インタビュー
[TGS 2010]監獄の惑星を舞台に囚人達が走り回り撃ちまくる「ガン★ロコ」には,“男の魂”が込められていた
だってああいうのって,戦争ゲイムのイメージが強いじゃない。私,広島県出身だから,おそらく他県の人よりは反戦教育を強めに受けて育ってるのね。だから,撃ち合いを遊びにすることに対して,ちょっと罪悪感を感じちゃうの。
なのに,どういうわけだか東京ゲームショウ2010で,Xbox 360用アクションシューティング「ガン★ロコ」を取材しなければならなくなったわ。どうなんだろう……そんなものを私に書かせて大丈夫なのかしら,この編集部。
そんな不安にさいなまれながら,スクウェア・エニックスのブースに行ってみると,なんだかヘンなプロモーションムービーが流れているではありませんか。
弾がガンガン飛び交う中,見事なドロップキックを決めるガチムチ野郎達! そして軽妙なリズムで踊るガチムチ野郎達! 正直,一切戦争の匂いを感じない! これなら私でもイケるかも?
プレイしての第一印象は,意外とスピード感があるってこと。というのも,アクションシューティングって,隠れたりしながらヒリつくような緊張感の中でプレイしないといけないっていう先入観があったのよ。
でもガン★ロコは,走っているだけで勝手に障害物に対して派手なアクションを見せてくれるから,なんだか妙な疾走感があるの。
あと,意外にボタンを使わないのね。コレも結構重要。私の場合,使うボタンが多いと,コントローラを使ってるというよりコントローラに使われてる気がしちゃうのよ。慣れないジャンルのゲイムの場合。
だから,基本は「走る」「撃つ」だけでいいこのゲイムは,シンプルで入りやすかったわ。
ってことを踏まえてマルチプレイの感想をば。やっぱり人間との対戦って楽しいわね。
イヤ,これはガン★ロコに限ったことではないんだけど,それでもやっぱり走って相手を見つけて撃つ! っていうだけでいいのは,精神的に疲れなくていいわ。
じりじりとした神経戦だと,私にとってゲイム本来の魅力である「気分爽快になる」ことができないんだもん。
そういう意味じゃ,ガン★ロコの爽快感は半端じゃないわね。そしてゲイムショウでのマルチプレイってことで,この場にいる人達との対戦が新鮮でいい。まるでゲイムセンター気分。
いや本当,ゲイムショウに来る人は,たとえこの手のゲイムに興味がなくても,とりあえずガン★ロコはヤっておいたほうがいいわよ。ゲイムをヤったって気になれるから。
どの部分が面白いのかは,プロデューサーの横山氏へのインタビューという形で伝えるとして,ひと言で私の感想を述べるなら,“いい意味で大ざっぱ”ってところかしら。演出的にもところどころでプロレスの匂いがするしね。
いやホント,今回のゲイムショウで見つけた,掘り出しゲイムね,コレ。
なので9月18,19日の一般公開日に幕張メッセへ行く人は,シングルプレイでもマルチプレイでも,ぜひ一度プレイしてみてほしいわ。
では,横山氏へのインタビューをどうぞ!
クレイジーなノリを大事にして作っています
男色ディーノ(以下,DD):
プレイしてみて思ったんですけど,コレ,もの凄くプロレスの要素が入っていますよね?
