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[Gamescom]Microsoftが早くも「Age of Empires Online」を公開。欧米産の基本料金無料型ゲームの新たなスタンダードとなれるか?
「Age of Empires Online」公式サイト
現時点でプレイヤーが選択できる文明として紹介されているのは,ギリシアのみ。もっとも,ロゴに描かれたキャラクターを見るとエジプトのクレオパトラらしき女性や,ローマ兵のような風貌の戦士なども存在しており,シリーズでお馴染みの文明の多くが登場することには期待してよさそうだ。
本作には,多くのMMOゲームと異なり,プレイヤー自身のアバターとなるキャラクターが登場しない。その代わり,プレイヤー1人ひとりには自分の首都となる都市のマップが与えられ,同じ文明であっても地形はランダム生成,また施設の設置場所を自由に決められるため,プレイヤー間でまったく同じ都市ができることはないという。
この都市を拠点にしてクエストをこなしていくことで,プレイヤーの文明はレベルアップし,首都もアウトポストからセトルメントというように成長していく。また都市が特定のレベルに到達することで設置できる施設や,噴水や花壇のようなものも利用可能になっていき,プレイヤーの個性を反映した街づくりも楽しめるのである。
クエストは,たとえば「ミケーネを敵の侵略から守る」といった内容のものになっており,プレイヤーは自分の領土内にある好みのクエストを比較的自由に選択できるようだ。ゲームプレイそのものはAge of Empiresシリーズの要素を詰め込んだものになっているようで,今回デモを担当してくれたゲームデザイナー,Jerome K. Jones(ジェローム・K・ジョーンズ)氏によると,金や木材の採掘からユニットの生産,マップの拡張や敵軍との対戦といったことはすべてできるようになっていると話す。ただし,クエストの中にはあらかじめ資源やユニットが整っていて戦闘だけを行うものなどがあり,さまざまなシチュエーションでバラエティを増やしているようだ。
ここまでの話では,Age of Empires Onlineがオンラインゲームであることの意味が,今ひとつピンとこない人もいることだろう。しかし,プレイヤーはクエストを友人と協力して楽しんだり,当然のことながらランダムマップでほかのプレイヤーと対戦することもできる。また,レベルアップすることでテクノロジーツリーに振り分けるポイントが得られるだけでなく,文明も4段階に進化して,その都度さまざまな特性を持ったアドバイザーを利用できるようになるなど,同じギリシア文明でもプレイヤーの選択によって異なるものに発展していく。このあたりのプレイヤーによる差異は,オンラインゲームならではの要素といえるだろう。
またRPGのようなエッセンスもいくつかある。たとえば各ユニットに最大3つのアイテムを装着できるようになっている点などがそれだ。ジョーンズ氏は今回のデモで,ギリシアの歩兵ユニットHippikonに「Blessed Rune Shield」と呼ばれるシールドを持たせていたが,こういったアイテムの多くはほかのプレイヤーの首都で生産されているものを購入する必要があるらしい。この手のアイテムを生産できる施設はEpic Storeと呼ばれ,クエストでランダムにブループリント(設計図)が落とされることになるとのこと。そしてEpic Storeを所有するプレイヤーの首都には多くのプレイヤーが訪れ,それを購入してもらうことで資金調達が可能になるなど,ゲーム内エコノミーなどにも面白い要素が見られる。
本作は,基本プレイ料金無料のFree-to-Playモデルが採用され,そこになんらかのプレミアム課金が用意される予定だ。すでに報じているように,公式サイトではβテストのサインアップもできるようになっている。
開発を手掛けるのはRobot Entertainmentで,ここには2009年にMicrosoftが閉鎖したマイクロソフト エイジ オブ エンパイアシリーズの開発元Ensemble Studiosから多くの開発者が加わっている。Age of Empires Onlineの出来栄えを見るに,本作はEnsemble Studiosの閉鎖以前から始動していたプロジェクトというのはほぼ間違いなさそうだが,その裏にはかなり複雑な事情も見え隠れする。まぁ従来のファンにとってはRobot Entertainmentが手掛けていることで安心できる部分が多いのも事実だろうし,同社の動向にも注目しつつ,本作のリリースを待ちたいところだ。
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