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PlayStation 3およびXbox 360向けにはリリース済みのTPS「ロスト プラネット 2」。人類の入植地である惑星「EDN-3rd」を舞台としたシリーズ最新作について,カプコンは2010年8月17日,PC版を10月14日に国内発売すると正式発表し,それに合わせて公式ベンチマークソフト「LOST PLANET 2 Benchmark Version」も登場した。
LOST PLANET 2 Benchmark Versionのダウンロードページ
DirectX 11モードでは,テッセレーションによるディスプレースメントマッピングや,GPUに汎用演算処理を行わせるDirectComputeを用いた「キャラクターのボーンの動きを基に,皮膚の描写に変化を付ける」とか「水の表現をよりリアルにする」といった処理の実装が大きな特徴となる。
いずれにせよ,DirectXエフェクトが見た目に与える影響は大きく,とくにAK(エイクリッド,敵キャラクターのこと)の表皮と水面は,注意して見比べなくても,DirectX 11モードとDirectX 9モードの間に大きな違いがあると分かるほどだ。
なお,どちらのテストでも,テスト中に[F1]キーを押すとワイヤーフレーム表示のオン/オフを切り替えられるほか,[F2]キーは押すごとにテッセレーションの効果をOFF→LOW→MIDDLE→HIGH→OFF……といった具合に変更できる。このあたりは,UNiGiNE製ベンチマークテスト「Heaven Benchmark」を意識した作りになっている印象だ。
テストタイプAは,木がうっそうと茂るジャングルの中を行軍するというもの。実際のゲームに近いシークエンスが3つ続けて実行されるようになっており,AIによって,キャラクターの動きには毎回変化があるなど,多少のランダム性が見られる。
一方のテストタイプBは,主にDirectX 11性能検証用となっており,巨大AKが水中から現れて一暴れし,再び水中に姿を消すまでの様子が描かれる。先に挙げたDirectX 11のオプション設定がもたらす違いは,こちらで試すと分かりやすい。
ざっくりまとめると,テストタイプAは「どれくらい快適にゲームをプレイできるか」のデモに近く,テストタイプBのほうがGPUベンチマークテスト的立ち位置がはっきりしたものだと言えるだろう。実際,ベンチマークアプリケーションを公開しているNVIDIAも,GPUの性能比較には後者を使うよう,全世界のレビュワーに推奨している。
テストタイプA。ジャングル内の行軍が主体で,後半には大規模戦闘も描かれる |
テストタイプB。巨大なAKが暴れ回る。カメラが寄ったり引いたりする,GPU負荷の高いテストだ |
ボリュームゾーンのGPUでテスト
DirectX 11を活かすには高スペックが必要か
用意したGPUは,搭載グラフィックスカードの実勢価格が1万円台後半から3万円程度(※2010年8月17日現在)という,いわゆるボリュームゾーン価格帯にある「GeForce GTX 460」(以下,GTX 460)「ATI Radeon HD 5850」(以下,HD 5850)「ATI Radeon HD 5770」(以下,HD 5770)の3モデル。GTX 460は,グラフィックスメモリ1GB版と768MB版を用意したので,両者は「GTX 460[1GB]」「GTX 460[768MB]」と書いて区別する。
また,GTX 460[1GB]として用いるMSI製カード「N460GTX Cyclone 1GD5/OC」はクロックアップモデルのため,今回は同社製オーバークロックツール「Afterburner」を用いてリファレンスレベルにまで動作クロックを落としたこと,そしてCPUに用意された「Intel Turbo Boost Technology」「Intel Hyper-Threading Technology」はいずれも有効のままテストを行うことにしたことも,併せてあらかじめお断りしておきたい。
なお,GeForceのテストに用いたグラフィックスドライバは,テスト開始時点における公式最新β版だ。
結果をチェックする前に1つ説明しておくと,Windows 7の場合,ベンチマークの設定内容は「C:\ユーザー\【ユーザー名】\マイドキュメント\CAPCOM\LOS
PLANET 2 Benchmark Version\config.ini」に記されている。そのため,この「config.ini」ファイルを直接編集することで,より細かなテスト条件変更も可能だ。
今回テストに用いたCPUは4コア8スレッド動作が可能な「Core i7-975 Extreme Edition/3.33GHz」だが,このとき,config.iniファイルには「JobThread=7」と設定されていた。これは7つのスレッドを同時処理することを示しているので,マルチスレッド処理に関しては,「バイオハザード5」のベンチマークテストとほぼ同じような設定になっているのではなかろうか。
さて,GTX 460はレビュー記事においてDirectX 11に強い傾向を見せたが,このロスト プラネット 2公式ベンチマークでもHD 5850に対して有意な差を見せた。とはいえ,MIDDLE設定の1680×1050ドットでもフレームレートは40fpsなので,アンチエイリアシングや異方性フィルタリングを有効化し,さらにDirectX11 FeatureもHIGH設定にするとなると,より上位のGPUが必要になってくるだろう。DirectX 11モードは,ゲーム世界のリアリティが確実に増すものの,その半面,かなり“重くなる”と覚悟しておいたほうがいい。
注目したいのは,すべてのGPUでDirectX 11モードと比べてフレームレートが大幅に向上していること。「PC版ならではのグラフィックス」はとりあえず置いておいて,軽快なゲームプレイを優先するのであれば,あえてDirectX 9モードを選ぶというのもアリかもしれない。
なお,表2,3はテストタイプAのスコア内訳となる。
おまけ:NVIDIAが公開したDirectX 11&9比較ショット
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