レビュー
Mad Catzから「ストクロ」仕様のアーケードスティックが登場
STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケード ファイトスティック プロ
STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケード ファイトスティック バーサスエディション
2012年3月8日,格闘ゲームファン注目の新作タイトル「STREET FIGHTER X 鉄拳」(PlayStation 3/Xbox 360,以下 ストクロ)が発売となった。
対戦格闘ゲームをリードしてきた二大タイトル,「ストリートファイター」と「鉄拳」による夢の共演となる本作。プレイヤー2人で実際にタッグを組んで戦う「ペアプレイバトル」や,4人入り乱れての「ジャンブルバトル」など,お祭り要素も盛りこまれており,対戦格闘ゲームのコアなファンはもちろん,そうでない人にとっても魅力的なタイトルといえよう。
そして,対戦格闘ゲームを遊ぶうえで欠かせないのが,アーケードスティックと呼ばれる入力デバイスだ。対戦格闘ゲームは,アーケードを中心に育まれてきたジャンルだけに,標準的なコントローラではなく,アーケード筐体準拠のレバーやボタンで操作したいという人は多いだろう。
本稿では,ストクロのオフィシャルライセンスを獲得したMad Catz製アーケードスティック「STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケード ファイトスティック プロ」(以下,AFSPro)と,その上位モデルである「STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケード ファイトスティック バーサスエディション」(以下,AFSVE)の使い勝手を確かめていきたい。
どちらもPlayStation 3版,Xbox 360版の両方が用意されているので,ストクロに合わせてアーケードスティックの購入を検討している人は参考にしてほしい。
STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケードファイトスティック プロ クロスデザイン for PlayStation 3 メーカー:Mad Catz 問い合わせ先:jpsupport@madcatz.com 実勢価格:1万5000〜1万6800円(2012年3月22日現在) |
STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケードファイトスティック プロ ラインデザイン for PlayStation 3 メーカー:Mad Catz 問い合わせ先:jpsupport@madcatz.com 実勢価格:1万5000〜1万6800円(2012年3月22日現在) |
STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケードファイトスティック プロ クロスデザイン for Xbox 360 メーカー:Mad Catz 問い合わせ先:jpsupport@madcatz.com 実勢価格:1万5000〜1万6800円(2012年3月22日現在) |
STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケードファイトスティック プロ ラインデザイン for Xbox 360 メーカー:Mad Catz 問い合わせ先:jpsupport@madcatz.com 実勢価格:1万5000〜1万6800円(2012年3月22日現在) |
STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケードファイトスティック バーサスエディション for PlayStation 3 メーカー:Mad Catz 問い合わせ先:jpsupport@madcatz.com 実勢価格:2万2000〜2万3800円(2012年3月22日現在) |
STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケードファイトスティック バーサスエディション for Xbox 360 メーカー:Mad Catz 問い合わせ先:jpsupport@madcatz.com 実勢価格:2万2000〜2万3800円(2012年3月22日現在) |
TE-Sをベースに改良が加えられた「STREET FIGHTER X 鉄拳 アーケード ファイトスティック プロ」
AFSProは,同社の人気製品である「ARCADE FIGHTSTICK TOURNAMENT EDITION S」(以下,TE-S)をベースに,いくつかの改良が加えられたアーケードスティックだ。ちなみに,プロゲーマー「ウメハラ」こと梅原大吾選手の使用モデルでもある。
天板が異なる「クロスデザイン」「ラインデザイン」の2製品が存在する。前者は,左側にストリートファイターを代表するリュウとケンが,右側には鉄拳の一八とニーナが描かれている |
「ラインデザイン」では,リュウとケン,一八とニーナだけでなく,ガイルやキャミィ,吉光,平八が格子状にレイアウトされている。「クロスデザイン」と「ラインデザイン」の違いは天板の見た目だけなので,好みで選ぼう |
レバーやボタンのレイアウトはTE-Sと同様に,タイトーのアーケード筐体「VEWLIX」準拠となっている。VEWLIXは「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」などに使われている筐体なので,アーケードで同作をプレイしたことのある人なら,違和感なくAFSProも使用できるだろう。また,[START][SELECT(BACK)]ボタンが本体向かって奥側の側面に配置されている点もTE-Sと同じだ。
レバーとボタンには三和電子製の部品が使用されているので,操作感がアーケード筐体に近いのもポイントといえる。
では,TE-Sからの変更点はどこかというと,まず,本体手前側に設けられた傾斜が長くなっていることが挙げられよう。
