日本の忍者も登場か。早くも流れる「Assassin’s Creed　3」のさまざまな噂

　Ubisoft Entertainmentの「Assassin’s Creed」シリーズといえば，フランス本国で根強い人気を誇る「Rayman」シリーズや，ハリウッド映画として大成功した「Prince of Persia」シリーズなどとともに，今やUbisoftの誇る看板タイトルの一つと呼べるまでに成長した大作。
　Assassin’s Creed シリーズは，これまでに対応プラットフォームの合計で1700万本もの販売実績を挙げており， 2010年11月にはシリーズ初のマルチプレイモードを搭載した「Assassin’s Creed: Brotherhood」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）の発売が控えている

　Assassin’s Creedは，第1作が開発されていた頃から三部作になると公言されていたが，このところ「3作目のテーマはなにか？」という話題がファンの間で交わされている。現在のところ，ファンの要望がもっとも高い時代背景は第二次世界大戦であるようで，その次に人気なのが日本の中世期らしい。人気作だけに，いろいろな想像が渦巻くのはいつものことだが，そうしたウワサ話に火を点けたのが，同シリーズのクリエイティブディレクターとして企画時から深く携わってきた経歴を持つ，Patrice Desilets（パトリス・デジーレ）氏だ。

Patrice Desilets氏

　アメリカのゲーム情報サイトMTV Multiplayerが，Desilets氏にインタビューを行っており，その中でいくつかの興味深い発言が行われたのだ。「同シリーズが“絶対に行かない”先は？」というトリッキーな質問をされたDesilets氏は以下のように答えている。

　「第二次世界大戦にゲームを持っていく理由はないと思います。もちろん，作ることは簡単ですよ。ヒトラーを暗殺しよう，とかね。でも，本当に面白いかはちょっと疑問ですね。
　ファンの多くが日本の中世期をテーマにしてほしいと期待しているのも知っていますが，知り合いの日本人に聞くと，みんな“止めたほうがいい。日本人は外国人に理解できない，自分なりの世界観を持っている”って答えるんですよ。
　そのため，僕自身もずっと忍者が主人公になることは否定してきたけど，でも最近，忍者を描くのがなぜダメなのかと思うようにもなってます。これまで，どれだけ多くの戦争ゲームが作られてきたのかと考えると，第二次世界大戦にはまったく興味が持てません」


　三部作の最後を締めくくる作品に関しては，「ヒトラーを狙う，Ezioの末裔にあたる女性」といった，具体的なキャラクター像まで紹介されてきたこともあったが，このインタビューを読む限り，第二次世界大戦モノにならないのは確実のようだ。反面，忍者については含みを持たせており，もしかしたらと思わせる。
　ちなみに，Desilets氏自身は2010年5月にUbisoftのモントリオールスタジオを退社しているので，インタビューは在職時に行われたものだと思われる。

　Assassin’s Creed: Brotherhoodは，「Assassin’s Creed II」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）の外伝としての立ち位置で，従来作と同様，いわゆる“クリフハンガー”的な展開で次回作の内容を匂わせるらしい。もっとも，このシリーズのブレーンであったDesilets氏が制作から抜けたこともあり，初期の三部作という枠にはこだわらず，シリーズ作品をリリースし続けるという方向転換もありそうだ。
　いずれにせよ。「忍者が主人公のAssassin’s Creed」がもし出てきたとしても，おかしくはない状況であることは確かなので，続報にも期待したい。