インタビュー
夢のコラボが実現した驚きの経緯とは。本日発売の「STREET FIGHTER X(クロス) 鉄拳」,小野P&原田P直前インタビュー
あのキャラに出番は? キャラクターチョイスの謎にせまる
では,ここからはちょっと質問の方向を変えまして,キャラクターについてお聞きしていこうと思います。今作では鉄拳キャラクターはもとより,ストリートファイター側にもポイズンなど新キャラクターといっていいキャラクターが登場しますよね。これらのキャラクターは,どういう基準で選ばれていったのでしょうか。
小野P:
7〜8割のキャラクターは人気の順番ですね。残りの2割ぐらいは「こいつ入れたら面白いな」っていう理由。マードックなんかは,原田さんはまさか入るとは思ってなかったみたいです。
原田P:
まあ一番人気,というようなキャラクターではないですからね。
小野P:
ポイズンなんかも,そんなキャラクターの一人です。もちろん「出してくれ」というプレイヤーからの声は大きかったんですけど,普通の人はやっぱり知らないキャラクターですから。でも,いたら面白いじゃないですか。ストIIIからヒューゴーが登場するなら,マッドギアコンビでタッグが組めるわけですし。そんなわけで,格闘ゲームのキャラクター選びのセオリーは,あえて無視した部分もあるんです。
4Gamer:
弾持ちがいて重量級がいて,あとちょっとトリッキーなキャラクターも必要だよね,みたいなバランスの取り方よりは,純粋なキャラ人気を重視したと。
小野P:
お祭りですからね。
原田P:
あとは“らしさ”という要素も入ってますよね。クマなんて,鉄拳でのキャラクター使用率は決して高いわけではないけど,「鉄拳といえば動物」ってイメージがあるじゃないですか。だからクマはやっぱりいたほうがしっくりくるんだな。
4Gamer:
個人的には,エドモンド本田と巌竜の相撲対決なんかも見たかったですけど。
原田P:
……もうね,それはたいてい大ゴケするパターンなんですよ。とくに巌竜なんて,万年最下位人気ですからね! 普通は国ごとに人気はブレがあるものなのに,巌竜はこの地球上で一切ブレのない不人気ぶり(笑)。
(一同爆笑)
原田P:
なのにファン一人一人に話を聞くと,「僕個人は巌竜好きなんですけどね〜」とか言うんだよな。もう全員が嘘付いてる状態ですよ。おまえ本当は使ってないやろ!
小野P:
あと,ストIIIのキャラクターね(笑)。
原田P:
「僕トゥエルヴ使ってました〜」とか言う人いるんですけど,だいたい嘘ですからね!
4Gamer:
ええっ。自分はトゥエルヴと,あとアレックスはマジで持ちキャラだったんですけど!
原田P:
ああダメダメ! こんな業界のど真ん中にいる人の意見は,どマイナーもいいところです。試しにその辺で「ストリートファイター知ってる人!」って大声で叫んでみたらいいんです。ほとんどのサラリーマン達が「はい!」って手を挙げるけど,「トゥエルヴ知ってる人!」って聞いたら,「え,12がどうしたの?」って絶対なりますから。
小野P:
アレックスも,やっぱり反応ないんじゃないかなあ(笑)。
4Gamer:
ストIIIのキャラクター,めちゃめちゃカッコいいと思うんですけどねえ(泣)。ではこの流れから……小野さんのTwitterには,そのほかにもキャラクターについての要望が寄せられていますよね。その……R.ミカとか,かりんとか。
小野,原田両氏:
ほうら! きたきた(笑)。
原田P:
この話,取材受けると絶対出るんだよなあ(笑)。
小野P:
声は上がってるんですけど,「それ何人が本気で言ってるの?」という(笑)。
原田P:
僕のほうにも「R.ミカとかりんを出せ」って意見が来るんですよ。まさかこんなに声が上がるとは思わなかったんで,小野さんに全世界の使用率と人気投票のデータをもらったんですけど,それを見てもうびっくり,がっかりですよ。もちろん一般に公表されていないものだけど……巌竜並(笑)。
(一同爆笑)
原田P:
「じゃああのTwitterやネットで盛り上がってるあの層は,一体何者なんだろう?」って思いますよね。まあ大袈裟に言えば,たとえば各国に20人とかね。大袈裟にですけど(笑)。
つまりR.ミカとかりんを入れると,全世界で約100本分のインパクトになる(笑)。
原田P:
データにしてみるとびっくりなんだよね。鉄拳で言ったら,「州光出したらヒット間違いなし!」みたいな話があるじゃないですか。
4Gamer:
鉄拳プレイヤーはみんな言ってますね(笑)。
原田P:
そんならお前ら100本は買うねんな!? ……って言いたいですけど,そんなわけないんだよね(笑)。でもその人達が1000人分騒いでくれるかも,というのはありえます。話題性としてね。あらゆる可能性は残る。
小野P:
そうそう。だから人数が少ないからといって,入れないという話でもないんです。クマやマードック,ポイズンもちゃんと入ってるでしょ。声はちゃんと聞こえています。データがすべてではないけど,ただそこから選ぶ順番がある,というだけなんです。
4Gamer:
分かりました。ということは,まだ未発表のキャラクターにもチャンスはある?