横山祐樹氏(以下,横山氏):
そうですね。このゲームのこだわりであり特徴でもあるのが,スプリントというアクションなんです。これを考えたとき,プロレス技で相手をなぎ倒すことができれば気持ちいいだろうな,と開発の皆で盛り上がりまして。
DD:
私的には,キャラクターはある程度銃撃を受けても死なないのに,ダッシュ攻撃のプロレス技だと一撃で相手を仕留められる部分にシビれました。
横山氏:
もちろん銃も強いんですけど,初心者の方でも楽しめることを意識して,とにかくダッシュで突っ込むだけでも相手を倒せるようにしているんです。
DD:
アクションシューティングゲームって,撃ち合いまくるか,隠れて相手に見つからないようにして戦っていくスタイルの作品が多いと思うんです。そんな中,ガン★ロコでは相手に向かって走るという,あえて主流の逆方向を狙っているわけですよね。その意図を教えてください。
ゲームとしての特徴を出すために,走るという部分に意味を持たせたくて,こだわってみたんです。
あと,ほかにこだわった部分は,全体的なノリや雰囲気ですね。チマチマと細かくプレイするより,突っ走ってガンガン前に出てクレイジーになってほしいという思いがあって,イケイケのノリにして,とにかく突っ走っていけるようなゲームデザインにしました。
DD:
それを実現するために,どのような部分を強く意識しましたか?
横山氏:
走りながら攻撃することで,「スプリントショット」という必殺技のような強い攻撃を出せるようにしました。
ちなみに,ゲームコンセプトとして,プレイヤーにはマルチプレイを中心に遊んでほしいので,キャラクターの操作感の違いにはとくに注意しています。
例えばスプリントショットは,キャラクターによって性能がすべて異なるんです。
DD:
つまり,どのキャラクターを使っても楽しめるように,個性を出しているわけですね。
横山氏:
ええ,だからスプリントショットだけでなく,キャラクターはそれぞれ独特なものにしています。
キャラクターのデザインも,実際にフィギュアを作って,それを3Dスキャンして作り上げたんです。
DD:
そうやって,デザインや個性,能力など,キャラクターの一人一人を際立たせている,と。
世界観もかなり特殊ですよね(笑)。
横山氏:
そうですね。監獄の惑星に送られてきた主人公達が,そこから脱出するべくバトルするというクレイジーな設定ですから。
監獄の星なので,周囲は誰もが無法者です。だから,つべこべ言わずに撃ち殺せ! と。そういう世界観ですね。
DD:
ほんと,ガチムチだらけの楽園ですよね,この星。要するにゲイの世界を描いた,と。
横山氏:
違います! 確かにガチムチばかりではありますが……。ま,そこは遊ぶ方の想像にお任せします(笑)。
とにかくプレイヤーの皆さんは,好きなだけ銃をぶっ放してください。
DD:
ガンでロコってしまえ,と。
横山氏:
語る前に撃て,と。
DD:
ちょっと気になったんですが,このゲイムって,ズバリどの層をターゲットにしてぶっ放したんですか?
横山氏:
作る側としてもクレイジーなノリを凄く大事にしているので,王道の緻密な戦略プレイより,クレイジーな勢いでプレイしていただきたいんですよね。なので,そういったノリの分かる方達に喜んでいただきたいな,と。
DD:
釣った魚は焼いて塩ぶっかけて食う的な男の料理,みたいな。
横山氏:
そうとも言いますかね……まあ,そんな感じで確かに勢いを大事にはしています。それを感じてプレイしていただければ,と。
DD:
作っている最中にも,勢いだけで突っ走った部分はありましたか?
大いにありますね。とくにキャラクター性など。もちろん,勢いだけでなくいろいろと苦労した点はありましたけども(笑)。
例えば,特徴でありこだわりでもある「走る」という要素を,どうゲームデザインに取り入れるかといった部分は一番大変で時間がかかりました。ただ,その甲斐もあってか,今のところ,その要素はうまく取り込めているとは思います。
DD:
私はあまりこの手のゲイムはプレイしないんですけど,ガン★ロコはすごく面白かったです。月並みな感想で恐縮ですが。
横山氏:
ありがとうございます。アクションシューティングにもいろんな種類がありますが,日本人が作るからには,欧米産の緻密なタクティカルゲームのようなものにするより,ガン★ロコの特徴であるクレイジーな勢いを大事にしたほうがいいという信念で作っています。
DD:
では,やり残しはないですか?
横山氏:
今はただ,発売日までやり残しのないよう,男の魂を込めて頑張るのみです!
DD:
発売を楽しみにしていますね。
「ガン★ロコ」公式サイト
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