レビュー
男は度胸,女は愛嬌! 女性はもちろん男性だって楽しめる「ときめきメモリアル Girl's Side 3rd Story」をレビュー
本作はKONAMIの誇る伝説的タイトル,「ときめきメモリアル」シリーズから派生した女性向け学園恋愛シミュレーションゲームの最新作。第1作の「ときめきメモリアル Girl's Side」から7年後の“私立はばたき学園”に入学し,3年間の学園生活を通じて個性豊かなキャラクター達と絆を深めていくことになる。
奇しくも同社の男性向け恋愛コミュニケーションゲーム,「ラブプラス+」と同日の発売となっており,プロデューサーまで同じ内田明理氏という本作。筆者は編集部の陰謀めいたものを感じつつ,血反吐を吐きながらラブプラス+とGS3の原稿にほぼ同時進行で取り掛かっている。
さて,本稿では実際にプレイした感想を交えつつ,ゲームの概要を紹介していこう……と,思うのだが,その前に一点。
筆者の性別は男だし,実は乙女ゲーム初体験だ。なので,どうしても若干男臭いレビューになると思うが,その点はご了承いただきたい。
「ときめきメモリアル Girl's Side 3rd Story」公式サイト
■攻略対象キャラクター
■そのほかのキャラクター
充実のファッションコーディネート
女性向けならではのシステムが面白い
前準備としてプレイヤーは,まず自分のプロフィールを入力することになるのだが,フルボイス仕様の本作では,ここで設定した名前をキャラクターが実際に呼んでくれる。気分を盛り上げたいのなら,どう考えても本名プレイ推奨な仕様だ。
残念ながらレアな苗字や名前だったりすると,音声が収録されていない場合もある。その場合は「かじ」とか「りゅうちゃん」とかあだ名で呼ばれるが,それはそれで嬉しい。デジャヴ?
プロフィール入力が終わったら,いよいよゲーム本編がスタート。本作では勉強や運動,おしゃれなど,さまざまなコマンドを選択してパラメータを上昇させていくのが,日々の主な過ごし方である。
なお,友達や男の子への電話,デートや外出などは,休日のみ選択可能となっている。
この辺のシステムは,「ときめきメモリアル」シリーズを継承しているので,男女問わずゲーム性を理解するのにそう苦労はしないはずだ。
衣類にはそれぞれ「CUTE」「VIVID」といった属性があり,同じ属性のものを組み合わせていくのが,コーディネートの基本となるだろう。男の子の好みに合うコーディネートをしてデートに行けば,親密度がグンとアップするはずだ。
また,ファッションにはレベルがあり,レベルが上がるとコーディネートの属性が強まったり,特別な属性になったりする。レベルを上げるにはデートで男の子に褒められたり,カレンのファッションチェックでセンスを認められる必要があるので,日頃からセンスのいいコーディネートを心がけよう。
ファッション関連のシステムは,男性向け作品とは比べ物にならないほどに作り込まれている。服選びは実に奥深く,男視点でプレイしていてもしっかり面白いのが好印象だ。まさに本作独自の魅力だと言えるだろう。
スキンシップで相手はメロメロ
三角関係をも楽しむ魔性の女!
デートでは,さまざまな場所に出かけられるが,親密度が低いうちは断られないように相手の好みに合わせたスポットをチョイスすることが重要だ。
デート中は,男の子との会話中に印象のいい選択肢を選べれば親密度が上昇するという,ときめきメモリアルらしいシステムになっているが,本作では「スキンシップ」のチャンスが発生することがある。
スキンシップモードでは,タッチペンで男の子の顔を見つめたり,体をくすぐったり,手を繋ぐといった行動が可能。タッチしたときに出てくるハートのエフェクトが多いほど,男の子との距離を大きく縮めたことになるのだ。
意中の男の子が好みそうなデートスポットは性格から大体予測できるはず。趣味嗜好は下校時に男の子を喫茶店に誘うことによって,聞き出すことも可能だ |
タッチペンでの触り方,タッチする場所によって反応はさまざま。軽く触れたりこすってみたり,色々と試してみよう。ただ,体に長く触れる溜めタッチに関しては,親密度やスポット次第で失敗することも多いので注意 |
なお,親密度が最高になっている状態でデートをしていると「大接近モード」に突入することがある。表示されるハートマークを上手くタッチし,「大接近ポイントゲージ」を最大まで溜めれば,男の子と自由にスキンシップを楽しめる状態へと移行。
一定時間内にムードを盛り上げることで,ドキドキなイベントへと繋がる場合もある。
また,本作では特定の男の子二人と仲良くなると「三角関係」に発展する独自のシステムを搭載している。そして,三角関係には「3人仲良し状態」と「モメ状態」という二つの状態がある。
仲良し状態ならば3人でのデートやイベントが楽しめるのだが,そのバランスが崩れるとモメ状態に突入。男の子達の愛情やプライドを汲み取ってやり,仲直りさせてやらなければいけない。
ちなみに3人でのデート時には「W大接近モード」が発生することがあり,上手くいけば男の子二人を相手にスキンシップを行うことが可能だ。主人公,魔性の女すぎる。
しかし,ラブプラス+で凛子とチュッチュしつつ,GS3では男の体を撫で回しているというこの状況。何とも不思議な気分である。“バイプレイヤー”ってこういうことだったのか……。
豊富なミニゲームで学園生活に彩りを
「ADVイベント」などオマケ要素も充実
学園生活を送る中で避けられないのが,体育祭やバレンタインといったイベントの数々だ。ミニゲームが発生するイベントも多く,これらは男の子との距離を一気に縮めるチャンスでもある。気合を入れて挑戦しよう。
ちなみに個人的に面白いと感じたのは,バレンタインに手作りチョコレートを作るイベントだ。トッピングを自由に選べるので,プレイヤーのセンスによって千差万別なチョコレートが完成する。渡したい男の子の好みを考えながら作ろう。
しかし手作りチョコとはね……イケメンは幸せだな。爆発しろ。
男がプレイしても面白い乙女ゲー
女の子に楽しめないはずがない!
これまで男性向けのときめきメモリアルシリーズをプレイしてきて,「一緒に帰って噂されると恥ずかしいって何だよ!」とか「すぐ爆弾つけやがって!」とか,一方的に女の子に対して不満を抱くことの多かった筆者だが,本作をプレイしたことで「女の子にも色々あるんだな……」と少し心が広くなった気がする。
いやまぁここだけの話,デートのあと,不満そうに「バイト行きゃよかった」とか抜かす男には若干の殺意も覚えたけど。
とにかく,本作は女性はもちろんのこと,男性にもオススメな作品。ラブプラス+と同じ内田明理プロデューサーの作品ということで,所々に類似点や小ネタが発見できるので,その辺を探してみるのも面白いかもしれない。
「ときめきメモリアル Girl's Side 3rd Story」公式サイト
(C) 2010 Konami Digital Entertainment