レビュー
さまざまな新機軸が盛り込まれた,シリーズ屈指の意欲作
アサシン クリード ブラザーフッド
奪われたローマを取り戻すため
仲間とともに強大な悪に立ち向かえ
ターゲットに見つからないように背後からこっそり近づいてザクッ,屋上から飛び降りて下の敵兵をザクッ,敵に見つかったらバッサバッサと斬り倒し,ときどき全速力で逃げたり,市民に紛れて敵の目をあざむいたりできるのが,人気ステルスアクションゲーム「アサシン クリード」シリーズだ。ちょっと擬音が多めだったけど,分かってもらえました? その最新作となる「アサシン クリード ブラザーフッド」(PlayStation 3/Xbox 360。以下,ブラザーフッド)がユービーアイソフトより発売中だ。
三部作として制作される(と言われている)アサシン クリードシリーズだが,本作はナンバリングタイトルではなく,前作「アサシン クリードII」(PlayStation 3/Xbox 360)に続く物語を体験できるスピンオフ的な位置付けの作品という扱い。とはいえ,以下に詳しく書いていくように,システム的にはかなり面白い試みが随所に盛り込まれており,“III”にしちゃってもいいんじゃないかという雰囲気もある。でも,そうすると今後は四部作として制作される(と言われている)と直さなくちゃいけないので,やっぱりこれで良かったのかもしれない。
「アサシン クリード ブラザーフッド」公式サイト
ストーリーとしては前作の続きなので,アサシン クリードIIをプレイしていれば,ドラマチックに展開する良質のストーリーをより深く,進化した戦闘アクションをより楽しく,そして時代が進むことで変わった美しい街並みを,より感慨深く眺めることができるはずだ。もちろん,前作をプレイしていなくても大丈夫ですけど。
というわけで,これからそんなブラザーフッドを紹介していくわけだが,基本的なゲームシステムやプレイスタイルは前作をほぼ踏襲しているため,そのへんのことについては第1作のレビュー記事や,前作のレビュー記事をご覧いただきたい。今回のレビューでは,本作でフィーチャーされた部分を中心に見ていこうと思う。
……ローマで宿敵ロドリゴ・ボルジアを追い詰めた主人公のエツィオだったが,ロドリゴの命を奪えなかったのは大失敗。ある日,エツィオ達が住むモンテリジョーニのヴィラを,大軍を率いたロドリゴの息子,チェーザレ・ボルジアが襲撃したのだ。伯父のマリオは殺され,しかも客として招いていたフォルリ伯爵夫人,カテリーナまで捕らえられてしまった。
瀕死の重傷を負いながらもなんとかローマへ逃げたエツィオだったが,そこで目にしたのは,教皇となったロドリゴの腐敗した支配によって苦しめられる民衆の姿だった。強大なボルジア家に一人で立ち向かうのは不可能と判断したエツィオは,市民と共にアサシンギルドを組織し,ボルジア家を打ち倒すために動き出した,というのが今回のごくおおざっぱな物語となる。永遠の都,ローマの裏側で血まみれの戦いが繰り広げられるのだ。
店舗やランドマークを復興させて収入を得ていく
新たな復興システム
今回は,従来作のように複数の都市を行き来するのではなく,舞台はほぼローマに絞られている。もっとも,すべてのビューポイントをマークするのも大変なほどマップは広大で,都市が減って狭くなったという印象はまったくない。もちろん,ローマの街並みは空気感まで感じられるほど(まあ,実際に行ったことはないので,雰囲気で言っているのだが)リアルに再現されており,コロッセオ,パンテオン,サンタンジェロ城,サン・アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会,そしてクラウディア水道など,古代からの長い歴史を感じさせる多数のランドマークも見事に再現されている。
前作には鍛冶屋,医者,仕立屋,美術商などに投資するという「復興システム」があったが,本作ではその復興システムがさらに強化され,ローマ全体を復興するようなシステムが用意されている。
ローマはボルジア家に支配されており,ゲームを進めるのに必要な鍛冶屋や医者など,ほとんどの店舗が利用できない状況だ。投資したくても,店が開いていないのでは仕方がない。
さて,ローマは10のエリアに分かれていて,各エリアには「ボルジアの塔」が建てられている。この塔を守るリーダーを倒し,塔に火を放つことで,そのエリアが解放されるというのが今回のシステムだ。もちろん,リーダー以外にも敵の手の者は多く,そう簡単にはいかない。ともあれ,塔が落ちれば,そのエリアの店舗などが使えるようになり,さらに,それらに投資することで復興が進んでいくわけだ。これは手間も資金もかかるが,そのぶん見返りも大きい。
というのも前作同様,解放された店が多ければ多いほど得られる収入が増える仕組みであり,しかもそれぞれの店の持つ機能も利用できる。収入も増えて,ゲームも進めやすくなるという一石二鳥な話なので,資金に余裕があればどんどん投資していこう。解放してから。
装備品などがけっこういいお値段なせいか,復興システムによる収入があってもやはり金欠気味だ。手に入れたアイテムを売却することでも,資金が確保できる |
ローマは建物が密集しているエリアが多く,屋根がつながっていたり,建物と建物の隙間が狭いところもたくさんある。そのため,屋上を使った移動が一段としやすい |
各エリアにいるリーダーを倒し,ボルジアの塔に火を放てば,そのエリアが解放される。そうなると周辺の店舗が開くので,それらに投資できるようになる |
都市の中でも馬を使った移動が可能になった。しかし,人が多くて走りにくく,狭い場所も多いので,小回りの利かない馬よりも,走ったほうが楽だったりする |
敵を蹴散らせ!
