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もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載
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印刷2011/02/19 10:30

インタビュー

もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載

不確定要素から生まれるドラマが長く遊ばれる秘訣!?

意識しているのは“遊び場を提供する”こと


4Gamer:
 「モンスターハンター」の開発チームは,据置機用と携帯ゲーム機用で分かれているのですか?

辻本氏:
 別々といえばそうなんですが,完全に分かれているかというと違うんです。

4Gamer:
 人によっては両方に関わっているケースもあるんですか?

辻本氏:
 その通りです。キッチリ役割を決めるというよりも,その都度,柔軟に対応しています。

4Gamer:
 携帯ゲーム機向けの「ポータブル」シリーズを開発するにあたって,一番大事にしていることを教えてください。

画像集#033のサムネイル/もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載
辻本氏:
 言葉にするのは難しいのですが,“遊ぶ環境”ですね。据置機と携帯ゲーム機では遊ぶ環境が明らかに違います。携帯ゲーム機用について,僕は「外で遊んで欲しい」と考えています。この場合の外で遊ぶというのは,室内で皆で遊ぶことも含まれるのですが,ほぼ,そういう遊び方しか想定していません。
 言い方を変えると,携帯ゲーム機用はよりシンプルで分かりやすくしています。

4Gamer:
 実際に顔を付き合わせて遊ぶもの,というイメージなんですね。

一瀬氏:
 あとは,さまざまなアイデアをゲームとしてどう面白く作りこんでいくかというところも違いますよね。

辻本氏:
 携帯ゲーム機用の場合,意識するところはたくさんありますよ。「3rd」でいうなら,お守りのシステムは携帯ゲーム機と非常に相性が良かったです。10分の移動時間でも,お守りの採掘なら十分できますし。

一瀬氏:
 「3rd」と「3(トライ)」の両方を触ってもらえば,「似たようなシステムなのに,どうしてこっちはこうなってんのやろ?」という部分がたくさんあるはずです。それが一つの回答ですね。

辻本氏:
 僕らは,言葉にできない明確な答えを共有しているんです。あらためて問われると,「据置機として,携帯ゲーム機としてそれぞれ考えることです」としか答えられないんですけど(笑)。

4Gamer:
 シリーズを熱心に遊んでいる人達からは,プレイ時間を聞くと100時間,200時間と遊んでいて,一般的なゲームよりかなり長い時間遊んでいるにも関わらず,「ボリュームが足りない」という意見を聞くことがあります。プレイヤーから求められるハードルが高い点については,どのように考えていますか?

辻本氏:
 そもそも「モンスターハンター」は,“繰り返し遊ぶ”というゲームです。逆にいえば,何時間でも遊べてしまうんですね。
 特に通信プレイでは,自分の進行度合いとは違った遊び方ができます。時には自分の進行を止めてでも,他人を助けるほうが面白いこともあります。ローカルなゲーム進行だけで語られてしまいがちですが,そういったコミュニケーションツールの要素が大きいんじゃないでしょうか。
 また,ダウンロードクエストも用意していますが,これは長期的かつ定期的な燃料投下の意味合いがあって,「1週間ぶりにやってみようか」という風に思ってもらえればいいなあ,と考えています。それがさらに,「こんなクエストが配信されたから,皆でやろうよ」というコミュニケーションに繋がればいいですよね。

4Gamer:
 ボリュームは時間というよりは期間を念頭に置いている,といったところでしょうか?

辻本氏:
 ボリュームの感覚に関しては,個人差があるので難しいのですが,僕らは常に“満足していただけること”を心がけて作っています。満足もまた人それぞれですが,「やってよかったな」「面白かったな」という気持ちを抱いていただけるように心がけているつもりです。

画像集#036のサムネイル/もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載
一瀬氏:
 “ゲームとして長く楽しめるように”というのは,いつも考えていますね。なかなか「これが1000時間遊べるゲームです」とはいえないのですが,できるだけ長い間,楽しく面白く遊べるものを用意しています。
 単純に長く遊ばせるだけなら,武具生産に必要な素材を増やせばいいんです。ただ,それが面白いのかというと,ちょっと違いますよね。

4Gamer:
 何回も何回も同じクエストに行くとなると,モチベーションは下がっちゃいますね。

辻本氏:
 そのバランスが満足感や達成感に影響しているんです。「モンスターハンター」は不確定要素が多く,ゆらぎや確率でゲームの進行や達成感が変わりますから,狙って調整するのは難しいですけれども。

一瀬氏:
 こちらで用意した遊びに,不確定要素から生まれるクエストごとのドラマが加わることで,長く遊んでいただけていると思っています。

4Gamer:
 確かに,オトモアイルーの一撃でモンスターを討伐したときなどは,今でも覚えていますね。

一瀬氏:
 ありますね,そういうこと(笑)。そういったオトモアイルーとのドラマもありますが,ぜひほかの人とも遊んでみて,さまざまなドラマを体験して欲しいですね。そうすれば,また新しい「モンスターハンター」の魅力を感じてもらえるのではないでしょうか。

