インタビュー
秋には5つの武器カテゴリと新クラスが追加される「ファンタシースターオンライン2」。その歩みとこれからについて,プロデューサーの酒井智史氏とディレクターの木村裕也氏に聞いてきた
登録IDはオープンβテスト時点で50万を突破。現在の同時接続者数は10万人に迫る勢い
4Gamer:
αテスト,α2テストの経験を踏まえて2012年4月に実施されたクローズドβテストでは,通信遅延や回線切断といったトラブルはありましたが,テスト期間内に解決され,参加者総数は約13万1000人,最大同時接続者数は約2万3500人,ユニークユーザーは1日あたり約6万3000人を記録しました。この数年のオンラインゲームでも相当高い数字だと思います。
木村氏:
登録者数がそのまま同時接続者数になるわけではありませんが,「PSO2」の場合,とくに登録した方のログイン率が非常に高いんです。ほかのタイトルの場合,ログイン率は当選者の3〜4割といったところなのですが,「PSO2」では7割を超えていました。
同時接続者数もそのうちの4〜5割ですからね。ほかのオンラインゲームタイトルの開発運営を経験したことのあるスタッフは皆,口を揃えて「異常なくらい高い」と言っていました。
木村氏:
αテストは,本当にやりたい人が参加してくださったわけですから,ログイン率が高くて当然というところがあるのですが,クローズドβテストの場合は,実質,応募すれば誰でも参加できましたから,ログイン率は大きく下がると予想していたんです。
酒井氏:
それが,むしろ比率が上がりましたからね。
4Gamer:
ログイン率の高さは,どういったことに起因していると考えていますか?
木村氏:
「ファンタシースターポータブル」シリーズが,ブランド全体の認知度を高めるのに一役買ったんじゃないかと捉えています。
4Gamer:
先ほど話題に上がった,5か年計画の効果が出ているといったところでしょうか。
そうですね。それから,中学生や高校生の頃に「ファンタシースターポータブル」シリーズや「ファンタシースターZERO」を遊んでくれたユーザーさんは,今,10代後半から20代になっています。そういった方々が自分のPCを持って,初めてPCで遊ぶオンラインゲームとして「PSO2」を選んでくださるといいな,という期待もあります。
4Gamer:
ちなみに,クローズドβテストまでのテスト参加者で,「ファンタシースター」シリーズの経験者はどのくらいの比率だったのでしょうか。
酒井氏:
かなり多いですね。参加していただいた方のうち7〜8割が,シリーズを何かしら遊んでくださっています。
最近のイベントでは,ゲームキューブ版「PSO」の4人マルチプレイをやり込んでいたという方々とお話しする機会が増えたのですが,そういった方々のなかには,「PSO」で初めてオンラインゲームを体験したという方が本当に多いんですね。また,「PSU」などにはあまり関心がなかったそうなんですが,「PSO2」と聞いてプレイしようと思ったらしいんです。
4Gamer:
「PSU2」ではなく「PSO」の「2」にしたことが,シリーズ経験者には見事にはまったといえるわけですね。次は,シリーズ未経験者層にどうアピールしていくといったところでしょうか。
酒井氏:
もちろんです。そういう意味では,まだまだ認知が足りないですから。
最近の無料PCオンラインRPGやブラウザゲーム,ソーシャルゲームを遊んでいる皆さんには,PSOを知らない方も多いと思います。そういう方にまず「PSOってなに?」と知ってもらうことが当面の課題ですね。
木村氏:
シリーズ未経験の方でも気軽にプレイできるように,「PSO2」では要求スペックが高くなりすぎないように配慮しました。設定を調整すれば,数年前のノートPCでも十分遊べます。
体験版のベンチマークでは,設定を1段階落とすとフレームレートが大きく向上するのが確認できますよね。
酒井氏:
社内で古いPCを探して,「これ以上は手に入らないから無理」というところまで1台1台検証しました(笑)。