※インタビュー収録後の3月6日,12名の追加キャラクターがDLCとして配信されることが,本作の公式ブログで発表された。なおこのDLCは2012年秋を予定しているとのこと。
小野P:
まあ皆さんが「なんとなく出そうだな」って思っているキャラは,大体出ていますけど(笑)。でも,それ以外も考えてます。なにせ鉄クロのほうは,今のペースだと完成が2018年になりそうなので……。
原田P:
うん(笑)。
小野P:
それまでは盛り上げなきゃいけないですからね。だからR.ミカもかりんも,まだ芽はあるかもしれない。
原田P:
じゃあ,鉄クロではまずR.ミカから発表しようかな!
小野P:
「リュウは出さない!」とか言ってますからね,この人は。
原田P:
リュウはねえ,当落選上でかなり危ういです。今のところ(笑)。
4Gamer:
そ,そんなバカな(笑)。
小野P:
「そのやり方はストIIIと同じだよ」って言ってるんですけどねえ。ストIII 3rdまで春麗がいなかったことの影響を,ちゃんと学んでほしい(笑)。
原田P:
最初の発表がR.ミカで,ネット上で20人ぐらいが「うわー!」って盛り上がって,世の中の人は「レインボー? 誰?」ってなる。そのあと「こんなのにキャラクターの登場枠を1つ使うなよ!」って絶対言うんですよ。で,出せ出せって騒いでたやつは,急に黙っちゃってさ。
小野P:
それでじゃあ買うのかっていったら,買わないんですよね,これが。
原田P:
「おおおおおー! ほんまに出してくれよった!」ってなるけど,その実,まず売れないという。これが恐ろしいところなんですよ(笑)。
カプコニズム満載のストーリーにも注目(?)
4Gamer:
ところで今回は,ストリートファイターシリーズとしては珍しく,しっかりしたストーリーが用意されていますよね。パンドラが南極に落ちてきて……とか。
原田P:
あれ,一見壮大なストーリーがあるようにみえるじゃないですか。……大概ひどいですよ(笑)。
4Gamer:
えっ。そ,そうなんですか?
原田P:
鉄拳ファンって,結構ストーリーを気にしてる人も多いんだけど,ストリートファイターのファンは,結構どうでもいいと思ってるのかな。それもあってか,鉄拳ファンから見たら,とんでもないストーリーになってますから。鉄拳も実際はとんでもないストーリーなんだけど,ストクロに関してはもう比じゃない(笑)。
小野P:
鉄拳ファンであれば,余計にそう感じるかもね(笑)。でも戦いの間のセリフなんかには注目してほしいです。
4Gamer:
そういう演出面は,ちゃんと作り込まれている,と?
原田P:
いや,作り込まれてはないですね。
小野P:
いやいや作り込んでるよ! カプコンが25年間培ってきたDNAをちゃんと守ってます。一切ブレてないですから(笑)。
原田P:
“ブレてない”って言ったら良い表現に聞こえますけどね,あれなんにも考えてないでしょ?
