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[TGS 2010]たった4人で作ったバイクレースゲームとは。イギリスのデベロッパ,Hello Gamesが日本のメディアに「Joe Danger」の日本語版を紹介
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印刷2010/09/17 22:11

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[TGS 2010]たった4人で作ったバイクレースゲームとは。イギリスのデベロッパ,Hello Gamesが日本のメディアに「Joe Danger」の日本語版を紹介

画像集#001のサムネイル/[TGS 2010]たった4人で作ったバイクレースゲームとは。イギリスのデベロッパ,Hello Gamesが日本のメディアに「Joe Danger」の日本語版を紹介

 イギリス南部のGuildfordは,人口6万5000人ほどの小さな街だが,どうしたわけかゲームデベロッパがたくさんある。ピーター・モリニュー氏率いるLionhead Studiosや「Burnout」シリーズのCriterion Software,「ハリー・ポッター」シリーズなどを開発するElectronic ArtsのEA Bright Lightなどの錚々たるビッグネームに加え,小さなデベロッパが数多く存在する,まさに「イギリスのゲームのふるさと」(命名,筆者)である。
 ここで紹介する「Joe Danger」を制作したHello Gamesも,そんなGuildfordにある小さなスタジオで,どのくらい小さいかといえば,たった4人でゲームを作っているほど。
 わずか4人で,販売できるレベルのタイトルを開発できるとはちょっと信じられないが,開発者はいずれも,CriterionやSumo Games,Kuju Entertainmentなどでキャリアを積んだベテラン揃い。そんな彼らが,ゲームエンジンからスクラッチして作り上げたのが,Joe Dangerというわけだ。

 東京ゲームショウ2010が始まった9月16日,Hello Gamesはメディアに向けてJoe Dangerのプレゼンテーションを行った。とはいえ,幕張メッセのホールにブースを出しているわけではなく,近所のホテルで面談というスタイル。世界のメディアが東京に集まる,このナイスな機会をとらえてご紹介,というわけだ。
 ゲームの説明をしてくれたのはManaging DirectorのSean Murray氏で,彼自身はCriterionでBurnoutシリーズの制作に携わった経験を持っている。

Hello GamesのManaging Director,Sean Murray氏
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Hello Games公式サイト

PlayStation Network/Joe Danger紹介ページ(英語)



 Joe Dangerは,PlayStation Networkで販売される,PlayStation 3向けのダウンロード専用ゲームだ。横スクロール型のバイクゲームで,主人公のJoe Dangerを操作し,障害物でいっぱいのコースを,さまざまなトリックで切り抜けて勝利を目指すというものだ。改めて言うほどのことではないが,間違いなくカジュアルなゲームで,操作はいたって簡単。1つのレースは,ほんの数分で終わる。
 そこのあなた,「なあんだ」なんて思ったでしょ。Joe Dangerでは,機関銃が火を噴くことはなく,モンスターが暗闇から飛び出すこともなく,またテロリストがビルを占拠することもない。だが,発売後の欧米メディアの評価は非常に良好で,9月17日現在のメタスコアは86ポイントとなっている。例えばIGNのレビューは実に95ポイントを付けており,「まるで任天堂のゲームを遊んでいるようだ。Joe Dangerはあなたに絶え間ない驚きと喜びを与えるだろう」としているし,83ポイントを与えた1UPは,「些細な問題はあるものの,これは本当に楽しいゲームだ。暇つぶしにトライアルをプレイしてもいいし,エディタを使って自分だけのコースを造っても,あるいは無数に用意されたチャレンジに挑んでもいい」と,この頭でっかちで髭の剃り跡の青いスタントマンの評判は高い。

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 「僕たちは,日本のゲームと一緒に育ったんです」とMurray氏は,ちょっと嬉しいことを言ってくれる。Joe Dangerは,彼らが体験した数々の日本のゲームの面白さを詰め込んで作ったというのだ。確かに,空中に浮かぶコインを集めたり,コンボ技を決めたりする様子は,かつての和製ゲームを見ているようでもある。こちらから名前を出すまでもなく,Murray氏は「エキサイトバイク」のようなものが作りたかったと語る。しかし,明るい色づかいのグラフィックスや,派手なエフェクトは明らかに洋ゲーテイストだ。
 ゲームには10種類ほどのツアーが用意され,各ツアーは多数のレースやチャレンジで構成されている。チャレンジの目的はタイムアタックのほか,所定の数のコインを集めたり,決められたトリックをこなしたりとさまざまあり,それをクリアしていくと,最後にはフォーマットどおり「ボス戦」が待っている。本作の場合は,ライバルとなる「Team Nasty」をレースで打ち倒すことだ。このほか,多種多様なミニゲームも実装されている。

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 Joe Dangerはかつて人気のバイクスタントマンだったが,とある事故で大ケガを負い,引退の瀬戸際に追い込まれる。以前の自信を取り戻すために,彼は再び危険なレースに挑戦し,ライバルを倒していくのだというバックストーリーはあるものの,当然ながら,あまりシリアスになる必要はない。なんにせよ,ライバルより速く走り,華麗なトリックを決めればそれでいいのだ。目的は,明確かつ単純である。

 プレイした印象は,細部にわたってよく考えられているということだろう。普通に走って数100点がもらえるチャレンジがあるとすれば,ゲームに慣れるにつれてそれが数千点にアップする。ここであきらめずに,もっとやり込むと,スコアが数万点になるようにゲームが作られているのだ。ビギナーからやり込み派のプレイヤーまで楽しめるキャパシティがあるというわけだ。
 難しいトリックを決めると,Joe Dangerは観客に向かって手を振ったり,愛嬌をふりまいたりする。このあたり見ていて面白いし,そんな彼のためにさらに難しいコンボを決めてやろうという気持ちになる。

 最後にMurray氏は,「まだラフなバージョンですが」と断りながら,日本語版Joe Dangerを見せてくれた。可能であれば,2011年に発売したいという日本語版は,音声は英語ながら,テキスト類はほとんど日本語になっており,親近感が格段にアップした。ときどきちょっと妙な日本語も見られたが,なんとなくそれも“味”という雰囲気。
 いずれにせよ,大予算をかけた大作ゲームが市場に並ぶ中,アイデアと持っていき方で人気作を作れるのは,ゲーム業界にとってもいいことだろう。まあ,4人で作るってのは,かなり珍しいと思うけど。「ゲームを作るのは面白いから好き」だとMurray氏は言う。日本語版だけではなく,ちょっと気が早いが,彼らの次回作も楽しみになってきた。

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  • 関連タイトル:

    Joe Danger ディザスター マスター

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