辻本氏:
 シリーズを通じて意識しているのは,“遊び場を提供する”ことです。その遊び場をどう使うかによって,皆さんのプレイ時間も変わるんですよ。


「モンスターハンター フェスタ'11」は6都市で開催

ハンター同士の触れ合いやプレイを見る楽しさを提供


画像集#006のサムネイル/もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載
4Gamer:
 「MHP 3rd」をフィーチャーした「モンスターハンター フェスタ'11」が,3月13日から始まります。今回は会場が1都市増えて,6都市での開催となりますよね。「モンスターハンターフェスタ'09」より規模を大きくするというのは,当初から考えていたことなんですか?

辻本氏:
 今回は物理的な事情で1都市だけ増やすという判断になりましたが,何都市で開催できるか分からないけれど,絶対に会場を増やそうというのは,最初から考えていました。

4Gamer:
 追加の開催地として,仙台を選んだ理由を教えてもらえますか?

辻本氏:
 仙台にしたのは,これまで東京と北海道の間の会場がなかったからです。東北地方在住の方は,海を越えて北海道に行くか,あるいは東京に出るかしかなかったんですね。そこで,距離的に中間にあたる仙台がふさわしいんじゃないかと考えました。
 一度「夏期講習」を仙台で開催したことがあったので,仙台の人達の熱気は把握していました。なので,ぜひフェスタも開催したいと。

4Gamer:
 今回は,女子ハンターや親子ハンターの日本一決定戦を実施するとのことですが,「狩王決定戦」並みの扱いになるんですか?

辻本氏:
 今回は,以前から抱いていたフェスタ規模拡大の夢を,二つの観点から実行しました。一つは会場を増やすという目に見える形の拡大,そしてもう一つが別のカテゴリーを確立するという中身の拡大です。
 あくまでも「狩王決定戦」が最上級の扱いですけど,女子ハンターと親子ハンターは,それぞれのカテゴリーを別途用意して,日本一を決めます。
 女子ハンター大会/親子ハンター大会は,前回のフェスタで初めて設けたのですが,ユーザーさんからの反響がすごく大きかったんですね。なので,優勝者が皆から「凄い!」と評価されるようなシステムを組もうと考えました。

一瀬氏:
 前回,僕らは「楽しんでもらえたらいいなあ」くらいの気持ちで両カテゴリーを用意したのですが,参加していただいた方の熱気は,そんなものじゃなかったんです。プレイヤーの幅が広がっていることを目の当たりにして,今回はきちんとフォローしたいという思いが強くなったんです。

辻本氏:
 勝ち上がってきた人達,特にお子さんの目が本当に輝いているのを見て,大きな価値があると実感したんです。これはやらなければいけないと。

4Gamer:
 フェスタ恒例といえる,お祭り感を演出する催し物も期待していいのでしょうか?

辻本氏:
 もちろん,やります。今まさに何をやるか決めている最中です。

4Gamer:
 フェスタで各会場を訪れるにあたって,お二人は何が一番楽しみですか?

辻本氏:
 僕はプレイヤーの皆さんに会えることですね。年齢層や男女比に,各会場/各地域でそれぞれカラーが出ますから,いろんな意見が聞けるのを楽しみにしています。幅広い意見が聞ける,重要な場と捉えています。

4Gamer:
 例えば,どんなカラーが見られるのでしょう?

辻本氏:
 例えば大阪だと,小さな子でもストレートにガンガン質問してきます。僕らも大阪人ですが,「やっぱ大阪やなあ」と思いますね(笑)。

画像集#034のサムネイル/もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載
一瀬氏:
 東京だと,高校生から大学生が多いんですが,北海道はそれより少し年齢層が低いんです。あと,ファミリーでいらっしゃるケースも多いんですよ。ゲームの開発をしていると,どんな方が遊んでいるのか直接目にする機会が少ないので,いいなあと感じますね。
 ほかのゲームイベントなどでは,必ずしも「モンスターハンター」に興味がある人のみが集まっているわけではないですから,そういう意味では“モンハン好き”の人だけが集まるフェスタから得られるものは大きいです。

辻本氏:
 そもそもの話をすれば,ほかの人のプレイを見る楽しさやモンハンの世界観を,東京や大阪だけで伝えているのはもったいないという思いから,全国規模のフェスタを企画・開催してきたんですよ。こうやって全国展開することで,その楽しさを味わってくれる人が増えることがまず楽しいですし,そういう人達から意見を聞けることも楽しいですね。

4Gamer:
 「3rd」の販売本数からいっても,今後さらに規模を拡大しないと追いつかないんじゃないですか?