小野P:
いや,それが大事なんですよ。鉄拳キャラは,もしかしたら少しブレてるかもですけど(笑)。ちょっと描きすぎちゃったかなぁって……。
原田P:
とにかくね,脈絡ゼロですから! 例えばリュウとケンで始めて,オープニングから進めていくじゃないですか。それで鉄拳キャラを何人か倒したと思ったら,急にリュウが「最近パンドラの箱が気になり始めてるんだ」って言い出して。それに「おおそうか,それなら急いでゲットしなくちゃな!」的にケンが答えるんですよ。
小野P:
しかも,それが物語の導入でもなんでもないっていうね(笑)。
原田P:
お前ら,ちゃんと目的を打ち合わせてからタッグ組めよって,ツッコまざるを得ない(笑)。これがオフィシャルタッグですからね。しかも僕のこの意見,カプコンのスクリプトスタッフには「原田さんめっちゃ褒めてたよ」って形で伝わってるらしいから。なんでやねん!
小野P:
ええとつまり,オフィシャルタッグをプレイすることによって,この物語がより深く分かっていくという。……ちょっと4Gamerさん,もう話聞いてないでしょ!
4Gamer:
い,いえ,そんなことは……。
小野P:
唯一我慢したのは,「パンドラの箱からオーガが出てくる」っていう展開ですね。
原田P:
ああ,びっくり箱みたいにジャジャーンってね。
小野P:
「……これはさすがに怒られるな」,と(笑)。
原田P:
怒るわ,そりゃ! おもろいけどな(笑)。
格闘ゲームは,なぜ日本でしか作れないのか
そういえば原田さんは,以前のインタビューで,「格闘ゲームは日本人しか作れない」という話をされていましたよね。
原田P:
いや、決してそう言い切るわけではないですけど,海外のデベロッパから「なんであんなの作れるの?」ってよく聞かれるんですよ。「なんでヨーロッパ産の格闘ゲームはないんだろう」ってね。彼らが自分達で言ってるぐらいですから。そういう意味では,「Mortal Kombat」はすごいと思いますけど。
4Gamer:
実はアークシステムワークスの森 利道さんも,同じような話をされていたんですが,小野さんはどう思いますか?
小野P:
うーん,日本人が几帳面だからじゃないですかねえ。なんというか逆境に強いし,我慢強いじゃないですか。多分,そういうロジックの積み上げに向いているからだろうと思います。
原田P:
アークシステムワークスさんもカプコンさんも,どうも完全なロジックで作ってるみたいなんですよね。フィーリングでここまで来たのは,どうも僕ぐらいらしくて(笑)。
小野P:
米盛さん(バンダイナムコゲース 鉄拳シリーズディレクター 米盛祐一氏)がいるからね。
原田P:
うちの米盛はロジックなんですよ。で,「DEAD OR ALIVE」の板垣伴信さんもまた,ロジックです。でも「バーチャファイター」の鈴木 裕さんとは,こないだ南フランスで話し込んだ! 楽しかったなあ。
4Gamer:
ということは,日本以外は格闘ゲーム制作におけるロジックを持ちえていない,ということなんでしょうか。
原田P:
いや,そういう意味じゃないんです。ロジックを使っている場所が違うんですよ。例えば向こうのFPSとかハリウッド映画を思い描いてみてください。あの物語作りとあの演出。
小野P:
それこそロジックの塊ですよね。
原田P:
実際フィーリングと思われがちな,あのカメラワークと脚本,起承転結のタイムラインっていうのは,結構計算し尽くされたプログラムなわけですよ。あんなに面白いFPSや映画の演出体験っていうのは,逆に彼らでないとできないじゃないですか。
……だから僕はいつも思うんですけど,ストリートファイターのゲーム部分のロジックはカプコンさんがやって,ストーリーはアメリカのデベロッパーにロジックで作ってもらえば,完璧なものができるはずなんですけどねえ(笑)。
小野P:
いやいや,だからストクロも25年間のDNAを守り続けた,素晴らしいストーリーなんですって!
