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飛躍的なグラフィックスとゲーム性の向上を21m以上の大スクリーンで堂々公開,「A列車で行こう9」の製品発表会が国内最大級の“映画館”にて開催
最新作「A列車で行こう9」2010年1月29日発売決定! 速報代わりにムービー4本を掲載
記者発表会が始まると,まずはサイバーフロントの代表取締役,藤原 三二氏が,「製品を見るのは今日が初めて。今日は来場した人と一緒に本作を楽しみたい」と挨拶。その後はアートディンク代表取締役の永浜 達郎氏によるプレゼンで,A9の各種ゲームシステムが紹介された。
永浜氏によると,A9の開発期間は2〜3年。開発時のコンセプトとして「より現実に近いグラフィックスとスケール感」を掲げ,それを追求した結果,プラットフォームをコンシューマではなくPCに定めたという。A8とは違って最初からPC用に作ることで,現在最先端のスペックを存分に使うことができたと満足げに語る。
第一作がリリースされた頃のPCはあまりにもロースペックで,今からするとほとんど電卓のようなものだったと技術の進化を振り返りつつ,A9では現在のPCならではのグラフィックスが実現できたことを語った。
その言葉は誇張ではなく,今回の発表会が「映画館」で行われたというところに,映像に対する自信の程がよく表れている。会場となったユナイテッドシネマ豊洲のシアター10は,日本国内で最大のスクリーンとして知られており,メインスクリーンの横幅はなんと21m以上もある。しかも発表会では,PCを接続してのゲームの実画面映像を,リアルタイムでスクリーンに映し出していったのだ(PCの解像度は1920×1080ドット)。今回の発表会には業界関係者のほかにも一般のファン150名が招待されており,ごまかしなどは一切きかない。
永浜社長もA9のグラフィックスにはご満悦の様子で,「このスクリーンでA9をプレイするのは非常に気持ちがいい。スタッフもこの場で開発したいと言っていた」「自分のPCってこんなにすごいんだ,と誇らしい気持ちになれるゲームを作りたかった」と,力強く語っていたのが印象的であった。
プラットフォームをPCに絞り,描画能力をギリギリまで活用
1マップにおける大きさは,対A8比で4倍となる10km四方までカバー。A9では山手線圏内を一つのマップに丸ごと収められるというわけだ。
操作性も大きく改善されている。A9では「ブロック単位」による建築を撤廃しており,プレイヤーが自由にオブジェクトを回転し,線路や湾岸沿いなどにもピッタリ綺麗に建てられる。その際は地盤の角度に応じて土台が自動的に作られ,斜面などへも自然に建築できるのだ。
線路のパターンも数多く追加されており,現実世界ではあまり使われないようなものも多数含まれてるという。これらは,線路の敷設を直感的に行わせるために,どうしても必要だったのだそうだ。
その説明をした後,永浜氏はスクリーン上で,環状線や巨大駅からの複線をスパスパと敷設していく。マウスドラッグ一発でとても綺麗なラインの線路が出来上がっていくのだが,画面を拡大してよく見ると,違ったR(カーブの半径)の線路が複数つながったりしている。実際にはさまざまな形の線路を組み合わせているのだが,そういったややこしさをプレイヤー視点ではまるで感じないことには驚いた。新宿駅のような,線路が複雑に絡みあいながら方々へ延びるような光景も,A9なら簡単に再現できそうだ。
A列車シリーズとして各要素が順当にパワーアップ
本シリーズは列車を主軸としたシミュレーションゲームなので,主役の車両についても当然パワーアップしている。登場する車種はシリーズ最多の224種類。また新たに,蒸気機関車の「C57型」や「D51型」が登場するのがポイントだ。
車両の編成は,最大で10両まで可能となっている(新幹線は16両編成)。A9では車両の長さをデフォルメしていないため,10両編成の車両が停車できる駅は,かなり巨大なものになるとのことだった。
なお,時間の経過も見直され,A9では1日が相対的に長めに設定されているという。つまり従来のような,住宅地にある駅から商業街の隣駅まで到着するのに1日以上かかってしまう,といった不自然なことがかなり改善されそうである。もちろんゲーム進行スピードの調整は可能で,100倍速まで用意されている。マシンスペックにもよるが,100倍速は従来の最高速度よりも速いそうだ。
ダイヤは通常では5分刻みで設定できるが,これはあくまで誰でも遊びやすいようにするためであり,設定に慣れている人なら1分刻みの設定も可能だ。
建物も種類がかなり増えているようだが,なかでも特殊なモノとして,収録車両をズラリと並べて一望できる“鉄道博物館”が紹介された。購入して設置した車両が展示されていく仕組みで,長浜社長によるとフルコンプの難度は相当高くなりそうとのことだが,224種類もの車両が映画館のフルスクリーン一面に広がる光景は,まさに圧巻であった。A9プレイヤーなら成し遂げたい目標の一つになるだろう。
今回は列車以外にバスやトラックでも運行でき,その気になれば列車を使わずバスだけもでやっていけるそうだ。鉄道路線と比べると渋滞が発生することがあるものの,必要資金が少なかったり,沿線開発が行いやすかったりなどといったメリットもある。バスやトラックは最大で100台の運行が設定できるが,これはマシンスペック次第らしい。
新たな要素として,“電力”の要素が加わるところもポイントとなりそうだ。電力は発電所を建てることで供給でき,都市の規模に合わせてパワフルなモノが必要となる。発表会の会場では,100万ドルの夜景さながらの景色が,発電所を削除した瞬間に真っ暗闇となってしまった。
発電方法にも何通りかあり(火力,地熱,原子力,潮力,風力,太陽光),都市の規模によってチョイスが違ってくる。たとえば初期段階ではパワー重視で,成長期はコスト優先,そして安定期に入ると環境への配慮も重要となるようだ。原子力発電所(撤去は設置の10倍のコストがかかるそうだ)を撤去してクリーンな電力に変えていくという,安定期に入った都市のエコ化を目的とするシナリオもあり,A9は社会勉強にも役立つタイトルなのかもしれない。余談だが,電車に限っては電力の影響を受けないとのこと。
また,マップコンストラクション機能が標準搭載されている。ベースとなる地形から自由にいじれるのだが,10km四方のマップの地形を手で作るのは大変,ということで,ランダム生成機能が用意されている。これは地面,海,山の割合を設定するだけで,かなり自然なマップを,ほぼ無限に作り出せるものとなるようだ。
そのほかにもさまざまな要素がパワーアップされているので,ざっとチェックしていこう。道路に信号機の設定が可能,ビューポイント機能で地名入力が可能,都市の発展や証券に関連したシミュレートエンジンが一新,列車の同時運行数が100編成,気球や複葉機などが登場するイベントを多数追加,トゥーンライクな描画への切り替え,自分の作った街をフライトシミュレータのように観光できる,などなど。今後は公式サイトなどでも続報が公開されていくと思われるので,シリーズのファンならずとも要チェックといえそうだ。
発表会に参加した感想としては,Xbox 360からの移植作だったA8と比べると,ゲームとしてまるで別物に進化している。まさに現時点で実現できる究極のA列車となってくれそうだ。必要PCスペックがかなり高くなりそうな印象だが,ゲーム内オプションを調整することで,そこそこのスペックでも遊べるようになる点も好印象だ。
「A列車で行こう9」はサイバーフロントから1月29日にリリース予定で,価格は1万2930円(税込)だ。別記事でムービーも掲載しているので,そちらを鑑賞しつつ発売日を心待ちにしよう。
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