木村氏:
本当はもっとやりたかったんですけどね。
酒井氏:
それにしても,テストに参加した皆さんは,私達が予想していた以上に高スペックのPCをお持ちなんですよ。
たとえば,イベントでお会いした方の中にも,ご自宅で設定1にして遊んでいて,イベント会場で設定5のグラフィックスを見て「PCを買い替えよう」と思った,とおっしゃる方もいらっしゃいましたし。
4Gamer:
プレオープンβテストを実施したあと,6月21日からオープンβテストが始まりました。テスト初日には,プレオープンβテストの最大4万1500人を大きく超える6万人の同時接続者数を記録するなど,相当のアクセスがありましたね。
酒井氏:
そうですね。開始当初からかなりの方が来ていたんですが,まったくそれが衰えることなく,むしろ加速していったんです。結果として,最高同時接続者数は8万人を記録し,毎日のユニークユーザーも20万人に迫る数字になっていました。
木村氏:
私達としては,「正式サービスになって少し落ち着くかな」と思っていたのですが,驚いたことに,正式サービスに入ってからもさらに勢いを増しています。新規の登録も毎日万単位で増えている状況です。同時接続者数もオープンβテストでは8万人でしたが,さらにそれを超えて,10万人に迫るところまで来ています。
4Gamer:
それはすごいですね。
私達は,「PSU」のときに同時接続数を見誤って,大変なトラブルを起こしてしまっています。そのトラブルを繰り返さないよう,これまでもかなりのテストを行いました。
そして,かなりの人が来るだろうということを予想したうえで,おそらく日本でサービスされているオンラインゲームとしては,最大レベルの機材やサーバーを揃えていたつもりです。しかし結果として,サービスイン直後にそれをほぼ使い切る状況になってしまいました。まだまだ,「PSO」という名前や基本プレイ無料というものに対する認識が甘かったのかもしれません。
正式サービスに入っていながら,何度もメンテナンスを行う状況は好ましくないですし,ユーザーの皆さんにも本当に申し訳ないのですが,一人でも多くの方に楽しんでいただくために必要な措置ということで,メンテナンスの実施にご理解をいただければと思います。
4Gamer:
初日に10のサーバー(シップ)のうち8シップでキャラクター作成上限数に達してしまうなど,プレイヤーが殺到してお祭り騒ぎになっていましたが,サービスイン時点では,1シップあたりのキャラクター作成数をどのくらいの数に設定していたのでしょうか。
木村氏:
シップごとのプレイヤー数分散を目的に,キャラクター作成数の上限は,1シップあたりの最大同時接続者数の2倍程度に設定していました。ただ,かなりの人数が来たこともあって,あっという間に消費されてしまったので,現在はもっと多めに設定してあります。
酒井氏:
キャラクター作成数の上限で分散を図るということについて,事前の告知が不十分だったこともあり,多くの方から「上限があるなんて聞いていない」「友達と遊べない」というご意見を頂戴したのは,大きな反省点だと考えています。
6月22日にはキャラクター作成制限を解除させていただきましたが,作成数に一切上限がない状態では,同時接続者数の限界を超えてしまうことも多くなり,正常なプレイができなくなる可能性があります。各シップの人数にかなりの偏りが出てしまったこともあり,混雑するシップについては,7月6日のメンテナンスで一時的に作成制限を復活させています。
木村氏:
もちろん,多くの方からご意見をいただいている「友達と遊びたいからキャラクター作成制限を解除してほしい」という点については,現在対応策を検討中です。全体のことを考えると,どうしても取らざるを得ない措置ですので,ご理解をいただければと思います。
まだまだ新規のユーザーさんに来ていただいている状況なので,人数の偏りについても,これから少しでも是正していきたいと考えています。
4Gamer:
オープンβテストの期間中にも通信遅延の発生が報告されましたが,これはサーバー数がプレオープンβテストの約2倍に増え,しかもそのほとんどが満員という状況で,データベースの共通処理部分にアクセスが集中したことによって発生したと聞いています。
正直なところ,プレオープンβテストで4万1500人もの同時接続者数に耐えられたことで,オープンβテスト以降はスムーズに進行していくと思っていたのですが。
そうですね,私達もその認識でした。
シップが10に増えたことで,共通処理部分がサーバーになんらかの影響を与えて,結果的に私達が考えていたとおりの処理が行えず遅延が発生してしまった,というのが今回の原因です。そういう意味では,この遅延は想定外のものだったのですが,解決が後手になってしまったことは申し訳なく思っています。
酒井氏:
テストのたびに毎回遅延が発生しているため,ユーザーの皆さんには同じようなことをしている,と怒られてしまうのですが,α2テストでは純粋にゲームの重さが問題になり,クローズドβテストでは機器の問題があり,オープンβテストではデータベースの問題が発生してと,実はそれぞれの問題は全部,別のところに原因があるんですね。
オンラインゲームの難しいところでもあるのですが,あれを解決するとこれが出てくる,というような感じで問題が発生することがあるので,私達も予測がしづらいところがあるんです。
現状,ゲームをすることに大きな障害となる全体的な遅延はほぼ解決できたという認識ですが,まだまだ残っているというご意見もいただいています。これについては原因が一つではないですし,個別の環境による部分もあるので,ひとつずつつぶしていくしかありません。
4Gamer:
6月28日から29日にかけて,大規模なデータベースサーバーの強化を行ったことで,状況が改善されました。理論値でかまわないのですが,どの程度の同時接続者数に耐えられる仕組みになったのか,教えていただけますか?
酒井氏:
もともとのサーバーも,おそらく日本でのPCオンラインゲームで出せる最大同時接続の値は10万人くらいではないか,というデータから,10万人程度の同時接続を想定して作られていました。
ただ実際には,5〜6万人程度の同時接続に耐えられなかったということで,強化を行いました。先にもお話ししましたが,現在の構成では10万人弱の同時接続にも耐えられていますし,10万人+α程度は行けると思っています。
木村氏:
現在の同時接続や新規登録の状況を考慮して,さらにサーバーを増設することも視野に入れて,動き始めている感じですね。
酒井氏:
正直な話,10万人という数字はセガ社内でも半信半疑だったのですが,この状況を見て驚いています。
4Gamer:
ただ,キャラクター作成上限数を拡張したこともあって,いたしかたないところがあるとは思いますが,ピークタイム時にシップに入場できない,ブロックの移動ができないといった状況は続いていますよね。
木村氏:
今のところ,同時接続者数に対してブロック数を適切に各サーバーに割り振る形で対応しています。
7月6日のメンテナンスで,混雑シップだったシップ01〜05についてはログインできない,という状況はかなり改善されましたが,若干ブロック数を調整した関係で,シップ08とシップ10でログインが厳しい時間帯が発生してしまっています。
現在保有しているサーバー自体の性能にも上限があるので,抜本的な解決を即座に行うことはなかなか難しいのですが,同時接続者数をアップさせることは,機器の増設も含めてすでに検討を始めています。申し訳ないのですが,今後の対応については,ある程度のめどが立った時点でお話させていただくことになると思います。
また,シップ移動については,「PSO」がそうだったために誤解されている方が多いのですが,一般的なMMORPGと同様に,残念ながらシステムの構成上,ログイン時に好きなシップで遊べるようには今後もできませんし,その予定もありません。
4Gamer:
たとえば,キャラクターのシップ引っ越しができるようにするなど,対策で具体的に決まっているものはありますか?
