Ubisoft Entertainmentが会計報告。「Just Dance」などの成功で増収したものの，開発コストの増大がボトルネックとなり赤字改善はならず

　フランス最大のゲームメーカー，Ubisoft Entertainmentは，2010〜11会計年度上期（4月〜9月）の業績報告を行った。報告によれば，2009年末の発売以来，現在までに累計400万本のヒットとなった「Just Dance」，そしてダウンロード販売された「Scott Pilgrim vs. The World: The Game」の健闘などにより，前年同期比で56.7％増収の2億6000万ユーロ（約294億円）を記録。当初の予想を上回ったが，全体では6490万ユーロ（約73億円）の赤字になった。
　前年同期の赤字7750万ユーロ（約88億円）に比べて改善はされたものの，ゲーム開発のコストが収益の3分の1以上を占めるほどに膨れ上がっていること，そしてUbisoft Brazilを閉鎖するなどのリストラ策が十分ではなかったと，同社CEOのYves Guillemot氏は分析している。

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　2010年9月には「Tom Clancy's H.A.W.X. 2」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）や「R.U.S.E.」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）といった注目作も発売されているが，どちらも期待したセールスには至らなかったようだ。
　もっとも，下期には「Your Shape: Fitness Evolved」がリリースされたほか，現地時間の明日11月16日，欧米で発売される「Assassin's Creed Brotherhood」（PC/PlayStation 3/Xbox 360），さらに「Michael Jackson: The Experience」（PlayStation 3/Xbox 360/Wii/PSP/NDS），「Raving Rabbids: Travel in Time」といった前評判の高い作品が控えているため，Ubisoftは下期業績については楽観視しているようだ。

　残念なのは，ドライブゲームの「Driver San Francisco」が再度，発売延期になり，2011年4月〜2012年3月というボンヤリとした時期が発表されたことだ。ただこれは，開発が遅れているわけではなく，ソニー・コンピュータエンタテインメントの「グランツーリスモ5」とのバッティングを避けた結果ではないかと思われる。
　近未来をテーマにしたミリタリーシューティング「Tom Clancy’s Ghost Recon: Future Soldier」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）も，2011年4月以降のリリースとなる模様だ。
　いずれにせよ，Ubisoftの今後のタイトルには期待できそうな作品が多い。業績回復にも期待したいところだ。