辻本氏:
 そうですね。これからも規模を大きくするつもりでやっています。
 思うんですが,こうやって“一つの楽しいコンテンツに人が集まってくる”って,夢があっていいじゃないですか。スタッフ一人一人のスケジュールも取られますから,かなり思い切らないとできないことなんですが,それ以上に得られるものがあるからには「やります」というしかないですよね。

4Gamer:
 いずれは毎年定例の開催になるとか……。

辻本氏:
 それはさすがに(笑)。シリーズの新作が出たタイミングでやるからいい,ということでお願いします。
 シリーズといえば,今回のフェスタでは「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村」関連のイベントも企画していますよ。

一瀬氏:
 「アイルー村」に興味がある人がフェスタに来ていただいても,楽しめる内容になります。そこから「3rd」に入っていただくのもいいですし,逆もまたアリなんじゃないでしょうか。もちろん,歴代シリーズの展示などもありますので,“モンハンに興味がある人”なら誰でも楽しめますよ。


より多くの人に「モンスターハンター」を知ってもらうために

「驚かせる」「マッチする」「身近に感じる」がコラボの鍵


4Gamer:
 「3rd」では,各種コラボレーション企画がゲームの発売時期と重なっていたこともあり,非常に目立っていた印象があります。コラボ企画を実現するにあたって,決め手となるポイントはどこにあるのでしょうか?

画像集#035のサムネイル/もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載
辻本氏:
 まずは“驚いてもらえるかどうか”ですね。やはり「アイツら,こんな面白いことやりよった」と思ってもらいたいです。KONAMIさんの「METAL GEAR SOLID」や,ユニクロさんとのコラボがそれですね。
 あとは“「モンスターハンター」とマッチしているかどうか”です。渋温泉やシダックスさんとのコラボがそれで,渋温泉は世界観,シダックスさんはゲームのプレイ環境とそれぞれマッチしています。
 あともう一つ,そのコラボによって“「モンスターハンター」を身近に感じてもらえるかどうか”というのもあります。

4Gamer:
 身近に感じるとは,具体的にはどのようなことですか?

辻本氏:
 いい替えると,日常生活に「モンスターハンター」が入り込んでくるようなコラボですね。
 例えば,ユニクロさんとのコラボTシャツを着ている方がいれば,道を歩いているだけでも“モンハンと遭遇できる”可能性が生まれます。今までも“モンハンが近くなる第一歩”として,同じような企画に取り組んできましたが,「3rd」ではより大きく展開できました。
 この取り組みは,ゲームの枠をあまり意識せず,まず「モンスターハンター」を知ってもらおうという考えでやっています。極論をいえば,ゲームに触れるのは仮に3年後でも構わないんですよ。ただ,「モンスターハンター」の存在を知るきっかけだけは,常に日常生活の中に残しておきたいんです。

4Gamer:
 そういった,いわば気の長い取り組みを続けるのはなぜですか?

辻本氏:
 「モンスターハンター」が人が人を呼ぶ,口コミで広がっていくゲームなので,人を誘うときのプレゼン要素を用意してあげたいんですよ。
 一緒に街を歩いているときに,「モンスターハンター」のアパレル製品が店頭に飾ってあれば,それをきっかけに誘うことができるかもしれません。わざわざゲームを売っているところまで連れて行かなくても,「一緒にやろうよ」と誘えるわけです。
 もちろん,絶対そういった機会が生まれるというわけではないですが,そういうケースもあり得る,という考えでやっています。

4Gamer:
 なるほど。Tシャツなりグッズなりが琴線に触れれば,普段ゲームを遊ばない人でも「モンスターハンター」に興味を持ってくれるかもしれないと。
 ところで,こうしたコラボは当然ながら期間限定のものがほとんどです。同じ企画を再び実施するような予定はありますか?

辻本氏:
 “お祭り感”を出せるメリットがあるから期間を限定しているというのもありますし,コラボ企画は先方さんあってのことなので,僕らだけで決められることではありません。ただ,確約はできませんが,お互いの合意が得られれば実現の可能性はあるとは思います。

4Gamer:
 個人的に,もう1回実施してみたいコラボ企画はありますか?

辻本氏:
 実現できるかは分かりませんが,個人的には渋温泉のような企画はもう1回やりたいですね。というのも,季節によって景色が変わるんじゃないですか。前回は真冬でしたから,暖かい時期にやると雰囲気が変わって,また面白いんじゃないかと思います。
 あと,僕自身が仕事のスケジュールの関係で行けなかったので,「僕が行きたいから」という理由で,もう1回,企画を進めるかもしれません(笑)。

一瀬氏:
 そういったコラボ企画やイベントは今後も続けていきますので,機会があればぜひ参加して楽しんでいただきたいです。

辻本氏:
 コラボ企画に対する意見や要望も,フェスタなどで伝えていただけると嬉しいですね。

画像集#005のサムネイル/もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載
4Gamer:
 そのほかにも,テレビ東京系列で,番組「モンハンぷらす 一(ひと)狩りいこうぜ!」の放映が先日始まりました。これはどのような経緯でスタートしたんですか?