木村氏:
一般的なMMORPGで行われているキャラクターの引っ越しサービス,という意味でのシップ移動は,今後のアップデートでの対応項目として検討しています。
MMORPGの引っ越しよりは,もう少し簡単なシステムにしたいと考えていますが,あくまでキャラクターと所持品のみが対象で,マイルームや倉庫など,シップに紐付いた部分の引っ越しを行うことはできません。
サービスを提供するのは,システムを作って不具合がないことを確認してからになりますから,申し訳ありませんが,対応には数か月はかかってしまう見込みです。
秋に実施予定の大型アップデートで,5種類の武器カテゴリーを追加
4Gamer:
以前のイベントで,武器カテゴリが今後増えることは告知されましたが,具体的にはいつ頃になるのでしょうか。
木村氏:
サービスイン後,長くお待たせすることのないように準備を進めています。秋に実施する予定の大型アップデートで,5種類のカテゴリを追加実装する予定です。
4Gamer:
現状だと,ガンスラッシュを除いた武器は,それぞれがクラス専用武器となっていますが,新カテゴリの武器はどのクラスで使えるようになるのでしょうか。
武器カテゴリの追加に合わせて新クラスも登場するので,新カテゴリの武器は,同じタイミングで追加される新しいクラスに紐づく形になるというのが,基本的な考え方です。ただ,武器カテゴリごとによっては,2つのクラスで使えるような形になると思います。全クラス共通なのはガンスラッシュだけというのは変わりません。
4Gamer:
武器カテゴリを追加するとなると,実装済みの武器カテゴリのほうが種類が豊富で,新カテゴリの武器は不利になりがちな傾向があると思います。例えば,既存カテゴリの武器に30個の武器があった場合,新カテゴリーも最初から30個の武器を用意するのでしょうか。
木村氏:
基本的には,そういう考え方で合っています。「PSO2」では,キャラクターのレベルはクラスごとに管理されます。どのカテゴリの武器でも,低レベル向けの武器が必要となりますから,既存カテゴリと同じ数の種類を用意しなければ成り立ちません。
4Gamer:
武器カテゴリは,今後も追加されていくとは思いますが,最終的には「ファンタシースターポータブル2 インフィニティ」くらいまで増えるようなことはありますか?
木村氏:
「PSO2」では,武器が変わったら戦略や遊び方が変わることをコンセプトに,どれを実装すべきか慎重に選んでいるので,そこまで増やす予定は,今のところありません。
「ファンタシースター」シリーズ全体では,かなりの武器カテゴリがありますし,プレイしていただいている方の中には,ずっと同じカテゴリを使ってきたという方もいらっしゃるとは思いますが,カテゴリーが多すぎて差別化がうまくできなかったという反省点もあるので,ご理解をいただければと思います。
4Gamer:
オープンβテスト以降,クラスレベルの上限が40に引き上げられましたが,これまでのテストレポートや,現在のプレイヤーの利用状況を見ていると,短期間で多くのプレイヤーがレベル上限に達してしまうのではないかと思います。このあたりについては,どのように考えていますか?
木村氏:
基本的にはマターボードやクライアントオーダーをクリアしていけば,十分なレベルアップができるようにしていますが,クラスレベルが高くなるほど上がりにくくなっています。
また,複数クラスを並行して育てていくという楽しみ方もできるかと思いますし,さきほどもお話ししたように,シリーズ自体,アイテムを集めたりカスタマイズしたりすることを楽しむのが「PSO2」最大の魅力ですから,むしろカンストしてからが本番と言えます(笑)。
とはいっても,毎日何時間もプレイしないとレベルが上がらない,というようなことはありません。週に数時間だけ遊ぶというスタイルでも十分楽しめるような設計にしているので,ご安心ください。
逆にそういう効率重視とか,ヘビーユーザー向け,というゲームでないからこそ,多くの方にプレイしてもらえるものにできるのではないかと考えています。意外にオンラインゲームでそういうものって少ないんですよね。