新たな武器や攻撃アクションにより強さが一段とアップ
エツィオの基本アクションは変わっていないので,前作を遊んだ人なら,すんなりプレイできるだろう。とはいえ,いくつか追加されたアクションや武器もあるので,簡単に紹介しておこう。
まず,本作では戦闘中にキックが使えるようになった。いまさらキックかい! と思うかもしれないが,例えば鎧を着込んだ防御力の高い敵に真正面から斬り付けても刀は弾かれるばかり。だが,ここでキックを使って相手の体制を崩し,そこに攻撃を加えれば倒せるのだ。手強い敵には,積極的にキックを使っていこう。
武器は,アサシン御用達の両手に仕込んだアサシンブレードは当然として,さらにポイズンブレード,長剣,短剣,投げナイフ,ゲンコツ,ピストル,クロスボウ,大剣,斧,ハンマーなども使えるようになり,戦闘力大幅アップだ。ゲンコツ? しかもこれまで敵兵から奪うしかなかったタイプの武器までショップで購入できるようになったので,自由に使いまくれて嬉しい。さらに,敵兵が落とした槍や斧を投げることもできるので,一段とバリエーションに富んだ戦闘が楽しめるのだ。
上記のように,本作ではクロスボウが使用可能だ。実は第1作の主人公であるアルタイルがオープニングムービーでクロスボウを背負っており,使っているシーンも出てきたのに,ゲーム中には登場しなかった。しかし,これで思う存分にクロスボウを撃ちまくれるわけだ。
クロスボウは発射の際に音がしないので,隠密性を要求される任務にはもってこいだ。派手にいきたいときはピストルをぶっ放し,こっそりやりたい人はクロスボウ,という感じで使い分けられるのが嬉しい。
クロスボウは,ゲームを少し進めないと購入できない。こっそり敵を倒したいとき便利だが,もちろん矢も必要なので,武器屋で買うか敵兵を倒してフトコロを探りまくろう。 |
武器やアイテムの選択は前作同様,武器ホイールで行う。十字ボタンに,4種類の武器やアイテムを割り当てることもできるので,使用頻度の高いものはそこに |
剣とピストルが併用できるのも便利だ。攻撃ボタンを普通に押すと剣,長押しすることでピストルを使ってくれる |
落下地点を示すマークを目標に合わせて撃つだけなので,砲撃は簡単だ。従来作には見られない派手なシチュエーションが新鮮 |
戦闘においては,従来作以上にカウンター攻撃が入りやすい。敵兵に囲まれたとしても,相変わらず攻撃してくるのは常に1人なので,冷静に状況を見てカウンターを合わせれば,かなりの確率で倒せる。また,複数の敵を連続して次々に攻撃できる「エクスキューションストリーク」が使えるため,総合的に戦闘の難度はそれほど高くないという印象だ。
このへんは好みの分かれるところで,敵兵をサクサク倒せるのは爽快だが,もっと緊張感がほしいという人もいるかもしれない。個人的には,せっかく多種多様な武器が使えるようになったのだから,戦闘の難度はある程度高くても良かったと思う。
また,これも前作同様だが,天才芸術家で発明家のレオナルド・ダ・ヴィンチがエツィオをサポートしてくれる。ダ・ヴィンチが開発した大砲やマシンガンのほか,前作にもあった飛行マシンも登場するので,うまく使いこなしてボルジア勢力を蹴散らそう。高台から狙い撃つ大砲や,馬車の上から撃ちまくるマシンガンなどはちょっとアサシンっぽくない派手なものだが,楽しめる。
共に戦う弟子(ブラザー)達に任務を与え
レベルアップさせよう
ブラザーフッドの大きな特徴だが,本作では「アサシンギルド」を組織して弟子を育てられるようになった。さすが,マスターアサシンまで上り詰めたエツィオだけのことはある。それでもエツィオ1人で強大なボルジア家に対抗するのは難しいため,ローマ市民からアサシンの弟子をスカウトして共に戦おうというわけだ。これがタイトルの“ブラザーフッド”の由来だぜ,兄弟。
弟子をスカウトするには,マップから「アサシン勧誘ミッション」を選び,敵と戦っている市民に加勢するだけと,前作までの「市民救出ミッション」と,仕掛けは同じだ。敵を撃退すればスカウトできるわけだが,「えー,イヤだよ」なんて拒否する市民はおらず,全員すんなり弟子入りしてくれる。
もうちょっと嫌がってもよさそうだが,もともと,敵ともめている市民はボルジア家を打倒するレジスタンスに参加したくてそうしているので,断わられるわけはないのだ。なんという考え抜かれた設定。ともあれ,このミッションを繰り返すことで自然にアサシン仲間が増え,全部で12人の弟子達を持てるようになる。