原田P:
この人達はこれだけロジックロジック言っといて,ストーリーには起承転結の起もないですからね(笑)。
4Gamer:
どんなストーリーなのか,すごく気になってきました(笑)。いや,とするとそのロジックさえ伝授すれば,海外でも格闘ゲームが作れるはずですよね。
原田P:
それがそう単純じゃないんだな。
小野P:
ロジックの着眼点と感性が違うんですよ。例えばハリウッド映画には,「3分に1回は爆発,これがないとミリオンいきませんよ」みたいなタイムラインのロジックがあるわけです。でも日本の監督は,その教科書を手渡されてもそこに共感できない。だから,そういう作り方をしないし,できないんです。
原田P:
そのやり方は面白くない,と思っちゃうんでしょうね。
4Gamer:
うーん,気持ちが入らない,ということなんでしょうか。
原田P:
僕もまったくロジックがないわけじゃなくて(苦笑),海外の人から「どうやって格闘ゲームのマネジメントをしているんだ」と聞かれて,説明することがあるんですよ。例えば「鉄拳の場合は,基本は時間と距離だけでゲームは制御できるんだと。お互いの接触のあと,互いに何フレーム目でこういう駆け引きが起こるような仕組みになっているんだ」ってね。
けど,説明したうえでプレイを見せても,「こんなに壁に勢いよく当たったら,もう死んでもいいんじゃないか?」とか,「こんなに高いところから落ちてるんだから,もっと体力が減ってもいいんじゃないか?」とか,まったくロジックに関係ない話をいきなり始めるんだ,海外の人は。それがある意味凄い。なぜそこだけ急にロジックじゃなくなるんだと。
小野P:
それって多分,ハリウッドの映画の作り方を知っても,日本の監督が共感できないのと一緒なんですよね。
原田P:
なんで見かけどおりのことを起こそうとするんだって聞くと,「だって原田,これベランダから落ちてるぜ? これはK.O.だろう」って。
だけどその彼にストーリーとかトレイラーの話をすると,「必要要件はこう。なぜかというと,大抵の人は見始めてから何秒でこういう感情を覚え,その何分後にこの展開になると,さらにこう思うから」と,途端にロジックになる。
逆に僕らがトレイラーの話をすると,「このキャラ出したらおもろいやん!」とか,「いきなりダンが吹っ飛んできたらおもろいでしょー」とか,ロジックが出なくなるじゃないですか。これはもう,感性が違うとしかいいようがない。
4Gamer:
作ってきたものの歴史の差,なんですかね?
原田P:
なんだろう,その人達の持っている文化なのかなあ。最初のほうで,ストリートファイターと鉄拳で,世界地図が綺麗に色分けできるって話をしたじゃないですか。あれも本当は国境で分かれているんじゃなく,微妙な文化圏で分かれているのかもしれないです。
小野P:
僕はあの違いは,我慢強さの違いだと思っています。ストリートファイターが好きな人達って,椅子に座っていられる時間が短い人が多いんですよ。逆に鉄拳は,勝負が早く着く割には,ストイックにずーっと考える人達に好まれる傾向にある。
原田P:
理屈からではなく,あくまで肌感覚や観察の結果としてね。それは真逆だ! と思う人もいると思うけど,長年自分の足で世界を回って見てくると,違う側面が如実に見えてくる。
格闘ゲームを作るというのも,ロジックを積み重ねるうえでの我慢強さが問われると思うんですよ。一旦行き詰まったロジックを一つ前に戻って組み立て直す,みたいなことを我慢強くやっていけるカルチャーが,日本にはある。
4Gamer:
まさに職人気質と呼べるような。
小野P:
それに制作のスタイルも違います。個人を大切にするウェスタン文化では,17:30以降はもう誰も会社にいないわけですよ。でも格闘ゲームのチームで,17:30に帰ってるゲームディレクターはいないんですよね。それがマスターアップ前でなかったとしても。だから,僕の仕事の仕方なんて,海外からしたら相当なクレイジーですよ(笑)。
原田P:
「お前はいつ家族と暮らしてるんだ?」みたいな(笑)。
4Gamer:
それは日本の企業体質,ということではなく?