TE-Sや,同じくMad Catz製品である「ソウルキャリバーV アーケード ファイトスティック ソウルエディション」(以下,SCVスティック)などは,傾斜が始まる地点とレバーまでの距離が離れており,天板の平らな部分が広く取られている。そのため,いわゆる“机置き”でプレイすると,筐体を設置した高さによっては手首が天板の上に乗ってしまい,手首が擦れてしまうという欠点があった。その点,傾斜が長いぶん,レバー手前にある平らな天板部分が短いAFSProでは,擦れの問題はかなり改善されている。
筐体の形状は,向かって左右の側面部分でも変化が見られる。TE-SやSCVスティックでは平らだった側面だが,AFSProでは下側がえぐれたような形状になっているのだ。底面積が減っているので,安定性に不安を覚える人がいるかもしれないが,“膝置き”派の筆者が使っても,TE-SやSCVスティックより使いにくいとは感じなかった。ただ,膝置き時に力を込めてレバー入力を行うと,筐体位置がズレてしまったり,筐体が浮いてしまったりするのは,TE-SやSCVスティックと変わらずといったところだ。
ちなみに,天板や側面の形状が変更されたせいか,本体重量は2.5kgと,2.8kgのTE-Sより約300gほど軽い。その割に筐体サイズは383(W)×250(D)×123(H)mmと,365(W)×250(D)×120(H)のTE-Sと比べると若干横に広がっており,重量の分だけコンパクトになったというわけではない。
なお,AFSProの天板は,TE-SやSCVスティックのようなネジ留めではなく,筐体パーツによって挟み込まれており,簡単には取り外せない仕様だ。そのため,レバーやボタンを交換するのであれば,ゴム足を外したうえで底面を取り外さなければならない。
そのとき,どうしても筐体の天地を逆転させた状態で作業を行うことになるのだが,当然ながら天板側はレバーが突出しているため,そのまま床に置くわけにはいかず,少々不便だ。天板を取り外せるTE-SやSCVスティックと比べて,メンテナンス面で手間が増えたのはマイナス点と言えよう。
重厚さがウリの「STREET FIGHTER × 鉄拳 アーケードファイトスティック バーサスエディション」
次は,AFSVEの仕様を確認していこう。
まず,主要8ボタンのレイアウトがアーケード筐体VEWLIX準拠である点,[START][SELECT(BACK)]ボタンが筐体背面に配置されている点,そしてレバーとボタンには三和電子製の部品が使用されている点など,基本的な仕様はAFSProと同じだ。要するに,レバーやボタンの感触そのものに違いはない。
従来製品と同様,[START][SELECT(BACK)]ボタンは本体向かって奥側の右側面に搭載。ケーブル収納スペースが広めに取られており,AFSProよりも楽に収納できる |
AFSProで天板右上にあった,連射機能やレバー入力対象の切り替えなどを設定できるコントロールモジュールは,レバーの上側に配置される |
では,AFSProと異なる点はどこになるのか。
まず挙げられるのは,本体重量が3.3kgと,AFSProより800gも重くなっていることだ。現行のアーケードスティックは,だいたい2.2kgから2.8kgくらいの重さに収まっており,AFSProもそのクラスの製品ということになる。それらと比べた場合,AFSVEは重めに作られた製品と言っていいだろう。重量級なだけあって,設置後の安定感はかなりのものだ。
筆者の場合,膝置き時はレバー入力をコンパクトにすることで,筐体が動かないように工夫してプレイするのだが,AFSVEの場合は,多少乱雑に操作しても筐体が浮くことはなく,その位置もまず動かなかった。太ももへずっしりとした負担はかかるものの,この重量とサイズのバランスは,膝置き時の安定性を重視するならアリに思える。
なお,筐体の形状はTE-SやSCVスティックに近い形になっており,レバーから本体手前側の傾斜までの距離が離れている。つまり,せっかくAFSProで改善された手首の擦れが,こちらではそのまま残ってしまっているのだ。ここは,AFSProと同じ仕様ならよかったのにと,もったいなさを感じてしまう部分である。
そしてもう1つ,AFSProにはなかった連結機能にも触れておこう。本製品には,AFSVE同士を横に並べて連結するための「コネクションキット」が付属している。内容物は,筐体底面に装着する底面とゴム足,筐体正面と背面を連結するための鉄板,側面部分をつなげるための鉄棒,そして六角レンチで,それらを利用すれば,家に居ながらにしてゲームセンターの“隣り合わせ対戦台”の雰囲気でプレイできるというわけだ。
AFSVEを2個連結すると,当然かなりの大きさになるため,これを活用する機会はそうないと思うが,連結したときの“らしさ”はなかなかのものである。
最後に分解について述べておくと,AFSVEは天面が六角レンチに対応するネジで,底面がプラスドライバーに対応するネジで留められており,両方から分解が可能だ。天面側から作業が出来るとなると楽に分解できそうに見えるが,配線が短く,端子を傷付けてしまう可能性もある。
一方,底面側から作業する場合の手間はAFSProと同じだ。ネジのひとつにシールが貼ってあるのも変わらないので,分解する場合は,保証が受けられなくなるのを承知の上で剥がす必要がある。天面側が開くという意味では,AFSProよりマシではあるが,メンテナンス性が高いとは言いがたい。
AFSProのほうが無難
重量や連結機能に追加投資ができるのならAFSVEもアリ
では,どちらを買うべきかと問われれば,個人的には,「VIEWLIX筐体に近い使用感がほしい机置き派」の人であれば,手首の擦れが発生しにくいAFSProを推しておきたい。TE-Sと比べた場合は,メンテナンス性が低下した代わりに手首の擦れが改善された製品といえるので,そこを重視したいのであれば,AFSProに軍配が上がる。
AFSVEは,重量があるぶん抜群の安定感を誇るため,膝置き派の筆者としてはオススメしたいところではあるのだが,人に勧めるとなると,どうしても価格がネックとなる。AFSProの実勢価格が1万5000〜1万6800円なのに対して,AFSVEは2万2000〜2万3800円(いずれも2012年3月22日現在)と,実に7000円ほどの差があるのだ。重量や連結機能,天板を外せる仕様などに魅力を感じ,そこに追加投資ができる人なら,AFSVEを購入する価値はあると思うが,そうでなければ,AFSProを選んでおいたほうが無難だろう。
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