弟子達は任務を遂行することでレベルアップし,能力が上がっていく。とはいえ,上げられるのが防御力と攻撃力のみであるところが,ちょっと物足りない |
任務には最大5人まで割り当てられるので,難度の高い任務には大勢送り込んだほうが,成功確率が上がる。ただし,得られる経験値も分配される |
弟子達にもそれぞれパラメータや経験値があり,各地に用意された任務に彼らを派遣することで,彼らをレベルアップさせられる。
任務の内容は「買収」「懺悔を聞く」など,およそ失敗しそうもないものから,暗殺など難度の高いものまで用意されている。1つの任務に最大5人の弟子を送り込めるので,難度の高い任務には,経験を積んだレベルの高い弟子を組み合わせて送り込みたいところだ。
任務を与えれば,彼らは勝手に出かけていって勝手に任務を遂行するので,その間は何もしなくて大丈夫だ。任務が成功したかどうかは,画面にメッセージが表示されるので分かる。そして,任務をクリアしてレベルアップした弟子は,武器/防具のアップグレードができるようになる。このように,任務を与えて経験を積ませ,弟子を育てるのもエツィオの大切な仕事なのだ。
この弟子達,任務を与えられていなときは家でサボっている……わけではなく,エツィオがミッションを進めているとき,近くにいる弟子を呼び出して手伝わせることも可能だ。呼び出すと,どこからともなくやってきて敵兵をサクサク片付けて去っていくから,なかなかカッコいい。というか,あまりにも強いので“完全お任せモード”であることも多いというのは内緒だ。とはいえ,大人数を相手にするときは苦戦することもあるので,そんなときは助けてあげよう。
人間同士の暗殺
気づかれないように近づいてサクッ! といくべし
ブラザーフッド最大の話題は,シリーズ初のオンラインマルチプレイが実装されたことだ。マルチプレイには,参加プレイヤーが指定されたほかのプレイヤーを暗殺する,「ウィンテッド」と,二人ずつペアを組んで,指定されたペアを暗殺する「アライアンス」という2つのモードが用意されている。参加できるプレイヤーの数は,最大で8人だ。
さらにダウンロードコンテンツ第1弾「Animus Project Update 1.0」(関連記事)と第2弾「Animus Project Update 2.0」(関連記事)を導入することで,アライアンスの上級版「アドバンス・アライアンス」と,マップに置かれた宝箱をめぐって戦う「宝箱争奪戦」といった新しいゲームモードや新マップが追加される。どちらも無料なので,遠慮なくダウンロードしよう。
ターゲットを判別するためには,画面中央下部にあるコンパスを使う。ターゲットがいる方向を青く示し,近づくほど青い領域が増えていくという便利なアイテムだ |
ターゲットをロックオンしておけば見失わない。画面左上の赤マークは,1人の暗殺者に狙われていることを,右上の青いマークは,2人がターゲットを狙っていることを示す |
マルチプレイで使用するキャラクターは,鍜治屋,医者,死刑執行人,遊び人など14種類の職業の中から選択できるが,どれを選んでも,容姿や暗殺方法が違うだけで操作方法は同じだ。マルチプレイでは経験値によるレベルアップが可能で,それにより新しい武器や変装,煙幕,爆竹などが使えるようになる。
基本的なルールは簡単で,ターゲットとなる相手を次々に暗殺していくだけ。ただし,ターゲットは例えば「医者」としか分からず,多数のNPCが行き交うマップを歩き回って,暗殺ターゲットを見つけ出さなければならない。医者といっても,プレイヤーが操作していない医者もたくさん歩き回っているため,「みーつけた!」なんて適当に暗殺しても,たぶんダメだ。また同時に,自分も誰かほかのプレイヤーの暗殺目標になっているので,NPCでないような行動を取ったりすることは危険だ。
プレイヤーキャラクターを見分ける簡単な方法としては,NPCは絶対に走ったり,後戻りしたりしないので,そんな動きをしたら人間が操作するものだと思ってもいい。また,屋上を移動するのも人間が操っているキャラクターだけだ。しかし,上級プレイヤーになると,NPCと見分けがつかないほどうまく動くからビックリだ。まさか! という感じ。
