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NVIDIA,8基の「Tesla V100」を搭載するGPUアクセラレータ「HGX-2」発表
HGX-2は,2017年3月に発表となった「HGX-1」の後継となる製品で,Volta世代のGPU「Tesla V100」を8基搭載するのが特徴だ。LenovoやDELL EMC,HP Enterprise,Supermicroといったサーバーメーカーが,HGX-2を採用した製品を発売する予定で,発売時期は2018年下半期となっている。
基調講演を担当したNVIDIAのCEOであるJensen Huang(ジェンスン・ファン)氏によると,HGX-2は,マザーボード上に搭載した8基の「Tesla V100」を,
Huang氏は,HGX-2の細かなスペックについては明らかにしなかったものの,2018年3月にNVIDIAが発表したスーパーコンピュータ「DGX-2」は,HGX-2相当の基板を2枚搭載していると述べていた。DGX-2は,Tesla V100に32GBのHBM2メモリを組み合わせた「Tesla V100 32GB」を16基搭載していた。つまりHGX-2は,DGX-2を構成するGPU部分の基板を,OEMメーカーに単体で供給する製品であるようだ。したがって,スペックもDGX-2のちょうど半分と考えておけばいいだろう。
Huang氏によると,HGX-2は汎用性の高さもポイントで,用途としてはHPC分野やスーパーコンピュータ,AIのトレーニングや認識処理用を想定しているとのこと。用途ごとに適切な構成を取ることができるのも特徴だそうで,スーパーコンピュータ向け「SCX」,AIトレーニング向けの「HGX-T2」,同認識用の「HGX-I2」といった多様な構成がエンドユーザーに提供されることになるそうだ。
NVLinkベースのGPU相互接続技術「NVSwitch」を使用することで,2基のHGX-2を接続してGPUを16基にした構成も可能とのこと。そのためのバックプレーン「NVLink Plane Card」も提供するそうだ。
HGX-2の価格についてHuang氏は「20万ドル」と述べていたが,これがHGX-2単体の価格なのか,それとも搭載システムの価格なのは不明だ。構成ごとに当然価格は変わるであろうから,実際の製品価格はOEMメーカー次第となるだろう。
なお,Huang氏による基調講演では,HGX-2のほかにも,NVIDIAが取り組むAI技術に関する話題や,応用分野としての医療向けイメージング技術,リアルタイムレイトレーシング技術「RTX Technology」といった話題が扱われている。ただ,いずれも2018年3月に行われたGTC 2018の基調講演の内容をなぞったもので,HGX-2を除けば,今回が初という話題はなく,当然ながらゲーマー向け製品がサプライズで発表されるようなこともなかった。
ただ,2018年6月4日には,COMPUTEX TAIPEI 2018に合わせてNVIDIAがイベントを行う予定なので,ゲーマー向けの発表が何かあるとすれば,こちらで取り上げられるはずだ。その内容に期待したい。
NVIDIAによる当該プレスリリース(英語)
NVIDIAのHGX-2製品情報ページ(英語)
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NVIDIA RTX,Quadro,Tesla
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