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[GDC 2011]リグの自動化により高速かつ豊かな表情アニメーションを実現。「Gears of War 3」の舞台裏を支える“キャラクター・リガー”の奮闘
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印刷2011/03/05 10:33

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[GDC 2011]リグの自動化により高速かつ豊かな表情アニメーションを実現。「Gears of War 3」の舞台裏を支える“キャラクター・リガー”の奮闘

Epic GamesのGearsチームに在籍するジェレミー・アーンスト(Jeremy Ernst)氏
画像集#001のサムネイル/[GDC 2011]リグの自動化により高速かつ豊かな表情アニメーションを実現。「Gears of War 3」の舞台裏を支える“キャラクター・リガー”の奮闘
 GDC 2011において,「Fast and Efficient Facial Rigging in Gears of War 3」(「Gears of War 3」における,迅速で効率的な表情リグの方法)というセッションで講義を行ったのが,今をときめくEpic GamesのGearsチームに在籍する,ジェレミー・アーンスト(Jeremy Ernst)氏である。

 アーンスト氏は,2006年の大学卒業以降,いくつかの開発チームを渡り歩き,2008年にEpic Gamesに参加して,「Gears of War 2」の開発チームに加わったアニメーターだ。実際には,アニメーターの中でも“キャラクター・リガー”という職務にあるが,このリグ(Rig)という行為は,キャラクターモデルに動きを与え,アニメーターが作業できるようにする橋渡しを担う職種である。一般的に社内に何人もいるというわけでなく,Gearsチームでもリガーはアーンスト氏1人なので,登場キャラクターが増えるほど仕事量も増えていく。その割には,表情や動き方がシーンに合わないとデザイナーらに修正を求められることも少なくなく,なかなか大変な仕事であるのは間違いないだろう。

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 Gearsチームには,専属のアニメーターはアーンスト氏を含めて6人しかいないらしい。壮大なシリーズを考えると随分コンパクトな印象だが,エンジン開発チームが別働部隊として活動しているためか,総勢でも50人ほどのチームであるという。また,キャラクターモデルの製作もアウトソースに委ねている。アーンスト氏の仕事は遠方から送られてくるモデルに息吹を与えるという,チームの窓口でもある。だからこそそういった仕事を最適化するため,パイプラインとなる自動化(AutoRig)ツールセットを製作することを決断したのだ。

 このツールは,キャラクターのマスクのような形状をしたケージ(Cage)とデータをもとに活用される。ケージは,幅や長さ,角度などを頬やアゴなどの部位ごとに調整できるようになっているので,すべてのキャラクターに被せることが可能。さらに,このケージの上にジョイントの位置を示すロケーターや,動きの指定をできる機能も用意されており,これらを使うことですべてのキャラクターの表情を,簡単に調整できるのだという。

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 面白いのは,そうやって作成したデータはPoseライブラリを含めてトランスファーが可能になっており,すべてのキャラクターで共有できること。同じ表情を同じシーンで複数のキャラクターが行うというシチュエーションはないにせよ,リガーの仕事が劇的に簡素化されるのは疑いようがない。さらに,ユーザーインタフェースでは,悲しい目つきとか,AからZまでの口の形状といったものがデフォルトで用意されており,この面でもリガーのワークフローをスピーディにしているのだ。
 アーンスト氏は,「これまで1体につき数日から数週間かかっていた作業が,数時間でできてしまう」と,自作のツールに満足している様子である。作業を自動化することにより,細かな調整(ポリッシュ)に時間をかけることが可能な分,ゲームの完成度も高くなるわけだ。

 アーンスト氏は,このツールにはまだまだ改良の余地があると考えている。今後は1つの汎用キャラクターモデルからモーフターゲットをエクスポートするという手法で,すべてのキャラクターのリギングを迅速に可能にする「Universal Head」システムの開発を行う予定だそうだ。2011年9月に発売予定というGears of War 3をプレイする際は,こうしたアーンスト氏の仕事っぷりをじっくりと確認してみたいものである。

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