企画記事
東京ゲームショウでは何が話題になったのか。TGS 2010の関連記事アクセスランキングを掲載!――そして4Gamer編集部の面々が注目した作品とは?
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2009年に引き続き,デジタル一眼を首からぶら下げ,ビデオカメラと三脚を担いで一日中会場を練り歩くのが私の東京ゲームショウでした。加齢と運動不足でなまった体には少々こたえましたが,なんとか乗り切ることができました。
振り返れば,2009年はアシスタント役のスタッフがいたような気もしますが,2010年はほぼ一人きりで,カメラマンも被写体も兼ねるというワンマンアーミーっぷりに拍車がかかっていたのはなぜだろう……。ともあれ,今回のTGSでは,発売が近づいてきた話題・注目のタイトルを自分でプレイできたので,よしとしましょうかね。
閑話休題。TGS 2010出展タイトルから数本ピックアップせよとの仰せなので,個人的趣味も多々入った,注目作を取り上げてみましょう。
○モンスターハンターポータブル 3rd
「こちら」に大陸新秩序氏によるレポートがあるので詳細は割愛しますが,プレイした感想は,さすがの一言。ハンターの新アクションも新しいモンスターも新鮮で,短い時間ながら,かなり楽しめました。正直,全然遊び足りなかったです。
TGSに合わせて公開された新しいPVを見る限り,未知のモンスターもまだ多数存在している模様で,発売日がとても待ち遠しいです。
10月13日からは本作の体験版配信が開始されますが,体験版はシングルプレイだけでなくマルチプレイにも対応予定とのこと(関連記事)。TGS会場では遊べなかった武器種を含め,発売日に向けて立ち回りをしっかりと研究したいと思います。
○戦場のヴァルキュリア3
TGS 2010の試遊バージョンでは,基本的に「戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校」を踏襲した感じのバトルシステムだったので,プレイ経験のある人にはすんなり入り込めるかと。新要素の特殊能力も,ヒロインのリエラがヴァルキュリア化した状態で操作できるなど,「1」「2」にない遊び方が生まれてきそうで楽しみです(関連記事)。
なお,11月頃に体験版配信が予定されているそうなので,TGS会場で遊べなかったという人は,配信を楽しみにしていてください。
○ダンボール戦機
「ダンボール戦機」の戦闘シーンでは,カスタマイズしたロボットを直接操作して戦います。いわゆる必殺技の“必殺ファンクション”かっけーとか,対人戦をやったら楽しそうだなーとか(実際にあるかどうかは不明),もっとじっくり遊びたいと思わせる内容でした。あと,制限時間があるからちょっと飛ばしちゃったけど,アニメパートももっとじっくり見たかったです。
「ダンボール戦機」は2010年内に発売予定とのことなので,発売日が今から楽しみです。
最後になりますが,会期中,関係者の皆様には今回もお世話になりっぱなしでした。ありがとうございます。
aueki
○Tiara Concerto(関連記事)
○Vuzix 3Dカメラ向けリアルタイムファインダー
その横のデモ機では,女性がずっと上を向いてプレイしていたのが目に入った。うむ,メガネ部分が重いので小顔だとどんどん滑り落ちるから上を向いてバランスとるしかないんだよなあ。去年の自分はこう見えていたのかと再確認。メガネ固定用のゴムバンドなどはないのかと聞くと,実はストラップもあるらしい。
その向こうには,Xbox 360でスパ4を使ったデモ用メガネディスプレイが置いてあった。外人さんが設置されたメガネを覗き込んで熱心に戦っている。スパ4って立体視対応だったのかと聞いてみると,普通のメガネ式の2Dディスプレイとのこと。単にゲームがやりたかっただけ?
kawamura
「今年のTGSといえば?」と聞かれれば,もう真っ先に脳裏に浮かぶのは「El Shaddai」の濃い顔なのだが,残念ながら私はEl Shaddaiを試遊しなかったので,それ以外のタイトルについて思い出してみよう。
試遊については,従来の尋問に加えて新要素の「ロジックチェス」をさっそく体験できるという密度の濃い20分だったものの,デモ版のロジックチェスは間違えようのない簡単さだったため,なんともいえない気持ち。この欲求不満こそ,製品版の発売を待ち遠しくさせるための戦略なのだろう。
クローズドなルームだったので,まだ未公開の街中やフィールドマップ,さらには開発ツールか何かで,衣装の重ね着を見事に処理しているところなども見せてもらい,その一つ一つが「おお,すげえ」と素直に思え,いちいち感心させられたのであった。
商品としては非常に手堅い作りのゲームが多いように感じられた今年のTGSの作品で,KinectやPS Moveなどの器具に頼らず,純粋にゲームの中身で「志の高い冒険してるなー」と感じさせられた,数少ないゲームだったといえる。
aoyama
取材中,ここ数年でもっとも盛り上がっているような印象を受けたTGS 2010だったが,「こちら」の記事でもお伝えしたように,4日間の総入場者数は過去最高となる20万7647人。東京ゲームショウ史上初の20万人超えを達成したというのだから,そりゃ大盛り上がりである。結果,4GamerのTGS関連記事の掲載数も過去最高となり,“日本最大級の総合ゲーム情報サイト”としての面子を保てたわけだ。各スタッフの何かと引き替えに。
そしてもう一つ印象に残っているのは,KONAMIのKinect対応タイトル「DanceEvolution」(関連記事)。試遊の様子からして実に楽しげで,見ているだけでも面白い。ギャラリーの数も常に多く,Kinectの魅力が凝縮された1本と言えるのではないだろうか。実際に自宅で遊べるかどうかはさておき,とりあえず買ってみようかと思った。
touge
スパ4AEは,新キャラ以外にも大幅に調整が入り,コンシューマ版とはすっかり別物に。目下の問題点は,ゲームセンターに行く暇が果たしてあるのかどうか。VO4は,今回かなーり久しぶりにプレイして,すっかり忘れていることが判明。新兵からやり直すことが決定しました。頑張ります。
あとは映像出展だけなら「ASURA’S WRATH」や「ファンタシースターオンライン2」なんかもちょっと気になる。でも今のところどんなゲームかさっぱり不明なので,とりあえず続報がでるまで保留ということで。
A.I.