辻本氏:
 ゲームの紹介だけに留まらない,“モンハンを題材にした番組”“モンハンだからできる番組”をずっとやりたかったんです。
 基本は,面白おかしくて,さらに共感できる部分があればいいと考えています。なので,チェックもかなりゆるくしています。新人ハンターのコーナーなどもやっていますが,きちんとゲームの魅力を伝えることのできる番組にしていきたいですね。

4Gamer:
 番組制作スタッフの手腕が問われますね。

辻本氏:
 もちろん,アイデア会議には開発チームも参加していますよ。その中で一番嬉しいのは,番組スタッフさんがちゃんとゲームが好きでやり込んでくださっていることなんです。

4Gamer:
 番組を見て,知らない人にも分かるように,もの凄く親切に作っていると感じました。詳しくないとできないことですし,あんなに楽しそうにゲームをやっている番組もそうそうないですよね。

辻本氏:
 あんな風に,丁寧かつ面白いという番組を作るのはなかなか難しいと思います。出演しているアメリカザリガニのお二人や岡田義徳さんも,本当に熱意のあるいい方々なんですよ。

一瀬氏:
 福田 萌さんも,2010年末はまったく「3rd」に触ったこともなかったのに,年明けの収録時にはプレイ時間が100時間を超えていましたし。

辻本氏:
 アレはビックリしたなあ。「オレらとプレイ時間一緒やん!」って(笑)。

一瀬氏:
 ともかく「好きな人が作ってんねやなあ」と感じる番組ですよね。実際にプレイしている人なら,「ああ,こんなことあるよな」と共感できる内容になっています。

4Gamer:
 それでは最後に,「3rd」が発売から1か月で400万本出荷を突破したことについての所感と,今後さらに販売本数を伸ばすための施策などを聞かせてください。

辻本氏:
 400万本出荷に関しては,素晴らしい数字ではありますけれども,まだまだ目指すところは上にあるという気持ちです。
 また,これからさらに数字を伸ばすには,どうしても新規プレイヤーを取り込むことが重要になります。しかし僕は,今遊んでくれている人達を大事にしたいとも考えています。そこで「新しいハンターさん,ぜひ来てください! ベテランハンターさん達も待っています!」という雰囲気を作りたいんです。
 それを言葉だけでなく,きちんとした仕掛けとして作っていきたいですね。現在,フェスタやダウンロードコンテンツとして一つ一つ具現化していますが,今後もさらなる形で続けていきます。

4Gamer:
 ありがとうございました。


画像集#002のサムネイル/もはや国民的ゲームとなった「モンスターハンターポータブル 3rd」が目指した境地とは――プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの一瀬泰範氏へのインタビューを掲載

 歴代の「モンスターハンター」シリーズをプレイした人なら分かると思うのだが,「モンスターハンターポータブル 3rd」は,より遊びやすく,より分かりやすくする工夫が加えられたうえで,遊びにさらなる拡張が加えられている。それは,人気シリーズを多くの人に向けて送り出す開発チームの責任と自負の表れと言えるし,本記事からもそれらが読み取れたのではないだろうか。
 また,モンスターハンターフェスタや各種コラボレーションなどで,プレイヤーをゲーム以外の部分でも楽しませたり,「モンハン」を知らない人に向けての認知を高めたりといった長期的な取り組みも行っていることも,「モンスターハンター」人気が継続している要因の一つなのだろうと,辻本氏と一瀬氏の話からは感じられた。

 筆者があらためて言うまでもないことだが,「モンスターハンターポータブル 3rd」は一人で遊んでも楽しいが,多人数で遊ぶともっと楽しい。気のおけない友人と一緒ならもちろんだが,PS3の「アドホック・パーティー」などで見知らぬ人と遊んでみて,“狩友”の輪を広げるのも一興である。また,近郊でモンスターハンターフェスタ'11が開催されるなら,会場に足を運んでみるのもいいだろう。モンハン好きが集まる場なら,新たな出会いには事欠かないはずだ。

 すでに425万本という,PSP用タイトルとして前人未到の記録を打ち立てている本作だが,今後どこまで記録を伸ばし,“国民的ゲーム”としての地位を不動のものにしていくのかに注目である。

「モンスターハンターポータブル 3rd」公式サイト


  • 関連タイトル:

    モンスターハンターポータブル 3rd

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