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[E3 2010]ヘックス採用&スタック廃止で「Civilization V」はどうなるのか。デモプレイでいろいろチェックしてきた
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印刷2010/06/18 15:26

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[E3 2010]ヘックス採用&スタック廃止で「Civilization V」はどうなるのか。デモプレイでいろいろチェックしてきた

画像集#002のサムネイル/[E3 2010]ヘックス採用&スタック廃止で「Civilization V」はどうなるのか。デモプレイでいろいろチェックしてきた
 ヘックスの採用にスタック禁止など,シリーズ従来作から大きく異なるシステムを採用してきた「Sid Meier’s Civilization V」(以下,Civ V )がお目見え。E3 2010におけるデモでは,「文化や外交を駆使してどのように勝利するか」「戦闘がどのように行われるか」といった部分が重点的に紹介されたので,その内容をお伝えしたい。

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完成度は80%!? テクノロジーツリーの刷新と

様変わりした「文化」周りをチェック


 今回,Civ Vのデモを行ってくれた2K GamesのSean Murray氏は,ハイアワサが率いるイロコイ族の文明を立ち上げた。ここではグラフィックスやUIをチェックすることになったのだが,ゲーム画面全体からは,波の揺れなども確認できるようになっているなど,グラフィックス表現の向上を確認できる。本作では,ジャングルの多い「アフリカセット」や,乾燥して高山も多い「アメリカセット」といったように,タイルセットが実世界の特色ベースで束ねられており,ランダムに生成されるマップにおいても,リアリティのあるものが作り出せるとのことだ。

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 アプリケーションの起動時に表示されるバージョンは0.8.0.24だったので,完成度は80%強といったところか。インタフェースは,3月のGDC 2010時と比べて明らかに洗練されており,新作らしさが漂う。

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 テクノロジーツリーも少しだけ公開されたが,Civ Vのツリーは,属性によってまとめられていた従来方式ではなく,いくつかの系統が時おり相互に相関し合いながら,基本的には一つの帯でつながっている。従来作品比でどのテクノロジーが削られているかなどの判断まではできなかったものの,文明の暁から近未来まで相当な分量をスクロールしていたのをぱっと見た限り,「Dynamite」(ダイナマイト)や「Metallurgy」(冶金学)といった,これまでになかったものが確認できたので,全体的にはテクノロジーの数は増えているかもしれない。

 さて,このあとMurray氏は,文化がより高度に発達した18世紀後半のローマ文明を使ってゲームを紹介し始める。
 Civ Vの内政部分で興味深いのは,「City Planning」という新しい要素の追加だ。都市一つ一つは,従来作よりもカスタマイズしやすくなっており,例えば「農業開発に適した草地が周辺に広がる都市は食糧生産に重点を置く」といったように,食料やユニット生産,金鉱,科学,文化など,都市単位でさまざまな分野にフォーカスした街作りができる。

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 もう一つ,従来作から大きく変わったのが「文化」だ。前作だと,高度な文化を持つ国家の国境は,ポイントの集積に合わせて満遍なく広がっていったが,Civ Vでは「ヘックスの中にいる住んでいる人々へ影響を与えていく」というコンセプトから,ヘックスを一つずつ,時間をかけて取り込んでいくスタイルになった。当然ながら,森や山岳地域などといった,文化レベルの低い場所は占領しにくいのだが,ヘックスごとに特性に合わせて地価が定められているので,買収という手段で国境の内側に編入していくことも可能だ。

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 興味深いのは,こうした文化の発展が社会の仕組みと連動している点。本作では,文明の文化レベルが向上するに従って,「伝統」や「自由」といった全10種のカテゴリーにある,それぞれ5個程度の項目が順次アンロックされていく。この項目は,前作にもあった「言論の自由」などに相当しており,要するに,社会のシステムが徐々に向上していくわけだ。
 Civ 5では,これらの項目をアンロックしながら,全10カテゴリー中,6種をコンプリートできれば,「ユートピア」の建設の権利が与えられて,これによって文化勝利することが可能になるのである。

 勝利条件の話を付け加えておくと,Civ Vでは,どの文明にも属さない「都市国家」の存在が,自国を外交勝利に導く重要な要素になっているという。
 都市国家とは,外交や輸出を通して友好関係を築くこともできるし,戦争して勝利すれば国境内に取り込んでもしまえる。一方,これらの都市国家も国際的に一つの国として認められている設定なので,国連が樹立された暁には,都市国家の投票権が大きな意味を持つことになる。これまでのように,文明の人口で国連を動かしたりはできないわけだ。

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 最後に紹介されたのが軍事関連。
 ユニットのスタック(積み重ね)が廃止されたことは,シリーズのファンの間ではすでに大きなニュースとなっているが,Murray氏は「何体ものユニットを重ね合わせて集団行動させる,いわゆる『スタック・オブ・ドゥーム』という戦法そのものは,生産力を反映したものでしかない。ストラテジーという観点からゲームを考えれば,1ヘックス1ユニット制のほうがより理に適っており,これは間違いない」との見解を示す。

 そのため,Civ Vでより重要性を増したのが,「弓兵やキャノンなどは,1ヘックスを隔てた場所から攻撃できる」などといった変更点や,丘や森,川沿いといった地形要素だ。
 長距離攻撃ができるユニットは,1対1の戦局ではほとんど役に立たないものの,敵の防御を緩めるのには効果的な存在となる。例えば,森にいる歩兵に対して歩兵を突撃させるような場合,攻撃側が圧倒的に不利。そこで,まずは弓兵でオッズ(=確率)を少しでも優位な状態にしてから,歩兵同士の戦いに持ち込むというのが常套手段になるはずだ。

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 都市には,人口レベルに合わせたヒットポイントがあるため,都市自体にユニットを立て篭もらせておく必要はない。防衛戦時,都市周囲のユニットが壊滅してしまっても,都市の大きさによっては若干持ちこたえてくれるから,その間に近隣都市でユニットを生産し,援護に送ることが可能だ。
 戦争に勝利した場合には,占領と破壊以外にも,「Puppet」(傀儡政府の樹立)というオプションも選択可能になった。傀儡政権を立てた場合,当該国家に何を建てるのか選択できないものの,外交権や租税,テクノロジー研究などは思いのままにできるという。

 なお,文明のリーダーに設定されるAI(≒思考ルーチン)は,「非常に洗練されている」とMurray氏。プレイヤーが国境の拡張に励むと気分を害したり,約束と違う行動を取れば嘘つき呼ばわりして敵対心を露にするようになるとのことだ。また,攻め込まれて,武力では太刀打ちできないと判断した場合は,戦闘的なモンテズマやナポレオンでも路線変更して,外交を駆使した対抗措置を取り出すといったように,より柔軟な国家運営をするらしい。

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 今回,Civ VはSteamworksのフレームワーク内で制作されており,Steamのインストールという絶対条件と引き替えに,パッチの自動適用などの恩恵が受けられるようになる。また,64bit版Windows 7正式対応など,システム面でいくつかバージョンアップもなされる見込みだ。
 E3 2010版を見る限り,Civ Vは,かなり遊びやすそうになっている。そして,以前にも増して奥深くなった印象。北米では2010年9月2日のリリースが予定されているが,日本でもあまり間を置かずリリースされることを期待したい。

イメージイラスト
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  • 関連タイトル:

    シドマイヤーズ シヴィライゼーションV 日本語版

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