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いよいよ「Kepler」が離陸体勢へ。「GeForce GTX 660M」などNVIDIAの次世代GPUを搭載したノートPCがCeBIT 2012の会場に並んだ
そのほかにも発表会場には,「GeForce GT 650M」という未発表GPUを搭載したノートPC「Aspire V3」や,GeForce GT 640M搭載のノートPC「Aspire V5」も展示されていた。
GeForce GT 650Mを搭載するAspire V3。グラフィックスメモリ容量は2GBとされる | |
GeForce GT 640Mを搭載するAspire V5 |
「Graphics Core Next」アーキテクチャに基づくRadeon HD 7000シリーズのラインナップ拡充をAMDが積極的に進めているため,傍目には劣勢に回っている気配のNVIDIAだが,同社のKeplerに対する信頼はいささかも揺らいでいないようだ。
1月の2012 International CESで,NVIDIAでテクニカルマーケティングを統括するNick Stan氏は,Radeon HD 7900シリーズでRadeon HD 6900シリーズに対して約1.5倍の性能向上が得られていることを引き合いに出しながら,次のように述べていた。
実のところNVIDIAは,2011年末から,将来のGPUで採用する要素技術の公開を始めており,その一部ではKeplerでも採用されると見られている。
一例を挙げておくと,NVIDIAは2011年末に開催された半導体関連の技術会議で,CUDA Coreの利用効率を向上させるべく,各コアでより多くのスレッドを処理できるようにするアプローチを紹介していた。そこで語られたのは,現行世代の製品において32スレッドで制御される「Warp」(=スレッドを束ねたバッチ)のスレッド数を大きくし,スケジューリングの改善と合わせることでGPUの利用効率を引き上げ,低消費電力化と高性能化を両立させよう,といった内容である。
その詳細は機会をあらためてお伝えしたいと思うが,NVIDIAのアプローチは「Intelの『Hyper-Threading』を思い浮かべてもらえれば分かるように,CUDA Coreの空きリソースをほかのスレッド処理に利用できるようにすることで,CUDA Coreあたりの処理性能を引き上げ,性能あたりの消費電力を引き下げられるようにする」(NVIDIA関係者)というものだ。
また,NVIDIAに近い関係者は,「Keplerでは,PhysXやDirectComputeの処理性能が向上する」と述べてもいるが,たしかにNVIDIA関係者の言うアプローチを採れば,グラフィクス処理よりも“軽い”演算処理を,CUDA Coreの空きリソースに割り当てられるわけで,性能向上を図れたとしても不思議ではないだろう。
いずれにせよ,こうしてCeBIT 2012の会場で搭載製品が実際に動作している以上,そう遠くない将来に,デスクトップPC向けモデルも含めて,Keplerの詳細が明らかになるはずだ。いよいよKeplerが離陸体勢に入ったと見てもいいのではなかろうか。
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