プレイヤーが暗殺者であり,同時にターゲットであるという設定は緊張感をかなり高めてくれる。常に周囲に気を配りながら行動しなければ簡単に殺されてしまうため,脇の下にイヤな汗をかきながらプレイしている。しかし,やるかやられるかの世界はとても楽しくて,時間を忘れて暗殺したりされたりを繰り返してしまった。
シリーズ初のマルチプレイがどのようなものになるのか? シンプルなデスマッチなど,高い身体能力を使ったアクション主体の内容を予想していた欧米のメディアも,このユニークなハイテク版「かくれんぼ+鬼ごっこ」にはかなり驚いたようで,評価は非常に高い。
ファンならプレイしないでどうする!
次へつながるストーリーも魅力的だ
シングルプレイ,マルチプレイと,ひととおりプレイした筆者は,ご存じのようにアサシン クリードシリーズをかなりやり込んだプロのアサシンだ。異論はあるかもしれないが,全2作について「実績解除100%」はダテじゃないと,軽く自慢しておいて,ブラザーフッドについてまとめてみたい。忙しい人はここから読もう。
本作は,ミッションの目標をただクリアするだけなら,それほど難しくはない。しかしそれでは達成率(ゲームではシンクロ率と呼ばれる)が100%にはならないのだ。これを100%にするには,ミッションごとに用意された「クリア条件」を満たす必要がある。クリア条件としては,「ターゲットに見つからないこと」「×分以内にクリアすること」「体力を3ブロック以上失わないこと」などの簡単なものから,非常にシビアなものまでさまざまに用意されている。すべてのミッションで100%クリアを目指すのが,真のアサシンの姿だ。
また従来作同様,いわゆる“やりこみ要素”がいろいろと用意されている。ブラザーフッドでは「ボルジアの旗」「羽根」「宝箱」がマップ内に配置されており,それをすべて集めましょうという話だ,それほど意地悪なところに置かれてはいないので,簡単に見つけられるだろう。また,建物に隠されたシンボル(マーク)を見つけ出すという,前作にあった要素も踏襲されている。
マップにはさまざまなデータが表示されるが,まずはビューポイントをチェックしていこう |
「バーチャルトレーニング」も面白い。挑戦を繰り返すうち,自然とテクニックが上達する(かも) |
今回もやっぱりあった旗と羽根集め。比較的分かりやすい位置に置かれており,近づくと特有の音が聞こえるので,周辺を探せば見つかる |
復興によって,ショップの機能が戻る。復興していないと,薬などが必要になったときに,遠方の店まで走らなければならない |
また,本作には「バーチャルトレーニング」というミニゲーム的な要素も用意されており,制限時間内に目的地まで走ったり,制限時間内に決められた人数を暗殺したりなど,ちょっとした時間でもコツコツ遊ぶことができそうだ。結果によって金,銀,銅のメダルがもらえるので,「すべて金」を目指して何度も挑戦してみよう。
シングルプレイはボリューム満点で,アクションも前作よりパワーアップしているという印象だ。やりこみ要素も含めた完全クリアを目指すなら,相当長い時間,プレイできるはず。クリア後,面白かったミッションや100%が達成できなかったミッションを選んで再プレイできるのも嬉しい。
シリーズをとおしてプレイしてきた人ほど,ワクワクしてくるようなストーリー展開がプレイヤーを待っており,ファンならプレイしなくてどうする? といった感じだろう。
アサシンになりきってプレイできるマルチプレイも面白く,今後,ダウンロードコンテンツによってゲームモードやマップが追加されていくことは間違いないだろう。というわけで,人間相手の暗殺と逃亡も長く楽しめそうだ。人混みに紛れてサクッとターゲットを倒したとき,思わずニンマリしている自分が怖い。この気持ち,ぜひ体験してほしい。
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(C)2010 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Assassin’s Creed, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.
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