いにリアリティが増すでしょう。さらに,ドキッとするようなグラビアアイドルのイメージビデオとかにも対応できちゃうわけでしょ。くわー。革命だよ。
でもそこでね,頭の固いコメンテーターとかが「仮想現実で満足してしまうと,社会に適応できない若者が増える」とか批判する未来も予想しちゃって,そっちはなんかやだなあって。
これまでだって,インターネットやオンラインゲームがそういう批判をされてきたし,今もされているけれども。それらのおかげで社会とつながることのできている人が,どれだけいると思うんだよ。何らかの事情で外に出られない人が,仮想現実で時空を超えていろんな体験をできるって,何も悪いことじゃないでしょう!
って。まだ起きてもいない批判に勝手に怒っているミスター一人相撲ことヒャダインでした。
このほか,PlayStation VRではないけれど,「アンチャーテッド コレクション」や「ストリートファイターV」などの試遊を楽しみ,綺麗なお姉さんのニオイを鼻孔にくっつけてホクホク顔で幕張メッセを後にしたのでした。来年も誰か呼んでね。プロレスはしないよ。
■■ヒャダイン(音楽クリエイター)■■ ヒャダイン氏は最近,中川翔子さんと小林幸子さんのコラボユニット「しょこたん♥さっちゃん」による,新曲「無限∞ブランノワール」をプロデュース。こちらはスクウェア・エニックスが配信中の「無限∞ナイツ」(iOS / Android)のコラボソングとして,2015年10月28日にリリース予定です。 |
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