基本プレイ無料だからこそ,ちょっとやりすぎたかな,と思ったらほかのゲームを遊んで,またアップデートなどがあったら「PSO2」を遊んでみる,というやり方もできるんじゃないかと思うんです。
木村氏:
たとえば,クライアントオーダーには経験値稼ぎの要素を持たせているのですが,1日1回しか受注できないものもあります。そういった部分も含めて考えると,週に一度連続で長時間プレイするよりも,毎日短い時間遊んだほうが,トータルで見たときに効率がいいということもあります。
また,区切りの付けやすさがMOの長所ですから,そこは生かしましょうということで,クエストの時間は,1回15分程度を目安にしています。1日1クエストでもいいので,ぜひ遊んでいただきたいです。
サービスイン後は,月に1回のアップデートで継続的にコンテンツを追加
4Gamer:
ここからは,サービスイン以降の具体的な展開について教えてください。
正式サービス開始から間をおかずに実施される第1回アップデート「目覚めし大機艦」を皮切りに,月に1回程度のペースでアップデートを予定しています。
4Gamer:
月に1回でアップデートというのは,けっこうハイペースですよね。さすがに毎回新エネミーを追加といったことは難しいと思いますが,実際にはどのような形で実施されていくのでしょうか。
酒井氏:
アップデートは毎月実施しますが,その時々で内容が異なるという感じですね。たとえば,コスチュームやアクセサリ関連の「ファッション」アップデートは毎月行いますが,フィールドやエネミー,ストーリーなどは,追加されるときもあれば,追加されないときもあります。
4Gamer:
何月はフィールドとエネミーが追加されて,次の月にはストーリーが追加されて……といった感じなんですね。
酒井氏:
そうですね。ただ,順番が決まっているというわけではありません。その時期に合ったものを提供するために,柔軟に変化していくことになります。
木村氏:
アップデートは月ごとにテーマを決めて,この月はフィールド,別の月はストーリー,また別の月は武器カテゴリというような形で進めています。
同じペースで定期的にクエストやストーリーを追加するよりも,メリハリをつけたほうがマンネリ化しなくていいんじゃないかと考えているんですよ。たとえばストーリーなら,あえてしばらくの間配信をしないで,数章分をまとめて追加するというように。
4Gamer:
確かに,ストーリークエストをちょっとずつ細切れにプレイしていたら,次にプレイするとき内容を忘れていそうなので,と,まとめて配信されたほうが嬉しいかもしれません。
木村氏:
現在,プレイヤーズサイトで数か月分のロードマップを公開していますが,やることがなくなるということは,そうそうないだろうと考えています。
4Gamer:
以前,G-Star 2011に出展されていましたが,「PSO2」のグローバル展開の計画はありますか?
酒井氏:
G-Starでは,予想していた以上の反響がありました。シリーズ自体,それほど有名ではないはずなんですが。
木村氏:
ファンサイトを作ってくださったという話も聞きましたしね。韓国はオンラインゲームの本場ですから,ぜひ進出してみたいです。
実は,7月9日に発表されたばかりですが,2013年に北米でサービスを開始予定です。アジアでの展開も視野に入れていますが,そちらはまだお話できる段階にありません。
4Gamer:
気の早い話ですが,海外でサービスする際,サーバーはどうなるんですか?
酒井氏:
基本的にはエリアごとにサーバーを分けることになります。欧州と北米は同じサーバーの予定です。
木村氏:
PSOは同じだったので,国内と海外を同じサーバーにしたかったところなのですが,サービス時期がどうしてもずれてしまうことや,有料アイテムの販売などについては,国ごとに法律が異なるので,同一サーバーでの運用は難しいという部分があるんです。
4Gamer:
ゲームの内容は各国共通になるんですか?
酒井氏:
まだ何とも言えない部分ではありますが,やはり,多少なりともカルチャライズが必要ですから,国ごとに多少変わる可能性はあります。そうなったときは,海外で生まれたコンテンツを日本に逆輸入する可能性もあると思います。
4Gamer:
実際,海外での反響はどうでしょう?