小野P:
それもあると思いますよ。それが良いか悪いかは別にして,その文化の中から生まれてきたのが格闘ゲームです。そのすべてが,格闘ゲームを作る現場に影響をもたらしていても不思議ではない。そう思っています。
4Gamer:
だとしたら,格闘ゲームは当分は日本のお家芸であり続けそうですね。
格闘ゲームシーンに今,必要なもの
4Gamer:
そろそろお時間が近づいてきたようですので,最後に格闘ゲームシーンについてお聞きしたいと思うのですが,先ほどEVOLUTIONの話が少しでましたよね。本作も種目の1つとして選ばれていて,最近では国内でも賞金付きの大会が増えてきましたが,こういう動きについて,お二方はどうお考えでしょうか。
小野P:
大会については,GODSGARDENさんや先日のTOPANGAさんなど,大会を行うための支援はできるだけやっていこうと思っています。4Gamerをチェックしている人だったら,「カプコンが賞金100万出してくれたら,俺ら超盛り上がるよ!」っていうのも,もちろんあるとは思いますけど,なかなかそうはできないので。
原田P:
それはウチも同じなんですけど,ただそういう遊び方って,格闘ゲームの一側面でしかないってことは覚えておいてほしいと思いますね。法的な問題も多々ありますし,そもそも僕等がやろうとしていることは,基本は「小野さんちょっと遊びましょうよ,勝ったー負けたー,イエーイ!」ですから(笑)。
4Gamer:
今回のインタビューのテーマは,まさにそこなんじゃないかという気がしますね。
原田P:
最近はプロゲーマーとかにスポットが当たることも多いですけど,ちょっと考えてみてほしいんです。もちろんトーナメントコミュニティの盛り上がりもすごく重要ですけど,少なくとも僕は,そこに格闘ゲームのすべての本質があるとは思ってない。
小野P:
そこに行き過ぎたのが,僕はストIIIだと思っているんです。あれはストリートファイターシリーズで育まれたトーナメントコミュニティだけを見て作ってしまった,という失敗がある。もちろんトーナメントコミュニティからは今でも崇拝されているタイトルなわけですけど,それが果たして格闘ゲームシーンに良い影響「だけ」を与えたかというと,決してそうではない。
原田P:
そもそも,そういう売り方をするのであれば,お互いストクロなんてやってる場合じゃないですからね。それならもっと尖ったツールを提供すべきだし。
ネットのコミュニティに参加していない,声も上げない人達のことを,僕らは忘れちゃダメなんですよ。
小野P:
だからこそ,ストクロという祭りを仕掛けているわけです。そこはトッププレイヤーの人達にも理解してほしいですね。もちろん,オピニオンリーダーである彼らをないがしろにするわけではないですよ。さっきも言ったように裏では支援しますし,全力で協力するつもりですから。
原田P:
この話は,プレイヤーさんの遊び方のスタイルによって,大分解釈が変わると思うんですけど。でもマネーマッチ(賭け試合)ができる人なんて,ほんと一握りなんですから。
小野P:
それこそ,EVOLUTIONのプロゲーマーの部屋にでも行かないとね(笑)。僕等はもっと,最大公約数を広げていくほうへ目を向けなきゃいけない。日本のお家芸である格闘ゲームを,沈ませるわけにはいかないですから。
4Gamer:
分かりました。では最後に,ストクロの発売を楽しみにしているファンの皆さんに,メッセージをお願いします。
4Gamer:
はい。本日は長時間,ありがとうございました!
おどけたキャラクターで人気を博し,国内外で名物プロデューサーとして知られている両氏。しかし格闘ゲームの未来を語る様は真剣そのもので,“対戦格闘ゲームの熱を冷めさせるわけにはいかない”という熱い想いが確かに伝わってくる1時間半だった。
「一人でも多くのプレイヤーの手に,最新のプレイ環境を届けること」。今回お二人からうかがった話を振り返れば,本作に込められたそんなコンセプト,真の狙いが見えてくる。「対戦格闘ゲームの良し悪しを,最終的に決定付けるのはプレイ環境である」というのが筆者の持論だが,多くの人が集まり,そこに熱が生まれるのであれば,それは誰にとっても幸せな未来になるのではなかろうか。
ストリートファイターコミュニティと鉄拳コミュニティ,初心者と上級者,本格的な対戦を求める層と,お祭り的な楽しみを求める層といった,さまざまなコミュニティとプレイスタイルを,まとめて内包しようと試みる本作。格闘ゲームファンの諸君,とはあえて言わない。新しいゲームを迎える準備を整えたすべてのゲーマーは,いよいよ発売日を迎える本作に期待しておこう。
「STREET FIGHTER X 鉄拳」公式サイト
4Gamer.net「STREET FIGHTER X 鉄拳」攻略特設サイト
――2012年2月7日収録
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