ビジネス的な視点で眺めれば,もっとも興味深かったのは,これまでの展開も含めた「龍が如く」シリーズの動き。すでにあるゲームの面白さを咀嚼し,再構成し,マスに届け,そして利益を上げるその目線と手腕はクールであり,嫉妬を感じるほど。
他方,ゲームのプレイヤーの立場から言えば,気にかかった作品はまず「Fable III」。もともと遊びやすいタイトルだが,プレイしやすさはさらに上がっているようで,その手触りが気にかかる。もうひとつ「Mass Effect 2」。日本語版は発売されないだろうと思っていたので。
TeT
なぜUstreamなのか? という問いに対しては,「19時女子プロレスって知ってる?」と,逆に質問で返したいのが正直なところ。19時女子プロレスとは,毎週金曜日の19:00からUstreamでの生中継だけを行っている女子プロレス団体。会場には選手やスタッフ,関係者だけしか入れず,観客はすべてUstreamだけで試合を楽しむという試みだ。
まあ,要するに自分なりに解釈した4Gamer的19時女子プロレスが,あの形だったというわけである。編集スタッフに女子はいないけど。
で,そんなことをやっていたもんだから,4日間を通じて4Gamerブースの外へ出でられたのは,ごくわずかな時間。よって,印象的な出来事なんてとくにない。いろんな新作の試遊をできた編集部の人間のことが,少しうらやましい(原稿を書かなければならない点を除く)。以上!
……というのは,さすがに心苦しいので,Ustreamでも配信したもの中から,二つばかりピックアップしたいと思う。
○アルケミスト「ぎゃる☆がん」
本作は,「一日限定でモテモテになってしまった主人公が,告白しようと待ち受けている女の子達を,フェロモンショット(眼力)で倒していく」という設定の作品。
主観視点ではあるが,FPSというよりはレール移動式のガンシューティングに近いシステムを採用している。が,ガンは出て来なくて眼力を使うことになるので,眼シューティングってやつらしい。
ちゃんとボスっぽいヒロインみたいなものも用意されているが,ザコ的な女の子からラブレターを受け取ったりするとダメージを受けてしまうとかなんとか。
一瞬,羨ましい話だとは思ったものの,冷静になってみると,学校中の女子という女子が突然目をハートの形にしながら迫ってきたとしたら,それはそれでサイコホラー的な怖さがあるような気がする。
でもまあ,とてつもなくバカバカしい設定のゲームだからこそ,妙に気になってしまったのは間違いない。2011年に予定されている発売が,今から楽しみだ。
○ソニー・コンピュータエンタテインメント広報 池田さん
「BeatSketch!」「街スベリ」「スポーツチャンピオン」など,Move対応作のPVを流しつつ,各タイトルについて説明していただいたのだが,進行役の男色ディーノ選手が持つ受けの技術も相まって,池田さんご本人の持ち味が最大限に引き出される結果に。
紹介する順番を間違えないよう,PVの配信中に手のひらにメモを書いたはいいが,それをカメラに手の甲を向ける形で堂々と読み上げるなど,斬新なムーブを矢継ぎ早に繰り広げる池田さん。その姿を見ていたUstreamの視聴者達は,ソーシャルストリームに「池田さんマジ天使」といった声を送り込むこと以外できなくなっていた。
熱量という意味では,池田さんにご出演いただいた時間帯が,最も高かったのは間違いないだろう。
PlayStationが登場した1990年代後半,SCEは王道的なゲームだけでなく,かなりとがったゲームをリリースすることで,“ゲームの幅”を広げてきたように記憶している。
池田さんの自由奔放な振る舞いを見ているだけで,SCEはプラットフォーマーとして確固たる地位を築いた現在でも,変わらず面白いことをやってくれそうなにおいをぷんぷん振りまいているのだなぁ……と感じずにはいられなかった。
「街スベリ」 |
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