酒井氏:
ファンタシースターシリーズは,欧米でも比較的認知されているためか,キャラクタークリエイト体験版で,メニューが全部英語になるMODがいつの間にか作られていたのは衝撃でしたね。
木村氏:
海外にも,“濃い”シリーズファンがいらっしゃるんですよ。
酒井氏:
公式ブログのエントリーも,一晩で英訳されていますからね(笑)。
4Gamer:
なるほど。それだけ熱心に待っているファンが海外にも多くいるのであれば,海外でのサービスも納得が行きます。
それでは最後に,読者に向けてのメッセージをお願いします。
木村氏:
「PSO2」では,サービスイン以降も,どんどん新しいコンテンツを配信していきますし,その一方でシステムやバランスの調整も随時行います。
今予定している新コンテンツの内容も,ゲーム内の動向次第では内容を変更していきます。今のPSO2は完成系ではなく,これからプレイヤーの皆さんとともに育てていくタイトルですので,どんどんプレイしていただいて,ご意見をいただければと思います。
「PSO2」は3年以上企画・開発してきたタイトルですが,ここに来てようやく,3つの革命のスタートラインに立てたというところです。
木村が言うように,これからどんどん変わっていきますし,4つ目の革命「境界を越えるRPG」に関してはまだまだ先の話です。ある程度完成しているとはいえ,ここから大きく変わる可能性を秘めているのは,国産オンラインRPGならではの魅力です。
皆さんと一緒に作りながら,皆さんが長く楽しめる場所にしていきますので,ぜひよろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
このところ,日本のPCオンラインゲームは,一部の作品を除き,明らかに停滞気味の空気が漂っていたが,「PSO2」はそんな状況をものともせず多くのプレイヤーが集い,ここ数年まれにみる活況を見せている。
たとえば,NHN Japanの「TERA The Exiled Realm of Arborea」は,オープンβテスト開始日(2011年8月8日)の最大同時接続者数は4万8624人で,当時「ハンゲーム」で展開するタイトル中では過去最大の記録とされている(関連記事)。また,サービス中のオンラインゲームで同様のデータを過去のニュースからピックアップしてみると,ネクソンの「メイプルストーリー」が2011年11月19日時点で4万2000人,カプコンの「モンスターハンター フロンティア オンライン」が2010年6月27日時点で7万2530人(うちPC版は3万8333人)の同時接続者数を達成している。
これらの事例を踏まえても,「PSO2」の同時接続者数がオープンβテスト時点で8万人を超え,正式サービス後には10万人に迫る数字を達成しているというのは,国内最大級の記録といっても差し支えないだろう。
ちなみに,NHN Japanが運営するゲームポータルサイト「ハンゲーム」では,2010年10月30日に実施したイベントで,同時接続者数が21万2000人を突破したと発表している(関連記事)。国内最大級のゲームポータルサイトの最大同時接続者数の半分近くを,単独のタイトルで実現していると考えれば,すさまじい記録であることが分かってもらえるはずだ。
このような活況を生み出せたのは,セガの「ファンタシースター」チームが,「ファンタシースターポータブル」シリーズでブランドの裾野を広げつつ,オンラインマルチプレイのハードルを下げ,“5か年計画”で下地を作ってきたからこそのものなのだろう。
PC版の今後についても,月に1回程度の頻度でアップデートが実施され,定期的に新フィールド,エネミー,新武器カテゴリ,クラス,ストーリー要素などが実装されるなど,プレイヤーを飽きさせることなくコンテンツを提供しようという姿勢がうかがえる。
また,日本におけるオンラインRPGの立役者となった「ファンタシースターオンライン」の後継作という看板に頼らず,新しい挑戦をし続けている点にも期待したい。とくに,スマートフォンやPlayStation Vitaとの本格的な連携は,国内外のオンラインゲームで初となる取り組みであり,新しい可能性を感じられるものだ。
インタビュー中でも話題に上がったように,一部サーバーにおけるキャラクターの作成やログインの制限など,人気が集中するがゆえの未解決の問題も残っているが,これまで実施されてきたテスト時同様の,真摯な対応と迅速な対策に期待したいところである。
「PSO2」がこの勢いを維持して,オンラインゲーム業界を盛り上げてくれるよう,今後の展開にも期待したい。
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